名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

杉本流四間飛車の定跡

2015-08-12 | 将棋本 断捨離
杉本流四間飛車の定跡―居飛車の右四間飛車・先手4五歩早仕掛けを粉砕 (将棋必勝シリーズ)
2003年出版、杉本先生の本です。
後手番で四間飛車をもって、先手の右四間飛車と45歩急戦への対策を書いています。

右4間には相腰掛銀の形にしないで、43銀で待機する形が有力。居飛穴に組もうとすれば石田流を狙います。
45歩急戦には玉頭銀。これは定説になっています。

このシリーズというか出版社(創元社)の本は初段くらいの目安で、定跡としては甘いのですが、この本の内容に関しては正しい結論でしょう。右4間も45歩も好きなのですぐに買って、読んで、困ってしまいました。
古いとはいえ、どちらかをもって指すことがあるのなら、読む価値がある本です。
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20150812今日の一手<その113>;端の攻防

2015-08-12 | 今日の一手
20150812今日の一手

18日の名南将棋大会からHさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛歩歩と角の交換です。先手は歩損でも持ち歩はありますから、駒の損得なしと見ます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。66馬が守りについていますから。
先手の攻め駒は66馬99香持ち駒桂香で4枚。
後手の攻め駒は19竜47竜持ち駒桂香で4枚。
総合すれば互角です。

大局観としては、
先手の攻め駒の数は十分ですが、持ち歩が少ないので簡単に攻めが続くというわけではなさそうですし、99香を攻めに使うと反動も怖いです。でも馬では後手陣を横から攻めにくいので、9筋から攻めるのは当然。
後手の竜2枚は先手陣を横から攻める配置ですから桂香と連携はしにくく、と金を作って攻める感じでしょうか。となれば、後手は9筋は屈伏しても横からがりがり攻めるほうがわかりやすかったと思います。
直感的には、95歩同歩としても互いに持ち駒桂香での攻防は互角、1歩しかないので攻めてみなさい、というのも正しいように見えるのです。

× 実戦は93歩でした。最後の持ち歩ですが。

これを手抜きして96香

これは危険な手です。
48香36竜42香成

後手は田楽刺しで動揺してしまいました。99香成同銀96香94桂

71玉44馬62金直82銀61玉43馬

あっという間に寄ってしまいました。

後手としては48香に17竜寄

ならばまだアヤがありましたし、

最初の93歩には同香

と取るべきでした。
85桂94香86桂91香

98香打にも96桂

これに97銀では84歩同馬83銀で受かります。


96同香しかないですが

96同歩86桂91香

後手の歩が96に進んだので97桂と打たれることになり失敗です。


× 他の手を考えます。48香から。

17竜46馬49竜

これで65から攻められればいいのですが、66馬が邪魔ですね。42銀もとれないのでは失敗です。


× 86桂は

84香で馬の利きを遮られます。85香に73金

これも手が続きません。


× 85桂は

84歩同馬83銀

馬を引き上げれば84歩ですし、困りました。


○ 盤面を広く見て57馬右がありました。

これで攻め駒が増えます。ここでは同竜とは取りにくいです。
36竜93歩同香85桂

端に利いている数が多いので94香と逃げられません。84香に93桂成同桂95香

94歩同香92歩が受けの手筋ですが、96桂で

73金84桂同歩93香成

93同歩85桂83金84馬

最後は馬で端が破れます。以下は81桂に73香があります。

少し戻って84桂と香車を取ったところ、84同金なら

99香81桂98香

ロケットがいっぱい打てますね。


先手が1歩しかないので95歩は取りたくなるのですが、57馬右と援軍が来ては端が破られます。
私は振り飛車はあまり指さないので端は取り込ませる手から考えるのですが、振り飛車党なら(すぐに困らないから)取りますね。私が実戦で居飛車を持ったら57馬右はなかなか気が付かないと思います。もし気が付けば一目好手ですから指がしなります。
先手の手の組み合わせとしては95歩同歩57馬が手順で、先に57馬と引いたら後で95歩は取ってもらえないでしょう。

先手のミレニアム囲いは穴熊より端が強いので、振り飛車側から見れば対穴熊(こっちのほうが圧倒的に多い)の感覚では不覚を取ります。角筋に玉がいないので組みやすいです。藤井システム対策の意味もあり、2000年ごろに流行してミレニアムと名前がついたのですが、横と上から手を付けられると弱いこと、振り飛車が銀冠から穴熊に組み替えれば堅さ負けすること、から流行は一気に終わりました。でもそれから15年、今指したら新鮮かもしれません。
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