朝鮮では伝統的な暖房方式として
日本よりもはるかに知恵と工夫に満ちて合理的な「オンドル」が使われてきました。
写真イラストは愛地球博のときに韓国館パビリオンで貰ったパンフからのもの。
オンドルって、現代の「セントラルヒーティング」と同じなんです。
台所などの煮炊きをする「釜場」から、居室まで続く「煙道」を作って、
床面を暖めていた、というものなんですよね。
床に布団を敷いておいたり、座布団を敷いたりして、さらに温熱効果を高めていたそうです。
いまでも韓国ではこの暖房方式が主流ですが、
薪の代わりにガスや電気で水を温めて床下のパイプに流して暖房を行っています。
これって、完全にセントラルヒーティングなんですよね。
暖房で言えば、朝鮮(もっと広く北東アジア全域でしょうが)は、世界的最先進地域。
今日、北海道などの寒冷地で発展したセントラルヒーティングですが
日本で普及したのは、こういう朝鮮からの文化伝播ではなく
寒冷地住宅技術の基本として、欧米からのものとして受け入れられたのですね。
住宅に関わるようになってから、なぜ、こうしたアジアの暖房技術が
日本に普及しなかったのか、不思議でならなかったのです。
どう考えても、このオンドルは、寒冷日本にぴったりの技術だったはずなんです。
古民家を見に行って、基本的には沖縄から津軽に至るまで
暖房は囲炉裏くらいしか、日本にはない。
秋田や岩手、南部の住宅など、こういう暖房があれば、もっと地域発展しただろうに
と、思われてならないんです。
日本と朝鮮は民族のDNAは大変近いし、言語学的にも親類。
玄界灘や、日本海(朝鮮では東海というそうですけど)の海上交通の活発さは
歴史を子細に見ると一目瞭然だし、人間の移住もそれこそ日常茶飯だったはずなのに、です。
なぜなんでしょうかね。
まぁ、考えられるのは李氏朝鮮と、江戸期日本の「鎖国」体制くらいかなぁ。
でもそれ以前では、特段海上交通についての権力規制などはなかったはず。
少数の事例はあったと思われますが、なにか理由があったから根付かなかったのでしょう。
読んでいる方で、なにかこのことについて、ご意見や情報がありましたら
お知らせいただけないでしょうか?
長年の疑問なんです、助けてください。(笑)
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