初秋のとある快晴の日、私は海府大橋のたもとに注ぎ込む「おおざれの滝」を海上から眺める目的で船を出してもらおうと真更川の集落にでかけてみた。車を停めると地元のおじいさんと目が合った。私が「今日は船を出してもらえますかねえ~?」と尋ねてみたら、ご老人は「う~ん、今日は北西の風が少し強く吹いておるし、海上はちょっと時化とるかもしれんなあ~」と意外な返事をした。「それでもちょっと待ってくれ、今民宿のもんに聞いてみるし」と言いながら、少し海岸寄りに建つ民宿「はやし」さんの玄関まで私を連れていき、宿のスタッフに「船を出せそうかどうか」聞いてくれた。しかし「やはり船は出せない」とつれない返事だった。訪問当日の陸は暑いくらいの気温で風も弱い、陸から海上を見る限り海はべたなぎとは言えないが、ややさざ波がたつ程度だ。観光船は出ているし、他の地区では漁船もちらほらと見えた。この程度の波で漁に出ないとしたらいったいいつ漁に出るのだろうか?この真更川地区の人々は。そう思いたくなるほどの波の程度であった。素人目にはそのように思えても現場を知悉した漁師の判断は適切かつ的確だ。彼らの判断は重く絶対的である!「海をあもう見てはならん」、これが外海府に住む人々の合言葉なのだから。
初秋のとある快晴の日、私は海府大橋のたもとに注ぎ込む「おおざれの滝」を海上から眺める目的で船を出してもらおうと真更川の集落にでかけてみた。車を停めると地元のおじいさんと目が合った。私が「今日は船を出してもらえますかねえ~?」と尋ねてみたら、ご老人は「う~ん、今日は北西の風が少し強く吹いておるし、海上はちょっと時化とるかもしれんなあ~」と意外な返事をした。「それでもちょっと待ってくれ、今民宿のもんに聞いてみるし」と言いながら、少し海岸寄りに建つ民宿「はやし」さんの玄関まで私を連れていき、宿のスタッフに「船を出せそうかどうか」聞いてくれた。しかし「やはり船は出せない」とつれない返事だった。訪問当日の陸は暑いくらいの気温で風も弱い、陸から海上を見る限り海はべたなぎとは言えないが、ややさざ波がたつ程度だ。観光船は出ているし、他の地区では漁船もちらほらと見えた。この程度の波で漁に出ないとしたらいったいいつ漁に出るのだろうか?この真更川地区の人々は。そう思いたくなるほどの波の程度であった。素人目にはそのように思えても現場を知悉した漁師の判断は適切かつ的確だ。彼らの判断は重く絶対的である!「海をあもう見てはならん」、これが外海府に住む人々の合言葉なのだから。