名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20190724

2019-07-24 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

ほぼこの一手です。

A 65歩  B 59角  C 45歩

 

第2問

 

平凡ですがこれで有利です。

A 72歩  B 74銀  C 83銀

 

 

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大山将棋研究(1321);四間飛車に左64銀急戦(有吉道夫)

2019-07-24 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190724

昭和43年9月、有吉道夫先生と第9期王位戦第6局です。

大山先生の四間飛車です。

有吉先生は75歩の急戦です。いつもの大山先生ならば78金でしょうか。

おとなしく78飛だったので左64銀急戦になりました。

有吉先生は第5局と同じく75歩を打つ準急戦を選びました。後手三間飛車と先手四間飛車ですから手数は同じです。

ここで74銀が普通なのですが

64歩を先にしたら76歩で

銀が75まで進めば居飛車成功ということが多いですが、これは結構難しいです。77角成同飛76歩同銀66銀というのは6筋で歩がぶつかっているので先手もちか。77角成同飛74歩76歩86歩75歩87歩成76飛77と は互角でしょう。

有吉先生は55歩と止めて74歩。これが一番おとなしい感じですが

76歩に86歩を決行しにくくなっています。銀を引かされて

64歩を取り返すために金が出ていくのでは不満でしょう。

6筋の位を目指して動きたくなるのはわかるのですが、後手玉が薄いので危ない感じがします。

金を引いて銀ばさみの形ですが

銀を逃げると65銀は殺せません。

銀を取らせて銀ばさみだと

銀を交換しただけです。端を詰められて少し後手が指しにくいでしょう。

大山先生は65歩を取り、高く受けさせて95角。51角成を見ます。

86歩には77桂が振り飛車のさばきですが、76銀か74銀か54金か、65桂を受けられたらどう指したのでしょう。

87歩成はありがたくて、左桂を跳ねるのが気持ちよいです。

飛車先を止めて74銀。これで先手有利でしょう。

有吉先生は飛を追って65桂を取り

その桂で受けるのですが、いかにも苦しい順です。83歩成同桂は大丈夫ですが

銀を打ちこまれて困りました。

飛車取りはどうにもならないのですが93歩?

角を追って

97香は取りましたが

駒損がひどいので早い投了となりました。それでも119手ですが。

 

大山先生が居飛車急戦に対して素直に応じることは少ないのですが、きれいにさばいてまねをしやすい将棋もあります。本譜は飛を攻めただけで終わりましたが。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/09/29
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:有吉道夫8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 1四歩(13)
13 1六歩(17)
14 5四歩(53)
15 2八玉(38)
16 5二金(61)
17 3八銀(39)
18 7四歩(73)
19 6七銀(78)
20 4二銀(31)
21 4六歩(47)
22 5三銀(42)
23 3六歩(37)
24 8五歩(84)
25 7七角(88)
26 7五歩(74)
27 7八飛(68)
28 6四銀(53)
29 5八金(69)
30 4二金(41)
31 9六歩(97)
32 9四歩(93)
33 2六歩(27)
34 7六歩(75)
35 同 銀(67)
36 7五歩打
37 6七銀(76)
38 7三銀(64)
39 9七香(99)
40 6四歩(63)
41 7六歩打
42 7四銀(73)
43 7五歩(76)
44 同 銀(74)
45 6五歩(66)
46 5五歩(54)
47 5九角(77)
48 7四歩打
49 7六歩打
50 8四銀(75)
51 6四歩(65)
52 5三金(52)
53 6六銀(67)
54 6四金(53)
55 6五歩打
56 5四金(64)
57 4七金(58)
58 7三銀(84)
59 7七角(59)
60 6四歩打
61 6八飛(78)
62 6五歩(64)
63 同 銀(66)
64 5三金(54)
65 7五歩(76)
66 同 歩(74)
67 7四歩打
68 6四歩打
69 7三歩成(74)
70 同 銀(62)
71 9五歩(96)
72 6五歩(64)
73 9四歩(95)
74 9二歩打
75 6五飛(68)
76 6四銀(73)
77 6九飛(65)
78 6五歩打
79 9五角(77)
80 8六歩(85)
81 7七桂(89)
82 8七歩成(86)
83 6五桂(77)
84 5二金(53)
85 8三歩打
86 同 飛(82)
87 8四歩打
88 8二飛(83)
89 7四銀打
90 7八と(87)
91 6六飛(69)
92 5六歩(55)
93 同 飛(66)
94 6五銀(64)
95 同 銀(74)
96 8八角成(22)
97 7四銀(65)
98 7一桂打
99 6四歩打
100 6二歩打
101 8三銀打
102 5五歩打
103 9六飛(56)
104 9三歩(92)
105 8二銀(83)
106 9四歩(93)
107 5九角(95)
108 6九と(78)
109 3七角(59)
110 9五歩(94)
111 8六飛(96)
112 9七馬(88)
113 6六飛(86)
114 8八馬(97)
115 6九飛(66)
116 7八馬(88)
117 6五飛(69)
118 9六馬(78)
119 7二飛打
120 投了
まで119手で先手の勝ち

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20190724今日の一手(その910);相手の持ち駒も読む

2019-07-24 | 今日の一手

20190724今日の一手

 

6月9日の名南将棋大会から、KさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしとします。

玉の堅さは同じくらいです。

先手の攻め駒は45桂34飛と持ち駒角で3枚。

後手の攻め駒は81飛54角で2枚。

 

総合すれば互角か先手もちです。

 

☆ 大局観として

相掛かりに分類されるのでしょうが、先手が右桂を跳ねて横歩を取ったら、空中戦のようなものです。横歩取り戦型とも似ています。飛角桂で3枚しか攻め駒がないので(左桂も使えると4枚ですが)攻めがきれいに決まることは少なく、どこで戦っていいものやら分からないので、私は敬遠しているのですが。

さて跳ねてしまった45桂はいつか取られるでしょうから、のんびり駒組みに移るわけにはいきません。幸いにしてというか予定の行動なので、先手陣は飛角の打ち込みは28だけなので対応しやすいです。飛角を切ってでも食いついてしまえば勝ちやすいです。なるべく駒損をしないで攻める手段があるでしょうか。

問題図は後手が角を打って桂取り、64飛を防いだところです。しかしこれが危ない手でした。欲張らないで63銀としておいて、先手に継続の攻めがあったかどうか。歩を打てるのが2筋だけなので難しかったはずです。(先手としては3筋の歩を取らずに、35歩同歩と突き捨ててから34飛や33歩をねらう方が攻めやすくなります。)

 

 

☆ 簡単なまとめ

54飛同歩17角が厳しいです。

切られそうなところに角を打ったのが後手の失敗でした。

 

 

○ 桂取りを受けるのが普通の手で46歩。

後手のねらいとしては23銀35飛24歩

飛の捕獲です。

 

先手はこれを避けて23銀に54飛

54同歩に17角(角はどこからでも良いです)というのが厳しい手です。

金をどう逃げても、ひもをつけても53角打です。52金53角打41玉71角成

先手陣に怖いところがないので楽勝です。

 

後手としては63銀として

飛切りに備えます。35角23銀54飛

54同銀72角

強打が続きます。82飛には54角成同歩53銀ですから

72角に同金のほうも

53角成41玉54馬

先手の駒損と言っても飛銀交換は1対1です。馬ができて桂も使えるので優勢に近いです。

 

 

△ 実戦は56角でした。

角には角で悪い手ではないです。23銀に54飛同歩35角

この筋に気が付いたのが遅かったのでしょう。56角が手持ちならば攻めやすかったのです。63金の受けがあり、66歩55歩を入れて(入れないほうが良さそう)74角

74同金53角成41玉22歩同金62馬

銀取りと53桂成がありますから飛損でも結構指せます。後手としては32飛53桂成45角

攻防に飛角を打てば有利でしたが、こういうのは見えにくいですね。(66歩55歩を入れていなければこれはありません。)

 

さて実戦では2つ前の図から56歩72馬57歩成

これは57同玉に52飛というねらいでしたが、実は53桂不成

桂を捨てて馬取りを防げるので先手優勢でした。

 

玉を逃げたので

56角が詰めろで後手有利のはず。32玉81馬と進んで先手優勢のはずが少し後の詰みを逃して後手Kさんの勝ちという逆転続きの1局でした。

 

 

○ さてここまで見てきて、飛を追われる前に切ってしまえば良いのではないかと気が付いたでしょう。

54飛には同歩しかないですから17角まで必然です。

52金53角打41玉71角成

46歩23銀が入っていなくても(後手が得している)先手優勢です。

 

先ほどは触れませんでしたが、17角には44飛とするのが一番粘れそうです。

35角打も見えますが、44同角同歩53角同金62飛

瞬間は角損ですが、これがぴったりの順です。52金72飛成51飛53銀

45桂が残っているうちに寄せきれます。

 

後手が飛を捨てて、2つ前の図から45歩81竜

このほうが長いとはいえ、先手は駒得で攻めているのですから優勢に近いはずです。

 

 

○ あとは工夫ですが15角の王手。

33歩54飛同歩26角

33歩を打たせているだけ先手の得です。

 

後手は駒損を言っている場合ではないので33銀

これは54飛同歩26角44銀

という受けを用意しています。

 

よって先手は33同桂成から別の攻め筋を考えねばなりません。

33同金は54飛同歩22銀が厳しく、33同桂には24銀41桂33飛成

33同桂34桂(飛から行くのはこの桂を打ちたかった)52玉33銀成

後手玉を6,7筋のほうに追うのはちょっと嫌ですが、駒損もなく攻めていけます。

 

 

△ 24角だと

33銀同桂成同桂

今度は24銀を打てません。先手が駒得だけれど攻めを継続するのは大変です。

 

 

△か× 32飛成は

32同玉55金63角

後手玉が薄くなるので飛切りも悪くなさそうですが、ここで64金と出られないのでは不満です。46歩28飛64金37歩39金

難しい攻防ですが24飛成が手厚いので後手もちでしょうか。

 

 

× 35飛は桂にひもをつけていますが

44歩で桂を取られそうです。75歩としてカバーできるかどうか。

45角(66桂ねらい)同飛同歩74歩65桂66歩

桂は取り返せても66桂がありますね。後手が有利になりそうです。

 

 

× 後は53桂成とか不成とか

53同金しかないので手が続くかもしれません。62角63金26角成

桂損で馬を作っただけではちょっと足りません。

 

あるいは62角に33銀と受けられて

54飛同金26角成のほうでしょうか。

どちらも駒損なのです。

 

 

☆ まとめ

戦型ごとの手筋というか、有利になりそうな手があるのですが、自陣が飛を渡しても良い形ならば(「一段金に飛捨て有り」)飛を切ってみる(あるいは捨ててみる)ことです。

実戦では追い込まれてから飛角を切ることになったのですが、最初から切って手が続きました。こういうのを考えにくいというのは、相手の持ち駒を読んでいないからでしょう。頭の中の将棋盤に持ち駒のスペースがあるでしょうか?私の中にもなかったのですが、最近になって少しずつ考えられるようになりました。これは意識すれば鍛えられます。

なんとなく角を打つ手が見えるけれど(これはその戦型の将棋を指す、並べることで思い浮かびます)、相手が小さい駒を持っていれば44に打たれるから成立していないこともあるでしょう。相手の持ち駒次第です。飛では受けにくいのです。

飛を切れそうなときは切ってどうかと考えます。敵陣に打ち込めなくても、良さそうな自陣角がないかと考えてみましょう。

 

 

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