名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

東大将棋四間飛車道場2~6

2015-08-13 | 将棋本 断捨離
四間飛車道場〈第2巻〉右4六銀 (東大将棋ブックス)
四間飛車道場〈第3巻〉左4六銀 (東大将棋ブックス)
四間飛車道場〈第4巻〉4五歩 (東大将棋ブックス)
四間飛車道場〈第5巻〉棒銀 (東大将棋ブックス)
四間飛車道場〈第6巻〉最強1二香 (東大将棋ブックス)
2001年から2002年出版、所司先生の本です。
このシリーズは本屋さんにずらっと並んでいました。売れたんでしょう、今は値崩れしているようです。細かい変化まで取り上げて、詳しいのはいいのですが、詳しすぎて読みにくいです。実戦や棋譜並べで困った時に定跡はどうだったかと参照することのほうが多かったような気がします。

右46銀はなぜか箱入り娘というマイナーなものから始まっています。当時の最先端だったのでしょうか?見たことがありませんが。舟囲いで46銀と出る形はかなり指しました。

左46銀はメジャーな急戦ですが、指したことはほとんどないです。でも終盤の変化まで定跡化されているのもあって、勉強になります。

45歩は、郷田先生の95歩が詳しく載っていること、2枚銀の急戦も載っていることが特長です。

棒銀は、42金に対して15歩から攻める変化も載っています。

最強12香は主に鷺宮定跡です。中央位取りが1章。ここだけ読んでも面白いです。

急戦の定跡はこの後もう少し進化しています。ですから今読む価値は下がります。居飛車党で好きな定跡があったら(安くなっているので)それだけ中古で探してみるのはいいかもしれません。
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20150813今日の一手<その114>;角換わり右玉の感覚

2015-08-13 | 今日の一手
20150813今日の一手

先月18日の名南将棋大会からKさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉は後手がかなり堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角。29飛は24歩とすればすぐに後手陣に届くのですが、まだ数えないでおきます。
後手の攻め駒は持ち駒角。62飛は29飛と同じような事情です。

総合すれば後手が指しやすい、と判断しそうですが、戦場がどこになるかで変わります。6~8筋からの戦いなら先手玉には遠いので守りが堅く、1~4筋からの戦いなら先手玉は薄いです。
これからの指し手によって形勢が変わります。

実際は上が先手で、角換わりになるかどうかのやりとりで2手損したので先手が1筋を詰めました。これはポイントです。
しかしこの少し前、18香が疑問手です。35歩同歩63角という筋が先手の負担になっています。気が付きましたか?先手のHさんは多分右玉好きというより振り飛車党で、でも対抗型を目指したら角換わりの出だしだったので右玉にしたのではないかとおもいます。不慣れな感じがします。


× 実戦は55歩でした。

これは自然に見えるかもしれませんがいい手ではありません。63角の筋を緩和できていないですし、後手は54歩から歩を入手できるのです。
22玉68金に54歩と動かれました。

一見ありがたく見えます。54同歩同銀24歩同銀71角

飛車が取れます。43銀62角成同金59飛52歩

ここまで進んで、先手があまり思わしくないことに気が付きます。35歩同歩72角となれば困ります。後手玉が堅いので飛車をもらっても効果が薄い上に
51飛72角

これで打ったばかりの飛車を取られてしまいます。ここから先手がかなり苦戦を強いられましたが、なぜか最後は先手の勝ちになりました。


× 攻めの棋風なら(それなら右玉にしないと思いますが)45歩です。

狙いは45同歩同桂46歩

これなら63角の筋を緩和できます。飛車先交換をしたいわけではないのですが、37金と守ることもできるようになるので、これが注文です。

45歩同歩同桂に22銀は気にしなければいけませんが

71角72飛53角成

壁銀なのでこれは先手が指せます。

では45歩が正解か、といえばそうでもなく、73角が厄介です。

44歩同銀左46歩には33桂

これで後手から45歩が厳しいです。

であれば44歩同銀左45歩ですが、46歩

銀の取り合いはできず、58銀33銀

46歩の拠点のほうが大きいです。後手は95歩から歩を手に入れて35歩とか、84角から48角成とか、攻撃手段があります。後手のほうが指しやすいです。

であれば73角に角を合わせます。46角は

46同角同銀45歩

45同桂44銀左47金45銀

45同銀44歩55角でどうにかなるようですが。

堂々と45歩11角成46桂で

これは後手が優勢。

73角に55角の合わせ。

55同角45歩

歩切れなので45の歩を取り返すしかないです。45同桂44銀左46歩に55銀

71角から攻めるしかありません。72飛53角成同金同桂成45歩

これも先手が自信ありません。56角の筋がきついです。

ということで73角には57角と妥協すべきでしょうか。

45歩同桂44銀左46歩54歩

これから少し駒組みに戻るのですが、後手は42金右から55歩とか、62角の形にして45銀同歩26桂とか、後手のほうが楽しい局面ではないかと思います。


最初の形勢判断のところで少し書きましたが、先手は右側で戦うのは得策ではありません。2筋から攻めるのは最後の決め手にしたいのです。左から手を作るのが本筋です。

○ 68銀が正しい手です。

後手に歩を手に入れられると嫌なのですが、66歩同歩同飛には82角


よって22玉57銀12香

これで穴熊を見るのが現代風ですが。
77桂11玉89飛82飛65桂

これで64角や71角を見ます。後手もすぐに65桂がとれないので、悠長に囲うのは危ないです。

77桂には73桂の対抗です。

しかしこの場合は85桂同桂86歩という手筋があります。

後手は歩切れですから82飛なら73角81飛64角成

これで少し先手が指しやすいと思います。先手陣の金銀がきれいな配置です。

大分前のことですが、後手一手損角換わりで先手が1筋の位を取って右玉にするという対抗策がありました。その時は84歩で止まっていたので、この85桂はなく、86歩85歩から89飛とした将棋がありました。この問題はそれより先手が得しています。


角を交換していない右玉では、右玉から角交換になれば敵陣に角打ちの隙ができるので指しやすい、と何回か書きました。
角換わり右玉は最初から角を持ち合っているので、警戒して駒組みをしますから、すぐに馬を作ることにはなりません。左側から戦いを起こして左の金銀桂を使うのが本筋です。うまくいくように見えても、右から攻めてはいけません。
角換わり右玉を相手にするときは、地下鉄飛車にして右玉から動かざるを得ないようにするか、金銀を繰り替えつつ効果的な自陣角を狙うか、穴熊にするか。
私は角を換えない右玉を指すことはありますが、角換わり右玉は受けてたつ側ばかりです。


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