ど~もこんばんは~。そうだいです。いやぁーもう台風、台風の1日でしたねぇ。関東に来る前に消えてくれたようなんですが。
今日は、つい2ヶ月前まで私が所属していた劇団・三条会のアトリエ公演『ひかりごけ(Bバージョン)』を観てきましたよ。今は来月6月の半ばまで長めにAB2バージョンを日替わり上演してるんですって! みなさんも観に行ったらいい。
久しぶりに訪れたアトリエと、舞台に立つ役者のみなさんは……よかったねぇ。台風接近の日に観るのがなんだかとてもしっくりきた作品でした。Aバージョンもそのうち観に行くつもりですが、楽しみねぇ。
その時、大学時代以来の親友(と呼ばせていただきます!)と観たんですけど、もう立派に働いておられる彼とも楽しく旧交をあたためることができまして、カフェでアハハと笑いながらお互いの近況やおもしろ話などをかたらいあって、ふと外を見るとスコールみたいな豪雨と通行人も飛ばされんばかりのけっこうな勢いで強風がふきすさんでいるという、このヘンな感じね。久しぶりの三条会といい久しぶりの親友といい、台風接近にふさわしい内容の日となりました。
しゃてしゃて、今日も今日とてアイドルグループ。
やろうやろう! もうここまできたらドントストップ。ドントルックバックよ。「平成」に入ったんですから、ゴールはもうすぐですよ。まだ20世紀だけど。
前回にもふれた通り、こと「アイドル歌手」というジャンルに関しては文字通りの「アイドル冬の時代」が始まってしまった感のある90年代の芸能界事情だったのですが、まだまだアイドルという定義そのものの拡大は続いていました。
グラビア・セクシー・バラエティ・アニメ・ライブ。ある意味では21世紀に入って久しい現在を軽く凌駕してしまう勢いで、アイドルのバリエーションは小宇宙のごとき広がりを見せることとなったのです。
今回はちょっと、そのへんの各ジャンルで活動していた新たなるアイドルグループのみなさんをあげていくことにいたしましょう。
まずは、90年代のお茶の間をにぎわせた、ちょっとエッチなかおりもするお姉さん集団、「セクシータレント」のグループから。
C.C.ガールズ(1990~2003年)4人組
20~23歳 青田典子、藤原理恵ら
オスカープロモーションのコンテスト受賞者で結成
セクシー路線 「Cool&Classy(カッコいい&高貴)」がテーマ
藤原は1985年からソロアイドルとして活動していた
写真集とともに、1995年まではCDも精力的にリリースしていた
1995年からメンバーの交替があいつぎ、1998年の青田の脱退をもって初期メンバーが全員いなくなる
2003年12月のメンバー浜野裕子(28歳)の結婚引退によりグループも解散
T-BACKS(1991~94年)5人組
20~21歳
グラビアアイドルで結成(ヌードグラビア経験者もいた)
とにかく衣装のTバックが武器のセクシー路線
写真集の他にCDもリリースしていた
2005~06年には3人組の「2代目T-BACKS」が活動していた
ギリギリガールズ(1992~95年)5人組
テレビ東京のお色気深夜バラエティ番組『ギルガメッシュないと』や『平成女学園』(どちらも1991~98年放送)に出演
19~21歳 吉野美佳(19歳 吉野公佳の姉でミスチル桜井和寿夫人)ら
グラビアアイドルで結成
写真集の他にCDもリリースしていた
シェイプUPガールズ(1994~2000年)4人組
23~27歳 梶原真弓(27歳)ら
C.C.ガールズの事務所後輩グループ
すでにレースクイーンや女優として活動していたメンバーもいる
美と健康がテーマ
写真集のリリースのみで楽曲は発表せず
1999年のメンバー今井恵理の結婚あたりからグループとしての活動は休止
いましたよね~、セクシーグループ! 有名なのは今あげた4つですね。まさに「グラビアアイドルのグループ」というコンセプト。
今って、企画みたいな期間限定以外で活動しているこういうお姉さんたちって、いる? あんまり最近は聞かないような……
全員、結成時には20代になっている方がほとんどであることもあって、とにかくアダルト、ただしTVで放送できる範囲でといった10代の小娘アイドルにはできない分野に意欲的に挑戦しているこのジャンル。
当初は完全に「青年男子」をターゲットにしたグループだったわけなのですが、90年代後半に活躍したシェイプUPガールズからすでに、「健康的なセクシー」を志向するスタイルで同性からの支持を視野に入れた方向にシフトしていたことは興味深いです。まぁ、そのぶん男子にはいまひとつピンとはこなかった印象はあるのですが。
実際に21世紀にはいるまでにメンバー全員が結婚し、妻や母になってからもそこをアピールしたママドル的な活動を続けているシェイプUPガールズの面々は、美容・健康・家庭関連の分野で現在確立している「同年代の女性の人気を集める」タレントといったかたちの先駆となっていたようです。
いっぽうで、シェイプUPガールズの先輩にあたる90年代前半に活躍した3グループは、さほどヒットしないまでもコンスタントにCDをリリースしたりもしていて、
「アイドルはとにかく歌を唄うんだ!」
というアイドル歌手全盛時代から残っていた呪縛みたいなものをしっかり継承していたところから見ても、まさに古い形式と新しい形式の取捨選択を迫られていた当時のグラビアアイドルならではのグループだったと言えましょう。そんなに無理して出さなくてもいいのにねぇ。でも実際に、当時は内田有紀さんとかのCDがバカ売れしてたしなぁ。呪縛ねぇ~!!
基本的にグラドルだったこともあり、解散後にヌードを披露した方も少なくないのですが、ヘアヌード全盛の時代からちょびっとあとにズレてしまっていたこともあってか、やっぱり90年代前半のソロアイドルの方々のヌードほどの話題になったものはなかったようです。う~ん無念!
むしろさらにその後、結婚してからのライフスタイルが有名になっている方のほうが多いようで、特にミスチルの桜井さんの妻になった吉野さんと、「日本一安全じゃない」玉置さんの妻になった青田さんは特に見逃せないところですね。ガンバレ典子!!
続きましては、「ライブ・演劇の上演」を活動の中心にしたみなさん。
南青山少女歌劇団(1990~2001年)
11~18歳の少女歌劇団 通称「MSK」
年齢規定により19歳になったら卒団しなければならない
1992~94年にはCDをリリースしアイドルグループとして活動していた
千葉紗子(さえこ 1994~96年在籍)は年齢規定による卒団後に声優・歌手として活動
ミュージカル版『サクラ大戦』を上演(1998年 主演は卒団後の千葉紗子)
制服向上委員会(1992~2006年・2010年~)10~20名
ライブ活動が中心のアイドルグループ 通称「SKi」(最後のiだけ小文字なのは「スキー」とカブるから)
現在は13~18歳・11名のメンバー構成
再始動後は1995~2006年に在籍していた歌手の橋本美香が会長をつとめている
ライブを活動の中心においたアイドルグループといえば、前回にあげた東京パフォーマンスドールがパイオニアなのですが、ほぼ同時期に活動を開始した上の2つは、年齢を見てもおわかりのように「少女」といった部分に照準をあわせたものとなっていました。
どちらもCDのリリースやTV出演などに力を入れていた時期もあったのですが、とにかくメインにくるのは、会場に来たお客さんの目の前で繰り広げるライブ・演劇・レビュー!
バブリーな香りもするMSKは残念ながら今はもうないのですが、つい去年から活動を再開したSKiは、東京・初台のライブハウスで毎月活動しているようですよ。ストイックですよねぇ……雰囲気はもう「修験道」って感じ? アイドル界というジャングルの最秘境で、「あっ、藤岡隊長! 制服姿で滝にうたれている少女たちが!」みたいな。
あと、90年代にはさまざまな異種混合型のアイドルグループも引き続いて登場していました。
Cotton(1990~94年)3人組
15~17歳 「モモコクラブ」から結成 「平成のキャンディーズ」を標榜
第3回ミスモモコクラブグランプリの岡田有紀(16歳)がメイン
とてつもない歌唱力のつたなさ、意図的に古いアイドル路線
1992年以降は目立った活動がほとんどなくなり自然消滅
代表作『ヴァージン・ウルフに気をつけて』(1991年2月)
こんぺいとう(1991~93年)デュオ
15・16歳 「モモコクラブ」から結成
地球にやさしいエコをテーマとした史上初のアイドルデュオ
メンバーの菅野美寿紀はヌード・女優に
もう1人は何年か前に、しろうとモデルとしてSM雑誌で縛られていたらしい。なにやってんすか……
Mi-Ke(ミケ 1991~93年)3人組の歌手グループ
22~24歳 宇徳敬子ら
「三毛猫」を意識した白・茶・黒のイメージカラー
もともと3人は、1990年4月に『おどるポンポコリン』でデビューしたポップスバンド「B.B.クイーンズ」のコーラスを担当していた
歌謡曲・グループサウンズを意識した楽曲づくり
代表作 1st『想い出の九十九里浜』(1991年2月 オリコン5位)
宇徳のソロデビューにより解散
DORA(1992~93年)日本テレビアナウンサーの3人組
永井美奈子(27歳)・藪本雅子(25歳)・米森麻美(25歳)
日本テレビ開局40周年記念の期間限定ユニット
当時の中井美穂・小島奈津子(フジテレビ)や丸川珠代(テレビ朝日)らとともに女子アナウンサーブームの先駆となった
CDも1枚リリースしている
1995年には米森、96年には永井がフリーになっており、藪本は98年に報道部に異動している(そののちに退社)
ハミングバード(1993~95年)5人組声優グループ
OVA『アイドル防衛隊ハミングバード』(原作・吉岡平 全4巻)のタイアップグループ
19~31歳 三石琴乃(26歳)・椎名へきる(19歳)ら本編で主人公グループを演じた声優陣がライブ・CDでも活動
「元アイドルがのちに声優になる」のではなく、「現役声優がアイドルになった」史上初のグループ
自衛隊が民営化された近未来に5姉妹アイドルグループが戦闘機パイロットになるという設定
まぁ、こういった方々がいたんですよ。
コットンはかなり「知る人ぞ知る」異色なグループだったのですが、「意図的にひとむかし前のアイドルを演じた」コットンは、残っている動画を拝見しても、今でも充分に衝撃的な「終わっちゃってる感」を味わうことができます。
こわいな~。『ヴァージン・ウルフに気をつけて』なんか、江戸のからくり人形みたいなぎこちない動きの3人の小娘が(私よりも年上ですけど)、
「顔をあらぁあって おっとといお~いで☆」
なんて唄ってるんですからね。聴いてる人もリアクションに窮しますよ。
コットンもこんぺいとうも、80年代後半に菊池桃子、西村知美、酒井法子といったみなさんを輩出した学研のアイドルグラビア雑誌『Momoco』の出身グループだったわけなのですが、残念ながら90年代に入った時点でかつての威光はすでになく、といった感じでしょうか。こんぺいとうも「エコ」っていう観点は良かったんですけど、それと「アイドル」がうまく接合できなかったのが惜しいな~。
ミケは出身を見てもおわかりのように完全なる歌手グループだったのですが、当初彼女たちが出演していたNHKの歌謡番組ではマスコットアイドルのような存在としてしょっちゅう出演していたのを思い出します。
昭和歌謡やグループサウンズ時代の名曲を意識した楽曲(タイトルなどを歌詞に組み込んでいる)が逆に新しく見えたようで、実は今回紹介したアイドルグループの中では唯一、ヒットチャートをにぎわせるアーティストとして全国的な知名度を持っていたグループでした。
その「ミケ」にあやかったのが女子アナグループの「ドラ」だったわけなのですが、日本テレビの公式見解としては「英語のドラスティック(モーレツという意味)からとりました。」ということなんだそうですけど、ドラスティックは「Drastick」で「O」はないからなぁ。
ドラ自体は1992年の日本テレビ開局40周年にあわせての期間限定グループだったものの、このあたりから本格的に始まっていた「女子アナ」ブームを象徴するものとなりました。
また、『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』(1988~96年)や『マジカル頭脳パワー!!』(1990~99年)といった人気クイズ番組の展開やプロ野球巨人戦の独占中継などによって1993年に年間視聴率でついにあのフジテレビに並び、1994~2002年の長きにわたって首位をとることとなった日本テレビの破竹の勢いをあらわすものでもあったことも見逃せません。
ハミングバードはあくまでもライトノベル原作とビデオリリースを基盤とした作品だったために、TVで全国放映されるアニメほどの爆発的な人気の拡大はなかったのですが、とにかく当時『美少女戦士セーラームーン』の主人公・月野うさぎ役を演じていた三石さんを中心にすえたメンバー構成、そして本物のアイドルと違わないほどに力を入れたライブやCDの展開は、これまた女子アナブームと同じように花開き始めた「声優アイドルブーム」の先鞭をつけるものとなりました。
見目麗しいし演技力もあるし、その上唄って踊れるっていうんですからとてつもない。岩男潤子さんや桜井智さん、今回紹介した千葉紗子さんなど、元アイドルが声優にというパターンはいくつかあったのですが、ついに声優の世界からアイドルが発信されていく時代が始まったんですなぁ。
ところでハミングバードというのは、その名の通り『サンダーバード』を意識した5人姉妹の防衛隊なわけなんですが、設定は自衛隊が民営化されてしまった数年後の近未来「20世紀末」ということになっています。もう過去! 『北斗の拳』パターンね。
民営化とは。いくらSFだっつっても、平和にもほどがあるよね……そういう発想は今はなかなか出てこないだろうなぁ。
こういった感じで爆発的に増加し続けていった90年代前半のアイドルグループ事情だったのですが、今回は最後に、東京発でない「地方アイドル」という観点を持ちはじめた流れにもふれてみましょう。
大阪パフォーマンスドール(1993~97年)吉本興業のアイドルグループ
16~20歳 武内由紀子(20歳)がリーダー 通称「OPD」(これにたいして東京パフォーマンスドールは「TPD」と呼称される)
東京でなく大阪を活動の拠点にしていた
東京パフォーマンスドールの妹分的グループで、TPDの日本武道館公演から活動を開始
TPDと同じ2軍体制で、1軍の「フロントメンバー」は5人、2軍の「ライブメンバー」は10人前後が基本だった
1996年7月の3rdアルバムを最後に目立った活動がなくなり、1997年ごろに自然消滅
メンバーの稲葉貴子(あつこ)は、のちに「太陽とシスコムーン」(1999~2000年)のセンターをつとめる
現在も大阪でタレント活動を続けている元メンバーが多い
最近はSKEだNMBだHKTだととみに話題になっている「地方アイドルグループ」なのですが、そのはしりは、吉本興業の東京進出の勢いに乗ったこのOPDだったんですねぇ。
大阪が拠点ということでなかなか東日本ではなじみの少ないグループではありましたが、私はその時よく聴いていたラジオ番組『今田耕司・東野幸治のカモンファンキーリップス』(「山形ラジオ」で聴いていたので制作キー局はワカラ~ズ)のアシスタントでこの人たちが出演していたのはかろうじておぼえてるなぁ。
ところで、「アイドルグループ史」に関係してくるのはもうちょっと先のことになるのですが、90年代の初頭にはのちの芸能界の趨勢を考えてみると見過ごすことのできない地方発のムーヴメントが起きつつありました。
沖縄アクターズスクール(1983年~)
「日本映画界の父」マキノ省三の孫・マキノ正幸が沖縄で設立した芸能人養成学校
1990年に卒業生で沖縄出身の早坂好恵(15歳)がデビューし、1992年にブレイク
ね、見過ごすことはできないでしょ~!?
早坂さんは現在もママドルのような立場で沖縄を中心に活動されているそうなのですが、デビュー当時はそのはっきりした顔立ちと元気なキャラクター、バラエティでもおもしろいし歌もバツグンにうまいという八面六臂ぶりでお茶の間の人気者となりました。今でいうベッキーみたいな感じですか。
早坂さんのブレイクによってはじめて本格的に全国的な知名度を持つようになった「沖縄タレント」なのですが、そのメイン発信源となった沖縄アクターズスクールがすぐのちに超人気アイドルグループを生み出していくのも自然のことわりですよね。
そういったあたりのことは、また次回ですよ~い。
あら、きづけば5月も、もうおしまい……
今日は、つい2ヶ月前まで私が所属していた劇団・三条会のアトリエ公演『ひかりごけ(Bバージョン)』を観てきましたよ。今は来月6月の半ばまで長めにAB2バージョンを日替わり上演してるんですって! みなさんも観に行ったらいい。
久しぶりに訪れたアトリエと、舞台に立つ役者のみなさんは……よかったねぇ。台風接近の日に観るのがなんだかとてもしっくりきた作品でした。Aバージョンもそのうち観に行くつもりですが、楽しみねぇ。
その時、大学時代以来の親友(と呼ばせていただきます!)と観たんですけど、もう立派に働いておられる彼とも楽しく旧交をあたためることができまして、カフェでアハハと笑いながらお互いの近況やおもしろ話などをかたらいあって、ふと外を見るとスコールみたいな豪雨と通行人も飛ばされんばかりのけっこうな勢いで強風がふきすさんでいるという、このヘンな感じね。久しぶりの三条会といい久しぶりの親友といい、台風接近にふさわしい内容の日となりました。
しゃてしゃて、今日も今日とてアイドルグループ。
やろうやろう! もうここまできたらドントストップ。ドントルックバックよ。「平成」に入ったんですから、ゴールはもうすぐですよ。まだ20世紀だけど。
前回にもふれた通り、こと「アイドル歌手」というジャンルに関しては文字通りの「アイドル冬の時代」が始まってしまった感のある90年代の芸能界事情だったのですが、まだまだアイドルという定義そのものの拡大は続いていました。
グラビア・セクシー・バラエティ・アニメ・ライブ。ある意味では21世紀に入って久しい現在を軽く凌駕してしまう勢いで、アイドルのバリエーションは小宇宙のごとき広がりを見せることとなったのです。
今回はちょっと、そのへんの各ジャンルで活動していた新たなるアイドルグループのみなさんをあげていくことにいたしましょう。
まずは、90年代のお茶の間をにぎわせた、ちょっとエッチなかおりもするお姉さん集団、「セクシータレント」のグループから。
C.C.ガールズ(1990~2003年)4人組
20~23歳 青田典子、藤原理恵ら
オスカープロモーションのコンテスト受賞者で結成
セクシー路線 「Cool&Classy(カッコいい&高貴)」がテーマ
藤原は1985年からソロアイドルとして活動していた
写真集とともに、1995年まではCDも精力的にリリースしていた
1995年からメンバーの交替があいつぎ、1998年の青田の脱退をもって初期メンバーが全員いなくなる
2003年12月のメンバー浜野裕子(28歳)の結婚引退によりグループも解散
T-BACKS(1991~94年)5人組
20~21歳
グラビアアイドルで結成(ヌードグラビア経験者もいた)
とにかく衣装のTバックが武器のセクシー路線
写真集の他にCDもリリースしていた
2005~06年には3人組の「2代目T-BACKS」が活動していた
ギリギリガールズ(1992~95年)5人組
テレビ東京のお色気深夜バラエティ番組『ギルガメッシュないと』や『平成女学園』(どちらも1991~98年放送)に出演
19~21歳 吉野美佳(19歳 吉野公佳の姉でミスチル桜井和寿夫人)ら
グラビアアイドルで結成
写真集の他にCDもリリースしていた
シェイプUPガールズ(1994~2000年)4人組
23~27歳 梶原真弓(27歳)ら
C.C.ガールズの事務所後輩グループ
すでにレースクイーンや女優として活動していたメンバーもいる
美と健康がテーマ
写真集のリリースのみで楽曲は発表せず
1999年のメンバー今井恵理の結婚あたりからグループとしての活動は休止
いましたよね~、セクシーグループ! 有名なのは今あげた4つですね。まさに「グラビアアイドルのグループ」というコンセプト。
今って、企画みたいな期間限定以外で活動しているこういうお姉さんたちって、いる? あんまり最近は聞かないような……
全員、結成時には20代になっている方がほとんどであることもあって、とにかくアダルト、ただしTVで放送できる範囲でといった10代の小娘アイドルにはできない分野に意欲的に挑戦しているこのジャンル。
当初は完全に「青年男子」をターゲットにしたグループだったわけなのですが、90年代後半に活躍したシェイプUPガールズからすでに、「健康的なセクシー」を志向するスタイルで同性からの支持を視野に入れた方向にシフトしていたことは興味深いです。まぁ、そのぶん男子にはいまひとつピンとはこなかった印象はあるのですが。
実際に21世紀にはいるまでにメンバー全員が結婚し、妻や母になってからもそこをアピールしたママドル的な活動を続けているシェイプUPガールズの面々は、美容・健康・家庭関連の分野で現在確立している「同年代の女性の人気を集める」タレントといったかたちの先駆となっていたようです。
いっぽうで、シェイプUPガールズの先輩にあたる90年代前半に活躍した3グループは、さほどヒットしないまでもコンスタントにCDをリリースしたりもしていて、
「アイドルはとにかく歌を唄うんだ!」
というアイドル歌手全盛時代から残っていた呪縛みたいなものをしっかり継承していたところから見ても、まさに古い形式と新しい形式の取捨選択を迫られていた当時のグラビアアイドルならではのグループだったと言えましょう。そんなに無理して出さなくてもいいのにねぇ。でも実際に、当時は内田有紀さんとかのCDがバカ売れしてたしなぁ。呪縛ねぇ~!!
基本的にグラドルだったこともあり、解散後にヌードを披露した方も少なくないのですが、ヘアヌード全盛の時代からちょびっとあとにズレてしまっていたこともあってか、やっぱり90年代前半のソロアイドルの方々のヌードほどの話題になったものはなかったようです。う~ん無念!
むしろさらにその後、結婚してからのライフスタイルが有名になっている方のほうが多いようで、特にミスチルの桜井さんの妻になった吉野さんと、「日本一安全じゃない」玉置さんの妻になった青田さんは特に見逃せないところですね。ガンバレ典子!!
続きましては、「ライブ・演劇の上演」を活動の中心にしたみなさん。
南青山少女歌劇団(1990~2001年)
11~18歳の少女歌劇団 通称「MSK」
年齢規定により19歳になったら卒団しなければならない
1992~94年にはCDをリリースしアイドルグループとして活動していた
千葉紗子(さえこ 1994~96年在籍)は年齢規定による卒団後に声優・歌手として活動
ミュージカル版『サクラ大戦』を上演(1998年 主演は卒団後の千葉紗子)
制服向上委員会(1992~2006年・2010年~)10~20名
ライブ活動が中心のアイドルグループ 通称「SKi」(最後のiだけ小文字なのは「スキー」とカブるから)
現在は13~18歳・11名のメンバー構成
再始動後は1995~2006年に在籍していた歌手の橋本美香が会長をつとめている
ライブを活動の中心においたアイドルグループといえば、前回にあげた東京パフォーマンスドールがパイオニアなのですが、ほぼ同時期に活動を開始した上の2つは、年齢を見てもおわかりのように「少女」といった部分に照準をあわせたものとなっていました。
どちらもCDのリリースやTV出演などに力を入れていた時期もあったのですが、とにかくメインにくるのは、会場に来たお客さんの目の前で繰り広げるライブ・演劇・レビュー!
バブリーな香りもするMSKは残念ながら今はもうないのですが、つい去年から活動を再開したSKiは、東京・初台のライブハウスで毎月活動しているようですよ。ストイックですよねぇ……雰囲気はもう「修験道」って感じ? アイドル界というジャングルの最秘境で、「あっ、藤岡隊長! 制服姿で滝にうたれている少女たちが!」みたいな。
あと、90年代にはさまざまな異種混合型のアイドルグループも引き続いて登場していました。
Cotton(1990~94年)3人組
15~17歳 「モモコクラブ」から結成 「平成のキャンディーズ」を標榜
第3回ミスモモコクラブグランプリの岡田有紀(16歳)がメイン
とてつもない歌唱力のつたなさ、意図的に古いアイドル路線
1992年以降は目立った活動がほとんどなくなり自然消滅
代表作『ヴァージン・ウルフに気をつけて』(1991年2月)
こんぺいとう(1991~93年)デュオ
15・16歳 「モモコクラブ」から結成
地球にやさしいエコをテーマとした史上初のアイドルデュオ
メンバーの菅野美寿紀はヌード・女優に
もう1人は何年か前に、しろうとモデルとしてSM雑誌で縛られていたらしい。なにやってんすか……
Mi-Ke(ミケ 1991~93年)3人組の歌手グループ
22~24歳 宇徳敬子ら
「三毛猫」を意識した白・茶・黒のイメージカラー
もともと3人は、1990年4月に『おどるポンポコリン』でデビューしたポップスバンド「B.B.クイーンズ」のコーラスを担当していた
歌謡曲・グループサウンズを意識した楽曲づくり
代表作 1st『想い出の九十九里浜』(1991年2月 オリコン5位)
宇徳のソロデビューにより解散
DORA(1992~93年)日本テレビアナウンサーの3人組
永井美奈子(27歳)・藪本雅子(25歳)・米森麻美(25歳)
日本テレビ開局40周年記念の期間限定ユニット
当時の中井美穂・小島奈津子(フジテレビ)や丸川珠代(テレビ朝日)らとともに女子アナウンサーブームの先駆となった
CDも1枚リリースしている
1995年には米森、96年には永井がフリーになっており、藪本は98年に報道部に異動している(そののちに退社)
ハミングバード(1993~95年)5人組声優グループ
OVA『アイドル防衛隊ハミングバード』(原作・吉岡平 全4巻)のタイアップグループ
19~31歳 三石琴乃(26歳)・椎名へきる(19歳)ら本編で主人公グループを演じた声優陣がライブ・CDでも活動
「元アイドルがのちに声優になる」のではなく、「現役声優がアイドルになった」史上初のグループ
自衛隊が民営化された近未来に5姉妹アイドルグループが戦闘機パイロットになるという設定
まぁ、こういった方々がいたんですよ。
コットンはかなり「知る人ぞ知る」異色なグループだったのですが、「意図的にひとむかし前のアイドルを演じた」コットンは、残っている動画を拝見しても、今でも充分に衝撃的な「終わっちゃってる感」を味わうことができます。
こわいな~。『ヴァージン・ウルフに気をつけて』なんか、江戸のからくり人形みたいなぎこちない動きの3人の小娘が(私よりも年上ですけど)、
「顔をあらぁあって おっとといお~いで☆」
なんて唄ってるんですからね。聴いてる人もリアクションに窮しますよ。
コットンもこんぺいとうも、80年代後半に菊池桃子、西村知美、酒井法子といったみなさんを輩出した学研のアイドルグラビア雑誌『Momoco』の出身グループだったわけなのですが、残念ながら90年代に入った時点でかつての威光はすでになく、といった感じでしょうか。こんぺいとうも「エコ」っていう観点は良かったんですけど、それと「アイドル」がうまく接合できなかったのが惜しいな~。
ミケは出身を見てもおわかりのように完全なる歌手グループだったのですが、当初彼女たちが出演していたNHKの歌謡番組ではマスコットアイドルのような存在としてしょっちゅう出演していたのを思い出します。
昭和歌謡やグループサウンズ時代の名曲を意識した楽曲(タイトルなどを歌詞に組み込んでいる)が逆に新しく見えたようで、実は今回紹介したアイドルグループの中では唯一、ヒットチャートをにぎわせるアーティストとして全国的な知名度を持っていたグループでした。
その「ミケ」にあやかったのが女子アナグループの「ドラ」だったわけなのですが、日本テレビの公式見解としては「英語のドラスティック(モーレツという意味)からとりました。」ということなんだそうですけど、ドラスティックは「Drastick」で「O」はないからなぁ。
ドラ自体は1992年の日本テレビ開局40周年にあわせての期間限定グループだったものの、このあたりから本格的に始まっていた「女子アナ」ブームを象徴するものとなりました。
また、『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』(1988~96年)や『マジカル頭脳パワー!!』(1990~99年)といった人気クイズ番組の展開やプロ野球巨人戦の独占中継などによって1993年に年間視聴率でついにあのフジテレビに並び、1994~2002年の長きにわたって首位をとることとなった日本テレビの破竹の勢いをあらわすものでもあったことも見逃せません。
ハミングバードはあくまでもライトノベル原作とビデオリリースを基盤とした作品だったために、TVで全国放映されるアニメほどの爆発的な人気の拡大はなかったのですが、とにかく当時『美少女戦士セーラームーン』の主人公・月野うさぎ役を演じていた三石さんを中心にすえたメンバー構成、そして本物のアイドルと違わないほどに力を入れたライブやCDの展開は、これまた女子アナブームと同じように花開き始めた「声優アイドルブーム」の先鞭をつけるものとなりました。
見目麗しいし演技力もあるし、その上唄って踊れるっていうんですからとてつもない。岩男潤子さんや桜井智さん、今回紹介した千葉紗子さんなど、元アイドルが声優にというパターンはいくつかあったのですが、ついに声優の世界からアイドルが発信されていく時代が始まったんですなぁ。
ところでハミングバードというのは、その名の通り『サンダーバード』を意識した5人姉妹の防衛隊なわけなんですが、設定は自衛隊が民営化されてしまった数年後の近未来「20世紀末」ということになっています。もう過去! 『北斗の拳』パターンね。
民営化とは。いくらSFだっつっても、平和にもほどがあるよね……そういう発想は今はなかなか出てこないだろうなぁ。
こういった感じで爆発的に増加し続けていった90年代前半のアイドルグループ事情だったのですが、今回は最後に、東京発でない「地方アイドル」という観点を持ちはじめた流れにもふれてみましょう。
大阪パフォーマンスドール(1993~97年)吉本興業のアイドルグループ
16~20歳 武内由紀子(20歳)がリーダー 通称「OPD」(これにたいして東京パフォーマンスドールは「TPD」と呼称される)
東京でなく大阪を活動の拠点にしていた
東京パフォーマンスドールの妹分的グループで、TPDの日本武道館公演から活動を開始
TPDと同じ2軍体制で、1軍の「フロントメンバー」は5人、2軍の「ライブメンバー」は10人前後が基本だった
1996年7月の3rdアルバムを最後に目立った活動がなくなり、1997年ごろに自然消滅
メンバーの稲葉貴子(あつこ)は、のちに「太陽とシスコムーン」(1999~2000年)のセンターをつとめる
現在も大阪でタレント活動を続けている元メンバーが多い
最近はSKEだNMBだHKTだととみに話題になっている「地方アイドルグループ」なのですが、そのはしりは、吉本興業の東京進出の勢いに乗ったこのOPDだったんですねぇ。
大阪が拠点ということでなかなか東日本ではなじみの少ないグループではありましたが、私はその時よく聴いていたラジオ番組『今田耕司・東野幸治のカモンファンキーリップス』(「山形ラジオ」で聴いていたので制作キー局はワカラ~ズ)のアシスタントでこの人たちが出演していたのはかろうじておぼえてるなぁ。
ところで、「アイドルグループ史」に関係してくるのはもうちょっと先のことになるのですが、90年代の初頭にはのちの芸能界の趨勢を考えてみると見過ごすことのできない地方発のムーヴメントが起きつつありました。
沖縄アクターズスクール(1983年~)
「日本映画界の父」マキノ省三の孫・マキノ正幸が沖縄で設立した芸能人養成学校
1990年に卒業生で沖縄出身の早坂好恵(15歳)がデビューし、1992年にブレイク
ね、見過ごすことはできないでしょ~!?
早坂さんは現在もママドルのような立場で沖縄を中心に活動されているそうなのですが、デビュー当時はそのはっきりした顔立ちと元気なキャラクター、バラエティでもおもしろいし歌もバツグンにうまいという八面六臂ぶりでお茶の間の人気者となりました。今でいうベッキーみたいな感じですか。
早坂さんのブレイクによってはじめて本格的に全国的な知名度を持つようになった「沖縄タレント」なのですが、そのメイン発信源となった沖縄アクターズスクールがすぐのちに超人気アイドルグループを生み出していくのも自然のことわりですよね。
そういったあたりのことは、また次回ですよ~い。
あら、きづけば5月も、もうおしまい……