『軍師官兵衛』第49回『如水最後の勝負』(2014年12月7日 演出・本木一博)
登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)
黒田 如水 …… 知力84、統率力67
(演・岡田准一)
黒田 長政 …… 知力77、統率力63
(演・松坂桃李)
豊臣 淀殿 …… 知力16、統率力21
(演・二階堂ふみ)
母里 太兵衛 友信 …… 知力44、統率力80
(演・速水もこみち)
後藤 又兵衛 基次 …… 知力14、統率力75
(演・塚本高史)
石田 三成 …… 知力92、統率力60
(演・田中圭)
井伊 直政 …… 知力69、統率力81
(演・東幹久)
安国寺 恵瓊 …… 知力80、統率力31
(演・山路和弘)
吉弘 統幸(むねゆき)…… 知力38、統率力70
大友家重臣。主君・大友家の改易後に、如水に見出されて3~4年ほど井上九郎右衛門に仕えていたことがあった。(演・的場浩司)
小西 行長 …… 知力72、統率力48
(演・忍成修吾)
毛家 主水 武久 …… 知力15、統率力62
黒田家旗奉行。のちに「黒田二十四騎」に数えられる。(演・春風亭昇太)
本多 忠勝 …… 知力66、統率力84
(演・塩野谷正幸)
平岡 頼勝 …… 知力70、統率力30
(演・今井朋彦)
小早川 秀秋 …… 知力21、統率力34
(演・浅利陽介)
福島 正則 …… 知力45、統率力83
(演・石黒英雄)
宇喜多 秀家 …… 知力50、統率力61
(演・武田航平)
大友 吉統 …… 知力60、統率力46
(演・増田修一朗)
吉川 広家 …… 知力59、統率力48
(演・加藤頼)
大谷 吉継 …… 知力81、統率力80
(演・村上新悟)
長束 正家 …… 知力87、統率力13
(演・佐久間哲)
徳川 家康 …… 知力102、統率力65
(演・寺尾聰)
ざっとの感想
●慶長五(1600)年九月一日。東軍の総大将となった徳川家康ひきいる兵3万3千の大軍が、ついに東海道を西へ進軍開始! 同時に家康の三男・徳川秀忠ひきいる兵3万8千も中山道を西上したため、徳川軍本体だけで合計7万を超える大軍が動員されたことに! これはとてつもない大戦争の幕開けであります!
とはいいつつも、実はこの徳川軍の九月一日出立は、先立つ八月二十三日に、西軍の重要な防衛拠点だった美濃国岐阜城が、福島正則や池田輝政、そしてわれらが黒田長政といった、いきりたちまくった豊臣恩顧の大名たちの総攻撃によって、たった一日で陥落してしまったことが直接の引き金だった、とされています。つまり、西軍にしても東軍にしても、この難攻不落の岐阜城攻防戦にはけっこうな時間がかかると予想していたらしいのですが、岐阜城を援護するはずだった竹ヶ鼻城・犬山城・大垣城といった諸城があれよあれよという間に落城するやら内応するやら補給路を分断されるやらで、とんとん拍子に岐阜城は孤立無援の状態に。そして、「いま家康に恩を売っとかなくて、いつ売るんだコノヤロー!」と士気MAX になった荒武者ボーイズが殺到したため、勝った家康までもが「えっ、ちょっ……」とあせる急なスケジュール前倒しになってしまったのです。
なぜ家康があせるのかといいますと、ここでダーイシが滅んだとしても、他の豊臣政権の主だった大名がハバをきかせるようでは、徳川家による天下取りは遠いものになってしまうから。実際に、その後たのみの秀忠軍が「例の遅刻」で関ヶ原に間に合わなかったことなどの悪条件が重なったため、家康の「思い通りの」天下取りは、1615年の最晩年まで先送りになってしまうのでありました。家康の潜在的な敵は、ダーイシだけではなかったのだ。
……ということなので、先週のクライマックスでにおわされていた、「九州で如水があやしい動きを見せてるから、それを警戒した家康が江戸城を出立した」みたいな解釈は、意図的に長政たちの大活躍を無視した『軍師官兵衛』ならではの「主人公優遇サービス」とみた! 九州のことなんか気にしてる場合じゃねぇんだよ~、こっちは!
○如水「家康も江戸城を出陣した。思ったよりも徳川の進軍が早い!」
とはいいつつも、家康が先週の小山評定で「石田討つべし!」と檄を飛ばしたのは七月二十五日のことで、今回の家康出馬は九月一日。ゆうに1ヶ月の時間が経過してから、やっと西軍と東軍が衝突するかしないかという空気になってきたわけなのです。
これでも如水は「早い」とあせるし、家康だってもう少し福島たちを抑えて様子を見たかったらしいです。そして、西軍のダーイシだって、もちっと岐阜城には持ちこたえてほしかったし……
なんか全体的に、当時の関係者の方々は、現在の私たちが認識しているような「全てが決する大戦争が勃発してハイ終了」ではなくて、かなり長期的に東西対立が続く構図を想定していたんでしょうかねぇ。
だとすれば、かつての14世紀の南北朝時代みたいに、なんとも煮えきらない日本的な状況が続く可能性もあったようなのですが、そこを打開したのが、マンガみたいにわかりやすく恩賞と出世を望む福島とか長政といった「こまけぇこたいいんだよ!」的な面々の、きわめて俗っぽい戦功争いだった、というのが実に痛快ですね。
如水をあせらせた本当の原因は、武将として思った以上に成長していた長政の活躍だったのだ! 息子のひたむきな勤勉さが、親父の老後の楽しみをおびやかす……皮肉な話よねぇ。
○「もっと! もっとはよう~!」と、大坂城の廊下で女中たちと楽しそうに木馬遊びに興じながらも、横ぎる一瞬のあいだに、部屋の中でダーイシを相手に思いっきりキレまくる母ちゃんをしっかり目撃してしまう秀頼ぎみ。
お母さん、そういう姿は、あんまりお子さんに見せるものじゃありませんよ。いや、いや、「子どものため」とか「相手が以前に言っていたことと話が違う」とか、お話の内容は関係ないんです。そうやって激高するお母さんの姿を見てしまったお子さんのお気持ちを察してあげてください、という話なんですよ。
数え年8歳って、もう小学校2年生でしょ? 平和な現代の小2だって、もう立派に人格は持ってますよ。キレる母ちゃんは見たくないよね~。そのうえ、後ろにいる女中さんたちが「見た? あれ……西軍、ヤバくね?」とか、「ヤバいよね……もうわたし、転職先さがしてんだけどさ。」とかってひそひそ話を始めちゃった日にゃあ……うおお! じいちゃんみたいな父ちゃん、カムバ~ック!!
○「ならぬと言ったらならぬ!」といった、けんもほろろの態度で秀頼の出馬を拒絶する淀の方。いや~、久しぶりに眉毛と目がきれいな「X」をつくってますねぇ。
しかし、すぐに態度を切りかえて、「アメとムチ」を絵に描いたような猫なで声作戦に入ります。
「そなたが大坂に戻ったからには、なにも心配はいらぬのではないか……?」
でも、しかし……え、私が戦闘の指揮も執らなきゃいけないわけ!? いや、確かに心配ご無用とは言いましたけど、それは太閤殿下のマネをしてテンションを上げたかったから言っただけでして……頭脳プレーとホントに野っぱらでやる殺しあいは、また別の話なんでありまして……あの、ちなみに、私の北条征伐のときの忍城の話は、誰かから聞いたこと、ありますよね!? 聞いてなかったら、『のぼうの城』っていう何年か前の映画、観たことあります?
ここにきて、ことの重大さに初めて気づくダーイシなのであった。うそ、オレが戦場でもがんばんなきゃなんないわけ!? 助けてサコ~ン。
○秀頼出馬がムリだとしても、さらに西軍総大将である毛利輝元くんまでもが大坂城を出ないっていうのは、やっぱりおかしな話ですよね。そこはダーイシ、せめて輝元くんは引っぱり出してほしかった。もし、「でも大坂城の秀頼ぎみを守らなきゃ……」とかなんとか言うんだったら、ダーイシが大坂城に入ってでも輝元くんを出さなきゃいけなかったんでしょうね。
う~ん、でも……もし総大将輝元が出ても、西軍は勝てたのだろうか!? そこで勝利をはっきり確約できないのが、輝元くんらしいところなのよねぇ。いいひとなんだろうけど、絶対に自軍の総大将にだけはなってほしくねぇ!!
○すでに、七月十八日から八月一日まで繰り広げられていた京の伏見城での激しい攻防戦に、西軍側の副将としてがっつり参戦していたにも関わらず、ここにきて「東軍につく」と翻意を明らかにした小早川秀秋の家老・平岡頼勝が、陣中の黒田長政に面会。いや、もう東軍の陣中に平岡が来たって時点で、秀秋は悩むもなにもねぇだろ……西軍は秀秋の家老の動向を把握する余裕もないのか!?
しかし、平岡を演じる今井さんののらりくらりした言動は、実ににくったらしいですねぇ! 長政から、「京の近くの2ヶ国に所領を安堵する」という家康の伝言を聞いて表面上は喜んでますけど、「それだけかよ……もうちょっと考えてみっか。」っていう内心が見え見え!
いいですねぇ。そうでなきゃ戦国なんてやってらんないよね。
○さすが、秀秋の東軍内応をしっかり把握していたダーイシ。向こうが畿内2ヶ国で釣ろうとするのならば、こっちは「筑前+播磨+関白職+平岡10万石独立」、そして大坂城名物「黄金いっぱい♡ 」の大盤振る舞いで、ムリヤリ秀秋の顔をぐいと西軍に向きなおさせます。これはダーイシらしからぬサービス満点っぷり! いよいよ彼も覚悟を決めてきましたね。
……ただ、ドラマの中でダーイシが力説していた、「所詮は利で動く輩……とびきりの利で釣ったら目の色を変えておったわ。これでつなぎとめられただろう。」という論理は絶対におかしい。というか、甘い!!
利で動くやつなんか、一刻も早く自軍から出ていってもらうに限るんです! 自分の提示する利と敵軍の提示する利をはかりにかけてる勢力なんか、完全に邪魔な「第三勢力」でしかないんじゃないの!! そんなの、身内においといちゃダメですって。
とにかく、持ってる兵力を動かせないような場所に封じ込めるか、なんくせつけて追放するしかないんじゃないですか。
私もそこはキビしいですよ……ゲームの『信長の野望』だったら、こんなヤツはわざと「兵100」くらいの最低値に設定して戦場に出して、裏切った瞬間に包囲して串刺しにします。たとえそれができないにしても、暗殺か強制出家の処分にしたってバチはあたんないだろ、こんなヤツ。「小早川」ったって養子だしねぇ。まぁ、ダーイシは北政所おねに配慮しちゃったのかな? そんな甘さじゃあ、天下分け目の大合戦に勝つことはできませんよね。
●九州各地の諸大名に降伏勧告の書状を送りつける強気な如水! 情報戦で機先を制するわけですな。
それは別にいいんですけど、宛名もろくに読んでいない足軽どもに、箱の中からつかみ取りで書状を持たせるとは……アバウトすぎ!
「やべっ、おれ、対馬と大隅の書状いっしょに取っちゃった……何週間かかるんだろ、これ?」
「ラッキー☆ おれ、島津あーたった! 最強キラ書状ゲットー!!」
「それ……ラッキーなのか?」
○如水の姿を見て、早くもテンションが最高潮に達する如水軍。士気高いなぁ!
ただ、ドラマの流れからすると、現当主の長政が如水と決別した6月の時点から徴兵と訓練を開始した民兵というかたちになるので……できて3ヶ月前後でしょ? ほぼプロの戦争屋さんたちと、これからず~っと戦い続けることになるわけでして……中津のみなさんは、ホンットにお元気ですね!! 私も見習いたいわぁ、そういうポジティブシンキングっぷり。
○「大友吉統は、かつて朝鮮にて敵を見る前に逃げ出し、豊後をめしあげられた臆病者じゃ! その臆病者が、わしの首を取りに来るという……敵がたとえ何万騎で来ようと! 百に一つも負けることはない……」
大河ドラマの主人公とはとても思えないブラックな笑みを浮かべて、徹底的に大友吉統をディスる如水。
出陣直前の演説として、これほどにリアリティのある内容もないんですが、なんだか最終回目前のここにきて、如水が完全に悪役に見えてきてしまいました……こういう感じの演技で活き活きとされてもなぁ! まぁ、戦国武将の分際で「命をだいじに」とかってほざくよりはよっぽどましですけど。やるんだったら、初回からこういうテイストでつっきってほしかったなぁ。松永さんとか宇喜多さんとめちゃくちゃ意気投合しちゃったりして。
○久しぶりの出陣シーンで、ついにトレードマークの「銀白檀塗合子形兜(ぎんびゃくだんぬりごうすなりかぶと)」もおっかぶって出たかと思ったら、如水本人は輿に乗っての進軍ですか。まぁ、もともと脚もよくないし、なんてったって55歳だしねぇ。でも、輿での移動はそんなに快適じゃないぞ! 長旅なんで酔わないように気をつけましょう。
○これまた久しぶりに「竹中」の名を持つ武将が出てきたかと思ったら、ブラック如水の格好の餌食になってしまう、竹中重治のご親戚のおぼっちゃんでした。かわいそうに……失礼ですけど武将としての竹中家って、みなさん基本的に「どこか残念」ですよね。重治は寿命が残念。
○「殿ォ! おなつかしゅうござりまする……」という、感慨深げな第一声で登場した、大友吉統の忠臣・宗像鎮続。
でも、あたしゃ、その鎮続を演じている丹古母鬼馬二さんがおなつかしゅうござりまするよ……元気そうですね~!!
丹古母さんといえば、かつて、あの難攻不落もいいところな名城「風雲!たけし城」(1986~89年)を守っていた名将ですよ。当時小学生だった私にはたまんないルックスとお名前だったなぁ、たんこぼ・きばじ。
そんな丹古母さん演じる鎮続といい、「あのお方」が演じる吉弘統幸といい、大友吉統、自分はダメだけど最高級のフォロー陣で豊後奪回戦にのぞむ万全の態勢と見た! 相手にとって不足はなァし!!
いや~しかし、「片肌脱胴具足(普通の胴丸を片肌脱ぎしたように見える半分裸形のデザインの鉄板甲冑)」とか、「仁王胴具足(胴体を金剛力士天をイメージした裸形でかたどった鉄板甲冑)」がこんなに似合う現代人がいたとは。軍装スタッフさま、グッジョブ中のグッジョブ!
○うわー、ついに出たー! 歴史ドラマでこんなに頼りがいのある俳優さんもいません、吉弘統幸役に的場浩司さんがきたぁああああ!!
まさに、怒ったらそうなる、なんていう二階堂さんの一時的な「X」が瞬時にふっとんでしまう、「24時間オルウェイズX字顔」!! ただし、お子さんとスイーツのことに関しては「X」でなくなるらしい。
ドラマの主人公を敵にまわすという、「敗北フラグもへったくれもない」悲しみトワイライトな吉統軍に所属するのがあまりにももったいなさすぎるキャスティングなのですが、ともかく出演してくれただけで、はい、もういいです満足です。
たとえば、「速水もこみちが母里友信を演じる」となると、たいてい武将のイメージにあわせて現代の役者がいかつくなる、という構図が当たり前の昨今で、的場さんは「武将が現代の俳優のオーラにあわせて通説よりも数倍いかつくなる」そうとうに稀有な俳優さんのおひとりですもんね。
だってさ、『信長 KING OF ZIPANGU 』(1992年)の池田恒興、観た? あんなの、前田利家とか柴田勝家がはだしで逃げ出す狂犬っぷりだったじゃない!? あれは歴史が改変されかねない、的場さんの覇気でしたよ。
実際、私は『信長の野望』のイメージしか持ってないんだけど、吉弘統幸って、他の大友家臣団にくらべたら、正直いまいちパッとしない方ですもんね。よかったねぇ、的場さんが演じてくれて。
○吉統「おぬしは以前、黒田の食客となっておったそうだな……情が移ったか、統幸!?」
ンだとぉ!? だぁれのせいで黒田の食客になったと思ってんだコラー!!
……って、よく統幸が吉統に殴りかからなかったですね。的場さんもまるくなったもんだね。
たぶん、それを聞いてた鎮続だって、「いや、それはいいっこなしだろ。少なくとも、あんたが言う資格はねぇだろ!」と思ったんじゃないんでしょうか。吉統は演技の棒読みっぷりも、言ってる内容もどっちも0点だな!!
○「大友軍が3~4千名規模にまで拡大した」というニュースよりも、「大友軍に吉弘統幸がいる」という情報のほうに慄然とする如水陣営。
いや、そこまで統幸を持ち上げるのもどうかと思うんだけど……どっちかっていうと、「吉弘統幸」の部分を「的場さん」に変換したほうが、その恐れっぷりにも納得がいく気がします。演じている俳優陣の世代からしても、的場さんの勇名はとどろきまくってるでしょうよ。
○この『軍師官兵衛』に7月あたりから登場するようになって放送およそ20回、今週になって初めて、目に見えてあせる様子をあらわにした家康。そうそう、関ヶ原合戦ではダーイシは当然あせってるんだけど、家康もそれと同じかそれ以上にあせってたのよねぇ!
さぁ、盛りあがってまいりました!!
○なんかもう、まともな野戦シーンがほんとに久しぶりで……もう、いい。ツッコもうとすればそれはポイントがいっぱいあるわけなんですが、もういいです。どんどんやってくだしゃ~い。いつぶりって……ヘタしたら、小寺 VS 毛利の「英賀合戦」(3月放送)ぶりなんじゃないの!? ひえ~、秀吉の天下取りの覇業は、どの戦闘も直接には映像化されなかったのか。そんなん、あり!?
○一時は主従の関係にもあったという、九郎右衛門と統幸、因縁の対決! 燃えますね~。
すでに左脚に矢を受けているとはいえ、相手は武名名高い的場さ……いや、吉弘統幸。九郎右衛門の「もう充分じゃ! 命を無駄にしないでくれ……」という言葉の震えが、決して悲しみの感情だけからきているのではなさそうに感じるのは、私だけでしょうか。高橋さん、やっぱり、いいところでいい演技をするねぇ~!
○ぐわ~! 的場さん、そこで「みそ汁」はないっすよぉお!! 激しく感動いたしました。ずるいずるい!
ほんとに、1回ゲストという扱いがなんとももったいないキャスティングでございました。だったら伏線として、大陸出兵のころから黒田家預かりとしてドラマに登場させてあげてくださいよぉ~!! 実に良いお仕事でございました。
○岡田さん、大友降伏後の勝どきのときに、しれっと武藤敬司のマネしてなかった? 岡田さんのそういうところ、いいですよね……
○輝元は「なんか長盛があやしい」とかなんとか言って出馬しないし、家康は超得意な野戦に持ち込むつもりだし、自慢の「乱髪天衝脇立兜(らんぱつてんしょうわきだてかぶと)」は、いざかぶってみたらサイズがでかいし毛が雨水吸っておもてぇしで、もうさんざんすぎる哀れなダーイシ。こりゃもう、恥も外聞も捨てて大坂まで撤退するしかないんじゃない!?
関ヶ原前夜もいろいろ交渉をがんばるわけなんですが、たぶん、史実の雰囲気でいけば、この時点でダーイシが小早川秀秋に面会する、なんていう悠長な関係ではなかったと思うんですが……おそらく、AKB には会えても、吉川広家と会うことも難しかったのではないのでしょうか。
もう、このときのダーイシには、広家や秀秋に泣きを入れるとかいう余地はなかったと思うんですよね。状況はドラマよりも遥かにシビアだったはずなのです。がんばれ、ダーイシ! ていうか、逃げるしかねぇって、マジで!! 雨にそぼ濡れてる場合じゃねぇえ。
○なるほど、毛屋武久の報告は単なる「あえてついたウソ」だったのではなくて、黒田家の精確な敵状把握の結果もたらされた「実動兵力」の報告だったのか! にしても、さすがに「多くて3万」というのは少なく見積もりすぎなんじゃないかと思うんですけど……4万前後くらいはあるんじゃないの?
まぁ、いっか。ハイおまんじゅう。ほんじゃま、開戦すっか。
結論、「最終回がとってもとってもたのしみです。」
というわけで、最終回の視聴メモを残しまして、『長岡京エイリアン』、2014年おしまいでございま~っす。あ~、疲れた。
そんなこんなで、みなさま、良いお年をお迎えくださ~い! 私も、2015年は良い年にするぞ。南無八幡大ぼさーつ!!
登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)
黒田 如水 …… 知力84、統率力67
(演・岡田准一)
黒田 長政 …… 知力77、統率力63
(演・松坂桃李)
豊臣 淀殿 …… 知力16、統率力21
(演・二階堂ふみ)
母里 太兵衛 友信 …… 知力44、統率力80
(演・速水もこみち)
後藤 又兵衛 基次 …… 知力14、統率力75
(演・塚本高史)
石田 三成 …… 知力92、統率力60
(演・田中圭)
井伊 直政 …… 知力69、統率力81
(演・東幹久)
安国寺 恵瓊 …… 知力80、統率力31
(演・山路和弘)
吉弘 統幸(むねゆき)…… 知力38、統率力70
大友家重臣。主君・大友家の改易後に、如水に見出されて3~4年ほど井上九郎右衛門に仕えていたことがあった。(演・的場浩司)
小西 行長 …… 知力72、統率力48
(演・忍成修吾)
毛家 主水 武久 …… 知力15、統率力62
黒田家旗奉行。のちに「黒田二十四騎」に数えられる。(演・春風亭昇太)
本多 忠勝 …… 知力66、統率力84
(演・塩野谷正幸)
平岡 頼勝 …… 知力70、統率力30
(演・今井朋彦)
小早川 秀秋 …… 知力21、統率力34
(演・浅利陽介)
福島 正則 …… 知力45、統率力83
(演・石黒英雄)
宇喜多 秀家 …… 知力50、統率力61
(演・武田航平)
大友 吉統 …… 知力60、統率力46
(演・増田修一朗)
吉川 広家 …… 知力59、統率力48
(演・加藤頼)
大谷 吉継 …… 知力81、統率力80
(演・村上新悟)
長束 正家 …… 知力87、統率力13
(演・佐久間哲)
徳川 家康 …… 知力102、統率力65
(演・寺尾聰)
ざっとの感想
●慶長五(1600)年九月一日。東軍の総大将となった徳川家康ひきいる兵3万3千の大軍が、ついに東海道を西へ進軍開始! 同時に家康の三男・徳川秀忠ひきいる兵3万8千も中山道を西上したため、徳川軍本体だけで合計7万を超える大軍が動員されたことに! これはとてつもない大戦争の幕開けであります!
とはいいつつも、実はこの徳川軍の九月一日出立は、先立つ八月二十三日に、西軍の重要な防衛拠点だった美濃国岐阜城が、福島正則や池田輝政、そしてわれらが黒田長政といった、いきりたちまくった豊臣恩顧の大名たちの総攻撃によって、たった一日で陥落してしまったことが直接の引き金だった、とされています。つまり、西軍にしても東軍にしても、この難攻不落の岐阜城攻防戦にはけっこうな時間がかかると予想していたらしいのですが、岐阜城を援護するはずだった竹ヶ鼻城・犬山城・大垣城といった諸城があれよあれよという間に落城するやら内応するやら補給路を分断されるやらで、とんとん拍子に岐阜城は孤立無援の状態に。そして、「いま家康に恩を売っとかなくて、いつ売るんだコノヤロー!」と士気MAX になった荒武者ボーイズが殺到したため、勝った家康までもが「えっ、ちょっ……」とあせる急なスケジュール前倒しになってしまったのです。
なぜ家康があせるのかといいますと、ここでダーイシが滅んだとしても、他の豊臣政権の主だった大名がハバをきかせるようでは、徳川家による天下取りは遠いものになってしまうから。実際に、その後たのみの秀忠軍が「例の遅刻」で関ヶ原に間に合わなかったことなどの悪条件が重なったため、家康の「思い通りの」天下取りは、1615年の最晩年まで先送りになってしまうのでありました。家康の潜在的な敵は、ダーイシだけではなかったのだ。
……ということなので、先週のクライマックスでにおわされていた、「九州で如水があやしい動きを見せてるから、それを警戒した家康が江戸城を出立した」みたいな解釈は、意図的に長政たちの大活躍を無視した『軍師官兵衛』ならではの「主人公優遇サービス」とみた! 九州のことなんか気にしてる場合じゃねぇんだよ~、こっちは!
○如水「家康も江戸城を出陣した。思ったよりも徳川の進軍が早い!」
とはいいつつも、家康が先週の小山評定で「石田討つべし!」と檄を飛ばしたのは七月二十五日のことで、今回の家康出馬は九月一日。ゆうに1ヶ月の時間が経過してから、やっと西軍と東軍が衝突するかしないかという空気になってきたわけなのです。
これでも如水は「早い」とあせるし、家康だってもう少し福島たちを抑えて様子を見たかったらしいです。そして、西軍のダーイシだって、もちっと岐阜城には持ちこたえてほしかったし……
なんか全体的に、当時の関係者の方々は、現在の私たちが認識しているような「全てが決する大戦争が勃発してハイ終了」ではなくて、かなり長期的に東西対立が続く構図を想定していたんでしょうかねぇ。
だとすれば、かつての14世紀の南北朝時代みたいに、なんとも煮えきらない日本的な状況が続く可能性もあったようなのですが、そこを打開したのが、マンガみたいにわかりやすく恩賞と出世を望む福島とか長政といった「こまけぇこたいいんだよ!」的な面々の、きわめて俗っぽい戦功争いだった、というのが実に痛快ですね。
如水をあせらせた本当の原因は、武将として思った以上に成長していた長政の活躍だったのだ! 息子のひたむきな勤勉さが、親父の老後の楽しみをおびやかす……皮肉な話よねぇ。
○「もっと! もっとはよう~!」と、大坂城の廊下で女中たちと楽しそうに木馬遊びに興じながらも、横ぎる一瞬のあいだに、部屋の中でダーイシを相手に思いっきりキレまくる母ちゃんをしっかり目撃してしまう秀頼ぎみ。
お母さん、そういう姿は、あんまりお子さんに見せるものじゃありませんよ。いや、いや、「子どものため」とか「相手が以前に言っていたことと話が違う」とか、お話の内容は関係ないんです。そうやって激高するお母さんの姿を見てしまったお子さんのお気持ちを察してあげてください、という話なんですよ。
数え年8歳って、もう小学校2年生でしょ? 平和な現代の小2だって、もう立派に人格は持ってますよ。キレる母ちゃんは見たくないよね~。そのうえ、後ろにいる女中さんたちが「見た? あれ……西軍、ヤバくね?」とか、「ヤバいよね……もうわたし、転職先さがしてんだけどさ。」とかってひそひそ話を始めちゃった日にゃあ……うおお! じいちゃんみたいな父ちゃん、カムバ~ック!!
○「ならぬと言ったらならぬ!」といった、けんもほろろの態度で秀頼の出馬を拒絶する淀の方。いや~、久しぶりに眉毛と目がきれいな「X」をつくってますねぇ。
しかし、すぐに態度を切りかえて、「アメとムチ」を絵に描いたような猫なで声作戦に入ります。
「そなたが大坂に戻ったからには、なにも心配はいらぬのではないか……?」
でも、しかし……え、私が戦闘の指揮も執らなきゃいけないわけ!? いや、確かに心配ご無用とは言いましたけど、それは太閤殿下のマネをしてテンションを上げたかったから言っただけでして……頭脳プレーとホントに野っぱらでやる殺しあいは、また別の話なんでありまして……あの、ちなみに、私の北条征伐のときの忍城の話は、誰かから聞いたこと、ありますよね!? 聞いてなかったら、『のぼうの城』っていう何年か前の映画、観たことあります?
ここにきて、ことの重大さに初めて気づくダーイシなのであった。うそ、オレが戦場でもがんばんなきゃなんないわけ!? 助けてサコ~ン。
○秀頼出馬がムリだとしても、さらに西軍総大将である毛利輝元くんまでもが大坂城を出ないっていうのは、やっぱりおかしな話ですよね。そこはダーイシ、せめて輝元くんは引っぱり出してほしかった。もし、「でも大坂城の秀頼ぎみを守らなきゃ……」とかなんとか言うんだったら、ダーイシが大坂城に入ってでも輝元くんを出さなきゃいけなかったんでしょうね。
う~ん、でも……もし総大将輝元が出ても、西軍は勝てたのだろうか!? そこで勝利をはっきり確約できないのが、輝元くんらしいところなのよねぇ。いいひとなんだろうけど、絶対に自軍の総大将にだけはなってほしくねぇ!!
○すでに、七月十八日から八月一日まで繰り広げられていた京の伏見城での激しい攻防戦に、西軍側の副将としてがっつり参戦していたにも関わらず、ここにきて「東軍につく」と翻意を明らかにした小早川秀秋の家老・平岡頼勝が、陣中の黒田長政に面会。いや、もう東軍の陣中に平岡が来たって時点で、秀秋は悩むもなにもねぇだろ……西軍は秀秋の家老の動向を把握する余裕もないのか!?
しかし、平岡を演じる今井さんののらりくらりした言動は、実ににくったらしいですねぇ! 長政から、「京の近くの2ヶ国に所領を安堵する」という家康の伝言を聞いて表面上は喜んでますけど、「それだけかよ……もうちょっと考えてみっか。」っていう内心が見え見え!
いいですねぇ。そうでなきゃ戦国なんてやってらんないよね。
○さすが、秀秋の東軍内応をしっかり把握していたダーイシ。向こうが畿内2ヶ国で釣ろうとするのならば、こっちは「筑前+播磨+関白職+平岡10万石独立」、そして大坂城名物「黄金いっぱい♡ 」の大盤振る舞いで、ムリヤリ秀秋の顔をぐいと西軍に向きなおさせます。これはダーイシらしからぬサービス満点っぷり! いよいよ彼も覚悟を決めてきましたね。
……ただ、ドラマの中でダーイシが力説していた、「所詮は利で動く輩……とびきりの利で釣ったら目の色を変えておったわ。これでつなぎとめられただろう。」という論理は絶対におかしい。というか、甘い!!
利で動くやつなんか、一刻も早く自軍から出ていってもらうに限るんです! 自分の提示する利と敵軍の提示する利をはかりにかけてる勢力なんか、完全に邪魔な「第三勢力」でしかないんじゃないの!! そんなの、身内においといちゃダメですって。
とにかく、持ってる兵力を動かせないような場所に封じ込めるか、なんくせつけて追放するしかないんじゃないですか。
私もそこはキビしいですよ……ゲームの『信長の野望』だったら、こんなヤツはわざと「兵100」くらいの最低値に設定して戦場に出して、裏切った瞬間に包囲して串刺しにします。たとえそれができないにしても、暗殺か強制出家の処分にしたってバチはあたんないだろ、こんなヤツ。「小早川」ったって養子だしねぇ。まぁ、ダーイシは北政所おねに配慮しちゃったのかな? そんな甘さじゃあ、天下分け目の大合戦に勝つことはできませんよね。
●九州各地の諸大名に降伏勧告の書状を送りつける強気な如水! 情報戦で機先を制するわけですな。
それは別にいいんですけど、宛名もろくに読んでいない足軽どもに、箱の中からつかみ取りで書状を持たせるとは……アバウトすぎ!
「やべっ、おれ、対馬と大隅の書状いっしょに取っちゃった……何週間かかるんだろ、これ?」
「ラッキー☆ おれ、島津あーたった! 最強キラ書状ゲットー!!」
「それ……ラッキーなのか?」
○如水の姿を見て、早くもテンションが最高潮に達する如水軍。士気高いなぁ!
ただ、ドラマの流れからすると、現当主の長政が如水と決別した6月の時点から徴兵と訓練を開始した民兵というかたちになるので……できて3ヶ月前後でしょ? ほぼプロの戦争屋さんたちと、これからず~っと戦い続けることになるわけでして……中津のみなさんは、ホンットにお元気ですね!! 私も見習いたいわぁ、そういうポジティブシンキングっぷり。
○「大友吉統は、かつて朝鮮にて敵を見る前に逃げ出し、豊後をめしあげられた臆病者じゃ! その臆病者が、わしの首を取りに来るという……敵がたとえ何万騎で来ようと! 百に一つも負けることはない……」
大河ドラマの主人公とはとても思えないブラックな笑みを浮かべて、徹底的に大友吉統をディスる如水。
出陣直前の演説として、これほどにリアリティのある内容もないんですが、なんだか最終回目前のここにきて、如水が完全に悪役に見えてきてしまいました……こういう感じの演技で活き活きとされてもなぁ! まぁ、戦国武将の分際で「命をだいじに」とかってほざくよりはよっぽどましですけど。やるんだったら、初回からこういうテイストでつっきってほしかったなぁ。松永さんとか宇喜多さんとめちゃくちゃ意気投合しちゃったりして。
○久しぶりの出陣シーンで、ついにトレードマークの「銀白檀塗合子形兜(ぎんびゃくだんぬりごうすなりかぶと)」もおっかぶって出たかと思ったら、如水本人は輿に乗っての進軍ですか。まぁ、もともと脚もよくないし、なんてったって55歳だしねぇ。でも、輿での移動はそんなに快適じゃないぞ! 長旅なんで酔わないように気をつけましょう。
○これまた久しぶりに「竹中」の名を持つ武将が出てきたかと思ったら、ブラック如水の格好の餌食になってしまう、竹中重治のご親戚のおぼっちゃんでした。かわいそうに……失礼ですけど武将としての竹中家って、みなさん基本的に「どこか残念」ですよね。重治は寿命が残念。
○「殿ォ! おなつかしゅうござりまする……」という、感慨深げな第一声で登場した、大友吉統の忠臣・宗像鎮続。
でも、あたしゃ、その鎮続を演じている丹古母鬼馬二さんがおなつかしゅうござりまするよ……元気そうですね~!!
丹古母さんといえば、かつて、あの難攻不落もいいところな名城「風雲!たけし城」(1986~89年)を守っていた名将ですよ。当時小学生だった私にはたまんないルックスとお名前だったなぁ、たんこぼ・きばじ。
そんな丹古母さん演じる鎮続といい、「あのお方」が演じる吉弘統幸といい、大友吉統、自分はダメだけど最高級のフォロー陣で豊後奪回戦にのぞむ万全の態勢と見た! 相手にとって不足はなァし!!
いや~しかし、「片肌脱胴具足(普通の胴丸を片肌脱ぎしたように見える半分裸形のデザインの鉄板甲冑)」とか、「仁王胴具足(胴体を金剛力士天をイメージした裸形でかたどった鉄板甲冑)」がこんなに似合う現代人がいたとは。軍装スタッフさま、グッジョブ中のグッジョブ!
○うわー、ついに出たー! 歴史ドラマでこんなに頼りがいのある俳優さんもいません、吉弘統幸役に的場浩司さんがきたぁああああ!!
まさに、怒ったらそうなる、なんていう二階堂さんの一時的な「X」が瞬時にふっとんでしまう、「24時間オルウェイズX字顔」!! ただし、お子さんとスイーツのことに関しては「X」でなくなるらしい。
ドラマの主人公を敵にまわすという、「敗北フラグもへったくれもない」悲しみトワイライトな吉統軍に所属するのがあまりにももったいなさすぎるキャスティングなのですが、ともかく出演してくれただけで、はい、もういいです満足です。
たとえば、「速水もこみちが母里友信を演じる」となると、たいてい武将のイメージにあわせて現代の役者がいかつくなる、という構図が当たり前の昨今で、的場さんは「武将が現代の俳優のオーラにあわせて通説よりも数倍いかつくなる」そうとうに稀有な俳優さんのおひとりですもんね。
だってさ、『信長 KING OF ZIPANGU 』(1992年)の池田恒興、観た? あんなの、前田利家とか柴田勝家がはだしで逃げ出す狂犬っぷりだったじゃない!? あれは歴史が改変されかねない、的場さんの覇気でしたよ。
実際、私は『信長の野望』のイメージしか持ってないんだけど、吉弘統幸って、他の大友家臣団にくらべたら、正直いまいちパッとしない方ですもんね。よかったねぇ、的場さんが演じてくれて。
○吉統「おぬしは以前、黒田の食客となっておったそうだな……情が移ったか、統幸!?」
ンだとぉ!? だぁれのせいで黒田の食客になったと思ってんだコラー!!
……って、よく統幸が吉統に殴りかからなかったですね。的場さんもまるくなったもんだね。
たぶん、それを聞いてた鎮続だって、「いや、それはいいっこなしだろ。少なくとも、あんたが言う資格はねぇだろ!」と思ったんじゃないんでしょうか。吉統は演技の棒読みっぷりも、言ってる内容もどっちも0点だな!!
○「大友軍が3~4千名規模にまで拡大した」というニュースよりも、「大友軍に吉弘統幸がいる」という情報のほうに慄然とする如水陣営。
いや、そこまで統幸を持ち上げるのもどうかと思うんだけど……どっちかっていうと、「吉弘統幸」の部分を「的場さん」に変換したほうが、その恐れっぷりにも納得がいく気がします。演じている俳優陣の世代からしても、的場さんの勇名はとどろきまくってるでしょうよ。
○この『軍師官兵衛』に7月あたりから登場するようになって放送およそ20回、今週になって初めて、目に見えてあせる様子をあらわにした家康。そうそう、関ヶ原合戦ではダーイシは当然あせってるんだけど、家康もそれと同じかそれ以上にあせってたのよねぇ!
さぁ、盛りあがってまいりました!!
○なんかもう、まともな野戦シーンがほんとに久しぶりで……もう、いい。ツッコもうとすればそれはポイントがいっぱいあるわけなんですが、もういいです。どんどんやってくだしゃ~い。いつぶりって……ヘタしたら、小寺 VS 毛利の「英賀合戦」(3月放送)ぶりなんじゃないの!? ひえ~、秀吉の天下取りの覇業は、どの戦闘も直接には映像化されなかったのか。そんなん、あり!?
○一時は主従の関係にもあったという、九郎右衛門と統幸、因縁の対決! 燃えますね~。
すでに左脚に矢を受けているとはいえ、相手は武名名高い的場さ……いや、吉弘統幸。九郎右衛門の「もう充分じゃ! 命を無駄にしないでくれ……」という言葉の震えが、決して悲しみの感情だけからきているのではなさそうに感じるのは、私だけでしょうか。高橋さん、やっぱり、いいところでいい演技をするねぇ~!
○ぐわ~! 的場さん、そこで「みそ汁」はないっすよぉお!! 激しく感動いたしました。ずるいずるい!
ほんとに、1回ゲストという扱いがなんとももったいないキャスティングでございました。だったら伏線として、大陸出兵のころから黒田家預かりとしてドラマに登場させてあげてくださいよぉ~!! 実に良いお仕事でございました。
○岡田さん、大友降伏後の勝どきのときに、しれっと武藤敬司のマネしてなかった? 岡田さんのそういうところ、いいですよね……
○輝元は「なんか長盛があやしい」とかなんとか言って出馬しないし、家康は超得意な野戦に持ち込むつもりだし、自慢の「乱髪天衝脇立兜(らんぱつてんしょうわきだてかぶと)」は、いざかぶってみたらサイズがでかいし毛が雨水吸っておもてぇしで、もうさんざんすぎる哀れなダーイシ。こりゃもう、恥も外聞も捨てて大坂まで撤退するしかないんじゃない!?
関ヶ原前夜もいろいろ交渉をがんばるわけなんですが、たぶん、史実の雰囲気でいけば、この時点でダーイシが小早川秀秋に面会する、なんていう悠長な関係ではなかったと思うんですが……おそらく、AKB には会えても、吉川広家と会うことも難しかったのではないのでしょうか。
もう、このときのダーイシには、広家や秀秋に泣きを入れるとかいう余地はなかったと思うんですよね。状況はドラマよりも遥かにシビアだったはずなのです。がんばれ、ダーイシ! ていうか、逃げるしかねぇって、マジで!! 雨にそぼ濡れてる場合じゃねぇえ。
○なるほど、毛屋武久の報告は単なる「あえてついたウソ」だったのではなくて、黒田家の精確な敵状把握の結果もたらされた「実動兵力」の報告だったのか! にしても、さすがに「多くて3万」というのは少なく見積もりすぎなんじゃないかと思うんですけど……4万前後くらいはあるんじゃないの?
まぁ、いっか。ハイおまんじゅう。ほんじゃま、開戦すっか。
結論、「最終回がとってもとってもたのしみです。」
というわけで、最終回の視聴メモを残しまして、『長岡京エイリアン』、2014年おしまいでございま~っす。あ~、疲れた。
そんなこんなで、みなさま、良いお年をお迎えくださ~い! 私も、2015年は良い年にするぞ。南無八幡大ぼさーつ!!