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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180804

2018-08-04 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


怖い攻めではありません。
A 45同桂 B 36歩 C 65歩

第2問


うまく受ければ有利になります。
A 44歩 B 55歩 C 21飛

第3問


少し乱暴に見えますが、攻めましょう。
A 63銀 B 45銀 C 85歩

第4問


手が続くのを確認します。
A 73桂 B 77銀 C 44歩

大山将棋研究(967);四間飛車に45歩急戦(沼春雄)

2018-08-04 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180804
昭和63年12月、沼春雄先生と第30期王位戦です。

大山先生の四間飛車に沼先生は急戦です。54歩~52金左を見て46歩~45歩をねらいます。

大山先生は向い飛車で受けます。64歩を突くと45歩から角交換をして31角の筋が生じますね。だから84歩が先です。

沼先生は二枚銀から中央の歩を交換、これは古い指し方です。

64歩を見て45歩と仕掛けます。

後に後手から44角を打たれないように88角44角同角同銀31角・・・とするのが定法なのですが、この場合は44同角同銀31角21飛64角成に55角があります。二枚銀の形ではうまくいきません。であれば88角を打たずに31角でどうだったか。

本譜は銀二枚を繰り出します。

35歩を突かれれば桂をさばくのは当然

37歩成をどう防ぐべきでしょうか。手堅く指すなら47金です。27飛はちょっと不安ですが

38飛は両取りを食らうのでまずそうです。

駒損で玉が薄いのでは不利です。

桂2枚を打って角筋を通すのでは望み薄です。

33角成、33桂成とも今一つです。

64角では大きな戦果はありません。銀を使われて

桂を取られて65桂、逃げると57歩が痛いので66銀打で我慢しますが

角を追われて

馬を作っても76歩の拠点が不気味です。

銀を放り込まれて

玉を上に逃げ出しますが、飛車を切られて寄り筋です。

26角も良い位置で

ここまで。

四間飛車から向い飛車になりましたが、45歩で攻める筋も難しい変化がありますね。定跡から少し外れるだけで知らない形になってしまいます。
沼先生は少し読みが足りなくて、一度悪くなると先手玉が薄いので耐えられませんでした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1988/12/14
手合割:平手  
先手:沼春雄5段
後手:大山十五世名人
先手省略名:沼
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 7二銀(71)
19 3六歩(37)
20 4三銀(32)
21 5七銀(68)
22 5四歩(53)
23 6八金(69)
24 1四歩(13)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 1六歩(17)
28 5二金(41)
29 4六歩(47)
30 2二飛(42)
31 3七桂(29)
32 8四歩(83)
33 4七銀(48)
34 8三銀(72)
35 5五歩(56)
36 同 歩(54)
37 同 角(88)
38 7二金(61)
39 8八角(55)
40 6四歩(63)
41 4五歩(46)
42 同 歩(44)
43 3三角成(88)
44 同 桂(21)
45 8八角打
46 4四角打
47 6六銀(57)
48 5四歩打
49 5六銀(47)
50 3五歩(34)
51 4五桂(37)
52 3六歩(35)
53 3三桂成(45)
54 同 角(44)
55 3八飛(28)
56 4六桂打
57 3六飛(38)
58 5八桂成(46)
59 同 金(68)
60 3四歩打
61 3九飛(36)
62 7四歩(73)
63 4五桂打
64 4四角(33)
65 3六桂打
66 2六角(44)
67 5七銀(66)
68 5五歩(54)
69 同 角(88)
70 2一飛(22)
71 6四角(55)
72 7三金(72)
73 8六角(64)
74 5四銀(43)
75 5五歩打
76 4五銀(54)
77 同 銀(56)
78 6五桂打
79 6六銀打
80 5七桂成(65)
81 同 銀(66)
82 8五歩(84)
83 7七角(86)
84 7五歩(74)
85 5四歩(55)
86 7六歩(75)
87 3三角成(77)
88 6四金(73)
89 7二歩打
90 4一飛(21)
91 4六歩打
92 7七銀打
93 同 桂(89)
94 同 歩成(76)
95 同 玉(78)
96 6五桂打
97 6六玉(77)
98 4五飛(41)
99 同 歩(46)
100 7五銀打
101 5六玉(66)
102 5五歩打
103 4七玉(56)
104 5七桂成(65)
105 同 玉(47)
106 5六銀打
107 6八玉(57)
108 6六歩打
109 7一歩成(72)
110 3五角(26)
111 7八玉(68)
112 6七歩成(66)
113 8八玉(78)
114 8六歩(85)
115 投了
まで114手で後手の勝ち


20180804今日の一手(その733);駒を渡すと危険

2018-08-04 | 今日の一手

20180804今日の一手

4月7日の名南将棋大会から、IさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀角交換で竜を作り合っています。少し先手の駒得ですが、終盤なので重視しません。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は53桂21竜と持ち駒角角金で5枚。十分です。
後手の攻め駒は48竜67銀と持ち駒金銀桂で5枚。こちらも十分です。

総合すれば互角です。

寄せ合いに入っていますから、互いの玉が何手で詰めろかを数えるほうが正確です。後手玉は62金か62角で詰めろ。現状は2手すきです。
先手玉は78銀成同金67銀で詰めろ。現状2手すきです。
互いに2手すきですから手番の先手有利です。

☆ 大局観として

後手としては直前に67銀と打ったのですが、ここで互いに2手すきでは形勢不利、攻防の手はなさそうなので何か後手玉を固めておくのが最善でした。
先手としては後手玉に詰めろ以上の手(詰めろか王手)を続けていけばよいわけです。ただし駒を渡して先手玉が詰めろになったら失敗です。(後手は受けながら「詰めろ逃れの詰めろ」が実現したことになります。)


△ 79金打と受けて62銀

と固め合うと長くなります。後手が78銀成から千日手の可能性もあります。


○ 寄せのセオリーでは厳しい手から考えるわけですが、実戦でも71竜

と切ってしまいました。則詰みはないですが、71同玉61桂成同玉26角

詰めろ竜取りです。
78銀成同金同竜同玉58飛

飛車を渡しているのでかなり危険です。68銀88金に77玉と逃げたので、先手玉を詰まされて負けになったのですが、69玉

が唯一の詰まされない逃げ方でした。ただ58飛は受けにも利いているわけで、59金同角(これで詰めろ逃れ)47銀

とされたら後手の勝ちです。

つまり飛車を渡しての詰めろ竜取りではだめでした。ならば51金

と捨てて(62金より優る)51同玉15角62玉48角

王手で竜を抜く方が良さそうです。少し駒損になっていますが、48角がまた攻め駒で使えるか、銀交換で持ち駒が増えるので攻め駒は4枚を保てます。後手玉が露出しているので先手有利か優勢です。


○ 次に厳しい手は71金を攻める手で、小さい駒は62金

これは詰めろです。62同金71角92玉62角成

ここで詰めろが途切れるのですが、78銀成同金67銀ならば81竜

で詰みます。後手は銀を渡さずに先手玉に詰めろをかけなければならないわけです。

55桂には58歩

銀を渡さずに詰めろをかけるのは難しそうです。

と言って82金と埋めても71角

が詰めろで、一手一手の寄りです。


△か○ 62角は大きな駒を使うことになります。

62同金71角92玉62角成

同じ攻め方をしてみると、78銀成同金79銀同玉68銀

68同金は88金ですね。88玉も79角98玉86桂同歩88金

桂を捨てて清算されるとぴったり詰んでいます。角を渡してはいけないのでした。

ということで62角成では甘いので82金

93玉72金84玉75銀85玉58歩

後手玉を追いかけても詰まないのですが、駒をよこせと受ける手があるので、はっきりしていないですが先手が勝ちなのかというところです。


△か○ 26角は

駒を渡さないで竜取りの詰めろになっています。71竜同玉61桂成というのが良く出てくる必殺の手筋ですね。
78銀成同金同竜同玉51歩同竜62銀

後手は竜を切ってから受けに回ります。11竜として、後手の小駒だけの攻めを受けることになります。どこかで52金~62金を狙って反撃すれば先手の勝ちになるのですが、先手有利くらいです。


△ 受けの手ではありますが58歩だと

受けとしてみると手薄い受け方です。つまり78銀成同金69銀

では千日手になるかどうかというところ。

78銀成に同玉

これで後手から継続手が難しく、49竜(2手すき)に62銀

先手の攻撃力が上がっているのでより受けにくくなっています。

ならば後手受けに回ることになります。49竜ではなく51歩同竜62銀11竜51歩

後手は駒損で受けているという図ですから先手有利のはずです。具体的にどう指すのかがよくわからないのですが。甘いけれど41桂成か、攻防で57香とか、86香とか、角を打って馬を作るのか。


☆ まとめ

詰めろ竜取りとか王手竜取りの筋があるので迷いやすいのですが、形勢有利(先に詰めろがかけられる)のですから、寄せのセオリーから考えていくのが基本です。

いきなり71竜は、詰めろ竜取りでは飛車を渡すので不正解、さらに金も捨てて王手竜取りが正解でした。
62金が常識的で、62同金71角92玉62角成というのが甘い感じがするのですが、銀をもらえば後手玉が詰みます。
62角だと同じ筋では角を渡しているので先手玉が危険、62同金71角92玉82金以下追っていって(詰みがないから)手を戻すのが勝ち筋でした。
他にはちょっと甘い感じでも26角が駒を渡さないで竜取り詰めろ。スマートな手でした(が後手の受けもあります)。

基本は寄せのセオリー(理論)で考えます。この場合は駒を渡すと互いの詰みに関係してくるので難しくなっています。こういうところが将棋の面白いところなのですけれど。