後手番加藤先生の手を考えます。
第1問
35銀はお勧めできません。強攻されました。
A 75銀 B 13角 C 77飛成
第2問
筋よく攻めます。
A 77竜 B 75銀 C 75歩
第3問
先手の44歩が嫌です。
A 53金打 B 64角 C 36歩
第4問
実戦詰め将棋です。
後手番加藤先生の手を考えます。
第1問
35銀はお勧めできません。強攻されました。
A 75銀 B 13角 C 77飛成
第2問
筋よく攻めます。
A 77竜 B 75銀 C 75歩
第3問
先手の44歩が嫌です。
A 53金打 B 64角 C 36歩
第4問
実戦詰め将棋です。
今日の棋譜20190702
昭和43年2月、加藤一二三先生と第17期王将戦第3局です。
大山先生の向い飛車です。
加藤先生の棒銀も定番です。
7筋の歩を突き捨ててから銀を出るのは
大山先生の袖飛車を意識したものでした。大山先生も3筋の歩を突き捨ててから飛をまわります。
加藤先生は銀で受けて
大山先生は74歩72飛を利かせてから45歩を突いて
銀を出ていくのは当然のようですが、これは失敗するほうが多いです。少し前にもありましたね。
加藤先生は早々と飛を切って13角。35角同飛46角のねらいです。受けるなら36歩ですが34歩26銀57角成で困ります。
大山先生は34歩から48金。こうなれば35角同飛46角は必然で
大山先生は飛を打って受けました。
加藤先生は飛を取って89飛から
86飛成で両取り。駒損は消えそうです。
58角の辛抱に77竜ではなくて75銀と使うほうが筋が良いです。
その後で桂を取れます。
大山先生は駒損になりましたから、角を打ち込んで
91角成は良いのですが、73桂で馬が使えません。加藤先生は攻め駒が増えたし、自玉は堅いので攻めるだけです。46銀から
57銀打、平凡に攻めていきます。
大山先生の49香は攻防手で
銀も打って4筋攻めをねらいます。
加藤先生の36歩が軽い手筋で、36同飛には25金~35金で安全です。
大山先生はすぐに44歩とはできないので65歩を打ったら37桂。打ち込まれて困りました。清算してもだめでしょう。
44歩で攻め合いを選びましたが、29桂成同玉37桂
49香を取られて、攻めが厳しくありません。この成桂も取れず
手厚く金を打たれて困っています。
44歩同金同銀36金というのは金飛の取り合いですが、先手玉が詰めろです。
ここまで。
大山流の袖飛車をまねする人は少ないのですが、飛と右銀で攻めようとしてもうまくいかないから、というのが理由の一つです。急戦のけん制はわかりますが、それ以上の明確なねらいがないのです。だから誰もまねをしなくて、研究されないから何度でも使えるというのが気に入っているのでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/02/07
手合割:平手
先手:大山王将
後手:加藤一二三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 6六歩(67)
10 6二銀(71)
11 6七銀(68)
12 4二玉(51)
13 8八飛(28)
14 3二玉(42)
15 4八玉(59)
16 5二金(61)
17 3八玉(48)
18 7四歩(73)
19 2八玉(38)
20 4二銀(31)
21 3八銀(39)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 6四歩(63)
25 9六歩(97)
26 5三銀(42)
27 4六歩(47)
28 4二金(41)
29 3六歩(37)
30 7三銀(62)
31 4七銀(38)
32 7五歩(74)
33 同 歩(76)
34 8四銀(73)
35 3五歩(36)
36 同 歩(34)
37 3八飛(88)
38 8六歩(85)
39 同 歩(87)
40 4四銀(53)
41 7四歩(75)
42 7二飛(82)
43 4五歩(46)
44 3三銀(44)
45 4六銀(47)
46 7四飛(72)
47 3五銀(46)
48 7七飛成(74)
49 同 桂(89)
50 1三角(22)
51 3四歩打
52 2二銀(33)
53 4八金(49)
54 3五角(13)
55 同 飛(38)
56 4六角打
57 3七飛打
58 7六歩打
59 同 銀(67)
60 3五角(46)
61 同 飛(37)
62 8九飛打
63 7九歩打
64 8六飛成(89)
65 5八角打
66 7五銀(84)
67 同 銀(76)
68 同 龍(86)
69 7八歩(79)
70 7六歩打
71 6五桂(77)
72 同 歩(64)
73 8二角打
74 7三桂(81)
75 9一角成(82)
76 4六銀打
77 3九飛(35)
78 5七銀打
79 同 金(48)
80 同 銀(46)
81 4九香打
82 6六歩(65)
83 3五銀打
84 5八銀(57)
85 同 金(69)
86 3六歩打
87 6五歩打
88 6七歩成(66)
89 同 金(58)
90 3七桂打
91 4四歩(45)
92 2九桂成(37)
93 同 玉(28)
94 3七桂打
95 1八玉(29)
96 4九桂成(37)
97 4三歩成(44)
98 同 金(52)
99 3六飛(39)
100 4五金打
101 4四歩打
102 同 金(43)
103 同 銀(35)
104 3六金(45)
105 5一銀打
106 1七香打
107 同 玉(18)
108 2六角打
109 投了
まで108手で後手の勝ち
9月の予定が決まりました。
第199回は
壱7月6日(土) R1750以上
弐7月13日(土)R1750点以下
ご参加お待ちしております。200回記念大会についてはこちらをご覧ください。
20190702今日の一手
5月1日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
金角交換で馬を作っていますから先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は53馬と持ち駒角で2枚。24飛とできれば攻め駒でも良いですが、24歩自体を敵陣と考えにくいので28飛は数えないでおきます。
後手の攻め駒は持ち駒飛金で2枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
先手の駒得ですが玉が薄いです。まだ攻め駒は2枚なので寄せ合いの段階でもないでしょう。自玉の安全を優先すべきです。玉を固めて長い戦いを目指します。
後手に57歩を打たれたところですから、ねらいは58金だとわかりますね。それが厳しいかどうか、厳しければ先に受けておきます。
△か× 実戦は47銀と守ったのですが46歩を打たれました。
これは取りにくいので38銀に58金
金にひもが付いているので守りやすいはずだけれど、この金は取れません。24飛31金23歩
攻め合いにするのは仕方ないところでしょう。49金同銀59飛
銀取りと58歩成や47歩成があって受けはないです。玉を上に逃げていったのですが寄せられました。
△か× 駒を打つ方が手堅い原則に従い、69角と打ってみます。
58金同金同歩成同角57歩69角58金
68金69金同金58歩成
58同金は46角~79飛、58同飛は39飛うまく攻められて不利になっています。
△か× 47角も
同じ意味ですが、(46金ならば仕方ないけれど)46歩を打たれるのは嫌です。69角58金
後手が歩切れになったので攻め筋は少し変わってきます。58同金同歩成同角57金
先ほどの変化よりは少し良いのかもしれませんが、受けきりにはなりません。少し悪そうです。
△ 68銀は
受けに役立っていないように見えるのですが、58金同金同歩成同飛39飛
79金を回避しているのでした。銀桂両取りですが18角と打てば守れます。57歩が嫌な手で
57同飛38飛成69金28竜17馬19竜58飛
金香と角の交換は損ですが、後手は歩切れです。34歩に44歩42歩でこの歩切れは続きそう、28馬の含みもありますから、形勢は互角くらいです。
○ 35馬は
馬を守りに使います。58金同金同歩成同飛39飛
やはり79金を回避しています。36銀にもひもがついていますが、29桂を守るならばやはり18角でしょうか。34歩57馬48歩
手筋で攻められて、79金49飛成48馬
馬か飛と交換できて先手の駒得です。後手からたいした攻めがないので先手有利です。
△ 75馬だと
58金同金同歩成同飛49飛
39飛とは打たれない効果があります。それでも29飛成は避けたいので、28飛79金68玉89金58玉
79飛成68銀78竜66馬79金59金
金桂と角の二枚換えではありますが、それ以上の被害はありません。79金の働きが悪ければ大丈夫です。
× 利かしとしては33歩成とか
23歩とか
とりあえずは応じてもらえますが、後手に歩を渡してしまいます。
△ 24飛ならば
歩を渡しませんし、ここで後手が31金23歩というのも指しにくいでしょう。23歩28飛58金同金同歩成同飛39飛35馬
銀取りと79金は防いでおきます。29飛成46馬34歩
これも金桂と角の二枚換えですが、それほど悪くはありません。43角33桂75歩というところで互角に近いです。
× 攻めとしては54馬
攻め駒が足りないので駒を取りに行きます。後手が31金と守らないで攻めたら、58金21馬49金22馬59金46角
74桂をねらいますがちょっと駒が足りません。58歩成11馬64歩
一度受けられると後手よしでしょう。
☆ まとめ
「馬の守備は金銀3枚」と言われますが、死角がなくて自陣から敵陣への利きも残りやすいので、馬は守りに使いやすい駒です。
先に受けるほうが手堅い、持ち駒を打つ方が手堅いというのを受けの原則としていますが、生角を自陣に打って受ける(69角や④7角)のではちょっと心細いです。角よりも金銀を打つ方が良さそうですからね。
でも変化の中で29桂36銀を守るために18角を打つというのは考えても良いです。香のひもが付いているし先手玉から遠いので取りに来られてもあまり響かないです。後で後手陣まで利きが通るかもしれません。
馬と生角(自陣角)の違いを理解できるでしょうか。
場合によっては自陣飛車や自陣竜(なぜか自陣馬とは言わないのですが)も守りに使えます。初心者のころは案外に持ち駒の飛を自陣に打ってしまうみたいですが、上級者になると飛は敵陣に打ちます。もう少し強くなると自陣に打って受けることも考えるようになります。
両取りの角をねらうのが初級者、自陣角を打つのは上級者以上で、馬を自陣に引き付けるのは有段者からかなあと感じています。