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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180802

2018-08-02 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


後手陣が整っていないうちに動きます。
A 76飛 B 88飛 C 74歩

第2問


角のラインをなるべくきれいに止めたいのです。
A 65歩 B 62と C 37銀

第3問


両取りを防ぎます。
A 54金 B 56歩 C 37歩

第4問


55角には返し技を考えておきます。
A 53桂成 B 57飛 C 63角

大山将棋研究(965);三間飛車に玉頭位取り(米長邦雄)

2018-08-02 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180802
昭和63年12月、米長邦雄先生と第47期A級順位戦です。

大山先生の先手三間飛車に米長先生は玉頭位取りです。

位に反発すれば銀を出て位を取りなおす形、前に並べましたね。前年のA級順位戦でした。

右銀を34にもっていくのですが

かなり手数がかかります。

前年は大山先生が石田流に組んでいたのですが、うまく負かされたので今回は垂れ歩です。これは受ける手段がありません。

米長先生は8筋を攻め

桂をかわしました。しかしこれでは苦しそうです。

角筋を生かして45歩ねらい。

大山先生はけん制して

受けきったようです。

せっかく作った と金を捨てるのが気付きにくいところで、桂を跳ねて

駒をさばきに行きました。飛桂の働きに違いがあるので十分でしょう。

銀もさばいてしまいます。

米長先生は角を使いますが

大山先生の角をさばかせるだけでした。

角を好点に打ち

飛車もさばいたところでは大山先生が優勢です。

55角は両取りでも、43飛成同銀54金で終わるでしょう。米長先生は角を追い

厚みを作ってから両取りを打ちますが

金の取り合いになっただけです。45金に

大山先生は飛車を切って53金

42金打と重くて切れない攻めで、受けがないので投了図です。

大山先生が前回の借りを返しました。(中原前名人がトップとして)ナンバーツーの争いも、55年組+谷川先生が出てきたので混沌としていますが、この二人のライバル心は相当に強いのです。ここまできれいに負かしてしまったら、もう指されないとは思うのですが、どうでしょうか。
玉頭位取りは囲うまでが大変で、この組み方は手数がかかり過ぎました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1988/12/05
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:米長邦雄9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5六歩(57)
16 5四歩(53)
17 5八金(69)
18 4二銀(31)
19 5七銀(68)
20 4四歩(43)
21 4六歩(47)
22 3五歩(34)
23 4七金(58)
24 3三銀(42)
25 3六歩(37)
26 同 歩(35)
27 同 金(47)
28 2四銀(33)
29 2六歩(27)
30 3五歩打
31 3七金(36)
32 4三金(52)
33 2八玉(38)
34 5三銀(62)
35 3八銀(39)
36 4二銀(53)
37 7五歩(76)
38 9四歩(93)
39 5九角(77)
40 8四飛(82)
41 1六歩(17)
42 1四歩(13)
43 4七金(37)
44 3三銀(42)
45 7四歩(75)
46 同 歩(73)
47 7二歩打
48 3一角(22)
49 7一歩成(72)
50 8六歩(85)
51 同 歩(87)
52 同 角(31)
53 8八飛(78)
54 8五歩打
55 7七桂(89)
56 9三桂(81)
57 8七歩打
58 6四角(86)
59 7二と(71)
60 3四銀(33)
61 5五歩(56)
62 4五歩(44)
63 6二と(72)
64 4六歩(45)
65 同 金(47)
66 8三飛(84)
67 5六銀(57)
68 5三角(64)
69 6五桂(77)
70 6二角(53)
71 7八飛(88)
72 8四飛(83)
73 5四歩(55)
74 同 金(43)
75 5五銀(56)
76 同 金(54)
77 同 金(46)
78 6四歩(63)
79 同 金(55)
80 4四角(62)
81 3七歩打
82 7五歩(74)
83 7四歩打
84 6六角(44)
85 7七角(59)
86 同 角成(66)
87 同 飛(78)
88 3三銀(24)
89 6三角打
90 5二歩打
91 5三歩打
92 4三銀打
93 4七飛(77)
94 4六歩打
95 同 飛(47)
96 6二歩打
97 2七角成(63)
98 3六歩(35)
99 同 馬(27)
100 4四銀(33)
101 5二歩成(53)
102 同 金(41)
103 5四歩打
104 5五角打
105 5三歩成(54)
106 3五歩打
107 4七馬(36)
108 6四角(55)
109 5二と(53)
110 4五金打
111 同 飛(46)
112 同 銀(34)
113 4六歩打
114 3四銀(45)
115 5三金打
116 2二玉(32)
117 4二金打
118 投了
まで117手で先手の勝ち




20180802今日の一手(その732);安全な勝ち方

2018-08-02 | 今日の一手

20180802今日の一手

3月24日の名南将棋大会から、TさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀と角歩の交換で歩を数えず、成銀を作られていますが、少し先手の駒得です。
玉の堅さというよりは深さですが先手のほうが少し堅いです。
先手の攻め駒は65桂と持ち駒飛角角で4枚。
後手の攻め駒は59成銀と持ち駒飛金で3枚。

総合すれば先手有利か優勢です。

☆ 大局観として
形勢判断の3つの要素で上回っているのですから明らかに先手有利です。ただしどれも上回っているのは少しだけですからここはしっかり考えておきたいところです。
受けても攻めても良さそうな時はかえって迷うものです。どちらから考えますか?


○ 59金として成銀を取るのが一番自然な手でしょう。後手の攻め駒も減ります。でも48金

と打たれるのが嫌です(だから実戦では選択しなかったのでしょう)。これは39飛で詰めろの2手すきの手です。困ったようでも54角と打てば43銀

しかないでしょう。歩は打てませんし飛車も使いたくない、玉を逃げるのは(金が質駒ですし)簡単に必至をかけられるでしょう。ここで62飛52歩43角成同玉63飛成

から追いかけて48金を取って詰めろ、という勝ち方でも良いですし

72飛52歩21角

21同玉43角成32角33馬

というのでも優勢です。

後手としては48金を打たずに65銀

が正しいのでしょう。47銀か39銀か、何か受けておいて駒得(桂角交換に広がっている)の先手が有利です。


○ 実戦は54角で

いかにも打ちたくなるところです。こちらが第一感という方も多いでしょう。43金63角成49成銀同銀59飛

ところがこの図は先手自信なしです。以下は71飛51歩41馬同玉39金57角

金を手に入れて粘りに入ったつもりが、角を打たれて受けにくいです。

63角成が甘いようです。43同角成同銀59金

角は切って成銀を払うのでしょう。これだと角金の持ち駒が替っているので48角は49金で怖くありません。(69飛には79飛と受けます。)65銀に82飛

くらいでしょう。81桂を取れればほぼ金得です。52飛には交換して53歩とかでも良いですが、49金打としっかり守るものかもしれません。



△ 71飛51歩

は入ります。78金にひもを付けた効果、5筋に歩を打たせない効果はありますが、後手玉を固めさせた感じです。81飛成で十分という局面ではないですから、ちょっと難しくしているかもしれません。


△ どうせ取られるからと53桂成あるいは53桂不成

と捨てて、53同銀引59金48金に65角

攻防に打って、54歩47銀59金71飛48飛38銀打

と受けに回ることはできます。先手が指しやすいくらい。


△か○ 77角

とすえて、49成銀54角43金

43同角成同銀33角成同玉25桂

42玉82飛52銀33金51玉49銀

ほぼ必然で詰めろ逃れの詰めろをかけられます。71金に53歩と攻められるので先手の勝ち筋でしょうか。


△か× 他には98角(87角や76角も同じ)

として空き王手狙いで65桂にひもを付けておく手もあります。49成銀53桂成54歩同角43金

これは清算しても寄りではないので

53桂不成

のほうが正しそうです。54歩41桂成同玉54角

受けに駒を使わせて49銀となれば先手の勝ち筋です。

だけど41桂成に58飛

が詰めろです。42成桂同玉82飛52桂

32金から追っても後手玉は詰まず、駒を使わせる手もないので残念ながら先手の負け。


☆ まとめ

先手が有利か優勢くらいなのでいろいろ選択肢があるのですが、有力なのは
59同金(自然な手)
54角(後第一感に思える)
でしょう。ほかに思いつかなければこれらを掘り下げて考えればよいです。

59同金に48金というのが嫌な感じですが、よく見れば詰めろではない2手すきの手です。しかも後手は金を使ったので54角がより厳しくなっています。以下の寄せを見つけたら勝ち切れます。

54角は指したいけれど、結局後手は43金と受けるしかないというのはわかります。そこで角を逃げるしかないとすれば(考えたら)危ないです。角を切って59金と受けたら、部分的には角金交換で駒を損しているのですが、59金に48金を回避して、安全な勝ち方になっていました。金を持ち駒にしていると受けやすいということもあります。それでも駒得のままだというのが心強いところですね。

先に受けた59同金は寄せを考えることになり、先に攻めた54角が受けて勝つことを考えるというのは面白い現象ですが、どちらの勝ち方もできるようになりたいものです。