20150802今日の一手

先月11日の名南将棋大会からIさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉は先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒はいまのところ後手玉に迫っていませんから0枚、広く見て後手陣に届いているのは77角で1枚。
後手の攻め駒は42角で1枚。
総合すれば互角です。先手玉のほうが堅いので作戦勝ちとは言い切れません。後手陣全体で守備に就いていると思ってください。先手の攻め駒となるはずの77角28飛37桂は後手玉ではなくて右辺の金銀桂の方を向いています。
× 実戦は98香でした。

手がないから固めよう、というのは現代的のようですが、すでに先手陣は後手玉よりかなり堅いのですからあまりいい手ではありません。後手から打開策があるのです。
64角99玉55歩同歩同角同飛

先手は穴熊には入りましたが、角交換されました。先手陣のほうが角の打ち込みの隙があり、ここでは後手が指しやすくなりました。
実戦の手順は56歩は打たずに24歩同歩同飛56歩48銀25飛51飛58歩38角

長いですけれど、局面だけ見てもらえればいいです。49角成が受かりません。馬を作られては苦しいです。
× 45歩は自然な手ですが。

45同歩11角成

これが空成りです。12香が生きています。
33角同馬同桂で

これも角交換で後手のポイント、しかも後手が1歩得しました。
× 48飛と方向を変えてみても

64角47飛55歩

64角と覗くのがいい味です。角交換で馬を作られる展開になりそう。これではうまくいきません。
○ 66歩。この場合これしかないと思います。

66同歩同銀65歩57銀64角に67金右と中央の厚みを作ります。(66歩を取ってくれなくても67金右と上がっておきます。)
位に向かっていく66歩はうまくいかないことのほうが多いのですが、先手陣の6筋が厚いこと、後手から64銀63金と位を確保していくのは薄くなる(のでやってこないだろうという)ことから、この場合は有効です。1歩持つのも大きいです。
55歩同歩同角同飛と角交換はされるのですがその瞬間75歩がカウンター。

67金右の形なので56歩を打たなくてもいいし、56銀と出る含みもあります。
75同歩64歩で(同銀は74歩なので)74銀とかわすくらい。

24歩同歩45歩同歩44歩同銀41角で両取りです。

後手としては45歩に51飛のほうが、1歩損ですが1手得で

44歩同銀52歩

52同飛(同金は54角)41角

これで飛角交換になります。
55角77桂37角成24飛31金(23歩は32角成同飛23飛成)

というのが最善の応酬で以下52角成同金23飛成

この図は後手は64馬の味がよく、先手も12竜が先手で入りそうですからいい勝負。
ツノ銀中飛車に銀冠で対抗するという形は若いころによくやったので懐かしいです。お互いに中盤の指し方が難しく、居飛車は解説のようなカウンターが入れば有利になります。でも膠着したときの指し方は難しいです。

先月11日の名南将棋大会からIさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉は先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒はいまのところ後手玉に迫っていませんから0枚、広く見て後手陣に届いているのは77角で1枚。
後手の攻め駒は42角で1枚。
総合すれば互角です。先手玉のほうが堅いので作戦勝ちとは言い切れません。後手陣全体で守備に就いていると思ってください。先手の攻め駒となるはずの77角28飛37桂は後手玉ではなくて右辺の金銀桂の方を向いています。
× 実戦は98香でした。

手がないから固めよう、というのは現代的のようですが、すでに先手陣は後手玉よりかなり堅いのですからあまりいい手ではありません。後手から打開策があるのです。
64角99玉55歩同歩同角同飛

先手は穴熊には入りましたが、角交換されました。先手陣のほうが角の打ち込みの隙があり、ここでは後手が指しやすくなりました。
実戦の手順は56歩は打たずに24歩同歩同飛56歩48銀25飛51飛58歩38角

長いですけれど、局面だけ見てもらえればいいです。49角成が受かりません。馬を作られては苦しいです。
× 45歩は自然な手ですが。

45同歩11角成

これが空成りです。12香が生きています。
33角同馬同桂で

これも角交換で後手のポイント、しかも後手が1歩得しました。
× 48飛と方向を変えてみても

64角47飛55歩

64角と覗くのがいい味です。角交換で馬を作られる展開になりそう。これではうまくいきません。
○ 66歩。この場合これしかないと思います。

66同歩同銀65歩57銀64角に67金右と中央の厚みを作ります。(66歩を取ってくれなくても67金右と上がっておきます。)
位に向かっていく66歩はうまくいかないことのほうが多いのですが、先手陣の6筋が厚いこと、後手から64銀63金と位を確保していくのは薄くなる(のでやってこないだろうという)ことから、この場合は有効です。1歩持つのも大きいです。
55歩同歩同角同飛と角交換はされるのですがその瞬間75歩がカウンター。

67金右の形なので56歩を打たなくてもいいし、56銀と出る含みもあります。
75同歩64歩で(同銀は74歩なので)74銀とかわすくらい。

24歩同歩45歩同歩44歩同銀41角で両取りです。

後手としては45歩に51飛のほうが、1歩損ですが1手得で

44歩同銀52歩

52同飛(同金は54角)41角

これで飛角交換になります。
55角77桂37角成24飛31金(23歩は32角成同飛23飛成)

というのが最善の応酬で以下52角成同金23飛成

この図は後手は64馬の味がよく、先手も12竜が先手で入りそうですからいい勝負。
ツノ銀中飛車に銀冠で対抗するという形は若いころによくやったので懐かしいです。お互いに中盤の指し方が難しく、居飛車は解説のようなカウンターが入れば有利になります。でも膠着したときの指し方は難しいです。