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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180806

2018-08-06 | 大山将棋研究
先手番中原先生の手を考えます。

第1問


不思議な端攻めでした。
A 84歩 B 94歩 C 96歩

第2問


勝負に出ます。
A 57飛 B 45銀 C 56香

第3問


これが寄せの構想でした。
A 86桂 B 74歩 C 99香

第4問


これで寄せを見ます。
A 77香 B 74香 C 47飛

第5問


成香を捨てて、後手玉を包囲して寄せます。
A 61銀 B 74桂打 C 74歩

大山将棋研究(969);四間飛車に玉頭位取り(中原誠)

2018-08-06 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180806
平成元年1月、中原誠先生と第47期A級順位戦です。

大山先生の四間飛車に中原先生は玉頭位取りです。

大山先生は石田流を目指すのですが、中原先生の46歩はどうなんでしょう。

47銀型は3筋に備えていますが、先手玉が薄くなるからマイナス面もあります。

55歩を突いてやって来いといい

大山先生が動いていきます。

垂れ歩は受からないので桂馬を取れます。

中原先生は端を攻めるのですが、不思議な手筋です。香を吊り上げて歩を合わせ

95歩を打って香を走り

ずいぶん持ち歩を使いましたが香を捕獲します。

角で取りたかったのですね。

左桂をさばいて大山先生が指しやすいか。

気持ちの良い垂れ歩で好調なのですが

59飛に47桂は重かったか。強く桂を取られました。59桂成54銀69成桂と進まないで

45同銀57飛では47桂が空振りです。ここでは形勢不明でしょう。

この歩が取りにくくて

飛車をさばいて中原先生が良さそうですが

難しそうな攻防が続きました。中原先生の86桂が好手で、これが受けにくいのです。

飛車で47桂を取って74桂打ち。前の47桂がひどかったのでしょうか、桂使いの中原先生、寄せが見えてきました。

角の利きが大きいですが、うまく決まっているでしょうか。

73桂打は81成香で寄りそう。74同金同桂63玉で逃げ出したら?本譜は73桂で

桂を取って61銀。74歩を見た寄せです。

63金上にも74歩で

寄ってしまいました。

61手目38歩のところでは大山先生が指しやすかったと思います。香を取られても左桂をさばいて、82手目47桂が空振りになって形勢不明、その桂が質駒で、取られて寄せられてしまいました。中原先生に桂馬を渡したら怖いですね。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1989/01/17
手合割:平手  
先手:中原誠王座
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 5二金(41)
19 7五歩(76)
20 4三銀(32)
21 7七銀(68)
22 3五歩(34)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 7六銀(77)
26 7二銀(71)
27 8六歩(87)
28 3二飛(42)
29 8五歩(86)
30 4二角(33)
31 4六歩(47)
32 3四飛(32)
33 4七銀(48)
34 3三桂(21)
35 7七角(88)
36 6四歩(63)
37 8八玉(78)
38 1四歩(13)
39 7八金(69)
40 1五歩(14)
41 6六歩(67)
42 5四銀(43)
43 2六飛(28)
44 6三銀(54)
45 5五歩(56)
46 5四歩(53)
47 同 歩(55)
48 同 銀(63)
49 6七金(58)
50 4五歩(44)
51 同 歩(46)
52 3六歩(35)
53 同 銀(47)
54 3八歩打
55 9五歩(96)
56 同 歩(94)
57 9三歩打
58 同 香(91)
59 9六歩打
60 同 歩(95)
61 9五歩打
62 3九歩成(38)
63 9六香(99)
64 2九と(39)
65 同 飛(26)
66 7四歩(73)
67 9四歩(95)
68 同 香(93)
69 9五歩打
70 7五歩(74)
71 8七銀(76)
72 9五香(94)
73 同 角(77)
74 9四歩打
75 6八角(95)
76 4五桂(33)
77 3五銀(36)
78 3一飛(34)
79 4六銀(35)
80 5七歩打
81 5九飛(29)
82 4七桂打
83 4五銀(46)
84 同 銀(54)
85 5七飛(59)
86 3七飛成(31)
87 9三歩打
88 5四歩打
89 4六歩打
90 3四銀(45)
91 9四香(96)
92 9一歩打
93 5四飛(57)
94 6三金(52)
95 5七飛(54)
96 5四歩打
97 9五角(68)
98 4三銀(34)
99 4五歩(46)
100 5三角(42)
101 4四歩(45)
102 同 銀(43)
103 8六桂打
104 3八龍(37)
105 4七飛(57)
106 同 龍(38)
107 7四桂打
108 7一玉(82)
109 9二歩成(93)
110 同 歩(91)
111 同 香成(94)
112 5二金(61)
113 8二桂成(74)
114 6一玉(71)
115 7二成桂(82)
116 同 玉(61)
117 7四香打
118 7三桂(81)
119 同 香成(74)
120 同 金(63)
121 8二成香(92)
122 同 玉(72)
123 6一銀打
124 6三金(52)
125 7四歩打
126 同 金(73)
127 同 桂(86)
128 同 金(63)
129 8六桂打
130 8四香打
131 7二金打
132 投了
まで131手で先手の勝ち

20180806今日の一手(その734);タイミングを計る

2018-08-06 | 今日の一手

20180806今日の一手

4月7日の名南将棋大会から、KさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があります。成銀を作っているのでわずかに先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は43成銀58飛で2枚。
後手の攻め駒は55銀1枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
先手のほうが少し手得していて、右の金銀が前に進んでいる感じです。
後手は陣形が低いので飛車交換なら強いのですが、55銀54飛をさばききれるかどうか。51角の働きが悪いというのはマイナスです。

さて先手はどうしたら有利になるでしょうか。もう少し駒得にするか、玉を固めるか、攻め駒を増やすか、のどれかです。
すぐに駒得を広げる手は見えないのですが、後手から42歩で成銀が取られないか/消されないかというのが気がかりです。対策は考えねばならないでしょう。
玉を固めるなら右金を寄せるとか、玉を深く囲うとか。これは手間がかかりそうですから後回しです。
攻め駒を増やすなら88角や47金を使うことです。


△ 44成銀という手筋が見えるでしょうか。

後手は銀で取れませんね。44同飛55飛52歩54歩

というところで、成銀と銀を交換したのですから少し損な取引です。5筋を謝らせた形なので少し指しやすいくらいでしょうか。
今すぐに44成銀という必要はないので、成銀を追われたら指せばよいでしょう。


△ 実戦は53歩で

成銀の捕獲を避けた手です。感触はまあまあ。42歩だったので44成銀同飛55飛

を決行すれば(52銀を見て)指しやすかったのですが

52成銀同金左同歩成同飛

と清算してしまいました。1歩使いましたが成銀と金の交換自体は同等で、トータルでは銀金交換でやや駒得を保っています。56歩で銀を追って駒組みのやり直しのつもりが57歩

の応手を間違えました。飛車で取って何でもなかったのですが(56銀同金48銀58飛57歩では無理攻め)、57同金56銀同金47銀

飛と金銀の二枚換えでも28飛から29飛成が先手ですから玉の安定している後手が優勢です。

後手としては42歩は良い手ではなく、56歩

と押さえておくほうが良いです。これで難しい形勢です。


○ 少し損なようですが56歩を打って

64銀に76歩

角筋を通してみると、後手はこの利きを止めるのは33歩しかなくて、すると55歩を取れなくなっています。34飛54歩52歩36金

最後の36金は筋の良い手ではありませんが(36歩62角45歩~44成銀のほうが筋が良いけれど少し手数がかかる)、34飛を取りに行くねらいで先手十分です。

後手としては金をぶつけて

さばきに行くほうが良さそうですが、52同成銀同飛11角成33角

33同馬同桂66香

(66香では43角か34角もある)、駒得を広げながら攻めていくことができます。


○ 76歩が自然な手で

攻め駒を増やしています。42歩44成銀は大歓迎。56歩68銀を入れてから42歩なのですが36金

の時に45金を防げません。43歩45金52飛55金

成銀は消されましたが後手の歩切れで1歩得です。中央を制圧して、先手の十分な態勢です。
(68銀56歩76歩でも同じ変化になります。)


× 96歩から

端角で使おうというのは、56歩97角64歩36金33桂

目いっぱい頑張られたら突破できません。


△ 36金を先にすると

後手に選択肢がありますが、57歩同飛56歩59飛33桂68銀

くらいで難しいです。


× 他には24歩

駒得狙いですが、24同角22歩33桂

後手に角桂を使われて、と金を作るだけでは割に合いません。


☆ まとめ

後手が43成銀を捕獲しに来た時に
44成銀と引いて銀交換で飛車をさばく
阻止されたら76歩~36金~45金で55銀との取り合いに行く
というのが方針です。

これは自分から動くとあまりうまくいきません。後手が42歩などちょっと損な手を指した時に、カウンターで成銀を引く、あるいは金を進出する、というのがタイミングです。

成銀を助けるにしても、歩を使って金と交換するよりも、88角の利きを生かして成銀を引けるようにする方が優ります。

こういう少し良い手が入ると形勢互角が指しやすい、有利、と向上していきます。