A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記667 『能面入門』

2012-11-16 20:43:23 | 書物
タイトル:能面入門
著者:金春信高、増田正造、北澤三次郎
発行:東京 : 平凡社
発行日:1984.10
形態:206p ; 22cm
内容:
名品のさまざまを美しいカメラワークで紹介しながら、演者、研究者、能面作家が三位一体となって、新しい視野からその真髄を浮き彫りにする、ユニークな能面入門書。
(本書帯より)

まえがき
能面と生きる 金春信高
 はじめに能面があった
 摺り足
 緩慢の魅力
 泥眼K
 能面の本質
 鏡の間の秘密

能面を見る 増田正造
 能面の種類
  翁の面/神の面/男の面/老人の面/女の面/鬼の面
 世阿弥と能面
 能面無表情説
 小説の中の能面
 能面の表情と技法
 能面の機能
 能面の位置と角度
 能面と演出
 女面の造形/その目鼻だち
 黒川能の古風
 能面と狂言面
 能面まがいと能面の鑑定
 能面と演者のかね合い
 能面は生きている

能面を打つ 北澤三次郎
 面を打つ
 面の修復について
 面の保護と保存<名品の場合>
 面打ち・その深遠なる仕事
 面・思いつくままに
能面系統一覧表

購入日:2012年11月16日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 能面の師匠に教えて頂いた1冊。能にも興味はあるものの、本書を購入したのは「能面」について知るためである。本書の第3部「能面を打つ」のように、能面を作る過程を解説した本は少ない。本書はその意味でとても勉強になる。


未読日記666 『火の誓い』

2012-11-15 23:27:03 | 書物
タイトル:火の誓い (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
著者:河井寛次郎
デザイン:菊地信義
発行:東京 : 講談社(講談社文芸文庫, . 現代日本のエッセイ)
発行日:2006.6
形態:282p ; 16cm
注記:年譜(河井寛次郎) / 鷺珠江編: p272-281
   著書目録(河井寛次郎): p282
内容:

第一篇 物と作者
 の総体
 藁工品とその作者
 和蘭陶器(デルフト)とその作者
 石仏の象影と坂本万七君
 手仕事の塔
 高橋一智君を想う
 外村吉之介君と西ヶ崎の織物
 棟方志功君とその仕事
 芹沢介君とその仕事
 吉田璋也さん
 リーチと別れてから
 陶器が見たピカソの陶器
 浜田(庄司)の事
 柳(宋悦)にささぐ
第二篇 窯場紀行
 化粧陶器
 瀬戸行
 山陰の窯
 近江の信楽
 苗代川の陶農
 朝鮮の旅
 壺屋(ちぼや)と上焼(じょうやち)
第三篇 町の景物
 序
 浜鳴り
 梅と鶯
 模様の国紺屋の仕事
 町の神々
 雲雀と子供
 六月の皿山
 蚯蚓の鳴声
 眠れる者達
 子供の先達
 町の景物
 乞食の贈り物
 鰻の番小屋
 鯰の生態
 百万遍
 秋の虫々
 野菜の信号
 八百屋の使者
 洋灯・幻灯
 ぽてぽて茶
 漆塗り
 冬の日の町
第四篇 いのちの窓
 序
 前篇 火の願い
 後編 いのちの窓
 自解
 後記

河井寛次郎素描 壽岳文章
人と作品 河井須也子
年譜 鷺 珠江
著者目録
(カット――河井寛次郎)

購入日:2012年11月15日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 先日、河井寛次郎記念館に行き、あらためて河井寛次郎の作品と言葉(『いのちの窓』)に感銘を受け、文庫化されている本書を購入。言葉はどれも短いがとてつもない奥深さを秘めている。

未読日記665 『民族藝術 vol.28』

2012-11-13 23:07:48 | 書物
タイトル:民族藝術 VOL.28
別書名:ETHNO-ARTS
編著:民族藝術学会
編集:醍醐書房
題字:田中一光
デザイン:與語秀樹
カバー写真:松島巌「花蝶モザイク文レース碗」(部分)2000年 径14.2cm 高さ7.5cm
発行:豊中 : 民族藝術学会
印刷・製本:共同印刷工業株式会社
形態:266p ; 30cm
内容:
特集 ガラスの東西
 カラーグラヴィア:ガラスの東西 (谷一 尚)
 ローマ帝政後期の浮彫装飾付濃青ガラス大皿片考―海の生き物たちのモチーフを中心に (藤井慈子)
 古代西アジアにおける着色顔料の変遷と技術革新 (中井 泉・阿部善也)
 中世エジプトのガラス製装身具 (真道洋子)
 古代と現代のガラス窯 (島田 守)
 世界のウランガラス―欧米と日本 (畠山耕造)
 日本のステンドグラス―宇野澤辰雄と小川三知 (田辺千代)
 ゴールド・サンドイッチ・ガラスの技法と展開―中近東文化センター「ゴールド・サンドイッチ・ガラス碗」より (迫田岳臣)
 ガラス作家の眼で視た古代ガラス技法―ツイストケートを使用した作例の考察  (松島 巌)

民族藝術学の諸相
 スマトラ島パセマ高原の岩刻画 (賈 鍾壽)
 鉄道局組合が祀るローカル神―南インド・ケーララ州における神霊信仰の隆盛と「ダルシャン運行」 (竹村嘉晃)
 ペルシア細密画にみる『創造物の不思議』―イギリス王立アジア協会所蔵・トゥルクマン王朝時代の写本より (林 則仁)
 「黒人芸術」と脱植民地化―サンゴールとファノンおけるアフリカ黒人文化論に即して (柳沢史明)
 ルイ・ラロワにおけるアジア音楽の認識について―『中国音楽』(1910年頃)を中心に (根来章子)
 19世紀後半のハンガリーにおけるツィンバロン教育の近代化と「民衆音楽家(”nepzenesz”)」批判―ツィンバロン教師アッラガ・ゲーザの議論を中心に (太田峰夫)
 19世紀前半の京都における「はやりうた」の唄本について―阿波屋定次郎の出版活動を通して (黒川真理恵)
 大正時代の雑誌『オペラ評論』及び『オペラ』にみる日本のオペラ受容について―読者の動向を中心に (中津川祥子)
 根付の芸術性について―触覚性から視覚性へ (大西弘祐)
 三川内焼の意匠を考える―猿・栗・龍から (泉 滋三郎)
 春木南華研究序説―幕末を生きた町絵師の憂愁 (久保佐知恵)
 東北地方の一人遣い人形芝居、猿倉人形の成立に関する一考察―『鑑鉄和尚の傘踊り』の成立状況をめぐって (薗田 郁)
 「具体」以前の吉原治良―こどもの造形との関わりを中心に (鈴木慈子)
 藤田嗣治が手掛けた舞台美術―ヨーロッパと日本の劇場空間で (佐野勝也)
 呉淋の思想的根底とその涅槃図の受容―明末思想を中心に (高橋亜季)
 曾鯨筆《柳敬亭像》を巡って (口井知子)

民族藝術学の現場
 山本作兵衛コレクション展 (乾 淑子)
 ドイツで注目される日本の「わざ」 (外舘知子)
 伊部京子のWashi Tales (深津裕子)
 大学博物館の企画展示―博物館学習の一環としての展示制作 (高橋英次)
 現代の染めに向けて (森口まどか)
 織人としての北村武資―「織を極める・人間国宝北村武資」展を観て (加藤類子)
 近代建築の民俗誌へ:2011年建築展二件 (伊從 勉)
 型染めとテキスタイルアート、その珍奇性 (福本繁樹)
 現代の染め 福本繁樹〈蠟染め〉×福本潮子〈藍染め〉 (中塚宏行)
 幽玄な黒の奥深さに、パリで気づいてから (吉村良夫)
 近くて遠いアイヌ音楽 ―ワールドミュージックとしてのトンコリ (薗田 郁)
 一地域だけの道具組みで茶会を開く (中島史子)
 歌舞伎は災禍から何を学んだか ―「平成中村座 11月大歌舞伎」から (奥野卓司)
 新しいコンサヴァターがつくった展覧会 (鈴木滋子)
 異邦人のフーガ (佐々木千恵)
 ‘南洋美術の父’と息子の70年 (後小路雅弘)

第8回木村重信民族藝術学会賞
 大久保恭子著『「プリミティヴィスム」と「プリミティヴィズム」 ―文化の境界をめぐるダイナズム』 (吉田憲司)

書評
 川口幸也著『アフリカの同時代美術 複数の「かたり」の共存は可能か』 (大久保恭子)

大会報告
 第27回民族藝術学会大会報告 (谷一 尚)
 彙報

頂いた日:2012年11月13日
場所:京都市内
 指導教員より頂いた1冊。どうもありがとうございます。



未読日記664 『物気色』

2012-11-04 23:52:43 | 書物
タイトル:物気色
タイトル別名:MONOKEIRO
編著者:モノ学・感覚価値研究会アート分科会
編集:近藤弘、大西宏志
編集アドバイザー:武田好史、稲賀繁美、瀧本雅志
監修:鎌田東二
アートディレクション:近藤弘
デザイン:大西宏志、河野綾
写真:高嶋清俊 他
翻訳:富井玲子、ジョン・ブリーン、ティム・カーン、トゥーラ・モイラネン、クレア・クッチオ
発行:国分寺 : 美学出版
発行日:2010.12
印刷・製本:スイッチ・ティフ
形態:95p; 26cm
注記:展覧会カタログ
   展覧会「物からモノへ」展. 会期・会場: 平成22年1月16日-1月31日:京都大学総合博物館
   その他のタイトルは展覧会名称による
   英文併記
   参考文献: p90-92
内容:
「モノ学」とは何か? それをわたしは、「物質性(物性)から人格性(者性)を貫いて精神性(霊性)にまでカバーする、三層一体的非二元論的思考と表現の探求の総体である」と、ひとまずは規定しておきたい。
平たく言えば、日本語の「もの」には、実に多層・多様・多義・多彩な含意があり、その多犠牲を全部ひっくるめての「もの」の見方や感じ方に日本の根源的な感覚価値と思考と未来可能性を見たい、それを未来に生かしたい、ということである。
鎌田東二
(カバー裏テキストより)

目次
はじめに
モノ学から見た「モノ・ケ・イロ(物気色)」/鎌田東二
Artists and The Exhibition
 近藤弘
 坪 文子
 狩野智宏
 上林壮一郎
 大舩真言
 大西宏志
 佐藤ミチヒロ
 山田 晶
 山本健史
 山 大
 松生 歩
 岡田修二
 渡邊淳司
蘇生する化石・跳梁する魂 大学博物館で現代美術展?――京都大学総合博物館での「物からモノへ」展より/稲賀繁美
Discourses
 モノ学・感覚価値研究会展覧会の意義――地球が生み出した美と人間が生み出す美/原田憲一
 モノの気色(けしき)―物質性より立ち昇る精神の様相/稲賀繁美
Bibliography
 モノ学・感覚価値研究会アート分科会 開催記録
 国際シンポジウム芸術部会
 参考文献
 編集後記

頂いた日:2012年11月4日
場所:奈良県五條市
 HANARARTのアーティストトーク終了後、本書の編集も努めているアーティストの方より頂いた1冊。どうもありがとうございます。
 モノ学関連の文献は2冊購入しており、本書も欲しかったのだが近隣の書店で手に入らなかった。偶然にも頂けてとてもうれしい。
 

未読日記663 『モノ学・感覚価値論』

2012-11-03 22:30:13 | 書物
タイトル:モノ学・感覚価値論
編著者:鎌田東二
カバー・中扉作品:近藤弘
カバー・中扉撮影:山崎兼慈
造本設計:尾崎閑也
発行:京都 : 晃洋書房
発行日:2010.11
定価:2,900円+税
形態:x, 265p ; 22cm
内容:
まえがき
第一部……芸術部会
モノ派とモノ学――ものからモノへ
 企画趣旨……近藤弘・大西宏志
 開催趣旨説明……鎌田東二
 基調講演 もの派――近代のアポリア……建畠晢
 ディスカッションⅠ……稲賀繁美(モデレーター)、関根伸夫、小清水漸、山本豊津、イーデン・コーキル、近藤弘、大西宏志、建畠晢(以上、パネリスト)、鎌田東二

第二部……宗教部会
モノと琴とシャーマニズム――モノ学の宗教的次元の一事例として
 企画趣旨……鎌田東二
 基調講演1 日本神話における琴と言霊とシャーマニズム……鎌田東二
 基調講演2 大本と八雲琴について……チャールズ・ロウ
 基調講演3 大本教の宗教実践におけるシャーマニズムから芸術まで――変容していく世直し思想……ジャン=ピエール・ベルトン
 基調講演4 アイルランド神話における竪琴とシャーマニズム……辺見葉子
 指定討論1 韓国の琴とシャーマニズム……金時徳
 指定討論2 ケルトの詩と日本の詩――シャーマニズムのなごり……スティーヴン・ヘンリー・ギル
 指定討論3 大本教とモノとシャーマニズム……島薗進
 ディスカッションⅡ……チャールズ・ロウ、ジャン=ピエール・ベルトン、辺見葉子、金時徳、スティーヴン・ヘンリー・ギル、島薗進、鎌田東二(司会)

第三部……科学部会
多層的な感覚価値モデル
 企画趣旨……渡邊淳司
 開催趣旨説明……鎌田東二
 研究報告 多層的な感覚価値モデルの構築に向けて……渡邊淳司
 基調講演1 自己認識の進化と感覚価値……明和政子
 基調講演2 コミュニケーションと感覚価値……岡田美智男
 基調講演3 情報文化と感覚価値……吉岡洋
 指定討論 吉川佐紀子
 ディスカッションⅢ……明和政子、岡田美智男、吉岡洋、吉川佐紀子、渡邊淳司、鎌田東二、原田憲一(司会)
あとがき……鎌田東二

購入日:2012年11月2日
購入店:ジュンク堂書店 京都BAL店
購入理由:
 モノ学・感覚価値研究会での研究報告、ディスカッションをまとめた1冊。とても豪華な参加者陣がすごい。
 以前に見かけて気になっていた1冊だが、購入した一番の理由は週末に開催するHANARARTのアーティストトークに参加される大西宏志さんについて知るため予習が目的である。とはいえ、関連文献をトーク2日前に読みこむというのも無茶な話である…。

 だが、急に思いついたとはいえ、本書と出会ったのはあながち的外れでもない。自分がHANARARTでキュレーションした展示では、「モノ」が作品の一部といってもいい重要な要素だったからだ。そして、大西宏志さんもまたモノ学という「モノ」で繋がる。ならば、「モノ」繋がりで作品/作家を繋げることができるのではないか、などとつらつら考えている。

未読日記662 『モノ学の冒険』

2012-11-02 21:54:12 | 書物
タイトル:モノ学の冒険
編著者:鎌田東二
装幀作品:近藤高弘「MIST」
造本デザイン:尾崎閑也(鷺草デザイン事務所)
組版:大石十三夫(はあどわあく)
編集協力:原章(編集工房レイヴン)
発行:大阪 : 創元社
発行日:2009.12
定価:2,600円+税
形態:303p ; 22cm
内容:
ものづくり/モノノケ/物語/もののあはれ
「モノ」の万華鏡!
日本語の「もの」は単なる物ではない。「物」から「者」を経て「霊(もの)」に至る多次元的なグラデーションに様々な視点から鋭く迫る。
(本書帯より)

序論 モノ学の構築……鎌田東二
第I部 モノと気配とモノガタリ
 聖なる場所と言葉のモノ学的探求……鎌田東二
 モノと気配……松生 歩
 心とモノの魂について……河合俊雄
 移行対象――内と外をつなぐモノ……井上ウィマラ
第Ⅱ部 モノと情緒とワザ
 生きているモノの宗教学――アニミズムを開く愛・愛を身体化するモノ……島薗 進
 本居宣長「もののあはれを知る」をめぐって……黒住 真
 文学の中性名詞――坂口安吾と川端康成から……切通理作
 アニメーションを作るワザ・教えるワザ――宮崎アニメと通信教育の教授法……大西宏志
第Ⅲ部 モノと装置と知覚
 モノと者の間にあるもの――ロボット研究から「モノ学」へのアプローチ……岡田美智男
 物とモノのインターフェイスとしてのデザイン――自作品を読み解きながら……上林壮一郎
 あいだに生まれたものを定位する――感覚価値研究へ向けた一考案……渡邊淳司
 モノと感覚価値――マネキン研究の立場から……藤井秀雪
 「モノ」感覚価値――工芸と美術へのアプローチ……近藤高弘
あとがき……鎌田東二
執筆者略歴

購入日:2012年11月2日
購入店:ジュンク堂書店 京都BAL店
購入理由:
 「モノ」について知ること及びHANARARTのアーティストトーク予習として大西宏志さんのテキストを読むため購入。

未読日記661 『山口華楊展』

2012-11-01 08:24:55 | 書物
タイトル:山口華楊展
別書名:Yamaguchi Kayo
編集:笠岡市立竹喬美術館(上薗四郎、徳山亜希子)
   京都国立近代美術館(小倉実子)
   毎日新聞社(佐々木千春)
発行:[笠岡] : 笠岡市立竹喬美術館、[京都] : 京都国立近代美術館、[東京] : 毎日新聞社
翻訳:原マヤ
デザイン:大向務+坂本佳子+市川真莉子(大向デザイン事務所)
制作:野崎印刷紙業株式会社
発行日:c2012
形態:182p ; 30cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 岡山展: 2012年9月15日-10月21日:笠岡市立竹喬美術館, 京都展: 2012年11月2日-12月16日:京都国立近代美術館
   主催: 笠岡市立竹喬美術館, 京都国立近代美術館, 毎日新聞社 [ほか]
   年譜: p156-171
   参考文献: p172-176
   作品目録: p178-181
内容:
ごあいさつ
Message
「義父・華楊の思い出」山口和子(山口華楊 長男夫人)
「山口華楊先生と私」中路融人(晨鳥社会長・日本芸術院会員)
「山口華楊―人と作品」小倉実子(京都国立近代美術館主任研究員)
[図版]
 本画
 大下絵
 小下絵
 素描
「山口華楊と国画創作協会」上薗四郎(笠岡市立竹喬美術館館長)
作品解説
画家の言葉
参考図版
印譜
年譜
参考文献
作品目録
謝辞

頂いた日:2012年11月1日
 職場にて頂いた1冊。