A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記86 「木」

2007-08-29 21:40:34 | 書物
タイトル:木
著者:幸田文
カバー装画:増田実
デザイン:新潮社装幀室
発行:新潮社/新潮文庫
発行日:2004年6月10日(初版1995年12月1日)
内容:
「樹木に逢い、樹木から感動をもらいたいと願って」北は北海道、南は屋久島まで、歴訪した木々との交流の記。木の運命、木の生命に限りない思いを馳せる著者の眼は、木を激しく見つめ、その本質のなかに人間の業、生死の究極のかたちまでを見る。倒木の上に新芽が育つえぞ松の更新、父とともに無言で魅入った藤、全十五篇が鍛え抜かれた日本語で綴られる。生命の根源に迫るエッセイ。(本書カバー裏解説より)

購入日:2007年8月15日
購入店:BOOK-OFF 中目黒駅前店
購入理由:
「木」のよさを再確認したのは、春に京都を訪れたときだった。新緑の緑がさまざまな色の階層となり、豊かな緑の空間を形成していた。その風、光、色、空気に、日常を忘れ、それを作り出しているのが「木」の存在であるということにあらためて気づいたのだ。その時、いまなら幸田文の『木』という書物を手に取ることができるかもしれない、と思った。別に幸田文の著作に苦手意識を持っていたわけではないが、作家が「木」という存在をどのような言葉で表しているのか知ってみたくなったからだ。それには、そのもの「木」という固有名詞がつけられた潔いタイトルのこの本がふさわしい。いまは、この「木」がどれぐらい育ち、また私の掌に乗ることになるか今から楽しみな1冊なのである。


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