『 PEACE MAKER 鐵』連載再開&『曇天に笑う』続編が12月始動
(コミックナタリー 2013年10月17日付け記事より)
黒乃奈々絵(33歳)の江戸幕末時代劇マンガ『 PEACE MAKER 鐵(ピースメーカーくろがね)』および、唐々煙(からからけむり)の明治アクションマンガ『曇天に笑う』の続編『煉獄に笑う』の連載が、12月24日発売予定のムック雑誌『時代活劇画伝 斬』にてスタートする。
『 PEACE MAKER 鐵』の連載が再開するのは、携帯電話向けデジタルマンガ雑誌『コミックシーモア』で2010年3~9月に連載されていた「油小路編」以来3年ぶり。一方、『煉獄に笑う』は前作から舞台を戦国時代に移す。
『時代活劇画伝 斬』にはこのほか、『曇天に笑う』の番外編2本と、『 PEACE MAKER 鐵』の特別読み切りも収録。作品はいずれも描き下ろしだ。また『曇天に笑う』の TVアニメ化情報も掲載される。
『時代活劇画伝 斬』は、マッグガーデンの WEBマンガサイト「 Beat's」とアニメイトのコラボレーション雑誌。全国のアニメイト各店、およびアニメイトとマッグガーデンの通販でのみ販売される。一般書店への流通は行われないため、買い逃がしには注意しよう。
ムック雑誌『時代活劇画伝 斬』
発売予定日:2013年12月24日(火)
価格:980円(税込)※送料・手数料別
『 PEACE MAKER 鐵』(『新撰組異聞 PEACE MAKER 』)とは?
黒乃奈々絵によるマンガ作品。『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)に連載された『新撰組異聞 PEACE MAKER 』(1999~2001年連載)から物語は始まり、『 PEACE MAKER 鐵』はその直接の続編にあたる。
物語の設定に関して史実と異なる点が多いが、大筋は江戸幕末期の新撰組を取り巻く実際に発生した事象に沿っている。
2001年6月のマンガ出版社マッグガーデン設立にいたった、いわゆる「エニックスお家騒動」により、掲載誌を『月刊コミックブレイド』(マッグガーデン)に移し、第2部として『 PEACE MAKER 鐵』が連載されていたが、2005年以降休載し、2010年にケータイサイト『コミックシーモア』で続編「油小路編」が配信された。
主な登場人物
市村 鉄之助(1854~73年)
新撰組副長・土方歳三の小姓。愛称・鉄。両親を何者かに殺され、敵を討つために新撰組に兄・辰之助と共に入隊する。両親を目の前で殺されたショックから身体の成長が止まっており、よく子供扱いされていたが、池田屋事件での初陣を経て過去の傷を乗り越え、以降は心身ともに立派に成長した。池田屋事件後は新撰組隊士見習いとなり、剣の腕も確実に上がっている。永倉新八曰く、鉄之助の剣は「土方さんと同じ野外実践型」。刀を取るのは「殺すため」ではなく、あくまで「守るため」であり、未だに敵を殺したことはない。
伊東甲子太郎の脱退により発生した油小路事件で、仲間を助けるべく奮戦するが、鉄之助を坂本龍馬暗殺の真犯人と誤認して追ってきた海援隊にも襲撃され拉致される。しかし、斎藤一の助力で龍馬殺害の無実を証明し、自身を陥れた旧友・北村鈴といずれ決着をつけると決意し、新選組の一員として闘い続ける意志を新たにした。
※史実の市村鉄之助は美濃国大垣藩士・市村半右衛門の三男で、安政五(1858)年に父が浪人となったために近江国国友村(現在の滋賀県長浜市)で暮らし、池田屋事件の3年後、山南敬助切腹の2年後の慶応三(1867)年に兄の辰之助と共に14歳で新撰組に入隊した(油小路事件の直前)。隊内での役職は副長・土方付き小姓。そののち、慶応四(1868)年に兄が脱走したあとも函館戦争にいたるまで新撰組隊士として土方に従い続け、明治二(1869)年5月11日に戦死する直前の土方の命を受け、戦線を離脱して明治新政府軍の厳しい追及をかいくぐり、3ヵ月後に武蔵国多摩郡(現在の東京都日野市)に住む土方の従兄(姉婿でもあった)・佐藤彦五郎のもとに土方の遺品を届けた。その後、鉄之助は2年間ほど佐藤家に滞在し、後に実家の岐阜県大垣市に帰って兄・辰之助と再会したが、明治六(1873)年にその地で病死したという。
一説に、鉄之助は明治十(1877)年まで生存し、2~9月の西南戦争に西郷隆盛軍として参戦して戦死したとも言われているが、確証は無く俗説の域を出ない。
市村 辰之助(1846~72年)
新撰組勘定方。鉄之助の兄。両親が亡くなってからは鉄之助の親代わりでもある。いつも鉄之助の無茶苦茶な行動に振り回され、神経性の胃炎を患っている。鉄之助に対しては過保護で、彼が剣を取ることを快く思っていない。坂本龍馬と出会った際に彼の持つピストルに着目し、銃を扱えるようになることを志すようになる。
※史実の市村辰之助は美濃国大垣藩士・市村半右衛門の次男で、安政五(1858)年に父が浪人となったために近江国国友村で暮らし、慶応三(1867)年に弟の鉄之助と共に22歳で新撰組に入隊した。隊内での役職は勘定方ではなく、局長・副長共有の小姓(両長抱)。そののち、鳥羽・伏見合戦や甲斐勝沼合戦での敗戦の末に新撰組が江戸に撤退した慶応四(1868)年3月以降に脱走し、大垣藩に帰参している。
沖田 総司(1844~68年)
新撰組一番隊隊長。一見すると優男風の美青年だが、新撰組随一の剣の遣い手であり、戦闘時は鬼神の如き強さを発揮する。普段は明るく振舞っているが、内実はとてもクールな性格。池田屋事件の後から結核を患い体調を崩している。土方の趣味の句集を勝手に持ち出して笑いながら詠むなど、よく土方にちょっかいを出している面もあるが、周囲の誰よりも土方を気遣っている。近所の子供たちと共によく遊んでいる。
子供の頃に剣の才が災いして父を亡くし、自身の存在を忌み嫌っていたが、武士として身を立てることを夢見る土方に新撰組という居場所を与えられ、精神的に救われる。それ以来、土方に深い信義を感じている。
油小路事件の頃には、少し動くだけで身体が悲鳴を上げる病状に陥っている。仲間の力になれない歯痒さに耐え切れず、病を押して戦闘に参加しようとするが、山崎烝に制止された。
土方 歳三(1835~69年)
新撰組副長。「鬼の副長」という異名の通り、性格は冷徹。それゆえに隊員からも恐れられているが、実際は部下思いである。鉄之助に対しては彼に刀を持たせないなど特別な態度を取っているが、その理由はまだわかっていない。趣味は俳句で俳号は「豊玉」。
過去に結核で母と姉を亡くしたことがあり、同じ結核のために体調が急激に悪化していく沖田に焦燥を抱いている。
山崎 烝(すすむ 1833~68年)
新撰組監察方。主に間者として敵方の詮索を行う。小姓としての役目を果たさない鉄之助に怒ることもあった。池田屋事件に先立っては、女装して「おせん」と名乗り内情を探っていた。その際、自分の身代わりになって殺害された姉・歩の最期を知って抑えていた感情を爆発させる。その後、姉と親しかった鉄之助と親友になり、以前よりも感情を表に出すようになった。鉄之助の兄・辰之助に対しては、生真面目な彼をおちょくるのを愉しみにしている。のちに将軍の侍医でもあった名医・松本良順の指導により新撰組の専属隊医も務めることとなる。真面目な性格であり、仏頂面で表面上は冷徹そうに見えるが、沖田の容態を心配したり海援隊に襲われた鉄之助を諭したりと、ぶっきら棒ながらも心優しい一面を見せることもある。
山崎 歩(あゆむ)※本作オリジナルの人物
山崎烝の姉。普段は料理人として新撰組隊士の食事を作っている。その味は絶品と人気があり、隊士達からは「アユ姉」と呼ばれて慕われている。だがそれは表向きの顔であり、指令を受ければ「髪結いの弓」として敵方を探るくノ一としても活動していた。しかし、潜入に失敗して拷問にかけられ殺害される。弟の身を誰よりも案じており、鉄之助に弟を頼むと遺言していた。
永倉 新八(1839~1915年)
新撰組二番隊隊長。神道無念流を修めた剣の達人で、その手腕は隊内では沖田と並ぶといわれる。原田・藤堂を含めた新撰組三馬鹿の中でただ一人のツッコミ役。自称「原田左之助の飼い主」。他人の感情に敏く、考えすぎる余り一人で抱え込んでしまうことがある。
原田 左之助(1840~68年)
新撰組十番隊隊長。種田宝蔵院流の槍の名手。新撰組三馬鹿の一人。単純かつ豪快な人柄で、情に厚い。その一方で医者が怖いという臆病な一面もある。腹に切腹の傷跡がある。
藤堂 平助(1844~67年)
新撰組八番隊隊長。北辰一刀流の遣い手。池田屋事件で額に大きな傷跡をつくる。新撰組三馬鹿の一人であり、他の永倉・原田と共に江戸試衛館時代からの古株。性別を問わず、動物でも何でも小さいものや可愛いものが大好き。興奮すると言葉遣いが乱暴になる。副長・山南敬助の切腹をきっかけに隊の方向性に疑問を抱くようになり、参謀・伊東甲子太郎らと共に新撰組を脱退し御稜衛士(ごりょうえじ)となる。その後、油小路事件で新撰組隊士に斬られ命を落とす。新選組幹部では際立って幼い感性の持ち主であり、不穏な空気にも目を背け、組の結束と安泰は絶対であると信じ切っていた。油小路事件では永倉・原田に看取られて息を引き取った。
斎藤 一(1844~1915年)
新撰組三番隊隊長で沖田と1、2を争う剣の実力の持ち主。物静かだが何事にも動じず、つかみどころのない性格。霊感が強く、死者の魂と対話ができる。また、幼少時代から未来を予見することができたという。よく蕎麦を鉄之助におごらせる。幼い頃から自身の千里眼のために人生を諦観していたが、油小路事件で海援隊に幽閉された鉄之助と対峙し、己の意志も歴史を動かす歯車になり得ることを悟る。そして鉄之助の行動に付き合う覚悟を決め、共に歩んでいく意思を示した。
近藤 勇(1834~68年)
新撰組局長。大らかな性格で鉄之助にも優しく接するが、時には局長としての厳格な一面も見せる。情に厚い。
山南 敬助(1833~65年)
新撰組のもう一人の副長。北辰一刀流の遣い手。温厚な気質のため「仏の副長」と呼ばれている。沖田に慕われている。京・島原の明里は、その正体に勘付きつつも本気で愛していた。土方とは意見が食い違うこともあるが、お互いを認め合っている。しかし新撰組の隊規でも重罪とされていた脱走をはかり切腹を命じられる。
明里(あけさと)/サラ=フウマ
山南の恋人。異人と日本人のハーフ。表向きは京・島原の天神(上位の妓女)の明里だが、裏では風魔流の忍者として長州藩に情報を流していた。籠絡する目的で接近した山南を本当に愛するようになる。山南の死後は遊女・明里の名を捨て、忍びとして生きる決心をする。山南の死後は龍馬を愛するようになっていた。龍馬暗殺の真犯人が北村鈴だと知る唯一の人物であったため、鈴によって監禁される。
伊東 甲子太郎(かしたろう 1835~67年)
元治元(1864)年から新撰組に入隊した参謀。のちに脱退して御稜衛士を結成して新撰組と対立する。男色趣味が強く、副長・土方に対し執着心を抱いている。1867年12月に発生した油小路事件で自らを暗殺しようとした新撰組を逆に嵌め、屯所に攻撃を仕掛ける。しかし土方と一騎打ちとなった末に敗れ、藤堂と同様に命を落とす。
北村 鈴(すず)※本作オリジナルの人物
兄を斬殺した新撰組に復讐するため、吉田稔麿の小姓になっている少年。鉄之助とはお互いの素性を知らない時点で親友になる。池田屋事件で敬愛する師匠・稔麿を失い、鉄之助の素性を知ったことでさらに新撰組と鉄之助を強く憎むようになり、復讐のみを生き甲斐とするようになる。のちにその存在が邪魔になった坂本龍馬と中岡慎太郎を斬殺した。漆塗りにした稔麿の頭蓋骨を常に持ち歩いている。
吉田 稔麿(としまろ 1841~64年)
長州藩士で急進派攘夷志士。吉田松陰の愛弟子として崇高な理念を持ち活動。京では桝屋喜右衛門こと古高俊太郎の邸宅に他の同志たちと共に潜伏する。北村鈴が崇敬する師匠だったが、池田屋事件で臆することなく新撰組と戦い、敗死する。
膕(ひかがみ)
罪人として処刑されそうになったところを北村鈴に助けられ、それ以来、鈴に絶対的な忠誠を誓う。容姿が吉田稔麿によく似ている。
坂本 龍馬(1836~67年)
もと土佐藩郷士の志士。鉄之助と辰之助の父・市村龍之助のことを知る人物。ドレッドへアにサングラス、テンガロンハットにブーツという風貌で、ピストルを携行している。後に京・近江屋で盟友の中岡慎太郎と共に襲撃を受け、北村鈴に斬殺された。
桂 小五郎(1833~77年)
長州藩の重臣。常に江戸幕府側の新撰組や京都見廻組の追手から逃げ回る生活を余儀なくされているため、変装していないと落ち着かない性質になっている。幾松という恋人がいる。
勝 海舟(1823~99年)
江戸幕府軍艦奉行。青谷という部下がいる。あんみつが大好物。江戸っ子口調で剛胆な性格の持ち主である。坂本龍馬や鉄之助の父・市村龍之助をよく知る。
陸奥 陽之助(宗光 1844~97年)
坂本龍馬が結成した株式会社「海援隊」の隊士。後の明治政府外務大臣。坂本龍馬のことを慕っていた。龍馬の暗殺を知るが、北村鈴の陰謀にかかり鉄之助を真犯人として付け狙う。
TV アニメ版
『 PEACE MAKER 鐵』のタイトルで放送されたが、内容は第1部『新撰組異聞 PEACE MAKER 』のものである。全24話。2003年10月~04年3月にテレビ朝日系列にて毎週火曜日深夜3時12~42分に放送された。
主なキャスティング
市村鉄之助 …… 小林 由美子(24歳)
沖田総司 …… 斎賀 みつき(30歳)
土方歳三 …… 中田 譲治(49歳)
市村辰之助 …… うえだ ゆうじ(36歳)
山崎烝 …… 櫻井 孝宏(29歳)
山崎歩 …… 永島 由子(33歳)
永倉新八 …… 山口 勝平(38歳)
原田左之助 …… 乃村 健次(33歳)
藤堂平助 …… 鳥海 浩輔(30歳)
斎藤一 …… 松山 鷹志(43歳)
近藤勇 …… 土師 孝也(51歳)
山南敬助 …… 井上 倫宏(45歳)
北村鈴 …… 今井 由香(33歳)
吉田稔麿 …… 諏訪部 順一(31歳)
明里 …… 根谷 美智子(38歳)
坂本龍馬 …… 江原 正士(50歳)
宮部鼎蔵 …… 宮林 康(38歳)
アニメーション制作 …… ゴンゾ
TV ドラマ版
『新撰組 PEACE MAKER 』のタイトルで、2010年1~3月に毎日放送・TBSほかで毎週水曜日深夜0時34分~1時04分に放送された。全10話。
内容は TVアニメ版と同じく第1部『新撰組異聞 PEACE MAKER 』のものである。
主なキャスティング
市村鉄之助 …… 須賀 健太(15歳)
沖田総司 …… 柳下 大(とも 21歳)
土方歳三 …… 谷内 伸也( Lead 22歳)
市村辰之助 …… 古川 雄大(22歳)
永倉新八 …… 松川 尚瑠輝(なるき 20歳)
原田左之助 …… 伊崎 右典(ゆうすけ 25歳)
藤堂平助 …… 佐野 泰臣(25歳)
近藤勇 …… 遠藤 章造(ココリコ 38歳)
山南敬助 …… 上山 竜司(RUN&GUN 23歳)
山崎歩 …… 原 幹恵(22歳)
明里 …… 中島 愛里(19歳)
北村鈴 …… 野村 周平(16歳)
吉田稔麿 …… 荒木 宏文(26歳)
桂小五郎 …… ユキ リョウイチ(37歳)
宮部鼎蔵 …… 脇崎 智史(26歳)
主なスタッフ
メイン脚本&メイン演出 …… 山本 清史(31歳)
舞台版
『新撰組異聞 PEACE MAKER 』
2007年7月21・22日 大阪・松下IMPホール、8月2~6日 新宿・新国立劇場小劇場
主なキャスティング
吉田稔麿 …… 郷本 直也(27歳)
山崎烝・歩 …… 矢崎 広(20歳)
『新撰組異聞 PEACE MAKER 』
2009年5月6~10日 池袋・東京芸術劇場小ホール2
主なキャスティング
市村鉄之助 …… 矢吹 卓也(22歳)
北村鈴 …… 米原 幸佑(RUN&GUN 23歳)
山崎烝 …… 斎藤 ヤスカ(21歳)
沖田総司 …… 松岡 佑季(20歳)
吉田稔麿 …… 高木 俊(28歳)
山南敬助 …… 上杉 輝(26歳)
近藤勇 …… 柏 進(37歳)
原田左之助 …… 住谷 正樹(レイザーラモンHG 33歳)
『 PEACE MAKER 新撰組参上』
2011年6月3~12日 東京ドームシティ・シアター Gロッソ
主なキャスティング
市村鉄之助 …… 吉村 卓也(21歳)
土方歳三 …… 兼崎 健太郎(26歳)
沖田総司 …… 浜尾 京介(19歳)
市村辰之助 …… 滝口 幸広(26歳)
近藤勇 …… タイソン大屋(39歳)
山南敬助 …… 聡太郎(25歳)
永倉新八 …… 内藤 大希(23歳)
吉田稔麿 …… 林 剛史(28歳)
北村鈴 …… 井沢 勇貴(18歳)
『新撰組異聞 PEACE MAKER 』
2012年4月15~22日 東京ドームシティ・シアター Gロッソ
主なキャスティング
市村鉄之助 …… 聖也(18歳)
土方歳三 …… 兼崎 健太郎(27歳)
沖田総司 …… 浜尾 京介(20歳)
市村辰之助 …… 伊勢 大貴(20歳)
永倉新八 …… 椎名 鯛造(25歳)
藤堂平助 …… 水谷 百輔(26歳)
山崎烝 …… 服部 翼(22歳)
山崎歩 …… 工藤 真由(25歳)
吉田稔麿 …… 伊崎 右典(27歳)
北村鈴 …… 佐野 岳(20歳 仮面ライダー鎧武!)
明里 …… 人見 早苗(29歳)
こやつ、まだ生きておったか!
この作品、私にとっては「いちおう読んでみた唯一の新撰組もの連載マンガ」で、主人公の人選が珍しかったのでおもしろく読んでいたのですが、2005年にご存知の通りの休載、中断! かなり気合いの入ったアニメ化もされていたというのに……好きだっただけにとっても残念に感じていました。
そんで2010年に降って湧いたように続きが連載されたわけなんですが、それもなんだか、はっきり言って「油小路事件と坂本龍馬暗殺事件のときの伏線を回収しに来ました~。」みたいな作業的な内容で、「史実で死んだはずの伊東甲子太郎が、実は生き延びていた!!」という2005年までの驚愕の展開を、「……そんで、数時間後にやっぱ死にました。」という That's 尻すぼみなシメにしてしまうというがっかり感のはなはだしいものになり下がっていました。おまえは映画版『風の谷のナウシカ』のドロドロ巨神兵か!? 生きねば!!
この作品って、主人公の市村鉄之助の新撰組入隊のタイミングの大幅すぎる改変からもわかるように、作者の創作部分に、あまりにも無造作に実在する人物や団体の名称をそのまんま乗っけるきらいがあって、その点、史実にちゃんと距離をとった上でハチャメチャなことをしている『るろうに剣心』とか『銀魂』のスタイルがよっぽど大人というか、そうやるのがプロとして当たり前の配慮だと思うんですよね。いや、『銀魂』はハチャメチャしすぎですけど、ちゃんとそれなりの仁義を切った上でやらかしてるわけです。
山崎烝に姉をつくるとか、伊東甲子太郎が土方歳三に気があるとか、斎藤一がオカルト体質だとかいう、「無から可能性を拾ってオリジナルを創造する姿勢」は、やっぱり実名を使っているという点で納得はいかないのですがギリギリ許容できるとしても、市村兄弟の入隊時期と兄弟の父親が何者かに殺害されたっていう設定って、「オリジナルとまったく違う事実を捏造する」ことなんじゃなかろうかと思うんですよ。それはダメなんじゃない!?
そんなもん、もし大学受験の日本史Bの試験で「市村兄弟の新撰組入隊時期は?」っていう問題が出たら、どんだけの人たちの運命に甚大な影響をおよぼすと思ってるんですか!! え、そんなの問題に出ないし、そんなことをいちいち気にしてる読者もお前くらいしかいない? ごもっとも☆
織田信長が本能寺の変で死ななかった、っていう設定のフィクション作品もよくありますけど、それは完全に『ドリフ大爆笑』における「もしもシリーズ」的な遊びを中心におく「架空歴史もの」ですからね。それとも違うみたいだし、『 PEACE MAKER 鐵』は態度がかなり不鮮明なんです。はっきりしてちょーだい!
だから、私はこの『 PEACE MAKER 鐵』のグズグズな姿勢がどんどん嫌いになっていっちゃって……特に、タイトルが『 PEACE MAKER 鐵』になったところから嫌いですね。坂本龍馬嫌いなんだよなぁ~、わたし。
そんで、しょうこりもなくまた復活するんでしょ? 今年のクリスマスに。
……
『時代活劇画伝 斬』、絶対買いま~っす♡
(コミックナタリー 2013年10月17日付け記事より)
黒乃奈々絵(33歳)の江戸幕末時代劇マンガ『 PEACE MAKER 鐵(ピースメーカーくろがね)』および、唐々煙(からからけむり)の明治アクションマンガ『曇天に笑う』の続編『煉獄に笑う』の連載が、12月24日発売予定のムック雑誌『時代活劇画伝 斬』にてスタートする。
『 PEACE MAKER 鐵』の連載が再開するのは、携帯電話向けデジタルマンガ雑誌『コミックシーモア』で2010年3~9月に連載されていた「油小路編」以来3年ぶり。一方、『煉獄に笑う』は前作から舞台を戦国時代に移す。
『時代活劇画伝 斬』にはこのほか、『曇天に笑う』の番外編2本と、『 PEACE MAKER 鐵』の特別読み切りも収録。作品はいずれも描き下ろしだ。また『曇天に笑う』の TVアニメ化情報も掲載される。
『時代活劇画伝 斬』は、マッグガーデンの WEBマンガサイト「 Beat's」とアニメイトのコラボレーション雑誌。全国のアニメイト各店、およびアニメイトとマッグガーデンの通販でのみ販売される。一般書店への流通は行われないため、買い逃がしには注意しよう。
ムック雑誌『時代活劇画伝 斬』
発売予定日:2013年12月24日(火)
価格:980円(税込)※送料・手数料別
『 PEACE MAKER 鐵』(『新撰組異聞 PEACE MAKER 』)とは?
黒乃奈々絵によるマンガ作品。『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)に連載された『新撰組異聞 PEACE MAKER 』(1999~2001年連載)から物語は始まり、『 PEACE MAKER 鐵』はその直接の続編にあたる。
物語の設定に関して史実と異なる点が多いが、大筋は江戸幕末期の新撰組を取り巻く実際に発生した事象に沿っている。
2001年6月のマンガ出版社マッグガーデン設立にいたった、いわゆる「エニックスお家騒動」により、掲載誌を『月刊コミックブレイド』(マッグガーデン)に移し、第2部として『 PEACE MAKER 鐵』が連載されていたが、2005年以降休載し、2010年にケータイサイト『コミックシーモア』で続編「油小路編」が配信された。
主な登場人物
市村 鉄之助(1854~73年)
新撰組副長・土方歳三の小姓。愛称・鉄。両親を何者かに殺され、敵を討つために新撰組に兄・辰之助と共に入隊する。両親を目の前で殺されたショックから身体の成長が止まっており、よく子供扱いされていたが、池田屋事件での初陣を経て過去の傷を乗り越え、以降は心身ともに立派に成長した。池田屋事件後は新撰組隊士見習いとなり、剣の腕も確実に上がっている。永倉新八曰く、鉄之助の剣は「土方さんと同じ野外実践型」。刀を取るのは「殺すため」ではなく、あくまで「守るため」であり、未だに敵を殺したことはない。
伊東甲子太郎の脱退により発生した油小路事件で、仲間を助けるべく奮戦するが、鉄之助を坂本龍馬暗殺の真犯人と誤認して追ってきた海援隊にも襲撃され拉致される。しかし、斎藤一の助力で龍馬殺害の無実を証明し、自身を陥れた旧友・北村鈴といずれ決着をつけると決意し、新選組の一員として闘い続ける意志を新たにした。
※史実の市村鉄之助は美濃国大垣藩士・市村半右衛門の三男で、安政五(1858)年に父が浪人となったために近江国国友村(現在の滋賀県長浜市)で暮らし、池田屋事件の3年後、山南敬助切腹の2年後の慶応三(1867)年に兄の辰之助と共に14歳で新撰組に入隊した(油小路事件の直前)。隊内での役職は副長・土方付き小姓。そののち、慶応四(1868)年に兄が脱走したあとも函館戦争にいたるまで新撰組隊士として土方に従い続け、明治二(1869)年5月11日に戦死する直前の土方の命を受け、戦線を離脱して明治新政府軍の厳しい追及をかいくぐり、3ヵ月後に武蔵国多摩郡(現在の東京都日野市)に住む土方の従兄(姉婿でもあった)・佐藤彦五郎のもとに土方の遺品を届けた。その後、鉄之助は2年間ほど佐藤家に滞在し、後に実家の岐阜県大垣市に帰って兄・辰之助と再会したが、明治六(1873)年にその地で病死したという。
一説に、鉄之助は明治十(1877)年まで生存し、2~9月の西南戦争に西郷隆盛軍として参戦して戦死したとも言われているが、確証は無く俗説の域を出ない。
市村 辰之助(1846~72年)
新撰組勘定方。鉄之助の兄。両親が亡くなってからは鉄之助の親代わりでもある。いつも鉄之助の無茶苦茶な行動に振り回され、神経性の胃炎を患っている。鉄之助に対しては過保護で、彼が剣を取ることを快く思っていない。坂本龍馬と出会った際に彼の持つピストルに着目し、銃を扱えるようになることを志すようになる。
※史実の市村辰之助は美濃国大垣藩士・市村半右衛門の次男で、安政五(1858)年に父が浪人となったために近江国国友村で暮らし、慶応三(1867)年に弟の鉄之助と共に22歳で新撰組に入隊した。隊内での役職は勘定方ではなく、局長・副長共有の小姓(両長抱)。そののち、鳥羽・伏見合戦や甲斐勝沼合戦での敗戦の末に新撰組が江戸に撤退した慶応四(1868)年3月以降に脱走し、大垣藩に帰参している。
沖田 総司(1844~68年)
新撰組一番隊隊長。一見すると優男風の美青年だが、新撰組随一の剣の遣い手であり、戦闘時は鬼神の如き強さを発揮する。普段は明るく振舞っているが、内実はとてもクールな性格。池田屋事件の後から結核を患い体調を崩している。土方の趣味の句集を勝手に持ち出して笑いながら詠むなど、よく土方にちょっかいを出している面もあるが、周囲の誰よりも土方を気遣っている。近所の子供たちと共によく遊んでいる。
子供の頃に剣の才が災いして父を亡くし、自身の存在を忌み嫌っていたが、武士として身を立てることを夢見る土方に新撰組という居場所を与えられ、精神的に救われる。それ以来、土方に深い信義を感じている。
油小路事件の頃には、少し動くだけで身体が悲鳴を上げる病状に陥っている。仲間の力になれない歯痒さに耐え切れず、病を押して戦闘に参加しようとするが、山崎烝に制止された。
土方 歳三(1835~69年)
新撰組副長。「鬼の副長」という異名の通り、性格は冷徹。それゆえに隊員からも恐れられているが、実際は部下思いである。鉄之助に対しては彼に刀を持たせないなど特別な態度を取っているが、その理由はまだわかっていない。趣味は俳句で俳号は「豊玉」。
過去に結核で母と姉を亡くしたことがあり、同じ結核のために体調が急激に悪化していく沖田に焦燥を抱いている。
山崎 烝(すすむ 1833~68年)
新撰組監察方。主に間者として敵方の詮索を行う。小姓としての役目を果たさない鉄之助に怒ることもあった。池田屋事件に先立っては、女装して「おせん」と名乗り内情を探っていた。その際、自分の身代わりになって殺害された姉・歩の最期を知って抑えていた感情を爆発させる。その後、姉と親しかった鉄之助と親友になり、以前よりも感情を表に出すようになった。鉄之助の兄・辰之助に対しては、生真面目な彼をおちょくるのを愉しみにしている。のちに将軍の侍医でもあった名医・松本良順の指導により新撰組の専属隊医も務めることとなる。真面目な性格であり、仏頂面で表面上は冷徹そうに見えるが、沖田の容態を心配したり海援隊に襲われた鉄之助を諭したりと、ぶっきら棒ながらも心優しい一面を見せることもある。
山崎 歩(あゆむ)※本作オリジナルの人物
山崎烝の姉。普段は料理人として新撰組隊士の食事を作っている。その味は絶品と人気があり、隊士達からは「アユ姉」と呼ばれて慕われている。だがそれは表向きの顔であり、指令を受ければ「髪結いの弓」として敵方を探るくノ一としても活動していた。しかし、潜入に失敗して拷問にかけられ殺害される。弟の身を誰よりも案じており、鉄之助に弟を頼むと遺言していた。
永倉 新八(1839~1915年)
新撰組二番隊隊長。神道無念流を修めた剣の達人で、その手腕は隊内では沖田と並ぶといわれる。原田・藤堂を含めた新撰組三馬鹿の中でただ一人のツッコミ役。自称「原田左之助の飼い主」。他人の感情に敏く、考えすぎる余り一人で抱え込んでしまうことがある。
原田 左之助(1840~68年)
新撰組十番隊隊長。種田宝蔵院流の槍の名手。新撰組三馬鹿の一人。単純かつ豪快な人柄で、情に厚い。その一方で医者が怖いという臆病な一面もある。腹に切腹の傷跡がある。
藤堂 平助(1844~67年)
新撰組八番隊隊長。北辰一刀流の遣い手。池田屋事件で額に大きな傷跡をつくる。新撰組三馬鹿の一人であり、他の永倉・原田と共に江戸試衛館時代からの古株。性別を問わず、動物でも何でも小さいものや可愛いものが大好き。興奮すると言葉遣いが乱暴になる。副長・山南敬助の切腹をきっかけに隊の方向性に疑問を抱くようになり、参謀・伊東甲子太郎らと共に新撰組を脱退し御稜衛士(ごりょうえじ)となる。その後、油小路事件で新撰組隊士に斬られ命を落とす。新選組幹部では際立って幼い感性の持ち主であり、不穏な空気にも目を背け、組の結束と安泰は絶対であると信じ切っていた。油小路事件では永倉・原田に看取られて息を引き取った。
斎藤 一(1844~1915年)
新撰組三番隊隊長で沖田と1、2を争う剣の実力の持ち主。物静かだが何事にも動じず、つかみどころのない性格。霊感が強く、死者の魂と対話ができる。また、幼少時代から未来を予見することができたという。よく蕎麦を鉄之助におごらせる。幼い頃から自身の千里眼のために人生を諦観していたが、油小路事件で海援隊に幽閉された鉄之助と対峙し、己の意志も歴史を動かす歯車になり得ることを悟る。そして鉄之助の行動に付き合う覚悟を決め、共に歩んでいく意思を示した。
近藤 勇(1834~68年)
新撰組局長。大らかな性格で鉄之助にも優しく接するが、時には局長としての厳格な一面も見せる。情に厚い。
山南 敬助(1833~65年)
新撰組のもう一人の副長。北辰一刀流の遣い手。温厚な気質のため「仏の副長」と呼ばれている。沖田に慕われている。京・島原の明里は、その正体に勘付きつつも本気で愛していた。土方とは意見が食い違うこともあるが、お互いを認め合っている。しかし新撰組の隊規でも重罪とされていた脱走をはかり切腹を命じられる。
明里(あけさと)/サラ=フウマ
山南の恋人。異人と日本人のハーフ。表向きは京・島原の天神(上位の妓女)の明里だが、裏では風魔流の忍者として長州藩に情報を流していた。籠絡する目的で接近した山南を本当に愛するようになる。山南の死後は遊女・明里の名を捨て、忍びとして生きる決心をする。山南の死後は龍馬を愛するようになっていた。龍馬暗殺の真犯人が北村鈴だと知る唯一の人物であったため、鈴によって監禁される。
伊東 甲子太郎(かしたろう 1835~67年)
元治元(1864)年から新撰組に入隊した参謀。のちに脱退して御稜衛士を結成して新撰組と対立する。男色趣味が強く、副長・土方に対し執着心を抱いている。1867年12月に発生した油小路事件で自らを暗殺しようとした新撰組を逆に嵌め、屯所に攻撃を仕掛ける。しかし土方と一騎打ちとなった末に敗れ、藤堂と同様に命を落とす。
北村 鈴(すず)※本作オリジナルの人物
兄を斬殺した新撰組に復讐するため、吉田稔麿の小姓になっている少年。鉄之助とはお互いの素性を知らない時点で親友になる。池田屋事件で敬愛する師匠・稔麿を失い、鉄之助の素性を知ったことでさらに新撰組と鉄之助を強く憎むようになり、復讐のみを生き甲斐とするようになる。のちにその存在が邪魔になった坂本龍馬と中岡慎太郎を斬殺した。漆塗りにした稔麿の頭蓋骨を常に持ち歩いている。
吉田 稔麿(としまろ 1841~64年)
長州藩士で急進派攘夷志士。吉田松陰の愛弟子として崇高な理念を持ち活動。京では桝屋喜右衛門こと古高俊太郎の邸宅に他の同志たちと共に潜伏する。北村鈴が崇敬する師匠だったが、池田屋事件で臆することなく新撰組と戦い、敗死する。
膕(ひかがみ)
罪人として処刑されそうになったところを北村鈴に助けられ、それ以来、鈴に絶対的な忠誠を誓う。容姿が吉田稔麿によく似ている。
坂本 龍馬(1836~67年)
もと土佐藩郷士の志士。鉄之助と辰之助の父・市村龍之助のことを知る人物。ドレッドへアにサングラス、テンガロンハットにブーツという風貌で、ピストルを携行している。後に京・近江屋で盟友の中岡慎太郎と共に襲撃を受け、北村鈴に斬殺された。
桂 小五郎(1833~77年)
長州藩の重臣。常に江戸幕府側の新撰組や京都見廻組の追手から逃げ回る生活を余儀なくされているため、変装していないと落ち着かない性質になっている。幾松という恋人がいる。
勝 海舟(1823~99年)
江戸幕府軍艦奉行。青谷という部下がいる。あんみつが大好物。江戸っ子口調で剛胆な性格の持ち主である。坂本龍馬や鉄之助の父・市村龍之助をよく知る。
陸奥 陽之助(宗光 1844~97年)
坂本龍馬が結成した株式会社「海援隊」の隊士。後の明治政府外務大臣。坂本龍馬のことを慕っていた。龍馬の暗殺を知るが、北村鈴の陰謀にかかり鉄之助を真犯人として付け狙う。
TV アニメ版
『 PEACE MAKER 鐵』のタイトルで放送されたが、内容は第1部『新撰組異聞 PEACE MAKER 』のものである。全24話。2003年10月~04年3月にテレビ朝日系列にて毎週火曜日深夜3時12~42分に放送された。
主なキャスティング
市村鉄之助 …… 小林 由美子(24歳)
沖田総司 …… 斎賀 みつき(30歳)
土方歳三 …… 中田 譲治(49歳)
市村辰之助 …… うえだ ゆうじ(36歳)
山崎烝 …… 櫻井 孝宏(29歳)
山崎歩 …… 永島 由子(33歳)
永倉新八 …… 山口 勝平(38歳)
原田左之助 …… 乃村 健次(33歳)
藤堂平助 …… 鳥海 浩輔(30歳)
斎藤一 …… 松山 鷹志(43歳)
近藤勇 …… 土師 孝也(51歳)
山南敬助 …… 井上 倫宏(45歳)
北村鈴 …… 今井 由香(33歳)
吉田稔麿 …… 諏訪部 順一(31歳)
明里 …… 根谷 美智子(38歳)
坂本龍馬 …… 江原 正士(50歳)
宮部鼎蔵 …… 宮林 康(38歳)
アニメーション制作 …… ゴンゾ
TV ドラマ版
『新撰組 PEACE MAKER 』のタイトルで、2010年1~3月に毎日放送・TBSほかで毎週水曜日深夜0時34分~1時04分に放送された。全10話。
内容は TVアニメ版と同じく第1部『新撰組異聞 PEACE MAKER 』のものである。
主なキャスティング
市村鉄之助 …… 須賀 健太(15歳)
沖田総司 …… 柳下 大(とも 21歳)
土方歳三 …… 谷内 伸也( Lead 22歳)
市村辰之助 …… 古川 雄大(22歳)
永倉新八 …… 松川 尚瑠輝(なるき 20歳)
原田左之助 …… 伊崎 右典(ゆうすけ 25歳)
藤堂平助 …… 佐野 泰臣(25歳)
近藤勇 …… 遠藤 章造(ココリコ 38歳)
山南敬助 …… 上山 竜司(RUN&GUN 23歳)
山崎歩 …… 原 幹恵(22歳)
明里 …… 中島 愛里(19歳)
北村鈴 …… 野村 周平(16歳)
吉田稔麿 …… 荒木 宏文(26歳)
桂小五郎 …… ユキ リョウイチ(37歳)
宮部鼎蔵 …… 脇崎 智史(26歳)
主なスタッフ
メイン脚本&メイン演出 …… 山本 清史(31歳)
舞台版
『新撰組異聞 PEACE MAKER 』
2007年7月21・22日 大阪・松下IMPホール、8月2~6日 新宿・新国立劇場小劇場
主なキャスティング
吉田稔麿 …… 郷本 直也(27歳)
山崎烝・歩 …… 矢崎 広(20歳)
『新撰組異聞 PEACE MAKER 』
2009年5月6~10日 池袋・東京芸術劇場小ホール2
主なキャスティング
市村鉄之助 …… 矢吹 卓也(22歳)
北村鈴 …… 米原 幸佑(RUN&GUN 23歳)
山崎烝 …… 斎藤 ヤスカ(21歳)
沖田総司 …… 松岡 佑季(20歳)
吉田稔麿 …… 高木 俊(28歳)
山南敬助 …… 上杉 輝(26歳)
近藤勇 …… 柏 進(37歳)
原田左之助 …… 住谷 正樹(レイザーラモンHG 33歳)
『 PEACE MAKER 新撰組参上』
2011年6月3~12日 東京ドームシティ・シアター Gロッソ
主なキャスティング
市村鉄之助 …… 吉村 卓也(21歳)
土方歳三 …… 兼崎 健太郎(26歳)
沖田総司 …… 浜尾 京介(19歳)
市村辰之助 …… 滝口 幸広(26歳)
近藤勇 …… タイソン大屋(39歳)
山南敬助 …… 聡太郎(25歳)
永倉新八 …… 内藤 大希(23歳)
吉田稔麿 …… 林 剛史(28歳)
北村鈴 …… 井沢 勇貴(18歳)
『新撰組異聞 PEACE MAKER 』
2012年4月15~22日 東京ドームシティ・シアター Gロッソ
主なキャスティング
市村鉄之助 …… 聖也(18歳)
土方歳三 …… 兼崎 健太郎(27歳)
沖田総司 …… 浜尾 京介(20歳)
市村辰之助 …… 伊勢 大貴(20歳)
永倉新八 …… 椎名 鯛造(25歳)
藤堂平助 …… 水谷 百輔(26歳)
山崎烝 …… 服部 翼(22歳)
山崎歩 …… 工藤 真由(25歳)
吉田稔麿 …… 伊崎 右典(27歳)
北村鈴 …… 佐野 岳(20歳 仮面ライダー鎧武!)
明里 …… 人見 早苗(29歳)
こやつ、まだ生きておったか!
この作品、私にとっては「いちおう読んでみた唯一の新撰組もの連載マンガ」で、主人公の人選が珍しかったのでおもしろく読んでいたのですが、2005年にご存知の通りの休載、中断! かなり気合いの入ったアニメ化もされていたというのに……好きだっただけにとっても残念に感じていました。
そんで2010年に降って湧いたように続きが連載されたわけなんですが、それもなんだか、はっきり言って「油小路事件と坂本龍馬暗殺事件のときの伏線を回収しに来ました~。」みたいな作業的な内容で、「史実で死んだはずの伊東甲子太郎が、実は生き延びていた!!」という2005年までの驚愕の展開を、「……そんで、数時間後にやっぱ死にました。」という That's 尻すぼみなシメにしてしまうというがっかり感のはなはだしいものになり下がっていました。おまえは映画版『風の谷のナウシカ』のドロドロ巨神兵か!? 生きねば!!
この作品って、主人公の市村鉄之助の新撰組入隊のタイミングの大幅すぎる改変からもわかるように、作者の創作部分に、あまりにも無造作に実在する人物や団体の名称をそのまんま乗っけるきらいがあって、その点、史実にちゃんと距離をとった上でハチャメチャなことをしている『るろうに剣心』とか『銀魂』のスタイルがよっぽど大人というか、そうやるのがプロとして当たり前の配慮だと思うんですよね。いや、『銀魂』はハチャメチャしすぎですけど、ちゃんとそれなりの仁義を切った上でやらかしてるわけです。
山崎烝に姉をつくるとか、伊東甲子太郎が土方歳三に気があるとか、斎藤一がオカルト体質だとかいう、「無から可能性を拾ってオリジナルを創造する姿勢」は、やっぱり実名を使っているという点で納得はいかないのですがギリギリ許容できるとしても、市村兄弟の入隊時期と兄弟の父親が何者かに殺害されたっていう設定って、「オリジナルとまったく違う事実を捏造する」ことなんじゃなかろうかと思うんですよ。それはダメなんじゃない!?
そんなもん、もし大学受験の日本史Bの試験で「市村兄弟の新撰組入隊時期は?」っていう問題が出たら、どんだけの人たちの運命に甚大な影響をおよぼすと思ってるんですか!! え、そんなの問題に出ないし、そんなことをいちいち気にしてる読者もお前くらいしかいない? ごもっとも☆
織田信長が本能寺の変で死ななかった、っていう設定のフィクション作品もよくありますけど、それは完全に『ドリフ大爆笑』における「もしもシリーズ」的な遊びを中心におく「架空歴史もの」ですからね。それとも違うみたいだし、『 PEACE MAKER 鐵』は態度がかなり不鮮明なんです。はっきりしてちょーだい!
だから、私はこの『 PEACE MAKER 鐵』のグズグズな姿勢がどんどん嫌いになっていっちゃって……特に、タイトルが『 PEACE MAKER 鐵』になったところから嫌いですね。坂本龍馬嫌いなんだよなぁ~、わたし。
そんで、しょうこりもなくまた復活するんでしょ? 今年のクリスマスに。
……
『時代活劇画伝 斬』、絶対買いま~っす♡
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