林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

松本俊介展

2013-01-14 | 色めがね

 Y市の橋

昨年は、36歳で亡くなった「不世出の才人」松本俊介の生誕100年だった。
世田谷美術館で開催している「松本俊介展」を観に行った。(1月14日で終了です)

実は、松本俊介の絵で思い出す作品は2点しかない。他の絵を観たことがなかったからだ。
その2点は、小さな町を背景に大きく描いた作業服姿の自画像と、横浜の運河に架かる橋の絵である。
自画像の方は半世紀も前に、鎌倉にある神奈川県立近代美術館で観たことを今でもはっきり覚えている。

2点はどれも色彩が暗く好きな絵ではなかったが、一種独特の詩情と迫力があり、記憶に残る絵だった。

松本は早世した画家なので作品数は少ないだろうと想像していたが、多数の作品で大きな展覧会になっていた。
初めて観た作品群はどれも松本俊介そのものであり、見応えがあった。

ただ、人物像はバタ臭かったり、無愛想だったりして、ちょっと不気味であまり好きにはなれない。
暗く淀んだ雰囲気の、松本俊介が創造したと言われる街の風景画が、どれも良かった。

風景画だったら持ち帰って、猫額亭に飾っても合う、欲しいなぁ、と思った。

寒さが続くのに、わざわざ世田谷まで行くことは無い、と迷いながら出かけた松本俊介展。
会場を出る時には「来て良かった」と思えた。

立てる像

会期があと一日で終わるので、入場客が多かった。
たまたま寒さが緩んだ所為か、会場は暑く、みぞおちに汗が流れ、絵を鑑賞する邪魔になった。
会場職員が防寒服を着ても差し支えない。室温を下げて欲しかった。

130114



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