A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記939 『鉄道と日本軍』

2014-10-29 23:39:09 | 書物
タイトル:鉄道と日本軍 (ちくま新書)
著者:竹内正浩
装幀:間村俊一
発行:東京 : 筑摩書房(ちくま新書, 863)
発行日:2010.9
形態:253p ; 18cm
注記:鉄道史年表: p239-251
    参考文献: p252-253
内容:
鉄道は、いつの時代も最大の国家プロジェクトだった。同時に、鉄道は軍事と不可分のものでもあった。泰平の長い眠りから覚め、弱肉強食の熾烈な国際関係の渦に放り出された日本が、富国強兵政策のもとでひたすら国力涵養に努め、植民地化を免れて、列強の一角を占めることができた時期こそ、鉄道の黎明期だった。鉄道と軍事の一体化に努めたことにも、その力の源泉はある。国策としての鉄道に光を当て、日本の発展をたどる。

目次
第1部 西南の役と鉄道
 1鉄道時代の幕明け
 2西南の役
第2部 日清戦争と鉄道
 1東西両京幹線問題
 2富国強兵と鉄道
 3日清戦争
第3部 日露戦争と鉄道
 1鉄道権益
 2ロシアの脅威
 3日露開戦
 4鉄道戦争
あとがき
鉄道史年表
参考文献

購入日:2014年10月29日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 初三郎研究の参考文献として購入。鉄道と国家の関係について書いた本がないか調べたところ本書を見つけた。実は、本書は以前に図書館で借りたことがあるのだが、その時は他の本に追われてほとんど読めずに返却してしまったのである。あらためて読み始めて、私が期待していたことはここには書かれていないことに気づき始めた。とにかく年表的な事柄が延々と続き、問いや結論などの論旨がない。記述は正確だが、以下のような文が続く。

「東海道線は、明治十九年一一月ごろから順次着工し、まず明治二〇年七月一一日に横浜‐国府津間三〇哩七四鎖(四九・八キロ)が開通。明治二一年九月一日には浜松‐大府間五五哩四三鎖(八九・四キロ)が、明治二二年二月一日には国府津‐静岡間七一哩二七鎖(一一四・八キロ)がそれぞれ開通し、明治二二年四月一六日の静岡‐浜松間四七哩三五鎖(七六・三キロ)の開通により、(後略)」

 哩や鎖など、現在の単位とは異なるキロ数値を延々と書かれるのだが、イメージが湧かず私には年表でいい。鉄道や地図好きの著者にありがちだが、トリビアリズムへのこだわりが文章のダイナミズムを削いでしまう。


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