名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

東大将棋矢倉道場5 6

2015-08-18 | 将棋本 断捨離
矢倉道場〈第5巻〉森下システム (東大将棋ブックス)
矢倉道場〈第6巻〉続・森下システム (東大将棋ブックス)
2003年出版、所司先生の本です。

5 森下システムのほうは、後手が雀刺しにする形。これで森下システムはブームが終わったのですが、深浦先生が工夫して互角になりました。

6 続・森下システムのほうは、従来の森下システムの変化。

私は受けるのも好きなので、先手矢倉なら森下システムを愛用していました。まあ角換わりが好きなので自分から矢倉を目指さないのですが、後手がうそ矢倉の時に矢倉を教わりたいと思ったら指すだけですが。
定跡書としては今でも使えます。ここから定跡が進化していないのです。現代将棋としては先手矢倉で攻められるのはつまらないと思う人が多くて流行らないのでしょうが。
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20150818今日の一手<その119>;最善の形で待つ

2015-08-18 | 今日の一手
20150818今日の一手

先月18日の名南将棋大会からTさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。後手も持ち歩がありますから損得なしとします。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。先手も79玉まで指せていれば同程度といえそうですが。
先手の攻め駒は28飛68角で2枚。
後手の攻め駒は53角64銀65桂で3枚。82飛が働き出せば4枚です。
総合すれば後手有利です。

大局観として
後手玉は美濃囲い。相居飛車では上から攻められるので堅くないのですが、まだ手付かずです。先手は1歩得するために24歩同歩同飛54飛から55、25、28を経由して28飛なのでだいぶ手損してしまいました。攻撃態勢が整わないうちに先制されて苦戦です。でも後手陣は手得したとはいえ玉形がいいというわけではありませんからそんなに差があるわけではありません。(例えば後手陣が矢倉なら先手敗勢です。)

この局面からすぐに攻め合いを目指しても攻撃力が違うので簡単に負けそうです。しばらく受けに専念するか、受けながら反撃するか。


× 実戦は35歩でした。微妙な利かし。

取るのもあったのですが、44金で75歩と手を戻します。77歩とたたかれます。

後手は歩切れですし、88金が難しかったと思います。でも相居飛車でここにくさびが入ったらなかなか勝てません。後手は86歩から交換して81飛くらいです。
先手は普通の応接で、77同桂同桂成同銀75銀

76歩66歩で取り切れず57金に36桂

これで銀を手に入れられては後手が攻めやすいです。後手玉にまったく嫌みがないことにも注目です。


△ 75同歩は一番自然な手です。

77歩同桂同桂成同銀76歩

実戦と比べて36桂の傷がないのですが。
86歩同歩同銀同角同角同飛87歩81飛

角銀桂を交換して、後手の攻撃力が十分です。後手からは49角とか66歩とか77歩とか攻め筋が多いです。先手から速い手がないのでまず負けます。

途中76歩ではおとなしすぎるので26桂が反撃の筋。

24金は25歩同金14桂です。44金なら14桂同香(31玉には22歩)15歩

これで後手玉にも嫌味が付きます。まだ後手がいいとは思いますが、そんなに差はありません。


× 矢倉では攻撃につくべき駒が遊んでいては勝てないもの。37桂が一番足が速そうですが。

76歩の取り込みに74歩が反撃を含んだ受けの手筋

後手もまだそんなに厳しい攻め筋がないので83飛(か72飛)と我慢ですが、76金が強い受け。

44角にも55歩として65桂を取る手をみます。後手は77歩。

77同桂同桂成同角(56桂を避ける)に24桂が好手

あまり見ない手ですが、両取りを見せて飛車の位置を変えるのが目的。歩の入手もできます。
57銀上36桂38飛75歩

これで後手の攻めが続きます。

37桂はすぐに25桂や45桂と移動できるので攻めるには速いのですが、56桂や36桂という両取りの筋が残ったままなので受けるには不向きでした。先手の飛車の横ぎきが止まったまま、ということもあります。


△ 攻めるには遅い感じですが、37銀はどうでしょうか。

76歩74歩83飛76金

44角に先ほどは55歩でしたが、この場合は35歩があります。

35同角(同金でも同じ筋)同角同金24歩

十字飛車の筋で24歩は取れません。つまり44角とはできないのです。

戻って44角ではなく77歩なら

77同桂同桂成同金65歩57銀75銀

73歩成から65桂の筋があるので後手から65歩を打たせました。後手は歩切れですので76歩と打てません。先手は26桂から反撃して有望です。

補足として、後手は83飛と利かされるところで77歩成同桂同桂成同金65歩

とすれば1歩得なのですが、73歩成同銀65銀

これは先手有利。

では37銀で先手がいいのかといえば、74歩83飛76金に57歩が嫌味です。

65銀同銀同金に86歩同歩58銀

79玉に47銀成と少し緩めます。

67銀と受けても88歩

この歩をどちらで取っても58歩成で困ります。77桂でも58歩成。69銀から薄くされたら先手玉がもちません。後手玉が堅すぎます。


○ 57歩が怖いということがわかりました。これに対応するのは59銀です。

変化は同じで、76歩74歩83飛76金

ここで後手の57歩が甘くなっています。
65銀で受けきれそう。


44角には35歩ですし、


77歩成同桂同桂成同金

65歩57銀75銀には55歩とします。

本当は26桂としたいのですが、64角で困るので先に受けておきます。



攻撃力が違うから攻め合いで勝てないので、しばらくは受けるしかない局面でした。
受けるなら飛車の横利きが必要ですので48銀を移動したい。
57歩の筋に備えて59銀が最善、という順番で考えます。
受けるにも最善の形で待ちたいです。

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