くらげのごとく…

好きなことを考えてふわふわ漂ってるような
時間が心地良かったりする。
たとえ時間の無駄遣いだったとしても…。

春の青空

2013年04月08日 | 日常あれこれ

元同僚が亡くなったというメールが届いた。

保育園に就職して4年目、初めてクラスをまかされた時に新卒の彼女と組んだ。18名の2歳児を当時は3人担任で受け持っていた。振り返れば青春まっただ中だった。みんな年も近くて元気も良くて子どもとも体当たりにぶつかった。

縁あってかその後3年間彼女と組んで同じクラスを持ち上がった。普通ではあまり考えられない人事だが、ワンマンなオーナー園長の気まぐれな思惑があったのだろう。おおらかで明るい半面とても繊細で女性らしいところもあり、私にはないものをたくさん持っていたからこの3年間はとてもやりやすかったしたくさん助けてもらった。私自身、初めて1歳児から4歳児まで持ち上がった子どもたちだったからこのまま彼女と卒園までいきたいなあって切に思った。でも私は5歳には上がれなかった。彼女がそのまま4年間持ち上がり立派に卒園させたのだ。人数も多くてパワフルなクラスだったから彼女のスケールの大きさが必要だったし子どもたちも大きく成長した。

やがて結婚退職し長野へ行ってしまった彼女に卒園児数名と一緒に会いに行ったこともあった。みんなで温泉に入ったり恐竜公園で遊んだり、ご飯を食べたり…さながら大家族のようで楽しかった。子どもたちは庭にテントを作って寝かしたんだよなあ。数年後、かわいい女の赤ちゃんを連れて彼女が保育園に訪ねてきた。とてもいいお母さんになっていて幸せそうだった。

思い起こせばこの時以来彼女に会っていない。風の噂で離婚し、地元で保育士に復帰していると聞いた。がんばっているんだなあって思った。

そして…、突然すぎる訃報。乳癌を患っていたそうだ。

思いだすのは、おおらかな笑顔と明るくて元気な声ばかり…。こんなことがあるなんてまだまだ早すぎるよ。人生これからじゃないの。

保育園の給食が終わる頃、遠い空の下で告別式が行われていた。お別れには行かれなかったけど彼女のことを思った。
窓の外を見上げると、澄んだ青空がきらきらと輝いていた。まるで彼女の笑顔のようにきらきらと綺麗に。

ご冥福をお祈りします。