A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1104 『ラインズ』

2015-10-30 23:34:07 | 書物
タイトル:ラインズ 線の文化史
タイトル別名:Lines : a brief history
著者:ティム・インゴルド
訳者:工藤晋
装幀:松田行正+杉本聖士
発行:東京 : 左右社
発行日:2014.6
形態:267, viiip ; 20cm
注記:解説: 管啓次郎
    文献一覧: 巻末pi-viii
    原著(Routledge, 2007)の全訳
内容:
面白いことはすべて、道の途中で起こる。あなたがどこにいようと、そこからどこかもっと先に行けるのだから。 ティム・インゴルド

彼が全著作において試みているのは、私たちが〈生き生きと生きている〉というこの現実を、あたかも〈生き生きしていない〉かのように捉えさせる論理や概念から救出すること、これに尽きる。
柳澤田実さん 図書新聞2014年9月6日号より

目次
日本語版への序文
謝辞
序論
第1章 言語・音楽・表記法
第2章 軌跡・糸・表面
第3章 上に向かう・横断する・沿って進む
第4章 系譜的ライン
第5章 線描・記述・カリグラフィー
第6章 直線になったライン
人類学の詩的想像力 訳者あとがき 工藤晋
さわやかな人類学へ 解説に代えて 菅啓次郎
文献一覧

購入日:2015年10月29日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 発売時に興味を魅かれたものの今に至ったが、近々愛知県美術館にて開催中の「コレクション企画 線の美学」展を見るための予習として購入。
 まず、装幀が美しい。フォントも紙もすばらしい。本を開いた状態がこんなに美しい本は久しぶり。文章に添えられている挿絵もおもしろく、パラパラと見ているだけで、想像力が刺激される。肝心の中身はというと、複雑・広範な内容を扱っていること、訳が硬いこともあって、「さわやか」とは言い難い。バルトみたいに断章形式だったら違うのだろうが。またいつか再読を試みたい。