代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

TPP推進の全国紙記者氏への反論  ―高圧的に罵倒するバブル・オジサン

2011年11月19日 | 自由貿易批判
 私はツイッターをやらないのですが、私のブログ記事がツイッター上で紹介されるとブログの「ツイート欄」に表示されるので、知らないところで私の記事が議論されているのが目に入ってきます。本日、私のブログ記事が「支離滅裂」「バカ」「無知」・・・・と言いたい放題に罵倒されているのを見つけましたので紹介いたします。
 私を罵倒しているのが、某全国紙の経済記者の方です。「fukutyonzoku 首都圏 全国紙記者歴二十数年、専門は経済分野」という方です。この全国紙記者さんと討論している方が「情報収集家@quajzn 情報系の大学1年」さんです。
 
 「バカ」呼ばわりされて良い気がしないので、反論しときます。まずツイッターから、記者歴20年以上というfukutyonzoku氏の、私への罵倒発言を引用しておきます。

***引用開始*****
http://twitter.com/#!/fukutyonzoku

quajzn 情報収集家
@fukutyonzoku これに対する意見を求めたいです。 / 農産物関税を撤廃してはいけない理由その1 -飢餓を生み出す-(http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/05587a8e35b5f0194bfad87ba5e1b12a)
17 Nov

fukutyonzoku fukutyonzoku
一言でいえば支離滅裂。このコラムが錯誤だらけだと理解できないのなら、これ以上議論しても仕方ない。 “@quajzn:これに対する意見を求めたいです。 / 農産物関税を撤廃してはいけない理由その1-飢餓を生み出す-(http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/05587a8e35b5f0194bfad87ba5e1b12a)”
17 Nov

quajzn 情報収集家
@fukutyonzoku こちらに対しても、支離滅裂という意見なんでしょうか?農業自由化推進の弊害(餓死等)の責任を、推進派の方はとれますか? / 農産物関税を撤廃してはいけない理由その2 農業にグローバル市場は不要(http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/70ca40087339f3990c0c8ef84cd01a4b) #TPP #農業
22 hours ago

fukutyonzoku fukutyonzoku
だから君の論点や視点は全て理解している。正直、君の話はこれまで散々聞いたり活字で目に触れたりした農業保護論ばかりで、何一つ参考にならない。高木・元農水次官でさえ保護一辺倒の農業政策は失敗だったと反省している。もっと巨視的、複眼的に物を考えられる日が来ることを願う。@quajzn
14 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
置き土産として、少し回答してあげよう。殆どこに記事は錯誤だらけなので、長くなるよ。 “@quajzn: これに対する意見を求めたいです。 / 農産物関税を撤廃してはいけない理由その1 -飢餓を生み出す-(http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/05587a8e35b5f0194bfad87ba5e1b12a)”
14 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
「関税による保護がもっとも合理的。関税ほど透明で公正な農業保護政策はない。国の税収を増やすだけなので納税者にとっては負担軽減になる」→完全に間違い。 “@quajzn: 農産物関税を撤廃してはいけない理由その1-飢餓を生み出す-(http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/05587a8e35b5f0194bfad87ba5e1b12a)”
13 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
論者は分かっていながらわざとミスリードしているのか、本当にバカなのかはわからんが。関税による価格支持の説明が欠落している。仮にある作物に10%の関税をかければ、それによって消費者は10%分の負担を強いられている。納税者・消費者にとっては目に見えにくい税外負担。 @quajzn:
13 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
関税がなければその分国内相場は下がる。関税によって値段が上がってる分だけ、消費者は知らず知らずのうちに余計に負担している。どこが透明なんだよ。食品関税の税外負担は食品の関税収入より桁違いに巨額。「国の税収を増やすだけで納税者にとっては負担軽減になる」は嘘っぱち。 @quajzn
13 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
価格弾力性の説明も恣意的。食料品が工業製品に比べて価格が乱高下しやすいとは一概に言えない。殆どの食品に代替品があるから。08年までの穀物高騰は世界的な金余りという特殊な状況。全ての市場に投機資金が流れ込んだ。工業製品でも“産業のコメ”半導体は数年で相場が半額に。 @quajzn
12 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
もっとも、食料は価格変動が激しいとの説明はその後の農業生産はすぐには回復できず餓死者がでる、と言いたいための前フリだから、意味がない。有事や極端な市場変動に対応するために備蓄がある。三年程度はどの政府も十分対応可能だし、そのための財政負担もたいした額にならない。 @quajzn
12 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
また、メキシコの先住民族の悲劇は痛々しいが、これは本質的にはメキシコの社会政策、セイフティーネットの不備の問題。NAFTAに原因の全てを求めるのは、農業は市場原理から切り離し社会政策として保護すべきだと開き直っているのに等しい。かつてのバラマキ公共事業と同じ。 @quajzn
12 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
さらには、新古典派の説明がいかにも古く、無知でステレオタイプな誹謗中傷。「『新古典派経済学』(ミクロ経済学)」と書いてる時点で分かってないことが明白。現在のネオ・クラシカルやニュー・クラシカルは、クルーグマンらニューケインジアンと殆ど差がなく融合が進んでいるよ。 @quajzn
12 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
備蓄で対応すれば餓死などという極端な仮定は無意味。むしろ日本経済全体が没落、世界から孤立して中国の脅威に怯え、若者の就職先もなくなる状況を作り出すとしたら、次世代にどう責任を取る? @quajzn: 農業自由化推進の弊害(餓死等)の責任を推進派の方はとれますか? #TPP#農業”
12 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
だろうね。それは自民党と農水省がやってきたけど、とっくに破綻した考え方。持続不可能なんですよ。 @quajzn: 私は農家保護というか、農業という雇用形態の保護が社会政策として必要なのではないかと考えているだけ。#政治 #seiji #経済 #keizai”
11 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
逆だよ。日本はグローバル経済の中でしか発展できないのは自明の理。TPPは今後数十年のその針路を決める重要な試金石。日本経済がこれ以上沈没すれば、暴動どころか革命が起こる。“@quajzn: 先進国の雇用問題は深刻の一途を辿っており経済効率化の追求で更に悪化、いづれ暴動になる”
11 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
兄さん、何も知らないでいっぱしの論者ぶってるんだなあ。自由化とセイフティーネット拡充がセットなのは常識。それを否定する自由化論者はいない。 “@quajzn: @co2masato 3年分の備蓄に関しては…自由化推進の方が推進するような意見ではない気が・・・#農業 #TPP”
11 hours ago »

fukutyonzoku fukutyonzoku
反論に困ると相手へのレッテル張りに走るTwitter青年たちーー。一冊本が書けそうだ。 “@quajzn: @quajzn 推進派の方は、効率至上主義なのだから、効率化できないやつは負けて当然という本心を表明すれば良いのに、それをしない。体面を保ちつつ(傲慢さを隠しつつ)
11 hours ago »

***引用終わり*******


関税と直接支払のどちらが合理的か?

>論者は分かっていながらわざとミスリードしているのか、本当にバカなのかはわからんが。仮にある作物に10%の関税をかければ、それによって消費者は10%分の負担を強いられている。納税者・消費者にとっては目に見えにくい税外負担。関税がなければその分国内相場は下がる。関税によって値段が上がってる分だけ、消費者は知らず知らずのうちに余計に負担している。どこが透明なんだよ。

>兄さん、何も知らないでいっぱしの論者ぶってるんだなあ。自由化とセイフティーネット拡充がセットなのは常識。それを否定する自由化論者はいない。

 記者さんは自由化の分は、セーフティネットの拡充で対応するとしています。それが自由化論者の「常識」だと。この記者さんの勤務する某全国紙は、数年前までは「農家への直接支払」というと、「バラマキ!」と叫んで大反対していたのですが・・・。少なくとも最近までは、およそ「常識」を持ち合わせていなかったようです。まあ、常識を持つようになったのはよいことなので、それには目をつむっておきましょう。

 さて、関税による消費者の税外負担と、関税撤廃後の農家へのセーフティネット拡充による納税者負担ではどちらが大きくなるでしょうか? 一般論としては、内外の価格差を消費者が負担しようが、内外価格差の分を農家への直接所得支払で補填しようが、金額は同じになるはずです。

 TPP推進派の山下一仁氏は、関税による農業保護で消費者負担は約4.0兆円と書いております。下記記事参照。
 http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yamashita/75.html

 TPP反対派の鈴木宣弘氏は、関税を撤廃した場合、農家への直接支払だけで総額3兆円が必要、さらに関税収入が1兆円ほど減るので、その分の代替財源も含めて総額4兆円が必要になると論じています。
 http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/10/tpp_tpp.html

 同じ4兆円なら、4兆円もの財源を確保する徴税コスト、そしてそれを支給する行政コスト、補助金支給に伴う利権の発生などなどを考えれば、税関のみで事足りる関税の方が不要なコストの発生を回避でき、透明性が高いといえるでしょう。

 かりに国民も納得する少ない行政コスト・高い透明性で農家へのセーフティネットを整備できると仮定しましょう。その農家へのセーフティネットの財源はどこから持ってくるのでしょうか? 記者氏はそのことに何も書いていないのです。消費税で代替すれば、消費者負担は代わりません。
 では、TPPによって利益を得る製造業が、その利益の一部を農家に回せば足りるでしょうか? この議論の前提には、(1)TPPによって農家への財源以上の輸出の増加が見込める、(2)輸出利益を得た企業がその利益を税金として取られることに同意する、という二点をクリアーせねばなりません。
 (1)の議論をする以前に、まず「法人税を下げろ下げろ」の一点張りである経団連が、(2)に同意するとは到底思えないわけです。

 では(1)の点、TPP参加による輸出利益はどれだけでしょうか? 内閣府の試算でも、TPPに参加して、せいぜい年間3000~4000億円程度しか輸出は増えないとされています。ちなみに私は、アメリカの経済状況を考えれば、この程度の輸出の増加すらも見込めないと思います。
 しかし仮に百歩譲って、この程度の輸出利益が出たとして、しかもそれが全額徴税されて国の一般会計に回ったとしても、とても4兆円の財源にはほど遠いのです。
 ましてや貿易利益が年間3000億円で、関税収入の損失が年間1兆円なら、ネットで見てもマイナスといえそうです。経団連が3000億円の輸出利益を得るために、納税者は1兆円の税負担を強いられるからです。食料価格が若干安くなったとしても(一時的にですが)、賃金も下がっていくのです。

関税と補助金のどちらが国際ルールに合致するのか? 日本のマスコミの倒錯

 ちなみにWTO協定上では、関税はOKですが、過度な補助金は違反行為であり相殺措置の対象になります。WTOの「補助金及び相殺措置に関する協定」の第6条には「補助金の総額が産品の価格の5%を超える場合」は、相殺措置の対象と定義されています。
 アメリカは農業に対し年間10兆円もの補助金をばらまき、ダンピング輸出して他国の農業を破壊しています。本来は明確にWTO協定違反なのです。ドーハラウンドが行き詰ったのは、米国が農産物への輸出補助金を撤廃しないのが最大の原因なのです。

 本来は、関税ではなく直接支払で農業を保護しているアメリカやEUの行為が協定の趣旨に反するのであり、直接支払ではなく関税で農業を保護している日本の行為が許されるべきなのです。それなのに日本のマスコミは、関税を目の敵にして、国際標準にあわせて農業補助金に変えようと主張するのです。国際標準は日本や途上国がかけている「関税」で、米国やEUの補助金が標準に反するのです。

 ちなみに私はWTO協定に反対の立場ですが、それに比べたってTPPは唖然とするほどあまりにもひどいので、WTOの方が正義に見えてしまうのが不思議です。

TPPで雇用が増えるという世迷言

>メキシコの先住民族の悲劇は痛々しいが、これは本質的にはメキシコの社会政策、セイフティーネットの不備の問題。

 ですから財政不足の国には、そのようなセーフティネットなど整備できないことが大問題なのです。NAFTAは、アメリカでは製造業労働者の雇用を奪い、メキシコでは製造業の雇用増(50万人)の4倍の農家(200万人)の経営を破滅させ、米国とメキシコ双方の失業率の上昇に貢献しました。お互いの国が、お互いの国の不効率部門を攻撃し合うわけですから、トータルで見て失業が増えるのは当たり前でしょう。

>備蓄で対応すれば餓死などという極端な仮定は無意味。

 「餓死」が極端な仮定とは驚きです。この記者さん、日本の何を取材しているのでしょうか? いま現在でも日本で餓死者が出ていることをどう思っているのでしょうか。
 以下はウィキペディアの「餓死」の項目からの引用です。

*****引用開始********
また、2009年度人口動態統計 [1]によると、、「栄養失調(症)(E40-E46)」と「その他の栄養欠乏症(E50-E64)」と「食糧の不足(X53)」の死亡者数は1,894人(男:1011人、女:883人)である。これは100万人当たり約14.9人である.
*****引用終わり******

 また、TPPへの加入に際して、備蓄の必要性を感じているのなら、記者さんの新聞は「TPP加入のために穀物備蓄体制を強化しよう」と訴えるべきでしょう。寡聞にしてそのような記事は見たことがありません。その場しのぎの方便で言っているだけでしょう。

>むしろ日本経済全体が没落、世界から孤立して中国の脅威に怯え、若者の就職先もなくなる状況を作り出すとしたら、次世代にどう責任を取る?

 この記者さん、TPPで日本の雇用が増えると本気で思っているのでしょうか?
 百歩譲って製造業で少しばかり非正規の雇用が増えたとしても、農家の経営破たんでそれ以上の失業者が発生するのはメキシコで起きたことと同様です。

 アメリカだって、医療保険会社やカーギルやモンサントや製薬会社や弁護士・・・・で少しばかり雇用が増えたとしたって、自動車会社やら鉄鋼会社からそれ以上の雇用が失われてトータルで見れば失業が増えるでしょう。
 オバマもそんなことわかっていそうなものですが、ロビイストがうるさいので、彼らを黙らせるためにTPPのエサを撒いているだけでしょう。

 これまで記者さんが属する某全国紙などが「日本のため」と称して叫び続けた金融自由化・貿易自由化・規制緩和の結果、若者のじつに50%近くが正社員にもなれない非正規労働へと追いやられ、生活保護受給者は10年前から倍増して200万人を超え、うつ病患者も100万人以上と倍増させ、財政を圧迫しているんじゃないですか?
 これまで惨憺たる結果を生み出してきた路線をさらに拍車をかけて最後までつき進めれば、破たん必定でしょう。これまで騙し続けて何の反省もなく、さらに騙し続けようとはどこまで厚顔無恥なのですか、日本のマスコミは。

>価格弾力性の説明も恣意的。食料品が工業製品に比べて価格が乱高下しやすいとは一概に言えない。

 一概に言えます。工業製品価格は生産コストの低下で下落はしても、逆に上昇するということはめったにありません。急激に上昇することが一番困るのです。

 生活必需性が高く、需要の価格弾力性が低く、供給の価格弾力性も低い(つまり急に供給を増やせない)という特質をもつ財(農産物が典型)を市場機構を通じた配分にゆだねると所得分配が歪んで貧困層が増えるということは、宇沢弘文先生が数学的にも論証している命題です。私は、この命題に対する論理的な反論がなされているのを見たことがありません。経済学者は、この論点に反論できないから無視を決め込んでいるというのが実態でしょう。
 
 ちなみに、この記者さん、私の記事である「農産物関税を撤廃してはいけない理由その2」に関しては何もコメントしていませんでした。これは全く反論できないからでしょう。
 だから高圧的な態度で、さも自分が「偉い人」のように見せかけるしかないのでしょう。
 
>新古典派の説明がいかにも古く、無知でステレオタイプな誹謗中傷。「『新古典派経済学』(ミクロ経済学)」と書いてる時点で分かってないことが明白。現在のネオ・クラシカルやニュー・クラシカルは、クルーグマンらニューケインジアンと殆ど差がなく融合が進んでいるよ。

 何もわかっていないのは記者さんの方です。経済学部以外の人間にはわかりそうもないジャーゴンを並べれば素人を煙にまけると考えているだけでしょう。痛々しいです。
 本当のケインジアンなら、関税の撤廃になど決して同意いたしません。その点が新古典派とは決定的に異なるのです。
 私はクルーグマンという経済学者を全く評価しませんが、そのクルーグマンにしたって関税の撤廃になど同意しないだろうと思います。つい昨年も、クルーグマン氏は中国に対する対抗関税を提起したばかりです。
 この記者さん、このクルーグマンが提起した収穫逓増の貿易理論が、そもそもは自由貿易を否定する論理だということも分かっていないでしょう。愚かしいことです。
 
>反論に困ると相手へのレッテル張りに走るTwitter青年たちーー。一冊本が書けそうだ。

 「レッテル張りに走」っているのあなたじゃないですか!!

 この記者さん、論理的に回答できないので高圧的な態度で罵倒し、空威張りしているだけですね。痛々しいです。大学一年生の情報収集家さんの方がはるかに論理的です。情報収集家さんの、空威張りする「権威」に負けず論理的に相手と論戦する姿勢、すばらしいです。

おわりに

 多分、この記者さんはバブル世代の方ですね。あの世代は大学がレジャーランドと化していた世代で、情報収集家さんと違って、大学時代に論理的に思考する訓練もちゃんと受けていないのだと思います。
 私も大学教員の端くれなのですが、この経済記者さんの非論理的な議論は、大学一年生に対して「最もやってはいけない議論」の典型として例示するのに良い教材になりそうです。

 私もバブル世代に近いので、本当に若い世代の方々に申し訳なく思います。「バブル世代は日本のお荷物」です。若い皆さん、バブル世代に挑戦しましょう。彼らから雇用を奪い取るくらいのつもりで。本当に能力のない人が多いですから。

 日本の各世代を見渡すと、団塊の世代とバブル世代が、もっとも非論理的で、精神主義的な議論がお好きなようです。困窮者に共感することもできず、根拠なく市場原理を礼賛する悪癖を持つ傾向があります。ひとえに自分たちが甘ったれで、わがままで、苦労知らずだからでしょう。

 反論に困ると高圧的な態度で相手を罵倒するバブル・オジサンたち――。 一冊本が書けそうだ。 


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11 コメント

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日米食い違いについて (バク)
2011-11-20 11:36:08
もうご存じだと思いますが、政府は内部向けと国民向けの発信が異なっているようです。
http://wellbetogether.iza.ne.jp/blog/entry/2509809#bankisya
http://www.amakiblog.com/blog/
政府は米国向けに「完全自由化に向けて努力します」のようなことぐらいは言ったと思います。
それを米国は米国人らしく解釈して発表した。日本政府は訂正を求めない。
ということは黙認することと同じです。
政府を倒すしか方法はありませんが、そのためにはTPPを推進しているマスコミの欺瞞を暴くしかありませんね。
私の周囲でもTPPの危険性を理解している人は少なく。むしろカナダ、メキシコも参加する方向だし、ISD条項の危険性を述べても、誇大妄想病にかかっているかのように見られてしまっています。
状況は大変厳しいです。
ブログ主様は「倒壊」も避けられないと述べていますが、格差社会の底辺で生きている人たちにとってはそれこそ地獄でしょうね。
返信する
情報収集家は面白いかも (たんさいぼう影の会長)
2011-11-21 00:02:35
Twitter を見る限り、fukutyonzoku 氏はほとんど揚げ足取りに終始していて、議論の内容にあまり見るべきところはありません。ただ関税に関しては、実質的に輸入先の消費者に転嫁されるものだという観点だけは妥当といえるでしょう。先ほどTwitterを見たら、fukutyonzoku 氏再反論をすると息巻いているようですが、こういう御仁はヒットアンドアウェイで戦っているうちはよくても、足を止めての打ち合いには弱いのが相場、どんな再反論が出てくるのか見ものではあります。
それよりも注目すべきは、大学1年生という情報収集家@quajzn 氏の、なかなかの書きっぷりです。私よりはずっとよく勉強しています。これで現場での体験・多くの人たちとの交流が伴ってくれば、数年後には立派な論客になれるのでは?ぜひ、12月3日・4日の「おいしい水研究会」in 中川村に呼びたいのですが。
情報収集家@quajzn様、見ていたらコメントお願いします。
なお、農村の疲弊はひどいもので、TPPを阻止できたとしてもそれだけでは苦境を脱することはできません。農村の再生のためにこそ皆で知恵を絞らなければなりません。しかしその際に、新自由主義者の妄言が紛れ込むことに気を付ける必要がありますが。
返信する
バク様 ()
2011-11-22 08:01:29
>ブログ主様は「倒壊」も避けられないと述べていますが、格差社会の底辺で生きている人たちにとってはそれこそ地獄でしょうね。

 地獄を回避するために最後まで闘いましょう。しかし、力及ばず敗れ去った場合、いよいよ覚悟するしかないです・・・。断腸の思いですが。
返信する
たんさいぼう影の会長さま ()
2011-11-22 08:08:51
 コメントありがとうございました。記者さんの反論楽しみです(^-^)

>ただ関税に関しては、実質的に輸入先の消費者に転嫁されるものだという観点だけは妥当といえるでしょう。

 関税撤廃で一時的に食品価格が安くなっても、その分を相殺するように賃金下落が後に続き、消費者の利得はすぐに消えるはずです。賃金下落が進んだ段階で、穀物の国際価格が高騰することが予想され、飢餓という最悪のシナリオにつながります。

 また本文にも書きました通り、直接所得補償というセーフティネットを整備するのなら、納税者には同等の負担が発生します。

 新古典派の人々は経済をミクロでしか捕えられず、ミクロとマクロの相互作用を把握できていません。
 関税撤廃で消費者が喜ぶというミクロばかりに目が向いていて、それによってデフレスパイラルが発生するというマクロ経済に与える負の効果を理解できていないようです。

 関税をかけ輸入を制限することで国の総需要は高まりますので、内需を相手にしている企業にとっては良いことです。
 関税を撤廃すれば物価は下がっても、マクロレベルで失業が増え賃金も下落し、内需が縮小していくというデフレスパイラルに陥ります。その結果、倒産する企業も増えてしまいます。
 儲かるのは輸出大企業だけです。
返信する
Unknown (夕日新聞)
2011-11-23 15:56:28
大手新聞の記者なんて、大手新聞の記者になったからといって、偉そうにいばっているだけの人間で(記者クラブに行けばよくわかる。本当に一般人を馬鹿にしている)、頭の中はからっぽです(全員とはいいませんが)。

大学時代は単位とるためだけに勉強して、後半は就職のためだけに勉強し、入社したら仕事だけで何かをじっくり学ぶ機会がなかったんじゃないでしょうか。知識がないのを取り繕おうとして、固有名詞や専門用語を並べるだけの空虚な議論になってしまう。

メキシコでは、NAFTAの弊害を修正する方向で農業改革が進んでいるようなので、自由化を推し進めるグローバル化が今後スタンダードになっていく、というのは違うと思います。というよりも、世界の「傾向」がどうこうというより、日本として「どうするべきか」が問題なんですけどね。
返信する
夕日新聞さま ()
2011-11-23 18:16:51
 はじめまして。「アラブの春」の前、エジプト人はマスコミのいう事など誰も信用しなくなっていたと聞き及びます。
 日本人ではそこまで行かないだろうなあ、と悲観的に思っていました。が、ここにきて急速に記者クラブ・メディアへの信頼がなくなってきていますね。80%の国民が大本営発表を信用しなくなれば、「日本の春」も訪れるかもしれません。頑張りましょう。
 
返信する
「バブル・オジサン」の再反論 (fukutyonzoku)
2011-11-28 01:16:19
お待たせしました! あまりに指摘すべき点、確認すべき点が多く、再反論が長くなりましたので、Twitterと同じアカウントでブログを開設し、そこに掲載しましたのでご覧ください。
http://fukutyonzoku.blog.fc2.com/
返信する
fukutyonzokuさま ()
2011-11-28 21:11:09
 再反論ありがとうございました。
 罵倒された側として、私も若干言葉使いが荒くなってしまいましたが、今後は罵倒とレッテル張りを抜きにして論理的に討論できると幸いに存じます。

 言葉をなりわいとしている方の文章にしては、あまりにも言葉の使い方が不適切だと思います。
 また、私は名のっているのですから、あなたも匿名で人を罵倒するのではなく、実名を名のるのがフェアだと思います。 いまちょっと立て込んでおりますので、追ってブログ上で再々反論させていただきます。

 ただ、農産物関税を撤廃してはいけない理由はいくつもあります。需要の価格弾力性の低さと価格の不安定性の問題は数ある理由のうちの一点にすぎません。

 他の論点もぜひ読んでおいてくださると幸いに存じます。

理由その2 収穫逓増産業の工業に特化した国と収穫逓減産業である農業に特化した国が自由貿易をすると貿易不均衡が拡大していく。(アメリカで貿易赤字が拡大する理由です)http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/70ca40087339f3990c0c8ef84cd01a4b

理由その3 農産物の自由貿易による環境破壊の外部不経済効果が大きいこと。環境税的な意味を持たせた関税を賦課することが、外部不経済を内部化するという観点からも合理的な方法であること。
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/90ec82a00c38ac05a495d1c6d082cc96

理由その4 農業においてもっとも大事なのは生態学的な持続可能性。大規模モノカルチャー農業は貨幣ベースで生産効率が高いように見えても、エネルギー収支では効率が悪く、持続可能でないこと。
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/9fbec824049cce3a093b9777a55da2d5

 とりあえず以上の論点はご参照ください。

 他にも、農業が貿易自由化に適さない理由は多くあります。
 例えば、土地生産性の良し悪しで競争力の多くの部分が決まってしまい、山間地などでは経営努力で克服できないなどです
返信する
クルーグマンのブログ翻訳を読みました (たんさいぼう影の会長)
2011-11-28 21:49:07
 クルーグマンの話が論争に上がっていて、具体的にどのような主張をする人か知らなかったので、ちょっと情報収集をしてみました。
http://econdays.net/?p=2399
 事前の情報からはもっとエキセントリックな、原理主義的な人を想像していたのですが、ブログの翻訳を読む限りでは、思っていた以上にまともな人です。
 そして、上記ブログ記事の意味することは、アメリカの雇用をつくりだすためには、他国の貿易黒字を吐き出させることだということです。
 さすれば、アメリカがTPPに日本を引き込むことで狙っているのは、やはり貿易黒字を吐き出させることなんだろうなあ。

 私は、経済学はど素人もいいところですが、1つだけはっきり言えることがあります。それは、経済学が、ポパーが言うところの「反証可能性」をもった科学ではありえないということです。何せ条件を制御した実験がほぼ不可能ですしね。
 経済学のモデルはいくつかの仮定を置いて現実を単純化したものであり、予測モデルというよりは、現実を理解するための「メタファー」のようなものだと見ることができます。当然、モデルが異なればそこから演繹される世界の像も異なり、異なるモデルを信奉する者の間に「通約不可能性」をもたらしていると思われます(この点では、クーン的な意味で科学らしいともいえるのですが)。
 もう1つ、私が扱っている生態学の世界とも共通しているのですが、様々な原因による様々な現象が同時進行し、しかもその因果が絡み合っています。そのためある理論に従った政策が実行され、それが失敗に終わったときにも、その責任をとることなく容易にほかの原因に転嫁できるのです。これはかつてはスターリン主義者がよく用いたやり方ですが、最近では新自由主義者の専売特許になりつつあるようです。
 さて、こういう見方でfukutyonzokuさんの再反論を見てみると…
 

 
返信する
たんさいぼう影の会長さま ()
2011-11-29 22:44:59
>それは、経済学が、ポパーが言うところの「反証可能性」をもった科学ではありえないということです。

 たしかにfukutyonzokuさんの再反論には反不可能な命題がたくさんありますね。経済学という学問にひどいウソがまかり通るのもポパー的に考えれば無下なるかな、ですね。

 fukutyonzokuさんへの反論は追ってアップします(いまダムで忙殺されており・・・)。
 
 ただ、影の会長さんも指摘していた、消費者負担の問題に関して、fukutyonzokuさんは看過できない事実誤認をした上で私を罵倒しておりますので、その点を指摘する記事のみ先にアップしておきます。
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/fdb2ae2ca0de302d4a4eb8cc045aa467
 
返信する

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