A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記354 「二代目桂 小南」

2009-12-16 23:37:56 | 書物
タイトル:隔週刊CDつきマガジン 落語 昭和の名人 決定版23 二代目桂 小南
監修:保田武宏
寄席文字:橘左近
CDリマスタリング:草柳俊一
アート・ディレクション:渡辺行雄
デザイン:片岡良子、姥谷英子
編集:三浦一夫(小学館)、内田清子
制作企画:速水健司
資材:星一枝
制作:田中敏隆、南幸代
宣伝:山田卓司
販売:竹中敏雄
広告:林祐一
発行:株式会社小学館
発行日:2009年11月10日
価格:1,190円
内容:
上方噺で咲かせた〝自分だけの花〟
二代目桂 小南【かつら・こなん】1920~1996

CD(72分)
いかけ屋・・・悪ガキに気をつけろ【初CD化音源】
しじみ売り・・・凍える冬も、人情は温かい【初出し音源】
ぜんざい公社・・・窓口をたらい回し【初出し音源】

○京都に生まれ、東京で落語と出会う 言葉の壁を乗り越えて
○CD鑑賞ガイド 〝小南落語〟は独特の味わい
落語をもっと面白くする連載3本立て
田中優子○江戸のリサイクル
五街道雲助○続・寄席文字の粋
山本進○三遊協会の旗揚げ

購入日:2009年11月27日
購入店:成文堂書店 江戸川橋店
購入理由:
桂小南は上方噺を関東風に作り替えて小南落語を作り上げた噺家らしい。だが、それが私に合うかというと、そうでもない。例えば、「いかけ屋」だ。悪ガキといかけ屋、うなぎ屋とのやりとりだけで進む噺だが、怒鳴り散らしたり、泣き喚いたり、やや小うるさい噺なのだ。そのわりに桂枝雀ほどスピード感や誇張がないから、もの足りない。
続いて「しじみ売り」も若い衆・留公の人物造形が過剰で騒々しい。人情温かいいい話なのだが、人物造形と噺の雰囲気が一致していないから、噺に入り込めない。なお、この噺のがく然とするサゲは上方ならでは気がする。個人的には嫌いではない。悔しいが余韻が残ってニヤニヤする。
噺としてまとまりがあって、人物造形の描き分けがよくできているのは「ぜんざい公社」だ。事業仕分けなら、すぐ廃止にされてしまいそうな公社だが、くだらない設定を、いちいち細かいところまで描写していておもしろい。サゲも効いていて楽しい。もちろん聞き終われば、ぜんざいが食べたくなるだろう。ただし、「甘い」ぜんざいが・・。


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