林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

稔典俳句3 呆ける

2012-12-25 | 拍手

  鐘つけば銀杏散るなり建長寺 (夏目漱石)

  柿くへば鐘がなるなり法隆寺 (正岡子規)

坪内稔典宗匠によると、法隆寺より鎌倉の建長寺が2ヶ月ほど前に出来たそうです。
これ、マジメな話です。
子規と漱石は、一緒に寄席に行くくらい親しかった。

っていうことは子規は親友・漱石の句を盗作したってということ? 
こりゃぁえらいことになった。

閑話休題(それはさておき).......。

  菜の花や月は東に日は西に (与謝蕪村)

俳句を面白くするには、組み合わせ(取り合わせ)の手法で創ること、だそうです。
取り合わせは耄碌したときの現象に非常に近い。耄碌すると言葉が短くなり文脈を失う。
まさに俳句の世界だ。

ボケ防止に俳句を始めるのは間違い。
言葉でボケることこそ生き生きした取り合わせの秘訣です、と。

そして俳句には無責任で主体性のない人が向いている。
自分の言いたいことを俳句に入れてはダメ。
自分の言葉を他人がどう読んでくれるかに欲求や興味がゆくほうがいい。

意見や意思を表現したければ最後に七・七がある和歌に行けばいい。

 

  稔典宗匠はあんぱんが大好きで、この30年、朝食はあんぱんと決めている。
  あんこは粒餡が好み、とか。これ、森生と同じ。
  和歌は漉し餡で俳句は粒餡。
  俳人では芭蕉、蕪村は漉し餡派。だからつまらない。一茶は粒餡派の由。


  俳句は食物や昆虫を詠み込む。
  けれども高尚を気取る和歌は、こういったものをこれまで相手にしなかった。

  俳句には日常茶飯事を積極的に取り込もう、と。

稔典宗匠の「名句」は【こちら】をご覧下さいね。
前の頁に載せた句は、ここから気に入った句を選びました。
ご同輩は如何でせうか?

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