A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 558 「無償の読者」

2017-09-15 23:55:33 | ことば
 僕たちは全員が、例外なしに、「無償の読者」としてその読書歴を開始します。生まれてはじめて読んだ本が「自分でお金を出して買った本」という人は存在しません。僕たちは全員が、まず家の書棚にある本、図書館にある本、友だちに借りた本、歯医者の待合室にある本などをぱらぱらめくるところから自分の読書遍歴を開始します。そして長い「無償の読書経験」の果てに、ついに自分のお金を出して本を買うという心ときめく瞬間に出会います。

内田樹『街場のメディア論』光文社(光文社新書)、2010年、149頁。

美術作品もいつか本みたいになるとすばらしい。なかなか無償、無料でも鑑賞者が生まれないところが難点ではあるが。


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