goo blog サービス終了のお知らせ 

名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180812

2018-08-12 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


これで対棒銀の布陣完成です。
A 42金 B 52金左 C 35歩

第2問


居飛車から見ると軽視するのだと思うのですが、大山先生はこういう手が好きです。
A 56歩 B 33桂 C 38歩

第3問


25同歩でも悪くないです。
A 29と B 33桂 C 45金

第4問


反撃しましょう。
A 29と B 65金 C 45歩

第5問


どう寄せましょうか。
A 76金 B 84桂 C 55銀

大山将棋研究(975);向い飛車に棒銀(加藤一二三)

2018-08-12 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180812
平成元年2月、加藤一二三先生と第47期A級順位戦です。

加藤先生は相手が振り飛車党でも25歩を早く決めるタイプということになっているのですが、大山先生相手には決めないことが多かったです。本譜は早く決めたので向い飛車になりました。大山先生の向い飛車というのも珍しいです。

加藤先生なら棒銀なので、四間飛車でも向い飛車でも同じことにはなるのですが。

大山先生の受け方に注目です。41金のまま角を移動して

42金。34歩同銀45歩には45同銀で飛車交換しようという意味です。これが今でも最新の受け方です。10年以上後に再発見されて対振り飛車の棒銀が苦戦することになりました。これで加藤先生の棋士寿命も短くなったのです。

銀を出たいところに歩を打つのでは、加藤先生はうまくいきません。

いろいろ苦労して24歩同歩37銀と仕掛けました。

一応攻めが続いているようですが

垂れ歩で催促されました。

25同歩には37桂ということでしょう。38と25桂24歩13桂成同桂でも難しそうですが

大山先生は2筋を手抜いて左桂を使いました。

と金は捨てられるだけならば怖くはなく

銀を打って受けます、が大丈夫でしょうか。34歩23銀33歩成32銀左43と同銀ならば難しいところです。

竜を逃げてもらえたので、金を出て中央をねらいます。

辺境での田楽刺しは怖いことはありません。

駒損になりましたが、76金~75桂で寄せの体制です。

加藤先生は強気で受けますが、87桂成から筋悪く角を取るのでも後手よしです。65銀と使うほうが筋が良くて

加藤先生はあわよくば千日手というくらいです。金を打って受けるのですが

持ち駒に金が無くなって、銀を受けるのでは

67で清算して金を決められ

55桂を取られたら詰めろ。そのまま詰まされました。

後手の対棒銀の布陣を破ろうと加藤先生はずいぶん研究したのですがうまくいっていません。振り飛車ががさばきに出るならば相手の力を利用して手が続くのですが、飛角銀だけでつぶそうというのが無理な話なのでしょう。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1989/02/08
手合割:平手  
先手:加藤一二三9段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 2二飛(82)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5六歩(57)
14 7二玉(62)
15 5八金(49)
16 8二玉(72)
17 3六歩(37)
18 7二銀(71)
19 6八銀(79)
20 5四歩(53)
21 5七銀(68)
22 4三銀(42)
23 9六歩(97)
24 9四歩(93)
25 6八金(69)
26 6四歩(63)
27 3七銀(48)
28 1四歩(13)
29 2六銀(37)
30 3二飛(22)
31 3五歩(36)
32 5一角(33)
33 3八飛(28)
34 6二角(51)
35 4六歩(47)
36 1三香(11)
37 1六歩(17)
38 7四歩(73)
39 1七香(19)
40 4二金(41)
41 3四歩(35)
42 同 銀(43)
43 3五歩打
44 4三銀(34)
45 2八飛(38)
46 5三金(42)
47 2七飛(28)
48 8四歩(83)
49 4七飛(27)
50 6三金(53)
51 2七飛(47)
52 8五歩(84)
53 2四歩(25)
54 同 歩(23)
55 3七銀(26)
56 5一角(62)
57 4五歩(46)
58 5五歩(54)
59 3六銀(37)
60 3八歩打
61 5五角(88)
62 5四金(63)
63 8八角(55)
64 3九歩成(38)
65 2五歩打
66 3三桂(21)
67 2四歩(25)
68 4五桂(33)
69 2三歩成(24)
70 5七桂成(45)
71 同 金(58)
72 5二飛(32)
73 3三と(23)
74 同 角(51)
75 2三飛成(27)
76 2二銀打
77 1二龍(23)
78 6五金(54)
79 5五桂打
80 5四銀(43)
81 2三歩打
82 3一銀(22)
83 1三龍(12)
84 2九と(39)
85 3四香打
86 5一角(33)
87 3一香成(34)
88 7六金(65)
89 2二歩成(23)
90 7五桂打
91 9八銀打
92 8四角(51)
93 6六金(57)
94 6五銀(54)
95 7六金(66)
96 同 銀(65)
97 6六金打
98 6五金打
99 7六金(66)
100 同 金(65)
101 7七銀打
102 6七桂成(75)
103 同 金(68)
104 同 金(76)
105 同 玉(78)
106 5七金打
107 7八玉(67)
108 5五飛(52)
109 同 歩(56)
110 6六桂打
111 投了
まで110手で後手の勝ち




20180812今日の一手(その737);さばく と固める

2018-08-12 | 今日の一手

20180812今日の一手

4月7日の名南将棋大会から、TさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得で、後手に持ち歩がないので駒得です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。
後手の攻め駒は67角と持ち駒銀で2枚。

総合すれば先手もちです。

☆ 大局観として
先手の駒得ですが、金取りですし、受けても馬を作られるかもしれません。1歩得(相手は歩切れ)と馬では歩得のほうが少し大きいものなので、駒得は保てそうです。
金取りを受けるあるいは代償を得ることが前提ですが、玉を固めるあるいは攻め駒を増やすことができれば先手有利につながります。


× 実戦は86飛でしたが76銀と打たれて

76同飛同角成65桂64銀66歩88飛

飛車を切ったので駒損、後手玉は手つかずです。後手は飛馬と65桂の質駒の攻め駒3枚だけですが、うまく受けられなくて後手の勝ちに終わりました。

飛車を切らないで57金が最善で

49角成同銀77銀不成87飛66銀成47金

これは金桂と角歩の交換で先手玉が薄い、後手もちですがまだ戦えました。

後手としては68銀

これなら先手の57金がないわけで、先手が困っていました。


○ 65金と逃げながら歩を取ってみると

76角成64歩77馬58飛52銀

71角92飛35角成76馬54金

桂と歩歩の交換でも攻め駒3枚、と金も期待できますから、先手有利に近づいています。


△ 57金は角取りですが

76角成の時に桂を助けられません。65桂同馬68飛

飛車をまわる味が良いので、少し先手が悪いかもしれませんが良い勝負でしょう。


○ 47銀打は

玉の堅さを主張しています。76角成65桂64銀66歩

後手を引きますが、75歩を取られたら72歩があります。71角や84歩同歩83歩という筋もあるので、軽い攻めを続けやすいです。これならば先手有利でしょう。


○ 57銀でも同様ですが

私には57銀よりも47銀打のほうが堅く見えます。好みの問題でしょうか。


△ 47角だと

76角成65桂64銀の時に66歩がいらないというのがメリットです。54歩

と突きだしてみます。65銀同金35桂56角67銀

というのが嫌味なのですが、67同角同馬48飛くらいか、まだ難しいです。


○ 45角なら

銀取りの先手(後手が何か指して63角成56角成はまあまあ)で、52金上65金76角成64歩

となれば調子が良くて、72銀には63銀61銀52銀成同銀67金

馬を殺せます。(87銀68飛86馬54金は先手有利)。

後手は64歩を同銀と取って

64同金77馬58飛

を選ぶ方が良いですが、99馬には71銀92飛81角成、駒得を保って攻める手には困りません。

とすれば45角には64銀

と逃げておくのでしょう。これには63角成53金41馬同玉65金

で攻めていくか、

84歩同歩83歩

角を切らないで攻めるほうを選ぶか、どちらも先手有利でしょう。


△ 64歩は手筋ですが

後手に持ち歩を与えてしまいます。64同銀65金同銀同桂

攻め駒が4枚になったわけですが、後手も金銀をもって受けやすいですし、馬も作れますから形勢互角に近いです。


△ 84歩は

84同歩の時に何を選ぶかも難しいですが、56角成83歩成52飛

92と~81飛成が金損の代償というのでは少し不安です。


☆ まとめ

実戦の86飛は自然に受けたという気もしますが、飛金桂をいじめられそうです。であれば
65金から攻める手を読むか(77桂は失うけれど悪くない)
47銀打で固めておいて、軽い攻めを狙っていくか
というのを勧めます。
45角以下の攻防に自信があれば、45角は良い手になっていたと言えるかもしれません。

後手が歩切れのままであれば、65桂と跳ねても取られにくいと考えることもできます。
76角成から桂を取られても、64歩~63歩成を実現しようと考えることもできます。

対象となる駒を前進させて使う、のも「さばき」ですが
その駒を取らせて代償を得るのも「さばき」です(駒を何かと交換することになります。)
この時には自玉が堅い方が望ましいわけで、47銀打や71角~35角成とセットで考えられれば申し分ないところです。