名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

第199回名南将棋大会(壱)速報

2019-07-06 | 名南将棋大会

今日は第199回名南将棋大会(壱)を開催しました。参加された皆様ありがとうございました。

結果速報です。

A級優勝

野村櫂さん

渡邊俊幸さん

B級優勝

丹羽拓郎さん

坪井康宏さん

C級優勝

加藤大樹さん

D級優勝

近藤悟さん

森本直人さん(写真を撮る前に帰られたので古い写真です)

優勝された皆さんおめでとうございます。

参加いただいた皆様ありがとうございました。

 

次回は第200回記念大会です。3人制団体戦ですので注意してください。

壱 にもR1600点くらいの方がプラス20人位欲しいですし

弐 にもR1800点くらいの方がプラス10人位欲しいです。

 

 

 

 

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大山将棋問題集20190706

2019-07-06 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

どの応手もありそうなのですが、56銀をさばかせたくはありません。

A 56歩  B 44同金  C 44同角

 

第2問

 

駒損なのでゆっくりしたくないです。

A 38銀  B 35歩  C 46歩

 

第3問

と金は作っていますが駒損なので取り返したいです。

A 55歩  B 57歩  C 33金

 

第4問

 

ずいぶんのんびりしているようですが、案外に早いです。

A 33金  B 46歩  C 95歩

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大山将棋研究(1303);四間飛車に急戦(加藤一二三)

2019-07-06 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190706

昭和43年3月、加藤一二三先生と第17期王将戦第6局です。

大山先生の四間飛車です。

加藤先生は急戦のようですが、57銀右で中央位取りねらいでしょうか。

大山先生は位取りを嫌って54歩、さらに52銀と引くのが珍しい手ですが45歩に備えています。24歩同歩35歩同歩45歩同歩33角成同桂24飛まで進めば居飛車の仕掛け成功ですが、45歩を取らずに32金とかするのでしょう。

加藤先生は桂を跳ねて後手からの45歩に備えるというか、45歩から攻めるのが自然ですが、32金とされては決行できません。

55歩同歩66銀で5筋の歩を交換します。55同角のほうが手得しそうですが

その場合は54歩を打ってもらえないわけで、一長一短です。

銀を立て直して攻めをねらいます。

65同銀は55歩で銀ばさみですね。(歩切れなので一応はありますが。)ここから加藤先生が仕掛けるのですが、後手陣に隙が無いのでやや無理な感じです。

ねらいとしては角交換からしかありません。45同歩ならまあまあ手が続きそうですが

55歩で角筋が止まりました。44歩を取り込んで

銀をかわしましたが、大山先生の35角は好位置です。

左桂も使えました。後手が良さそうです。

銀を引かれると角取りなのですが

思い切って角を切り

38銀をねらいます。

ところが45桂同桂同銀に38銀ではなく46歩?46同金には57銀でこのほうが筋が良いと気が変わったのでしょう。

56金には と金を作ります。

端角には手堅く銀を打って

単に55歩ではぬるいので、57歩は同歩55歩という意味です。57同金でしたが

金を取って84桂は手筋。後手の攻め駒が少ないので速い攻めではありませんが、加藤先生は受ける金銀がありません。

22飛成から34角は反撃なのですが、後手玉が堅いのでまだ受けねばなりません。

こんな遅い感じの攻めでも寄せ合いは勝てません。27竜から受ければ長いですが

56歩の受けは57歩同金47金。これは受けにくいです。

金を取らせて桂を外しましたが

と金を作られて受けが無くなっていきます。55桂からの反撃を選びました。

55同銀に53角成同金61角成は勢い。結構受けにくそうですが、先手玉も危なくなっています。

どうやら詰みが無いようですが

金を打たれて詰めろは続きません。

必至がかかってここまで。

 

昔の将棋には5筋の歩を交換して56銀から45歩をねらうというのが出てきますが、遅い攻めなので振り飛車は対応しやすいです。加藤先生がおかしな手を指していないと思うのですが、互角になるところがあったかどうか。作戦負けなのでしょうね。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/03/12
手合割:平手  
先手:加藤一二三8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5六歩(57)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 5八金(49)
16 8二玉(72)
17 3六歩(37)
18 7二銀(71)
19 6八銀(79)
20 4三銀(32)
21 5七銀(48)
22 5四歩(53)
23 9六歩(97)
24 9四歩(93)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 4六歩(47)
28 5二銀(43)
29 4七金(58)
30 6四歩(63)
31 3七桂(29)
32 3二金(41)
33 5五歩(56)
34 同 歩(54)
35 6六銀(57)
36 6三銀(52)
37 5五銀(66)
38 5四歩打
39 6六銀(55)
40 7四歩(73)
41 5七銀(66)
42 4三金(32)
43 5六銀(57)
44 5二飛(42)
45 2六飛(28)
46 6五歩(64)
47 2四歩(25)
48 同 歩(23)
49 3五歩(36)
50 6四銀(63)
51 4五歩(46)
52 5五歩(54)
53 4四歩(45)
54 同 角(33)
55 4五銀(56)
56 3五角(44)
57 2九飛(26)
58 4六歩打
59 4八金(47)
60 3三桂(21)
61 4四歩打
62 4二金(43)
63 5三歩打
64 同 飛(52)
65 3六銀(45)
66 4七歩成(46)
67 同 金(48)
68 6八角成(35)
69 同 金(69)
70 5六歩(55)
71 5八歩打
72 3五歩(34)
73 4五桂(37)
74 同 桂(33)
75 同 銀(36)
76 4六歩打
77 5六金(47)
78 4七歩成(46)
79 9七角(88)
80 6三銀打
81 2四飛(29)
82 5七歩打
83 同 金(56)
84 同 と(47)
85 同 歩(58)
86 8四桂打
87 2二飛成(24)
88 5二金(42)
89 3四角打
90 7六桂(84)
91 5八金(68)
92 4六歩打
93 5六歩(57)
94 5七歩打
95 同 金(58)
96 4七金打
97 7七歩打
98 5七金(47)
99 7六歩(77)
100 4七歩成(46)
101 5五桂打
102 同 銀(64)
103 5三角成(97)
104 同 金(52)
105 6一角成(34)
106 8六桂打
107 8八玉(78)
108 7九角打
109 7七玉(88)
110 6八角成(79)
111 8八玉(77)
112 7八桂成(86)
113 9八玉(88)
114 5二金打
115 1一龍(22)
116 7九馬(68)
117 投了
まで116手で後手の勝ち

 

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20190706今日の一手(その901);「両取り逃げるべからず」?

2019-07-06 | 今日の一手

 

20190706今日の一手

5月2日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

銀と飛歩歩の交換で馬を作っていますから先手の駒得です。終盤なので重視しません。

玉の堅さは後手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は持ち駒飛金銀桂桂で5枚。十分にあります。(4枚以上は同一視します。)

後手の攻め駒は39角と持ち駒金銀桂で4枚。こちらも十分です。

 

総合すれば後手もちです。

 

☆ 大局観として

両取りに角を打たれました。66角成のほうが厳しくて、でも持ち駒は多いのでまだ受けはありそうです。28角成とされると駒損ですし、馬が後手玉の守りにも働きます。

ですから「両取り逃げるべからず」ではなくて(直感的には)受けるのだろうと思います。

先手からの攻めは86桂は詰めろですが受けられて続くかどうか。駒を打たせて長い戦いにすることも考えます。後手の34銀21桂が守りに役立っていなくて取られるだけなので、余計に長い戦いは好ましいです。

 

 

× 実戦は24飛でした。

66角成77金

馬を切られてもまだ詰みはないです。でも馬を逃げてもらって21飛成でもまだ後手玉は詰めろではないですから、寄せ合い負けは明らかです。79銀同玉77馬と攻められて

この詰めろは受けにくく、寄せ合いとしては2手以上負けています。

 

 

× 86桂を打てば

後手玉は詰めろです。66角成77金56馬

これは詰めろ逃れの詰めろで返されます。67銀46馬74桂92玉

金銀を守りに使うと(金を取られたので駒損ですし)攻め駒が足りず飛取りが残っては悪いです。

 

○ 68飛と逃げるのが自然な手です。

一応両取りは受かりますから。ただこれを指しにくいというのは57銀(や57角成)があるからですが、67金68銀成同金28飛58桂

後手が歩切れということもあり、57金か46桂の攻め方しかないでしょう。57金~68金~58飛成としても詰めろではない(46桂~58桂成~68成桂としても同じ)現状は4手すきですから余裕があります。57金86桂68金74桂92玉82金93玉91金58飛成85銀

39角の危機に注意しながら平凡に寄せ合うとこれくらいの図で先手の1手勝ちです。

 

86桂に63銀と受けると

64歩~63歩成というのでも勝ちですが、94桂同香91銀

39角の利きが止まっていれば、91同玉に93銀という(金を持っていなければ)必至もあります。

 

46桂のほうも

あまり違いはありません。86桂63銀には64歩

73銀には54馬

84金と守れば(金を手持ちにしていました)65馬

74桂や55馬ねらいです。

 

後手が工夫するとすれば85桂

89桂や86銀と受けても良いのですが、一番頑張ると67金と節約します。77金同金79銀

節約は怖いのですが、79同玉77桂成に81金

持ち駒が豊富なので81同玉61飛成から後手玉が詰みます。

 

 

○ 持ち駒を打つ方が手堅い原則で、48飛打のほうが良い受けです。

飛角交換は歓迎で、取らずに57銀(とか37銀とか37金とか)の両取りがありますが86桂

先手玉は何手すきかわからないくらいの状態ですから、74桂と跳ねるほうが厳しいです。84金65馬48銀不成38飛

飛1枚とられましたが駒は取り返せるでしょう。後手の攻め駒は2枚だけ、先手有利です。

 

後手としてはやはり85桂を打っておくと

攻防の意味があるのですが、86銀57銀65馬48銀不成55馬73金38飛

85銀が楽しみです。(こういう変化で後手の歩切れがたたります。)

 

 

△ 68飛打でも同じような気はしますが、かなり違うのです。

57銀には67金68銀成同飛

後手の歩切れが大きく、これは先手が楽をしています。

 

代わりに77金と捨てて

77同玉85桂88玉77銀

強引に攻められるのが欠点です。79玉68銀成同飛77桂成

78金68成桂同金

飛と金桂歩歩の交換で、ずいぶん先手の駒得なのですが、持ち駒の金銀を守りに打つまでは安心できません。形勢は互角なのでしょう。

 

 

△ 67金と逃げると

28角成は痛いですが、86桂85銀66桂73馬65馬64金

86桂や66桂が入り、後手玉を固めさせたものの後手の戦力は減っています。21馬から駒を取れば長くなっても少し先手有利です。

 

 

△か× 78金と打てば

66角成はあまり怖くなくて、28角成86桂85銀65馬

同じような感じではありますが、66桂を打てないので少し損をしているのかも。後手の攻め駒が多いです。

 

 

△か× 65馬を先にしても

大きくは違いません。28角成86桂85銀

78金と打てば前の変化と同じです。

 

 

△ 後は78飛として

66角成77金

とするほうが連結が良いので瞬間は先手玉が堅くなります。56馬64桂

金銀と飛歩歩の交換は少し損ですが、寄せ合いは難しいです。後手も銀を逃げるか85桂や67銀と攻めるか、形勢不明です。

 

☆ まとめ

「両取り逃げるべからず」というのは変な将棋格言で、逃げて取らせて取り返す場合、片方は逃げざるを得ない場合、というほうが大多数です。ただし、たまには逃げないでほかの手を指すのが好手ということもあるので無視できないです。

格言に従う86桂では金を取られて詰めろ逃れの詰めろで負け筋でした。

実戦の24飛は、大きい方を逃げても小さい方を取られるだけでも大損害でした。(受ける意味では18飛のほうがましだったとも言えます。)

小さい方を逃げる67金は案外に有力です。先手玉が少し堅くなり、角の脅威が減り、66桂を打てました。

68飛が普通の手で、この両取りは受かります(片方は取られるのですが取り返せる)。でも57銀で再度の両取り、67金と逃げて飛を取らせて・・・両取りばかり食らっていますが、飛銀の交換でしかないので、元が駒得ならば受けていても良いかもしれません。そこからの寄せ合い速度を計算すると、先手の1手勝ちでした。

48飛打はたまにしか出てこない受け方ですが、持ち駒を打つ方が手堅い原則です。先手玉が詰めろになるまでの時間を稼げるので、後は攻めるほうを中心に考えます。

68飛打でも同じようですが、これは「玉飛接近すべからず」でちょっと危ないです。

 

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