A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 077 無

2012-06-18 23:51:30 | ことば
 わたしは自分がつまらぬ存在にすぎぬことをよしとしなければならぬ。もしわたしが重要な存在であるならば、それはどんなにかおそろしいことだろう。自分の無を愛すること、無であることを愛すること。目に見えるとばりの向こう側に位置しているたましいの部分によって愛すること。というのは、意識にそれと感知できるたましいの部分は、無を愛することができないばかりか、それをおそれるからである。もしこの部分が無を愛していると思いこんでいても、それが愛しているものは、無とは別のものである。
シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵―シモーヌ・ヴェイユ『カイエ』抄 (ちくま学芸文庫)』田辺保訳、筑摩書房、1995年、pp.185-186.

 いつまでもつまらぬ存在でいたい。