A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記397 「ヴィジュアル・カルチャー入門」

2010-05-14 23:50:44 | 書物
タイトル:ヴィジュアル・カルチャー入門――美術史を超えるための方法論
著者:ジョン・A・ウォーカー、サラ・チャップリン 岸文和・井面信行・前川修・青山勝・佐藤守弘 共訳
カバーデザイン:谷本研
カバー印刷:イチダ写真製版
装画:河合晋平『layerojeal #50』
編集協力:高橋千晶
レイアウト協力:田尻麻里子
発行:株式会社晃洋書房
発行日:2001年5月30日
内容:
John A. Walker & Sarah Chaplin, 1997, “Visual Culture : An Introduction”, Manchester University Press.の邦訳。

はじめに
謝辞
序論
第1章 「カルチャー」とは何か?
第2章 「ヴィジュアル」とはどういうことか?
第3章 「ヴィジュアル・カルチャー・スタディーズ」とは何か?
第4章 理論とどのようにつきあうか?
第5章 生産・流通・消費のモデル
第6章 さまざまな制度
第7章 視線、眼差し、監視
第8章 ヴィジュアル・リテラシーと視覚の詩学
第9章 さまざまな分析方法
第10章 ヴィジュアル・カルチャーの快楽
第11章 規範――価値とは何か?
第12章 ヴィジュアル・カルチャーと商業
第13章 ニュー・テクノロジー
訳者あとがき
註――さらなる読者のために
索引(人名・団体名/事項/作品名・展覧会名)
(本書目次より)

購入日:2010年4月19日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 「ヴィジュアル・カルチャー・スタディーズ」という新しい研究方向を概説的に紹介した入門書。もともと大学の教科書として出版された1冊であるそうだ。私も同じく教科書的な目的で購入したのだが、第4章「理論とどのようにつきあうか?」は実利的かつ本質的な点を指摘していて、勉学をするすべての人に参考になるような1章であった。
 全体の内容は、ヴィジュアル・カルチャーにまつわるトピックを様々に取り上げているので、読んで損はない1冊かと思う。ただし、訳が硬かったり、欧米圏の事例が多かったりするので、やや読みにくい点があるのも事実。そこは読者の課題として日本の事例を考えてみてほしい。