平成25年度に国交省は、広く国民からの調査を実施して
その調査結果内容を公表しています。
戸建て住宅についての調査というのは、いろいろに実施されますが、
住宅政策を司る公的機関の調査であり、基準的な調査結果と言うことで
わたしどもでも、基本資料として参照させていただいています。
その結果の中でも、とくに基本と思われるものに、
「どうしてその住宅(建築)を選択したのか?」という問いかけがあります。
あまりにも基本過ぎて、素通りしてしまうテーマかも知れないのですが、
家を頼むユーザーというのは、いつも新鮮にこの「動機」を持って行動する。
繰り返し、基本に忠実になるべきだとすれば、
この問いかけへの答には、細心の注意が払われるべきでしょうね。
表は、たぶん、質問項目の掲載順に並べたモノでしょうから、
整理するのに、回答の多い順に並べ替えてテキスト表記してみると、
1 信頼できるメーカーだったから 44.4%
2 戸建てだったから 37.1%
3 新築住宅だから 35.5%
4 立地環境が良かったから 34.9%
5 デザイン・広さ・設備がいい 34.4%
6 昔から住んでいる地域だから 27.4%
7 親や子が近くにいるから 23.4%
8 価格が適切だったから 19.0%
という結果です。
他の住宅選択との共通質問項目があって、
その共有特性からして戸建て住宅選択者にとって意味不明の質問もある。
そういった点は置いておくとして、参考になる点も見えてくる。
作り手側から見てみると、非ハンドリング要素である
2,3,6,7などはマーケティング常識的な主体的テーマとは言い難い。
そうすると、企業戦略としてのビジネスマーケティング的には、
1の企業としての「信頼性」と、
4の「立地環境」、
5の「嗜好性・その作られよう」
8の「価格合理性」というポイントになる。
たぶん、4の立地環境という項目を見落とす傾向があると思うけれど、
この項目も「その敷地の魅力を活かす」という意味合いで
作り手にとっては、大いにアピール可能な部分だと思います。
むしろ、地域に根ざした作り手にとっては、
大いに競合優位を発揮できるポイントであるかも知れません。
窓・開口部の取り方、開け方や、配置計画など、
大手メーカーの「商品化住宅」の融通の利かなさを攻める作戦もある。
しかし本筋の戦場は、やはり、
企業としての「信頼性」をどう担保し、アピールするかでしょう。
そして大手ハウスメーカーとの差別化は、
価格合理性ポイントでも自社のアピール力を強めながら、
「嗜好性・その作られよう」を最大の武器にしていくことになる。
それが同時に信頼性の高さを明確にしていくことにつながる。
価格は、ただただ安いということがポイントではなく、
「合理性」というものを、しっかりとユーザーに示せるかだと思います。
この主要な3要素を、どのように企業戦略として組み合わせで実現するか、
オリジナリティ豊かに、構築できるか?が
最大の追求ポイントであることは明瞭だと思います。
<あした以降に続けます>
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