A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記886 『すべてのものの半分はイメージで出来ている(鳥とハイヒール)』

2014-07-05 23:06:22 | 書物
タイトル:すべてのものの半分はイメージで出来ている(鳥とハイヒール)
並列タイトル:Half of all things through image. (bird and high-heeled)
シリーズ名:MYY BOOKS vol.6
Art Direction & Design : 白澤真生
Artwork : 荒木由香里
Photograph : 尾崎芳弘
発行:[荒木由香里]
発行日:[2014]
形態:[38]p ; 12cm
定価:1000円

購入日:2014年7月5日
購入店:AIN SOPH DISPATCH
購入理由:
 名古屋・AIN SOPH DISPATCHで開催された荒木由香里展「すべてのものの半分はイメージで出来ている。(鳥とハイヒール)」にて購入した1冊。
 本書は、作家の荒木由香里、デザイナーの白澤真生、写真家の尾崎芳弘の3人が共同で制作するZINE形式の作品集MYY BOOKSの第6弾。毎回、個展会期に合わせて発行しているそうで、かなり完成度が高い。作品制作と平行して印刷物を作るのは大変なのではないかと推測するが、ただの作品集というよりは遊びの要素も盛り込まれ、荒木の世界観が表現されたアートブックといってもいいかもしれない。中ほどに掲載されたドローイングもおもしろい。
 今展はこれまでの作品と異なり、同一の色彩でまとめることはせずに、モチーフのイメージによる構成が前面に出た作品群となっていた。以前と異なり、シュルレアリスム的な印象も受けたが、それは色彩が後景になり、物質性がよく見えるようになったせいかもしれない。個人的には、隅に展示されていたクマのレンチキュラーを用いた小品彫刻がすばらしかった。無作為にできたものなのかもしれないが、本作はタイトル通りクマの表情が見る角度(およそ半分)によって異なるイメージを有する点で、今展のコンセプトに通じていた。
 個人的には、オブジェ性が前面に出ると彫刻性が失われる気もするが、今後の展開がどうなるのか注目したい。


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