オセンタルカの太陽帝国

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戦争ソナタ。

2011年01月15日 00時11分36秒 | わたしの好きな曲

セルゲイ・セルゲイエヴィチ・プロコフィエフの数ある作品の中で、わたくしが大好きなのは「戦争ソナタ」と題された3曲の作品です。
9曲あるピアノソナタの中で、6~8番までが、「戦争ソナタ」と呼ばれています。
有名なのは第7番の戦争ソナタなのですが、わたくしは高校生の頃から第6番の方をすこぶる愛聴しておりました。どの作品も大好きになれるショスタコーヴィチとは違って、プロコフィエフは作品ごとの個性が著しく、中には到底好きになれない作品もあるのですが、一方でわたくし好みの素晴らしい作品が何曲かあって、総合的にプロコフィエフはショスタコーヴィチと等価です私にとっては。大好きな作品はイワン雷帝、ロミオとジュリエット、ヴァイオリンソナタ2曲、ヴァイオリン協奏曲2曲、戦争と平和、ピアノ協奏曲第3番。…交響曲群は比較的好きじゃない。
有名な第7番と較べて第6番が好きなのは、極してしまえば高校時代の私の耳がほとんど熟していなかったからだと思います。第7番は曲として体裁を為してないと思う。第6番の方が古典的な均衡を保った傑作だと思います。第6番は起承転結がしっかりしている。その認識のままわたしは20年経過してしまった。今でも第7番よりも第6番の方が好きです。なんせヘンデル的楽曲が今でも一番好きですからね。…そう思うのは、プロコフィエフは結局、わかりやすい単純な曲を書くのに20世紀で一番長けていた傑人からだと思うからで、、、、 スターリンの言う社会主義リアリズムをショスタコーヴィチの百倍もしっかり体現していた。…かといって7番の素晴らしさを否定するものでもございませんが、オレンジやロミオと第7番だったら、私はオレンジを取りますよ。いまでも。


<3つのオレンジを愛した王女 ~行進曲>


<キージェ中尉 ~トロイカ>


<戦争ソナタ第7番 ~フィナーレ>

こう並べてしまうと、第7番の単純明快さもなかなかのものでありますが、ここでふたたび冒頭の第6番のフィナーレを聞いてごらんなさい? この端正さの方に私は目を見開くのだ。プロコフィエフ、好き好きー。言うなれば第7番のフィナーレは、ショパンの第2番のフィナーレ(←大嫌い)に通ずるものがありますよね?

 

さて、冒頭の動画は、現在28歳重慶生まれのユンディ・リのものであります。
私が永年愛聴していますのはロシア産のイェフゲニ・キーシンのものでして、CDは2種類を保持し、これは「キーシン以外の物はプロコフィエフはいらない」と正直思うほど素晴らしいものですが、(2枚とも10年前に富士市の中古CD屋で求めた物)、ユーチューブで見てみるとなぜか、んー、キーシンにはいささか迫力が足らず、ユンディ・リの方がいささか(音質的に)私の心に適った。だから冒頭に掲げてみました。
でも、第6番の一番の最適手はキーシンだと思いますよ。
この人は機械の手に美麗彫刻的な心を込められる人です。タニス・リーの銀色の恋人のイメージな人。音はともかくこの映像には感激。


<キーシン>

しかし、私が高校生時代に聴いて親しんでいたのは、どうやらスヴャトスラフ・リヒテルのものだったみたいだ。いま20年ぶりにこのタッチを聴いて、戦慄を覚えています。(ネット検索もしてみるもんだ)


<スヴャトスラフ・リヒテル、1966年>

 

コメント
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