A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

散歩のとき何か食べたくなったのだ18 シベリア 1

2011-01-11 23:46:29 | たべもの
購入日:2010年12月28日
商品名:シベリア
購入店:築地木村家 
 大正時代、羊羹をカステラで挟んだ「シベリア(ケーキ)」なる菓子があった。その存在を知ったのは、大阪・帝塚山画廊で開催された「後藤靖香展:羊羹オサライ」を見たときであった。出品作品の1つに、シベリア(ケーキ)を持った水兵が描かれていたのである。ギャラリーの方にお伺いすると、それはシベリアケーキだという。そして、展覧会タイトルの「羊羹オサライ」とは、今展の作品が大正時代の大祖父をモデルとした作品であることから、その時代に広く一般庶民に食されていた羊羹(シベリア)の時代を再び「オサライ」するという意味があるのだという。
 ちょうど個人的にも大正時代を調べていたこともあり、シベリアが現在でも食べられるのか気になり訪ねてみる。すると、東京の築地あたりでまだ販売している店があるという。ならば、大正に生まれた菓子を食べることで、この時代を体感してみようと考えた。食による大正研究である。
 その後、調べた結果分かったのが今回買い求めた築地木村家である。木村家というと酒種あんぱんで有名な「銀座木村屋」が有名だが、「や」の字が異なる。銀座は「木村屋」だが、築地は「木村家」である。
 築地駅を降り、店に向かうと、外の看板に「シベリア」の貼り紙が堂々と掲げられている。ホームページにも、「お客様からのご要望がとにかく多かったために、一丁やるか!と販売」と書かれてあり、シベリア人気は健在のようだ。逸る気持ちを抑え、狭い店内に入る。目指すシベリアはガラスケースの中に並べられていた。探し求めてきたシベリアと対面した興奮から3個入り520円のセットを購入(ついでに、となりに並んでいた「ジンジャー黒パン」が空腹の要求を抑えきれず衝動買い)。

 食べてみると・・甘い!お茶がほしい・・。食べ進むほどに、なぜカステラと羊羹のコンビネーションなのかわからなくなるほど、微妙かつ濃厚な組み合わせに胃も心も満たされた。
 ちなみに、この「シベリア(ケーキ)」は、発祥地、考案者、由来も正確にはわかっていない。シベリア出兵の年に販売されたとか、シベリア凍土をイメージしているなど諸説があるようである。今後は、日露関係も視野に入れ「シベリア」研究を継続していきたい。
つづく。

シベリアの断面

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