座席の真正面には23インチの大型液晶画面がどお~んと鎮座ましましており、ビジネスクラスの二倍の大きさである。そして画面の前の物置台の右手にデジタルノイズキャンセリング機能付きで耳への圧迫感のない高性能ヘッドホン(ソニー製)(ビジやエコ席ではファーストクラスのそれよりも安価な、デジタルではない、単なるノイズキャンセリングヘッドホンしか付属していない)があり、左手にサムソナイトのポーチが置かれてあった。ヘッドホンはノイズキャンセラーが良く効いていて、飛行機のエンジン音を気にせずに音楽や映画を楽しむことができる高性能品である。ヘッドホンケースに入ってはいるが、持ち帰りは不可である。ヘッドホンジャックはANAの長距離国際線機内専用の仕様になっているため国内線では使用出来ない。
席に着くと、CAさんが「リラキシングウエアにお着換え下さいませ」と言ったが、筆者はそれを断った。するとCAさんは「まあ~お客様お着換えなさらないのですか。ならばお客様、これはお持ち帰りも出来ますが」と続けたが、「荷物になるからそんなものいらないよ」と答えた。CAさんは「変な子」とでも言いたげな表情をしたが、筆者は構わず写真撮影に没頭した。他の乗客は全員着替えていたと言うのに。。
このリラックスウェア、ぱっと見はただのスウェットに見える。筆者はロンドン到着の2時間前に機内が寒くなったので試しに羽織ってみたら、着心地が軽く肌触りが優しい感じがした。そして薄手の記事にもかかわらず暖かいから旅先で重宝すると思うので、荷物になるのを厭わない人は是非持ち帰るといいだろう。このウエアは先染め糸を二重編みにした両面ニット使いの上下で、しなやかな肌ざわりと軽い着心地が特徴で、持ち運びに便利な収納ケース付きだ。ただしパンツ部分は隣のおじさんが穿いているのを見たが、細い筆者には紐で締め付けてもダボダボになるような感じだった。
ファーストクラスには乗客8人に対しトイレが二つもある。ギャレーに向かって左手と中央部の二か所にあり、中央部のそれには着替え用の衣服を置く台(赤ちゃんのオムツ替え台と同じもの)が付属している。客がトイレに行く素ぶりを見せると、すぐさまCAさんが先導し、「お客様少々お待ち下さい」と言い、まずトイレに汚れがないかを確認する。汚れがあれば綺麗に清掃した後に客に入室を促す仕組みで、しばし殿様気分を味わえる、そしてファーストクラスのトイレには実年齢よりも10歳若く見える鏡が置いてあるのに対し、ビジネスクラスには年齢相応かあるいは照度の関係で実年齢よりも老けて見える鏡が置いてある。鏡一つ取ってもそれだけの差を付けているのだ。ファーストのトイレの手拭きは布製だが、ビジネスのそれはペーパーだし、便座や手洗い台もビジネスよりも上等な質感のものを使用していた。ただ、使用後の手拭きタオルの捨て場所がないため、台の上に置き去りにせざるを得ないのだが、使用後はすぐさまCAさんがトイレに入りそれらを回収していた。筆者は、今年6月の羽田・フランクフルト往復ファーストクラスの旅では、担当CAさんに対し「トイレ内に手拭きタオルの捨て場所スペースを設置して欲しい」と改善提案をしておいた。さすれば、乗客も便利だし、ANA側もタオルの回収再生作業がし易くなる上、CAさんの業務軽減効果にも繋がるのではないだろうか?
機内Amenityの豊富さ、トイレの快適さ、広々とした個室空間と新幹線のグランクラスのように、電動で自由なpositionを設定出来る革張り座席、豪華な食事の質と量、きめ細かなCAさんの接遇、子供の姿が皆無の完全大人の世界、クラス毎に機内放送が出来るため、機内安全に関するアナウンスと機長挨拶以外のアナウンスが一切流れないため、機内放送がうるさ過ぎるビジやエコ席とは別世界の静寂さ、寝心地のいい西川製の暖かい羽毛布団と枕、高性能なヘッドホンと大画面で楽しめる様々なコンテンツ、高級シャンパン、ワイン、大吟醸が飲み放題!CAさんは乗客全員の名前を憶えていて、話しかける時は必ず客の名前で呼び、跪いてから客の要望を聞く。そのように接遇マニュアルに定められているのを実行しているだけなのだが、客の立場からすれば誠に心地よいサービスだ。それらのサービス料は全て片道運賃の182万の中に含まれている。
高性能ヘッドホン
リラキシングウエア上下とその収納ケース及びスリッパ
テーブルは収納式で引き出すとこうなる
様々な収納ケースと電源プラグ及び、座席の位置を自在に変えるためのコントローラー。電動椅子用コントローラーはタッチパネル式になっており、手元での操作が可能なように取り外しできる構造になっている。
椅子の座席部分はファブリックだが、手置き台は革張りの豪華さ!
スーツの収納ケースとハンガーは壁の外部に付いている
液晶画面のメニューをコントロールするリモコン、これは衛星電話としても使えるので機内から日本へ電話をかけられる。ただし、通話料は有料であり、コントローラーの側面にカードリーダーが付いており、ここへクレジットカードを通してからダイアルする仕組みになっている。
足元はこんなに広くて、オットマンまで足が届かないくらいだ
2A席の窓
まぶしいためおじさんシェードを下ろしてしまった。意地悪ちゅるなあ~
CAさんはかくの如く跪いて客の要望を聞く
これが座席位置をコントロールするタッチパネル。これは取り外して手元で操作できる
靴を脱いでリラックス
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