人間の偉大さとは、つねに、人間が自分の生を再創造することである。自分に与えられているものをつくり直すこと。自分が仕方なく受けとっているものをも、きたえ直すこと。労働を通じて人間は、自分の自然的な生をつくり出す。科学によって、さまざまな記号を用いて世界をつくり直す。芸術によって、自分のからだとたましいとの結びつきをつくり直す(ユーパリノスの演説を参照のこと)。この三つの事柄のそれぞれは、ひとつびとつを他の二つと関連づけないでとり出してみると、どこか見すぼらしく、空虚で、むなしいものであることに注意すること。この三つをひとつにすること、働く人の文化(まあ、もうしばらくは待ってみてもいいだろう)……
シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵―シモーヌ・ヴェイユ『カイエ』抄 (ちくま学芸文庫)』田辺保訳、筑摩書房、1995年、p.290.
シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵―シモーヌ・ヴェイユ『カイエ』抄 (ちくま学芸文庫)』田辺保訳、筑摩書房、1995年、p.290.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます