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華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

映画  ” ブロークバック ・ マウンテン ”

2006-03-23 00:01:54 | ★映画  
たくさんの賞をもらった噂の映画 ” ブロークバック マウンテン ” を観てきた
1963年のアメリカ ワイオミング州ブロークバック マウンテンの雄大な景色が舞台である
ひと夏を雇われて 羊放牧の仕事をする二人の男の友情が  愛情になっていく20年間の物語

映画を観ると 世の中には いろいろな仕事があるのだなと いつも思う   
何百頭の羊がいたのだろう   山を登って行き  広い放牧地で羊たちと 数ヶ月を過ごす
男の一人はテントを張り 食事を用意する  もう一人の男は もっと山奥で羊番をする   
朝と夕方の食事の時に 山奥から馬に乗って片道2時間の道のりを降りてくる
こんなにも孤独な仕事があるのかと驚いた   どちらの男も生い立ちが温かくない
景色がきれいだろうとも  漆黒の夜空の星が美しかろうとも  風がわたるだけの独りの時間
さみしくつらい生き方をしてきた人でなければ勤まらない仕事かもしれない
こういう二人だから  互いに深く愛を感じ  20年間も想い続けられたのだろうか

人を好きになること  愛情を育て深めていくことに 同性も異性もなく あるがままを惹きあう心
人と人の間の感情として  縁ある者同士の不思議な神秘な繋がり
そして  愛は哀しいものだと思った
夫も妻も  父も娘も  かけがえのない恋人同士でも  人と人の愛は深く貴く 美しく哀しい
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映画  ”  マンダレイ  ”

2006-03-17 19:14:28 | ★映画  
デンマークのラース・フォン・トリアー監督の 米国3部作の第2弾作品である
あの戦慄の  あの衝撃的な  あの演劇的美の構成の ”ドッグ・ヴィル”の続編になる
大きな倉庫のような建物の床に白線で家の間取りを引き  畑や道や小屋が現れる
少しの家具を配置したその家の中で人がそれぞれの生活を動き  道端で子どもが遊んでいる
舞台上の芝居を観るような臨場感 緊迫感が  とても新鮮で  物語の中にぐいぐい引き込まれた
力のある俳優たちでなければ演じれないのではないだろうかと思わせた構成だった
その ”ドッグヴィル”の同じ主人公グレースが登場する ”マンダレイ”  
心の中で てぐすね引いて  いそいそ観に行った

マンダレイ農園にクルマでさしかかる車中のグレースと父親の会話が 物語を要約してる印象だった
ギャングのボスである父親を「傲慢」と言ったグレースが  ラストでは傲慢な黒人を鞭打ち
父親は グレースのその「傲慢さ」に満足して立ち去るのである     物語の円環
一人の黒人女性が鞭打たれる者を助けてほしいとグレースに頼む  奴隷制が残っているその農園
グレースは黒人たちに自由を与え解放し  民主主義を説く使命感のために農園に残る
若いグレースの独り善がり 理想の押し付け  物語が進むほどに彼女の危うさに はらはらさせられる

死の床の農園主も 黒人たちのまとめ役のような老人も 奴隷制の終わっていることは知っていた
そのうえで農園内の決まり事を書き  働く人々も甘んじて奴隷制を生きていたのである 
ずるがしこい者  人を笑わせる者  番号を振られた個々人はその役割の中で生きていく
なにかよくないことが起きたときは農場主であるママを悪者にすればいい
世の中の準備が整っていない今 奴隷制が消滅したとて 農場から出て行って まずいことが起きたら
自分を責めなければならない   自由も解放もなくてもいい  この農園の中では不要でさえある

この映画の物語を 現実の世界に寓話的に当てはめてみる見方をする人もいるようである
グレースがマンダレイを解放しようとすることは アメリカがイラクにしたことと同じだろう と言う
監督いわく 「自由になりたい人を自由にすることはすばらしいことだと思うが、 相手の考え方が
正しくないからといって、 自分たちの考えをそのまま持ち込むのはよくない。 」
政治のことはともかく  狭い生活の場で ある意味で農園主に守られながら生きてきた奴隷という
身分の人々は  その共同体の中で自分らしい役割を認められて 指図されたことを信じて生きていく
この農場から出なければ  外の世界を知らなければ  これは安泰といえるのではないだろうか
「まだ準備が整っていない 」と まとめ役の老人が呟いていたが  そうかもしれないと思う
この世の中 社会は まだまだ 人種間のことだけではなく いろんな偏見差別が横行している
                             

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映画 ” ナルニア国物語   第1章 ライオンと魔女 ”

2006-03-06 18:19:47 | ★映画  
映画を観て来ちゃった   観たいと思っていたので エイヤッと きょう 観て来ちゃったわ
わたしの好きな小説家 池澤夏樹が薦めていたたくさんの本に ” 鏡の国のアリス ” と
” ナルニア国物語 ”が入っていました
読む機会のないまま タイトルだけは覚えていたのですが ” ナルニア・・ ”の映画化が決まった時
とっても嬉しく 上映が楽しみでした
きょう 観てきました    スケールの大きなファンタジー   楽しかったなぁ

主人公の子どもたちが だんだん凛々しくなっていくのも 頼もしい限りでした
雪と氷に閉ざされた世界も美しく  春の芽吹きの季節も 暖かさが伝わってくるようで きれい
河の厚い氷が 溶けて流氷となる瞬間の迫力は   すごい すごい
物語は本を読みながらも十分楽しめるでしょうが  こういうファンタジーは 映像で観るのも楽しい

冒険を終えて ひょいと現実の部屋に戻ったとき   やって来た館の主が 子どもたちへ
「ここにいたのか   何をしていたのかね 」 と 話しかける
「話しても  信じないでしょうね 」 と 長男が言う
「話してごらん 」 と 微笑む主   このラストの会話が とても好き
聴こうと耳を傾けてくれる気持ち    ここから 人と人の信頼が始まっていく
                                      
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映画  ” クラッシュ ”

2006-03-05 00:27:48 | ★映画  
街のひとつの時間のあちこちで  何人もの人のその時の場面が見せられる
誰が誰やら  この人が誰とどういう関わりがあるのか  最初はわからないけれど
アメリカ社会の人種差別意識    まだ  あるんだなぁ
銃を携帯しても構わない日常の怖さ   ポケットに手を入れる=銃を取り出す という思い込み

”クラッシュ”  クルマの衝突のことをいう  
タイトルどおり  自動車事故の現場場面から映画は始まり  その場面へ戻って 映画は終わる
公平な精神を持つ若い警察官が人を殺してしまう   真面目な黒人刑事が買収されてしまう
共に仕事を作ってきたはずの白人から黒人蔑視の言葉を聞いてしまう黒人演出家  
錠前屋の忠告を聞き入れる余裕のない店主   その娘は賢い医師
病む父の介護に疲れてる警察官が不要な職務質問で黒人女性をいたぶる
事故車のガソリン引火爆発の間一髪で その警官は偶然その黒人女性の命を救う
クルマ盗癖の黒人の若者二人のうち 行方不明だった刑事の弟のほうが死に 片方は人助けをする

やはり感動的なのは 錠前屋のエピソード
ある夜 帰宅すると 5歳の娘がベッドの下で震えている  ピストルの音を聞いたから と言う
「子どもの時 妖精からもらった銃の弾を止めてしまう透明なマントをあげよう」と 娘に着せてやる
数日後 錠前屋の忠告を無視して泥棒に店を荒らされた店主が家の前で 彼に銃を向ける
窓から見ていた娘が 「パパはマントを持っていないから 」 と飛び出して パパに抱きつく
と同時に店主のピストルの銃声が 女の子の背中を撃つ    空砲だったのです

たくさんの登場人物が 物語の後半の場面で ゆっくり 絡まってくる
人に善きところ 弱く悪しきところがある と 二面性を活写するだけの物語なのではないと思う
夜空から粉雪がチラチラ降りてきて 映画は終わる   俯瞰的に監督が物語を見ているのではなく  
「太郎の屋根に雪降るつむ 次郎の屋根に雪降りつむ」 この言葉を思い出すラストの場面でした

人には いろんな心の面がある   ひとつの行動から その人を色付けをすることは無意味である
この映画では どの人もが主人公である   人と人がクラッシュ 
人が生きていくことの すぐ隣りの現実を見たような気になってしまう映画である


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映画  ” オリバー・ツイスト ”

2006-02-15 18:57:27 | ★映画  
世の名作といわれるような本を 世界文学全集 日本文学全集を わたしは ほとんど読んでいない
いまからも たぶん 読まないだろうと思う
だから こうして 時代考証もしっかり作られたと評判の映画が出来ると  これ幸いと観に行く

イギリスの文豪ディケンズの原作”オリバー・ツイスト”を 楽しみにして観に行って来た
十九世紀のイギリスの街並を お金をかけて再現したというだけあって 貧しい時代の雰囲気がフンプン
物語の運びに手に汗を握る思いで感情移入して観ていたけど  背景の人々の暮らしぶりに目がいく
こういう家に  こういう部屋の調度品と共に  こういう服装で 人は暮らしていたのか
教養ある金持ちの生活と 物を盗んで生きている者たちの暮らしぶり
こういう対比が 物語に奥行きをもたらせ  ひょっとしたら実際に貧しい者がこう生きたかもしれない 
ありえたかもしれない可能性を わたしに想像させる

富める者は いい   職業柄 威張っていられる者は その狭い視野の中で驕っていればいい
だけど 貧しく生まれついた者には その境遇から抜け出すどういう機会があるのだろうか
9歳の孤児オリバーは自分の足で歩き出し 人と出会い  人の温もりも恐ろしさも体験しながら
自身のもって生まれた資質が オリバーの人生の方向を導いていく

自分の望まない環境や 抜けられない試行錯誤が続いた時  その生活や心の貧に堕して 
おのれの境遇を受け入れてしまう人は いるかもしれない
わたしなど 自分へ たっぷり言い訳しながら 立派な悪女になりそうだ

自分自身に迷いを持たぬふうな悪人たちを除いて  オリバーの身近にいる登場人物たちは
他人を騙し 盗むことで生きていながらも  オリバーと出会うことで 自分の中の忘れていた
美しいきれいな心を体現していく
人と人との出会いの不思議をいつも思う
その人がその人らしく そこに居るだけで 他人同士に磁場が出来 事は良い方へ悪い方へと傾く 

いい映画だったなぁ と思う
                                           
                                         
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映画 ” ヴェニスの商人 ”

2005-11-11 22:00:18 | ★映画  
シェイクスピアの原作”ヴェニスの商人”は読んでいないが いろいろな評が この映画を褒める
シャイロック役がアル・パチーノ  アントーニオ役がジェレミー・アイアンズでは ぜひ観たくなる

16世紀末の貿易都市 運河の街ヴェネチア
無一文のバッサーニオは貴婦人ポーシャに求婚する資金の援助を 友人アントーニオに依頼する 
アントーニオの全財産は4隻の船に積荷をして航海中のため 高利貸シャイロックに借金をする
街はキリスト教の信者とユダヤ教の信仰者で対立している
キリスト教信者のアントーニオ と 排斥され厭われるユダヤ教の信者シャイロック
唾を吐きかけたアントーニオの申し出に シャイロックは肉1ポンドを担保として金を貸す
シャイロックの娘が父親の金を持ち出して駆け落ちをする
バッサーニオは貴婦人の屋敷で 金銀銅いずれかの箱を選ばなければならない
ポーシャの絵の入った箱を当てた者が結婚出来るのである
外見の装飾に惑わされない 質実の寡黙な箱こそが自分にふさわしいと 銅の箱を選ぶ 
中にはポーシャの肖像画が入ってあり 二人は結婚する
ポーシャから愛と恭順の証しとして指輪を渡されたバッサーニオは 「決して 失わない」と誓う
アントーニオの船が難破し シャイロックから1ポンドの肉を要求され 裁判が始まる
駆けつけたバッサーニオが借りた金の2倍3倍の金を支払うと言っても シャイロックは拒む
老判事の代理として男装したポーシャが若き判事として 裁判を進めていく
「証文にある肉1ポンドの要求は認められるが 記してない血は一滴も流さずに切り取れ」と
バッサーニオは賢明な若き判事に感謝の品を申し出でる 
「その指輪をいただきたい 奥方もこの状況を分かってくださる」と言われ 判事にあげてしまう
ポーシャの屋敷へ アントーニオを伴って帰館したバッサーニオは 美しい妻ポーシャから
指に指輪のないことを指摘される   アントーニオのとりなしで夫は深く詫びる
裁判に負けたシャイロックは財産を没収され キリスト教への改宗を命じられる
友人たちがユダヤ教の教会へ入って行き 外に立つシャイロックの眼前で教会の扉が閉ざされる

中世の水の都ヴェニスは こんなふうに美しかったのか と思わせる映像である
この物語の中には 恋があり 友情がある   人の心を試される場面がみっつ あった
ひとつは バッサーニオが金 銀 銅のどの箱を選ぶか という場面
ふたつめは シャイロックが借金の担保を アントーニオの肉1ポンドではなく
倍額の金や他のもので代替するよう 説得される場面
みっつめは 「友人の命を救ってくれた礼を差し上げたい」「それでは その美しい指輪を」と
若い判事に所望されて バッサーニオが逡巡する場面
たいそうスリリングな場面である

この映画の感動は アル・パチーノの存在感である
時代は ユダヤ人へ多くの枷を強要していた  さまざまの偏見と蔑み
街を歩く時は赤い帽子を被るように  金を貸すのに利子を取るのはキリスト教に反する等々
キリスト教者たちが シャイロックヘ肉1ポンドの担保実行を思いとどまるように諫言する 
疎まれ蔑まれてきたユダヤ人としてのシャイロックは 人としての痛みは同じだと言い募る
シャイロックの深い哀しみ 娘に裏切られた父親としての心情 孤独 孤立
復讐に燃える心の痛みに さもありなんと共感できる
ラスト 財産を失いキリスト教へ改宗させられた者は こののち どうやって生きていくのだろう
生活の拠り所  精神の拠り所を剥奪された者は  どうやって生きていくのだろう

中世のシャイロックから 現代のホームレスと呼ばれる人たちへ思いが移る
かつてはあっただろう生きてきた足場を捨てるとは どういう一歩を踏み出せば出来るのだろうか
衣食住の一文無し 人間関係の一文無し 過去は白紙  では一週間先 ひと月先はあるのか?
意思的に持たない者は幸いかもしれない  持てないと思う者は不幸せかもしれない
では 失った者は どうやって生きていくのだろう
  
   

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” 蝉しぐれ ”   藤沢周平 著

2005-11-05 00:41:06 | ★映画  
日本の四季の風景は とても美しい   時代劇の映画などを観ると そのことを感動的に実感する
美しい日本の風物を見たくなったら 時代劇を観に行こうかと思う
でも ”蝉しぐれ”の映画は観に行きたくない  
時代劇として わたしが観たい映画は「たそがれ清兵衛」や「隠し剣・鬼の爪」のほうである
紅白粉をつけた 床屋さんに行って来たばかりのようなサムライが出てくる時代劇は 観ない
この 映画版”蝉しぐれ”も そういうきれいさがフンプン感じられて わたしは観に行かない

昨年 NHK金曜時代劇で「蝉しぐれ」(主演 内野聖陽・水野真紀)を観たのが とても感動的だった

2004年 ABU賞(アジア太平洋放送連合)
第44回 モンテカルロ・テレビ祭(モナコ公国主催)
第30回 放送文化基金賞     
結果的に 他にもみっつほど 賞を取ったテレビドラマである

佐藤幹夫(演出家)・・・
権力者の不条理な仕打ちに耐え、自らの人間性だけを矜持にして生きる主人公
父親を切腹させた権力者への単なる復讐劇ではなく、人間の業や権力構造そのものへの諦念を、
人間としてのリアリティを持ちながらも、なおも自分の人生を肯定しようとする牧 文四郎の
ビルディング・ストーンの格調の高さに、ある「救い」さえ感じたのである。
どんな境遇でも肩肘張る必要はないが、もっと背筋を伸ばして生きられるのではないか。
そんな藤沢さんの声が聞こえた 

演出家が こういう気構えで製作したドラマである
小さいテレビ画面から 主役二人の凛とした佇まい 物語の緊密なものが十分伝わってきて感動した
幼馴染の主人公二人が 離れ離れにそれぞれの生を生き 20年余の後に再会する
20年間 心の中に互いを想い続けた真摯さ
人を愛すること 人が人らしく生きることを 長い時間の流れの中で見せてくれる
「文四郎さまのお子が わたくしの子で わたくしの子が文四郎さまのお子であるような生き方は 
できなかったのでしょうか 」 と おふくが言う
この台詞だけで わたしは もらい泣き

こんなにも感動したテレビドラマを観た者は きれいな清潔過ぎる俳優が演じる映画
新築したばかりのようなきれいな屋敷の中できれいな着物を着て 人物達がさらさら動いてるような
そういう映画は観に行けないのである

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映画 ” 春の雪 ”

2005-11-01 21:59:58 | ★映画  
三島由紀夫の原作の映画化  有名な本だけれど読んでいないので 楽しみにして観てきた
幼馴染の 侯爵家の子息・松枝清顕(まつがえ きよあき)と伯爵家の令嬢・綾倉聡子
清顕は聡子の想いに気づきながらも 自分自身の気持ちに気づかないまま 聡子につらくあたる
没落寸前の綾倉家は 宮家の次男坊王子との縁談を進めて家名復興の機会を願う
清顕の気持ちを確かめようとする聡子の必死の思いはすれ違い 聡子は縁談を受けてしまう
宮家との婚約は決して取り消すことが出来ないと知った清顕は やっと聡子への愛に気づく
一目を忍んで密会を重ねる 許されぬ禁断の愛


逢いたい人に逢えないのは つらいだろうと思う
一緒の時間を共有できないのは つらいだろうと思う
たいせつな愛だと気づくのが遅かったのは つらいだろうと思う
主人公二人の背景にある家 世間のために生きる道が分かれるのは つらいだろうと思う
かけがえのない分身と思えたなら 結ばれてほしい  共に生きてほしい
主人公二人の味方になってわたしは感情移入し 暗い映画館でほろほろ泣いてしまった
   
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映画 ” シンデレラマン ”

2005-10-03 11:43:57 | ★映画  
映画のレディス・ディに 友人に誘われて”シンデレラマン”を観に行った
ラッセル・クロウが主演して ボクシングの話でサクセスストーリーっぽいので 関心がなかったけど
映画後の食事&お喋りに食指をそそられ  レディなのでくっ付いて行った

アメリカの恐慌時代に実在したボクサーの物語
若い頃は成績も残し 経済的にも恵まれて過ごしたジム・ブラドックも 加齢 時代の流れの中で
家族を養うために 早朝から港の日雇い労働者斡旋の行列に並ぶ日々を過ごしている
かつてのマネージャーが 対戦相手降板のための ”一晩だけの試合”話を持ってきた
相手はチャンピオンに対戦する予定者である  「出てくれるだけでいい」 とギャラを渡す
ジムは 勢いのある若い相手をノックアウトで勝ってしまう
番狂わせで ジムがチャンピオンと対戦することになってしまう
反則のようなやり方で対戦相手を打ちのめし リング上で2人を死なせてしまったチャンピオンである

元マネージャーは久しぶりのジムの勝利試合を見たとき 何かを感じた
「お前なら チャンピオンに勝てる」 と高額の準備資金をジムへ渡す
ジムの妻(レネー・ゼルウィガー)は マネージャーの高級マンションへ乗り込んでいく
「ドアを開けなさい  自分はこういう良い暮らしをしていて 生活に困っているジムをお金で釣る!」
招き入れられた室内は家財をほとんど売り払い 広い部屋の小卓にマネージャーの妻が座っている
「夫がどうしてもジムに賭けてみたいと言うので 資金を作ったの」と微笑んで言う

光熱費を支払えないために電気を止められ 子どもがハムを万引きしてしまう
熱のある子どもを病院へ連れて行くお金がなく 食品店への借金ばかりが増える生活
飢える子どもたちを実家へ預けたいという妻を 家族の離散は許さないとジムは怒る

もう一度リングに立つ機会をくれ と言うジムに 妻は
「いつも試合のたびに 少しの怪我をして二度とリングに立てないようにと祈っていた」と言う
ジムはすぐにノクアウトされるだろう  リング上で殺されるという噂が聞こえてくるにつれ 
妻は殺されるかもしれない試合に出ようとする夫へ棄権を哀願する
試合当日の朝 喪服のような服装で夫を送り出した妻は 祈るために入った教会の中が
ジムの勝利 無事を祈願する貧しい人々でいっぱいなのを見る
何十万人もが失業に苦しんでいた時代 貧しい人たちがジムの試合のために入場料を払い
街で家の中でラジオを聴きながらジムを応援する
急いで会場の控え室に駆けつけた妻は 「わたしの支えがなければ勝てないでしょ」 と言う


世の中の仕事はもちろん 一人の人間の言動は いつだって孤立無援のものだと思っている
ボクシングのいろいろなことは皆目わからないけれど 身を守る衣服もなく 素手に近い状態で
自分の力 技術だけで戦っていくこのスポーツは 視覚的に孤立無援そのものに映る

リング上で死ぬかもしれない夫を送り出す妻の気持ち  わたしなら こう言いたい
「わたしにとって 大切でかけがえのないあなたの したいことをしてください 
 あなたが何をしても何を言っても  わたしはあなたをすべて受け入れます 
 あなたのすることを見ていたい  わたしをあなたのそばにいさせてください 」
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映画 ” マザー テレサ ”

2005-10-02 20:12:39 | ★映画  
マザー・テレサの生き方に とても関心があったので 楽しみにして観に行った

カルカッタの街で 貧しい人や路上に放置されたまま亡くなる人々を見かけ
修道女の身分のままでは思うようにボランティア活動が出来ないので 
自分で修道会を請願創設する
市場へ行き 売り物にならない食物を譲り受け 孤児たちに分け与える
孤児が寝起き出来る家屋や  治癒が手遅れで死期の迫っている人や 
ハンセン病の人たちが働きながら住める村を作っていくこと
自らを神のペン先と称して 信念と勇気と行動力で実行していく

頑固なまでの信念と勇気と行動力である
寄付も集まり 慕う人たちが手となり足となって テレサの行く先々を助ける

「人間にできるもっとも大切なことは、祈ること」  いい言葉だなぁと思った
テレサの志に賛同する人たちがインド以外の国でも同じような施設を作っていく
だんだん組織のようになってきたとき 「これは今日で解散して また初心に戻ります」
と言うところで 映画はおしまい

感想は ドキュメンタリー映画を見終わったようだなぁ と思う
テレサを演じるオリビア・ハッセーの眼差しが 意思的に強く見えたためか
小柄なマザーテレサは 意志の強い政治力の備わった行動力の人のような印象を受けた

人への深い愛にあふれたテレサであっても ただそれだけでは人を救えない
現実に雨風をしのぐ場所 食べ物がすぐ必要である
貸してもらえそうな建物が他宗教の人たちの町にあっても ひるまない
愛はある種の強さに裏打ちされていると確信する所以である
      

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皆月

2005-09-03 20:45:39 | ★映画  
こういうタイトルの邦画を観たことがある
花村萬月の原作  奥田英二主演   いい映画でした

「みんな月でした。 我慢の限界です。 さようなら。」
ある日、そんな謎だらけの置き手紙を残して 妻・沙夜子が現金と預金通帳を
持って失踪した。 
橋梁設計士の諏訪憲雄は、コンピューターおたくの冴えない四十男だ。
複雑な力学計算の仕事に夢中になっていた彼にとって、見合い結婚した沙夜子が
初めての女でもあった。  結婚生活は順調だとおもっていたのに・・

         *****

いま 映画よりもタイトルを思う   皆月・・  みなつき・・
みんな月  わたしも月  日の光をもらわないと輝けない月
憧れの星の周りを回っていたい月
いつも少しの距離があるけれど きっと そのくらいがいいのかもしれない

星が喜べば  月も喜ぶ
星が怒れば  月は曇る
星が悲しむと 月は大雨降り
星が楽しむと 月はことのほか大喜び

人はそれぞれ仰ぎ見たい星が異なると思う
将来への夢でもいいかもしれない  人間への想いでもいいかもしれない
わたしは 月 
憧憬のものへわたし自身を映し 光を照射してもらう
その光を感じる心  見通す視線  そよと微風が立っても受け止める
深く研ぎ澄まし  しんと静かに 耳をすませていたい 



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 映画  ” 宇宙戦争 ”

2005-07-10 01:11:02 | ★映画  
怖い! 怖い!!  キャー キャー キャー!!
スピルバーグ監督の”宇宙戦争”  こんなに怖い映画だったなんて。。。。。
そのへんのホラー映画より数段怖い映画だヮ  きっと・・  たぶん・・・
2時間ほどの上映時間なのに 集中と緊張感で短く感じられたヮ
座っていた膝にリキが入っていたのか 映画が終わっても膝が強張っていて
なかなか立ち上がれなかったヮ
アンナ怖い目に合うのなら わたしは素直に死んでもいいヮ  ハイハイ 死にまっす

ヒロインは10歳の可愛いレイチェル♪
あどけない わがままな少女がこの世のものではない恐怖を体験していくうちに
とてもしっかりした顔になっていく   この子 いい女優だヮ

人は恐怖から目をそむけることもあるだろうけど  まっすぐ正視もするんだなぁと思う
少しの冷静  少しの勇気  多くの思いやり
非常時のとき わたしならどう行動するだろうかと思うと とほほ・・ だろうなぁ

なにしろ 怖い映画だった
貞子サンの次に怖い  怖かった~~
貞子サンを観た一週間は 夜更けのいつもの時間に独りでお風呂に入っているのが
とてもとても ものすご~~~く怖かったっけ
窓に髪の毛の長い女の影が映りそうで・・  キャー  思い出してもまた怖い!!!

蛸のイメージの宇宙人もこの時勢ではあのように怖い登場をするのですね  <(`^´)>
  
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 映画  ”リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 ”

2005-06-27 19:42:26 | ★映画  
好きな俳優ショーン・ペンが リチャード・ニクソン暗殺を企てた男・・・
つまり狙撃手の物語かと思って観に行った    違ったなぁ

人は独りでいてはいけない   サム・ベックのそばには何も無い
心地よいあたたかいもの  やわらかなもの  香りのいいもの  朗らかな笑い声
微笑の眼差し  やさしく伸べられる手  抱きしめてくれる胸・・・
何も無い
いつもそばにあるのは リチャード・ニクソンがテレビの中で演説するアップの顔だけ

きれいな妻  可愛い三人の子ども達と別居して一年という
事務机などを売るセールスマンに再就職できたと妻へ報告に行く
・・・かつて仕事で失敗したのかな・・・
子どもを撮りたいと家へ行くと妻に拒まれる
夜中に無人の家に忍び込んで室内を歩く
・・・家庭人に戻りたいのだなぁと思う・・・

鷹揚な社長からセールスマンの心得を学ぶように本やテープを渡される
客にはったりをかけるような応対は出来ないと思うサム
原価から多くの儲けを取ることは出来ないと思うサム
賢く堅実な自動車修理工の友人ボビーは いつもサムの話を聞いてくれていた
横柄な客の応対にも 「仕事だから いいんだよ」とサムに笑ってみせる
・・・サムはこの黒人の友人から学べなかったのだろうか・・・

サムの気持ちに違和があるとき なぜか点けっぱなしのテレビの中でニクソンが演説している
融資審査に受かったらボビーと一緒に仕事を立ち上げようと サッサと退職してしまう
アメリカン・ドリーム  サムのまわりから その可能性がどんどん消えていく
家賃滞納の部屋の中で独りで座っていると テレビにはニクソンの演説のアップ
ここからニクソン暗殺へと気持ちが動いていく
こういう過程は ”タクシー・ドライバー”に似ている  
ロバート・デ・ニーロも独りだったなぁ

環境や境遇のせい あるいは理解してくれる人が身近にいないということもあるかもしれない
でも かつては夫であり父親でもあったのだし 友人ボビーもいる
人は持って生まれた自分の資質で生きていくのかなぁと思う
マイナーな考え方の人はどんな助言があろうとも どんどん自分の思い込みを下降させていく
自分の考え癖  慣れている楽な思い方
自分で自分に風穴を開けないと わたしもスパイナーになりそう・・・・
   
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 映画 ” ブラザー サン  シスター ムーン ”

2005-06-21 17:43:37 | ★映画  
古い時代 神の平和の使いたらむ自分の行くべき道を見つけたアッシジのフランチェスコの物語

病が癒えて 窓辺の小鳥に気がつき 屋根の上を渡って小鳥を追っていく
そっとつかまえて 大空へ解き放す場面はとても美しい
広々と真っ青な空 朱色の屋根瓦の上に立つフランチェスコのまっ白なガウン
見ていて思わず深呼吸してしまった
やがて 神の教えの道を歩んで行くフランチェスコを象徴するような美しい場面である

裕福な商人の家に生まれながら 悪い環境の中で生き働かざるをえない貧しい人々に心を痛める
父と母へ「いただいたものをお返しします」と言って着衣を返し 素裸になって野へ出て行く
♪自分の魂をとりもどしたい
 野に暮らし 木に登り 川で泳ぎ この足で大地をたしかめたい
 靴もはかず 何も持たず 乞食になりたい  その自由がほしいのです

朽ちた廃屋のような教会を再建しようと ひとつずつ石を積んでいくことから始める
♪夢をまことにと思うならば あせらずに築きなさい
 その静かな歩みが 遠い道を行く
 心をこめれば すべては清い
 この世に自由を求めるならば あせらずに進みなさい
 小さい事にもすべてを尽くし 飾りない喜びに気高さが住む
 日ごとに石を積み続け あせらずに築きなさい
 日ごとにそれであなたも育つ  やがて天国の光があなたを包む

♪ブラザーサン シスタームーン
 その声はめったに私には届かない  自分の悩みだけに心を奪われて
 兄である風よ  姉である空の精よ
 私の目を開いておくれ 清く美しい心の目を 私を包む栄光が目にうつるように
 神に与えられた命 私にも神は宿る  その愛がいま この胸によみがえる
 ブラザーサン シスタームーン
 今こそ その姿に触れ その声を耳に そして胸を打つ あふれるこの愛

♪憎しみの畑に 愛の種を   よこしまの土に 許しの苗を
 疑いの野に 信仰の芽を  与えることで与えられ 許すことで許される
 死ぬことでよみがえる おわりない命


フランチェスコが言う
「雲雀のように無欲が幸福の元ではないのか  我々を造られた神への感謝を歌って暮らせば」
教皇が言う
「あなたたちの貧しさに 私は恥じる」

物にも思いにも囚われないなら 潔い無垢な心で静かに生きられるのだろうか
   
コメント (5)
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映画  ” ミリオンダラー・ベイビー ”   ” ザ・インタープリター ” 

2005-06-06 11:55:15 | ★映画  
”ミリオンダラー・ベイビー ”
女性ボクサーが主人公の物語としか知らないまま観に行った
貧しい子どもの頃から働き 生活も切り詰めてボクサーへの夢のために自分をつくっていく
自分が何をしたいかを掴めたマギー   トレーナーはこの人に・・と迷わない心
こういうまっすぐな目線を持てる人は潔く 強いなぁと思う
ヒロインが素質を開花させてトップへ登っていく姿は わくわく観ていられる
でも しかし 後半がこういうストーリーになっていくとは知らなかった
いかに生きるか  いかに生きたか  いつ死ぬか
人と人との深い絆  信頼  愛情
主役三人がそれぞれのしぐさを演じるその後方に まだ無言の情感を漂わせて深い
物語のラストの選択にも簡単には言葉が出てこない
でも この映画 俳優たちの演技の深さに目がいってしまう
特にモーガン・フリーマンの厚い存在感 
どういう生き方をしてくれば 信頼と情愛をかもし出してそこに居られるのだろう  
観た後に どんどん考えさせられる映画


”ザ・インタープリター ”
国連通訳って すごいなぁ   国連の会議場ってこんなふうなのかぁ
颯爽として頭脳明晰を絵に描いたような人々が行きかう   かっこいいなぁ
国連内の警備もシークレットサービスたちの警備も  そうだったのかぁ
実に実に大変な仕事だなぁ    国連は撮影をよく許可したなぁと思う
わたしのような無知な者へ 国連のことをよっく理解しなさいっていう配慮かも
物語はサスペンスタッチで楽しめた
ヒロインが死を賭して 「人間の声は銃声に勝る」  この言葉へ持ってくるラストは感動する
妻を失ったシークレット・サービスのショーン・ペン
家族を失った女性通訳の二コール・キッドマン
主人公二人のいかにも来し方を共感させる存在感 演技に 俳優ってすごいなぁ と思う

なんだか 俳優たちの実に気持ちがいってしまう
役を演じるとはどういうことなのか  
役者の実生活がどんなふうだと他人を感動させる演技が出来るのだろう
自分のことしか考えない うすっぺらな生き方をしている者には きっと友人も出来ないのだ
よっく振り返ってみなくっちゃ   気がついてよかったぁ

      

       
コメント (1)
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