A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記809 『空間の日本文化』

2013-10-23 23:04:55 | 書物
タイトル:空間の日本文化 (ちくま学芸文庫)
タイトル別名:Vivre l'espace au Japon
著者:オギュスタン・ベルク
訳者:宮原信
カバーデザイン:間村俊一
カバー写真:林朋彦
発行:筑摩書房
発行日:1994.3
形態:335p ; 15cm
注記:底本: 「空間の日本文化」(筑摩書房 , 1985年6月刊).
内容:
フランス日本学の若き第一人者による画期的な日本論。日本語の構造、心のありよう、家族・企業などの組織原理、都市空間、土地利用など、日本文化特有の有機的な空間性を多面的に検証し、統一的な視座を提出する。外部からの光により浮き彫りにされる日本的空間の全体像。 解説 隅研吾

まえがき――日本語版にあてて
1 環境に置かれた主体 空間の精神的組織化
 1主体は適応可能である
  音の知覚=角田理論
  知覚されたものの言語化=擬声語、擬態語
  主語=言語上の主体
  人称=人格の表明
  自然の出現
  自我の他者への共感
 2象徴は有効である
  空間にリズムを与える「間」
  共存状態の設定=「縁」
  簡略化し、コード化する=真行草
  慣習が実質に先んじる
  比喩の実践
2 わがものとなった列島 空間の技術的組織化
 1広がりは集中しうる
  外へ向かって伸びる力の欠如
  深い森と魑魅魍魎
  耕地のふちで
  水田耕作の至上命令
  居住域の集中化
  構築されたものと野生のもの=領土のメタファー
 2空間は面的である
  遠近法の拒否
  街路は住民のものである
  内側を包む
  前、後、日常、大いなる日
  「おく」に向かって進む
  場所の発生と境界域性
3 国土の一体化 空間の社会的組織化
 1決定的に重要なのは細胞
  内界と外界
  家細胞
  農村共同体
  町内会
  家族風の仕事場
  日本という大血縁集団
 2隣が標準である
  他者が相手となる時
  公は私の中にある
  隣人が良心をとりしきる
  仲介体は細胞内にある
  コンセンサスのレールに
  モデルの骨組み
結論 日本的範列

訳者あとがき
文庫版解説(隅研吾)

購入日:2013年10月19日
購入店:紀伊國屋書店 梅田本店
購入理由:
 町家展示について考えていたら、日本文化における空間について調べる必要があると考え、まずは定番の本書を購入。第2章部分がとても参考になった。