三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

学生の匠~4 土間基礎配筋

2006年11月19日 06時45分31秒 | Weblog

土間全面に砕石を敷き込んで、天圧をかけて、
ならして土間基礎の下地が出来上がります。
そこに立ち上がりの部分の無筋基礎に差し込むように鉄筋を通します。
既存の基礎にドリルで穴を穿って、一本一本差し込んでいく作業。
これもまた、根気がいるプロセスですね。
縦横に組み上げるように、配筋していきます。
ピッチも、15cm間隔と、頑強な仕様です。
最近の耐震性能偽装事件以来、こういうプロセスへの関心は高まりましたね。

この現場では、学生の匠らしく、
受賞した学生さんたちが、全員参加で写真右側のように
鉄筋の結束作業に参加していました。
聞くと、かれらの学んでいる、職業能力開発大学校では、家一軒の建築プロセスを
すべて授業として体験させるようにしているのだそうです。
今回の学生さんは3人グループで、女子が2人、男子が1人ですが、
男女の区別なく、こうした現場作業もこなせるように教育されているそうです。
素晴らしいことだなぁ、と感心した次第。
建築系の大学では、こういったカリキュラムに取り組んでいるケースは
あまり聞いたことがありません。
こういう実体験は、どんな仕事に携わることになっても、
発想の基盤のところで、絶対に役立つものだと思います。
自分の手で、体で覚え込んだ内容は、きわめて大切。
そういえば、学校では、今回の受賞にあたって、
建築工事のプロセス、たとえばコンクリートの強度についても
試験サンプルの採取を申し出られて、
授業の一環としても、それら検体を利用してくれていたそうです。
<無事、きちんとお墨付きもいただけたそうです(笑)>
現場のみなさんにとっては、より大変になった部分もあったと思いますが、
いっぽうで、また新鮮な刺激にもなっていたものと思います。
まぁ、「学生の匠」らしい、エピソードとも言えますね。
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