先手番大山先生の手を考えます。
第1問
玉頭位取りが完成しているので強く動けます。
A 65歩 B 44飛 C 43歩
第2問
ここが急所です。
A 85歩 B 64歩 C 41飛成
第3問
流れるような手順です。
A 84銀 B 95歩 C 84歩
第4問
攻めるところは?
A 94歩 B 84歩 C 74歩
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
玉頭位取りが完成しているので強く動けます。
A 65歩 B 44飛 C 43歩
第2問
ここが急所です。
A 85歩 B 64歩 C 41飛成
第3問
流れるような手順です。
A 84銀 B 95歩 C 84歩
第4問
攻めるところは?
A 94歩 B 84歩 C 74歩
今日の棋譜20190710
昭和43年4月、升田幸三先生と第27期名人戦第3局です。
升田先生の中飛車です。
大山先生は玉頭位取りに。
升田先生はここでも中飛車の54銀にこだわりました。
大山先生は中央の位も取ってしまったのですが、これは指しすぎです。一間飛びの位はだめだと教わりました。(偶数の一間飛びは悪くないですが。)両方の位を保つのは難しいです。
升田先生は中央の歩を交換し
63に銀をもっていったのは良いですが、72飛は凝りすぎでした。先手の66角が良い位置になるからで
後に74歩同歩同銀左75歩65銀というような順を期待していたのだと思うのですが、角を引かれて2筋が危なくなり
どうにか受けましたが
結局位はそのままです。
23歩を打たされ
組みあがったところは形勢互角とはいえ大山先生が十分です。
45歩に46歩で戦いが始まり
升田先生は4筋を受けるのではなく中央へ。
45歩も打たずに金をぶつけました。
大山先生は飛を成るのではぬるい(好みではないですし)ので8筋を攻めます。潜在的に57角の利きがあるのでかなり感触の良い手です。
升田先生は角に働きかけますが
銀冠が崩れてしまうので不利になっていきます。
角は取りましたが、玉頭戦では角より金銀のほうが使いやすいものです。
大山先生は飛を走った手が銀取りで
飛を追い
端を攻め(銀頭は急所です)
単純に94歩を取れるのですね。
84飛が実現すれば、93玉には94飛が利きます。(その前に82銀同金を入れるのでしょう。)
銀を取って、金銀の枚数が違います。玉頭戦の厚みが違うということです。
飛を移動して74歩から攻めました。
升田先生も反撃しますが、先手玉は広いです。
単純な攻めが受けにくくて
金を打たれて、77と から突撃しましたが
ここまで。
升田先生の振り飛車は面白い構想が多いのですが、力強くはありません。ちょっと無理気味に(見える)切り込んで、実はちゃんとつながっていたというのが勝ちパターン。本局は作戦負けで力が出せませんでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/04/25
手合割:平手
先手:大山名人
後手:升田幸三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 5八金(49)
10 5二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 6八銀(79)
16 8二玉(72)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 7七銀(68)
20 7二銀(71)
21 7五歩(76)
22 6四歩(63)
23 5七銀(48)
24 8四歩(83)
25 7六銀(77)
26 8三銀(72)
27 8六歩(87)
28 5四銀(43)
29 5五歩(56)
30 6三銀(54)
31 5六銀(57)
32 5四歩(53)
33 同 歩(55)
34 同 銀(63)
35 5五歩打
36 6三銀(54)
37 6八金(69)
38 7二飛(52)
39 6六角(88)
40 5二金(41)
41 2五歩(26)
42 3三角(22)
43 5七角(66)
44 5三金(52)
45 2四歩(25)
46 同 歩(23)
47 同 角(57)
48 2二飛(72)
49 2五歩打
50 5二金(53)
51 5七角(24)
52 2三歩打
53 6六歩(67)
54 7二金(61)
55 6七金(58)
56 4三金(52)
57 7七桂(89)
58 4五歩(44)
59 4六歩(47)
60 同 歩(45)
61 4八飛(28)
62 4四金(43)
63 4六飛(48)
64 5二飛(22)
65 6五歩(66)
66 5五金(44)
67 同 銀(56)
68 同 飛(52)
69 8五歩(86)
70 4五歩打
71 3六飛(46)
72 4六銀打
73 8四歩(85)
74 同 銀(83)
75 8三歩打
76 同 玉(82)
77 8五歩打
78 9三銀(84)
79 6四歩(65)
80 5七銀成(46)
81 同 金(68)
82 6四銀(63)
83 3四飛(36)
84 6三歩打
85 5六歩打
86 5一飛(55)
87 6五歩打
88 5三銀(64)
89 9五歩(96)
90 同 歩(94)
91 同 香(99)
92 9四歩打
93 同 香(95)
94 同 銀(93)
95 8四飛(34)
96 9二玉(83)
97 9三歩打
98 同 桂(81)
99 9四飛(84)
100 8一玉(92)
101 3四飛(94)
102 8六歩打
103 7四歩(75)
104 9六角打
105 6八玉(78)
106 8七歩成(86)
107 7三歩成(74)
108 同 金(72)
109 7四歩打
110 7二金(73)
111 7三銀打
112 7一香打
113 7二銀成(73)
114 同 玉(81)
115 4三金打
116 7七と(87)
117 同 金(67)
118 5九銀打
119 同 玉(68)
120 7七角成(33)
121 4八玉(59)
122 投了
まで121手で先手の勝ち
20190710今日の一手
5月2日の名南将棋大会から、HさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
桂歩歩と銀の交換で持ち歩がありますから先手がわずかに駒得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は28飛と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は95角と持ち駒飛で2枚。
総合すれば先手有利です。
☆ 大局観として
形勢判断の3つの要素すべてで先手がわずかながら上回っていますから選択肢は多いです。大まかには攻めるか受けるか。その中間もあります。
攻めるには持ち歩が少ないのが悩みです。45銀を使えれば攻め駒が4枚になるのですが。
受けるなら後手の攻め筋がわかっていないといけません。59角成は厳しくないから、86歩同歩87歩同金85歩、後手のほうは持ち歩が多いので玉頭攻めが厳しいです。これを受けておきます。
△ まず考えるのは34歩でしょう。後手の逃げ方もよくわかりませんが42銀だとして
大きな利かしですが先手が歩切れになります。継続の攻めが見えないので得かどうかよくわかりません。
△か△ 34銀打ならば
23銀成もあります。後手も受けないで86歩同歩87歩同金85歩
この攻め合いがどうかですが、23銀成86歩77金左85桂32成銀同玉
難しい寄せ合いですが後手もちでしょう。(これ以外の変化もありそうです。)
△ 22歩を打って
22同玉を誘うというのは角換わりの手筋です。34銀打が
より厳しくなって、41角のねらいがあります。後手は31桂か24桂か受けてどうなるか。
× 15歩は
15同歩ならば大きな利かしで持ち歩の補充もできます。でも手抜かれて59角成14歩86歩同歩87歩
この後手の攻め筋は59馬の状態のほうが厳しいのです。後手有利でしょう。
○ 攻めと受けの中間というのは64歩です。
63歩成~73と が飛当たりになるので後手は手を抜きづらいです。64同金は71角52飛61銀
53角成とできれば王手金取りです。
64歩に62金と引けば
71銀72飛62銀成同飛71角
金はさばかれていますが、53角成も大きいし、後手の飛が移動すると8筋攻めを緩和できます。
54金は
54同銀同歩63歩成
のんびりしているようですが、86歩64角22玉73と
64角が好点で、桂を払って優勢です。
○か△ 83銀も見えます。
83同飛72角71桂63角成同桂61飛
銀を捨てても金を取り返せるので悪くはないです。
後手が飛を逃げると
72角62金81角成
これは長くなりそうですが後手からの攻めを緩和できています。
△ 71銀というのは
相矢倉の将棋でたまに出る終盤の手筋です。ちょっと早いような気はするのですが、72飛には81角がありますね。84飛で効果が見えませんが、72角(か52角)62歩61角成86歩同歩87歩同金85歩同歩
後手の飛が近いので受けやすい意味があります。
71銀に42飛
71銀は遊んでいるような、受けに役立ったような。
× 61角だと
62金71銀61金82銀不成37角
銀を手放しての角飛交換というのは損です。81飛があるので悪手というほどではありませんが。
△ 実戦は29飛でした。
これは59角成を受けたのですが、86歩同歩87歩同金85歩
玉頭を攻められると29飛よりも28飛のほうが守備に働いていたということはあります。85同歩86歩96金(77金左もある)85桂
ここまでしかわからないのですが、すぐに終わっているので95金87歩成同玉(79玉でまだ難しい)97桂成
きれいに攻められて負けたのかもしれません。途中は(つぶれそうでも)つぶれてはいないです。
△ 受けとしては77銀65桂打とか
77銀打65桂打とか
77金寄65桂打とか
どれも駒得は消えるのですが形勢は互角です。
× 77角という受けは
77同角成同銀37角
後手から右翼のほうを攻められて悪いです。
☆ まとめ
後手玉を直接攻めるよりも後手の攻め駒を責めるほうが有効なことがあります。「B面攻撃」と呼ばれます。(レコード時代の用語なので若い方にはピンとこないでしょうが。)
後手の82飛が8筋から移動すると先手玉の受けにもなるのです。後手の63金が中途半端な駒でしたから攻撃目標にできます。