A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1313 『物語の構造分析』

2017-06-13 21:17:55 | 書物
タイトル:物語の構造分析
タイトル別名:Introduction à l'analyse structurale des récits
著者:ロラン・バルト
訳者:花輪光
発行:東京 : みすず書房
発行日:2016.4第27刷(1979.11第1刷)
形態:219p; 20cm
注記:著者が指定した15編のテクストのうち8編を選んで収めたもの
   他の7編は沢崎浩平訳『旧修辞学』 (みすず書房既刊) 及び同じ訳者によるみすず書房から刊行予定の図書に収録
   [Selection 1]: 標題紙裏
   原注: p171-186
   訳注: p187-195
   裏ジャケットに著者の写真あり
内容:
「物語はまさに人類の歴史とともに始まるのだ。物語をもたない民族はどこにも存在せず、また決して存在しなかった。あらゆる社会階級、あらゆる人間集団がそれぞれの物語をもち、しかもそれらの物語はたいていの場合、異質の文化、いやさらに相反する文化の人々によってさえ等しく賞味されてきた。物語は、良い文学も悪い文学も差別しない。物語は人生と同じように、民族を越え、歴史を越え、文化を越えて存在する」

フランスにおける〈物語の構造分析〉は事実上、「コミュニカシヨン」誌、八号の物語の構造分析特集に始まると云ってよかろう。その巻頭を飾った、バルトの「物語の構造分析序説」は今や〈古典〉として名高い。この論文は現在においても、依然としてその重要性を失っていない。本書は、この記念碑的な労作をはじめ、批評家バルトの基調を示す「作者の死」「作品からテクストへ」、さらに、バルト的神話学ないし記号学の新しい方向を示す「対象そのものを変えること」等、八篇を収める。つねに変貌してゆくバルトの、60年代から70年代にかけての軌跡を明らかにする評論集。

目次
物語の構造分析序説
天使との格闘――「創世記」32章32-33節のテクスト分析
作者の死
作品からテクストへ
現代における食品摂取の社会心理学のために
エクリチュールの教え
逸脱
対象そのものを変えること

原註
訳註
訳者解題

購入日:2017年6月13日
購入店:丸善 京都本店
購入理由:
 京都・瑞雲庵にて開催された「アンキャッチャブル・ストーリー」レビューのための参考文献として購入。
「uncatchable(捕まえられない=わからない)」物語(story)というタイトルで思い出したのが本書だった。物語論は奥が深すぎて勉強している時間はないが、ひとまず本書でなにかヒントを得ることにしよう。