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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

東大将棋中飛車道場3

2015-08-29 | 将棋本 断捨離
中飛車道場〈第2巻〉ゴキゲン中飛車本格急戦 (東大将棋ブックス)
2004年出版、所司先生の本です。
ゴキゲン中飛車に78金とする形、68金とする形、丸山ワクチンが解説されています。でも丸山ワクチンで96歩を先にするのがまだ書かれていません。
どれも悪くはない戦法です。プロでは超速ばかりで指されないのですが。

少し古い定跡のほうがアマチュアでは通用しやすいと思っています。相手はうろ覚えで、自分だけしっかりした知識があれば有利にしやすいです。いかがですか?

20150829今日の一手<その130>;単純な駒の損得だけではない

2015-08-29 | 今日の一手
20150829今日の一手

8日の名南将棋大会からOさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
角金交換で先手の駒損です。
玉の堅さは先手玉のほうが上です。
後手の攻め駒は14角と持ち駒飛で2枚。
先手の攻め駒は22飛と持ち駒金で2枚。
総合すれば互角です。

大局観としては、先手は駒損を回復して持久戦にするか、後手玉を寄せるか。今はお互いに銀取りになっているので、どう処理するか考えどころです。
駒の交換による損得だけではなく、竜や馬あるいは持ち駒飛による制約を評価しなくてはならないこともあります。


× 実戦は95歩でした。

95同歩24飛成47角成

94歩14馬35竜27飛39金93銀

ここから端を攻めて香車を手にしてから28香です。形勢は互角。

でも95歩は悪手です。取らずに33銀で

飛車を逃げれば47角成ですから、32飛成同角94歩しかないですが、94同香

取れば98飛なので後手が優勢です。

後手の33銀に対応していないといけないということはわかりましたね。


△ 42金が激しい手。

33銀に32飛成

ここで金を取るか竜を取るかで分かれます。
42銀同竜47角成

ここで62銀同金同竜61金22竜25飛

これくらいなら収まりそうですが、

31竜28飛

後手は2筋に飛車を先着したいのです。31竜に62銀などと受けてはいられません。でもこれは激しいことになります。
62銀69金

後手は69銀が普通に見えますが、先手玉が逃げやすいので勝ち筋。69金から68金を狙うほうがいいです。
でも71角同金同竜58金打

受けなければ先手玉は詰みでしたが、58金打で先手勝ちのようです。

ですから、62銀には71金打

71銀成同金62金61銀打71金同玉52金、ここで69金です。

少しだけ後手玉が遠くなって、これは先手が勝ちなのかなと思います。

戻って、32角と竜を取ります。

32同金27飛38銀23飛成

これは先手が駒得なのですが、後手だけ竜を作って、28歩が残っていることを考えると難しい形勢です。先手が悪いとも思いませんが、後手の持ち駒飛による制約もあるので何とも言えません。


○ 38銀が一番自然な手です。

33銀28飛成くらい。

この局面、今度は角金交換の駒損ですが、先手だけ竜を作り、後手の2枚の角は不自由です。22歩が残っているので24歩か25歩としたいですが、15金でも困りそうです。これは先手有利とみます。


△ 少し違和感がありますが、58銀もあります。

27飛39金28歩で駄目そうですが。

16金29歩成38金

はめ手のような手順です。

28歩とはできず、25飛成です。

ここで42金

今度は33銀とできないので、34竜32金同角に42角

23金32飛成同竜53角成

互角に近いですが、1歩得で先手が少し指せるのかもしれません。後手の持ち駒飛も、先手が馬を自陣に持って来れば怖くないです。


△ 前の58銀に近いですが、36歩では

27飛38銀25飛成42金

34竜32金同角に35歩とできます。

33竜は66角が厄介なので、35同銀56角33竜25飛成24銀くらい。

これは全くの互角。駒の損得なしで筋違い角を打ち合い、竜を作り合っています。


× 最後に23歩です。

23同角に34金が狙い。(42金は歩切れでうまくない)

34同角32飛成33桂22竜28飛

これは歩切れでよくありません。


いろいろ変化が多く、それぞれの結果を比較するのも難しい問題でした。


ところで、これは升田式石田流の変化で、

ここから24同歩同飛同飛同銀41角14角

と進んで、32角成同角22飛14角打だと思うのですが(見ていません)
24歩には38銀が好手で

25歩同飛24飛同飛同銀41角

これならまるまる1手違うので先手有利。24飛とぶつけずに、24銀28飛25歩から銀を繰り替えて・・・というのをどこかで読んだ気がするのですが、本を探しても見つからず、将棋世界だったかもしれません。
詳しい方、元ネタ知っている方、教えてください。