レクサスLC500(10段AT変速)
毎度、宗教布教ブログなのに、自動車記事が得意な編集長でございます。(笑)
今年の幸福の科学の基幹経典は、「伝道の法」ですので、多くの方に受け入れていただくサムシングが必要と思います。
余り知られていないのですが、今の自動車商品の主流の形態の形成には、日本の三菱自動車の実績が大きく、そこからマーケティングとイノベーションといった、総合マネジメントの成功理論を抽出できるのではないかと思うのです。
では、現代の主流商品の元となった偉大なる珍発明(笑)、笑撃の・・・いや失礼(爆笑)、全世界に衝撃と新たなニーズを提供した、偉大なる発明品の話です。
前回記事でご紹介した、三菱ミラージュのスーパーシフトなんですが、これは当時の様々な事情で、手持ちのFR用エンジンを、ジアコーサFF用に逆回転させるためのギアでした。三菱自体、これがその後、全商品の99.9%ジアコーサ式FFのきっかけになると考えていたとは思えず、あくまでジアコーサFF用エンジンができるまでの、一時的なつなぎ的な発想だと思われますが、その現実性の高さから、業界のトレンド形成に貢献しました。
(関連記事 ミラージュが切り開いた、スーパーな逆転の未来。)
エンジンを逆回転させる三菱ミラージュのスーパーシフト方式だと、他の自動車メーカーは、今ある部品を使って商品開発のためのデーター収集ができるので、大幅な開発コスト削減になるからです。
現代の自動車の99.9%は、三菱ミラージュ(初代)から始まったと言って過言ではなく、ミラージュは言わば、自動車産業の中興の祖と言えるのです。
三菱ミラージュ(初代)とスーパーシフト(4速×2の8段変速)
スーパーシフトはエンジンと変速ギアの間に小さなギアを入れ、駆動回転を逆にすると同時に、Hi&LOWの2段構えとし、通常の何の変哲もない4段変速機と連結することで、安いコストで8段変速機を作ったんですね。
これは、燃費性能では、無敵の強さを発揮しました。当時の乗用車での燃費競争では、三菱ミラージュが圧倒的な強さだったのです。
実は、エンジンというのは、効率良く力が発揮できる回転数というのが、それぞれ決まっているんですね。レースなど、最高出力がものを言うエンジンだと、その効率の良い回転数を高回転領域に設定します。
しかしそれだと、通常市販品で使うような、日常的な使い方だと、エンジンは力が出ないんですね。
これを解決したのは、後のホンダのVTEC(ブイテック)ですけれども、この、「得意の回転領域が決まっている」というエンジンの宿命を、何とか実用的なものに変えているのが変速機です。いわゆる、ギアチェンジですね。
スーパーシフトは、当時の通常の4段変速機に2種類のギアをはめ込んだ4×2の8段変速だったんですが、このエンジンの得意領域、つまり最も熱効率の良い回転数を維持して、変速機で速度を調整して走ることができたんですね。 つまり通常のドライブのイメージですと、速度を上げ下げするのに、アクセルの踏み具合で調整するんでしょうけれども、ミラージュは、ギアチェンジで速度の上げ下げができ、熱効率が最も良い回転だけを使って走ることができたのです。
当時は、どのメーカーのエンジンも、排気ガス規制によって、熱効率が落ちていました。それは三菱も同様です。
しかし三菱ミラージュのスーパーシフトは、熱効率の良い回転領域を使って速度調整することで、無類の燃費性能を稼ぎ出すことができたんです。
大体、17㎞/Lほどでしょうか。実用20㎞/L以上・・・という、当時の記事もありますので、これは相当なものです。現代でも、これだけの数値を、実走行で稼ぎ出せる製品は少ないです。
「日本車は、燃費が良い」というイメージは、実は初代ミラージュから来ていると思います。
このころ他の商品での実用燃費は、それほど褒められたものではなく、ミラージュの低燃費性能は、8段変速のスーパーシフトが要因です。
しかし、そんな三菱スーパーシフトは、普及しなかったんですね。なぜでしょうか?
すべては流れやすい方向に流れます。これは真理です。
万事、すべてのものは、流れやすい方向に流れる。水も、風も、電気も・・・、そして人の心も・・・(爆笑)
そうなんです。8段も変速操作を、当時のマニュアルミッション、つまり、手動操作でやるのが、めんどくさかったんです。(爆笑)
教習所で習った、変速のたびに、クラッチを踏んで、ギアチェンジをしてという、あの一連の操作、これが8つもあったら、めんどくさいんですよね。変速ギアなんて、街中走行だったら、3速もあれば事足りますし。
たとえて言うなら、8段変速機のスーパーシフトは、8階建ての高層建築のようなものです。
「8階も使えて、さぞ楽しかろうな。」と購入時は考えたとしても、いざそこに住んでみたら、「階段上るのが大変だった。」みたいな感じでしょうかね。(笑)
8階建てなら屋上で、掃除をするのも、洗濯物を干すのも、人によってはお風呂やトイレだって重労働になりますよね。
しかしその高層建築に、エレベーターが付いていたら、さあどうなるでしょうか?(^^)
そうです。エレベーターなしなら、たとえ3階建ての建物でも、毎日だと嫌になるかも知れませんが、エレベーター付ならば、20階だろうが、50階だろうが、いくら高くても、階段を上る苦労がありませんので、俄然商品価値が上がるわけですよ。
そして世界の自動車メーカーが、スーパーシフトから、インスピレーションを受け、その後、大イノベーションを果たしたんです。
そうなんです。三菱ミラージュの三大発明の残りは、自動変速装置の劇的な変化です。
ひとつは、AT(オートマティックトランスミッション 通称オートマ)の多段化であり、もうひとつは、CVT(無断変速装置)です。
ギア数が少ないと、どうしても効率の悪い回転領域を使うことになるので、燃費が落ちるんですね。「多段化することで、効率の良い回転領域を、できるだけ使おう」というのが、ATの多段化の流れなんです。
1970年代のオートマ車の変速機は、高級車で3速でした。ただ走るだけなら、3速で十分なんです。
それがミラージュ以降、急激な多段化が始まります。トヨタが4速、日産が5速と、多段化し始め、今は10速まであります。
4速AT最初の搭載車 トヨタ セリカXX(初代)
多段化すれば大型化し、重量増がATでは必須でしたが、最近マツダから、小型の6段AT搭載車が生まれました。
6段ATの、マツダ デミオ
大型車を中心に、ATの多段化が進み、小型車ではCVT搭載車が増えました。日本初のCVT搭載車は、な・・・なんと、スバルです。(爆笑)
スバルはその後も、CVT技術向上に尽力しています。強いエンジンには相性が悪かったのですが、スバルや日産の努力で、それを克服できています。
1987年スバルジャスティー(初代)とCVTの構造
CVTの構造は、三菱ミラージュのスーパーシフトの、エンジンの得意に回転領域を使って走る・・・という原理。
つまり、エンジン回転数を保ちながら、ギア変速でスピード調整をする原理を、純粋化したものと言えます。
CVTの自動変速装置としての原理自体は、もっと以前よりありましたが、1980年ころ特許が切れて、自動車にも搭載されるようになりました。
ともあれ、エンジンの得意領域を使って走れば、劇的に燃費が良くなるというのを、世界の自動車業界は、ミラージュのスーパーシフトで知ったのです。つまり今の自動車は、ほとんど自動変速ですけれども、その根底にあるのは、熱効率の良い燃費のツボを使って走りたいからなんです。その始まりは、日本の小さな三菱車だったんですよ。
三菱のやったこと、やろうとしていることが、世界の主流になるの法則。略して、世界のトレンドメーカー三菱の法則です。
それは大がかりなプロジェクトがやりにくい小メーカーであるが故の実用主義であり、現実主義でありますし、メンタル面ではスバルなど旧中島飛行機への対抗意識であるのですが、それゆえに、普遍性を持つところが面白いですね。
(ばく)
【CM】『伝道の法』
3度の倒産にも負けなかった成功への情熱
2017年第2回講演会
演題 大川隆法総裁「信じる力」
本会場 大分別府ビーコンプラザ・コンベンションホール(完全予約制)
衛星会場 全国の支部・精舎・衛星布教所
開催日 2月11日(土・祝)13時20分~ 15時
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