木造の建物で、室内の環境をエネルギーロスなく
温熱環境を維持するためには、それがコントロール可能になっていなければなりません。
これまでの日本家屋ではそういうことができなかったのが
生産のプロセスで「気密化」施工を上手に組み込むことができたことが
温熱コントロール可能な住宅に進化できたワケです。
写真は、新住協が年に1度程度開いている「大工学校」でのひとこま。
床まわりの気密化工事を実演しているところ。
北海道では木造大工さんにはいまや必須の技術といえますが、
その手順などを再度、こういう機会に実演し、確認しているのです。
新住協では全国でこういう機会を提供していて、
はじめて目に触れる技術者の方や、再確認するかたたちが集まってきます。
まぁ、わたしなんかも具体的な手順や確認ポイントなど、
大変勉強になりました。
鎌田先生からは、ぜひ現場の大工さんたちにたくさん来て欲しい
という希望が出るのですが、案外又聞きになるケースがおおいそうです。
今回、北海道が地場工務店などを組織化して
「北方型住宅ECO」という超長期住宅生産運動に着手するのですが、
そこではこの「気密化」レベルとして、
床面積1平米あたり、相当隙間面積で1cm平米以下、という基準が示されています。
北海道では多くのビルダーさんが当然のように
写真のような気密化施工に慣れていて、
いま、高気密高断熱を謳っているビルダーさんでは
0.2とか、0.3などというレベルが語られるケースが多い。
しかし、北総研のかたが「くれぐれも」と、念を押していましたが、
気密施工は実際に計測して結果を確認するわけで、
これまでのケースでも、実際に計ってみて達していないという場合も多いのだそうです。
普段、この程度はなんでもない、技術的には解決済み、と考えていると、
いざ、待ったなしでやってみるとそうでもない場合があるそうです。
今回の「北方型住宅ECO」では
万が一、このレベルを守ることができない場合には、
現実的にはそこに到達するまで再施工してもらうことになる、という対応が示されていました。
再施工ということは、壁の中まで還元してやり直しになるので、
たぶん、建築会社はもうけはすべて吹っ飛ぶことになる。
実際の施工方法を見ていて、
よく考えられているな、と感心できる部分と、
やはり、こうした工事には大工さんの慣れが大変重要と感じます。
最初の2~3軒までが大変で、それ以降は
身についてしまえば、施工手間といってもそれほどはかからない、
だから高断熱高気密だからといって、
コストが大幅に上昇する、とはならないということなのです。
なんとか「北方型住宅ECO」ではすべての住宅が一発でクリアして欲しいものですね。
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