A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1095 『田中恭吉 ひそめるもの』

2015-10-11 23:57:35 | 書物
タイトル:田中恭吉 ひそめるもの
企画・監修:和歌山県立近代美術館
編集:寺口淳治、井上芳子
制作:コギト
ブックデザイン:馬面俊之
発行:東京 : 玲風書房
発行日:2012.9
形態:325p ; 22cm
注記:三木哲夫編 田中恭吉年譜: p288-300
    三木哲夫編 主要文献目録: p301-302
    「生誕120年記念田中恭吉展」(和歌山県立近代美術館、2012年9月1日-10月14日)と合わせて出版されたもの
内容:
当時、私があの素ばらしい芸術に接して、どんなに驚異と嘆美の瞳をみはつたかと言ふことは、殊更らに言ふまでもないことであろう。実に私は自分の求めてゐる心境の世界の一部分を、田中氏の芸術によって一層はつきりと凝視することが出来たのである。――萩原朔太郎『月に吠える』より

目次
熊田司「序にかえて――世紀を隔てて見る田中恭吉の藝術」
井上芳子
 第一章 東京美術学校入学まで 一九〇九 ― 一九一二
 第二章 夢二の周辺、回覧雑誌『密室』 一九一二 ― 一九一三
 第三章 病める自画像 一九一三 ― 一九一四
 第四章 『月映』という宇宙 自刻木版画と詩歌 一九一四 ― 一九一五
 第五章 郷里で過ごした最後の一年
寺口淳治「田中恭吉――迷へる夢から覚めた人」
木股知史「田中恭吉の表現――底痛みのする革命」
三木哲夫編 田中恭吉年譜
       主要文献目録
掲載図版リスト

購入日:2015年10月11日
購入店:東京ステーションギャラリーミュージアムショップ TRAINIART
購入理由:
 東京ステーションギャラリーにてずっと見たかった「『月映』田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎」展(2015年9月19日―11月3日)をようやく見れた。事前に購入していた図録で一通り見てはいたが、実物はそれ以上であった。小さい画面に宇宙があるように目がひき込まれていく。残念ながらあまり時間がなかったのだが、1点1点が見ることの至福を与えてくれる時間であった。
 帰りにショップに立ち寄ると、品切れと思っていた本書が販売されていた。値段に躊躇したが、田中恭吉の作品をもっと見たくて意を決して購入。本書には田中恭吉の短歌も多く収録されており、木股知史氏の論考もとても参考になる。