うるしの杜の制作手帖

ものづくりの過程や日常の気付きをつむいでいきます

漆黒

2010-02-27 19:57:33 | 漆工
広辞苑にはこうあります。「漆のように黒くて光沢のあること。またその色」 この言葉の意味から考えれば、この言葉の原点は、黒の漆の呂色の状態だと思います。
初めて、大学の先生より黒漆の呂色上げの作業を見せていただいた時の、驚きは忘れません。摺漆された曇った塗面が、磨いていくことにより、劇的に光沢のある呂色面が現れ、広がっていきます。確かに黒ですが鏡面で、その光沢も深みがありもうこれ以上、手の掛けようがない完成度を感じます。
この箱の呂色を上げた時も嬉しかったです。漆の作業の中で一番、嬉しいのではないでしょうか?このために木地に布を貼り下地をつけ漆を塗っては研ぎを繰り返し、何ヶ月(本当はもっと長く)も掛けてきたのです。苦労が報われる瞬間です。たとえ鏡面が現れ、その面に最初に写ったのが、中年のオヤジの冴えない顔だったとしてもです。
しかし、逆に、鏡面ということは、傷や面の揺らぎなど面に問題があるとすべてが出てしまうことも意味します。確かに私の場合問題がないということはほとんどありません。(ほんとは全部問題あり)それと、次にこの面に加飾(蒔絵)という作業が待っています。この箱との付き合いはまだまだ続きそうです。
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雪の爪痕

2010-02-26 20:55:29 | 日常
今日も気温が、10度以上あり畑などに残っていた雪は、ほとんどなくなりました。そうすると雪の爪痕が見えてきます。写真は柚子の木ですが完全に折れています。おそらく雪の重みに耐えられなかったのでしょう。同じように他に何本もやられています。
柚子は金屋ゆずといい、このあたりの名産になっています。ゆず味噌などに加工され販売されています。時期になると我が家も実をいただき風呂に入れ香りを楽しんでいます。ですのでこのあたりは、柚子の果樹園が多いのですが、この園は雪吊がされていなかった為、被害にあったのでしょう。また、今年は雪が多かったので余計被害が大きいようです。やはりこのあたりは雪吊は必要です。
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鴨の卵事件

2010-02-22 19:35:08 | 日常
漆の勉強の為、大学へ通っていたときのことです。
このキャパスは自然に恵まれた環境にあり特に野鳥はよく見かけます。国鳥の雉が美しい姿を見せたり、パンなどを食べていると鳶の急降下爆撃を受けたりします。あるとき鴨が迷い込み、あろう事か植え込みの側に、卵を産みそのまま飛び去ってしまいました。鴨の訪問を見守っていた女子学生もこれには驚き「かわいそう」「何とかしてあげたい」と声を上げました。そんな騒ぎを静かに見守っていた私は、あの卵食べたら美味しいだろうなと思ってみていました。そして最終的に、卵は、鴨のいる高岡市の公園へ運ぶことになり車で出かけていきました。親鳥と離れた卵はおそらく助からないと思いましたが、口には出しませんでした。この学生も毎日、卵とその加工品を食べているはずです。鶏の卵とこの鴨の卵とどう違うのでしょうか?行動が矛盾していると思います。動物の命をいただいて生きていることをまだよく理解してないのかもしれません。
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八日町通り(井波)

2010-02-14 00:45:47 | 日常

ここは八日町通りと言い、瑞泉寺への参道であり井波のメインストリートです。私はこの通りが好きです。古い町並みが続き落ち着いた通りです。時々ノミの音が聞こえガラス越しに彫刻の作業を見ることが出来ます。彫刻刀等道具を扱う店もあります。通りにある表札や看板さらにバス停まで彫刻で飾られ町の雰囲気に一役かってます。ここ井波では彫刻に従事されている方が100名以上いらっしゃるようです。まさに彫刻の町です。このような町は日本中探してもここだけだと思います。しかし余り観光地化されていません。立派なお寺とノミの音、そして、路地に入ると池波正太郎の泊まった古い旅館、美味しいお蕎麦屋さん。彫刻の仕事とそれを中心とした日々の生活、地に着いた生活があります。古い町で観光地化されたところはいくつもありますがそんな薄っぺらな軽さはありません。何か艶とでも呼べるような表情がこの町にはあるようです。
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シャブリ

2010-02-08 21:04:00 | グルメ
久しぶりにシャブリを飲みました。
結婚記念日にレストランで食事をしてその際にいただきました。私がワインに凝っていた頃シャブリは辛口白ワインの代名詞になっていました。ミネラル分を含んだナッツ系の味は確かに美味しいのですが、メジャーなだけに敬遠していた部分もありました。しかし今改めて飲んでみるとやはり美味しいです。時間をもどしてくれました。今日いただいたフォアグラのソテーやぶりのスモークによく合います。やはりワインが好きなのですね。これから先入観なしに飲んでみたいと思います。
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