代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

上田市の議会条例に赤松小三郎登場

2013年04月30日 | 政治経済(日本)
 赤松小三郎の建白書の中から、ぜひ条例の前文に盛り込んでほしいのは以下の文章である。 「人選の法は、門閥貴賎に拘らず道理を明弁し私なく且人望の帰する人を公平に選むべし」  これは議会政治の理想を述べたものであり、いまだに日本では実現されていない。およそ国であれ地方であれ、およそ議会なるものは、この理想を掲げるべきなのだ。この精神が条例や憲法に規定されれば、当然、企業献金は全面禁止とされねばならない。一部企業や業界団体の私的利益の意向を受けて、道理を捻じ曲げるような議員は、利益相反行為となり罰せられねばならない。   . . . 本文を読む
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【番組感想】NHK「TPP交渉どう攻める どう守る」

2013年04月29日 | Stop! TPP
 昨晩(2013年4月28日)9時からNHKスペシャルで「TPP交渉 どう攻める どう守る」という討論番組があった。甘利明経済再生担当大臣をはじめ推進派3人、慎重・反対の立場の3人というバランスのとれた布陣であった。  TPPについてどう考えるかよく分からなかった視聴者が、これを見た結果「是非参加すべき」と思うようになったというケースはほとんどなかったのではないだろうか。推進派は「参加のメリット」 . . . 本文を読む
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【書評】真田幸光著『ドル崩壊、アジア戦争も探る英国王室とハプスブルグ家』(宝島社新書、2012年)

2013年04月28日 | 真田戦記 その深層
  「真田」という姓、「幸」という通字で分かる通り、著者は信州松代藩真田家の出である。金融業界で長く活躍された後、現在は愛知淑徳大学の教授。  書名だけ見ると、何か陰謀論の本かと思われるかも知れないが、内容はきわめて真面目である。著者はドルが基軸通貨の地位から崩落した場合、日本が選択可能なオプションを複数検討し、著者の見解を提示する。  冒頭、「世界の支配層の意思」には、尖閣問題をこじれさせて日 . . . 本文を読む
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アメリカの回転ドア人事と利益相反

2013年04月27日 | 教育
 前回の記事で紹介した子宮頸がんワクチンの認可をめぐって厚生労働省の審議会の委員が、子宮頸がんワクチンを製造する製薬会社から寄付金をもらっていたという事例に象徴されるように、原発事故にも関わらず(いや事故の後のドサクサに紛れて?)、ますます官僚と学者と産業界のあいだの利益相反の構造は強固になっている。この問題を放置してはならず、国民的な議論が必要である。  以下は、私が大学の講義で「利益相反(コ . . . 本文を読む
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このすばらしき利益相反パラダイス 

2013年04月23日 | 利益相反 その傾向と対策
 昨日(2013年4月22日)の『東京新聞』の特報面に「医師と製薬会社 不透明な関係」という記事があった。  子宮頸がんワクチンの副反応による重篤な被害が相次いで報告されているにも関わらず、厚生労働省の「ワクチン評価に関する小委員会」の専門家たちは接種を推奨する姿勢を変えない。  委員の中には「(接種後に失神する症例に関して)ワクチンの中身が主な原因ではなく、接種対象の思春期の女子に起こりやす . . . 本文を読む
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小規模農家を守ることは長寿社会の秘訣 ―だからTPPに反対しよう

2013年04月15日 | Stop! TPP
 産経新聞の福田涼太郎記者は、「小規模農家が非常に多い」ことが長野県の長寿の理由の一つという分析をしている。拍手を送りたい。  私の祖父も亡くなる直前まで畑仕事をしていたものだった。亡くなる直前まで医者になどほとんどかからずに元気に過ごしていた。まさに「ぴんころ」の典型だった。    私も、国民皆が小規模な農地を持てば、いまより平均寿命は延びて、老人医療費も削減でき、国民の健康・福祉にも、国の財政にも大きく寄与すると考えている。 . . . 本文を読む
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製薬ムラによる血税と健康の収奪 ―TPPで起こること

2013年04月14日 | Stop! TPP
 TPPの本質は、目先の利益しか考えない一部の強欲企業家たちが、加盟国の庶民の財布に寄生して、そこから生き血を吸い上げて肥え太ること ― 本質は、この一点に尽きよう。単純明快である。何も難しく考える必要はない。  議会による民主的コントロールを形骸化させ、強欲企業が庶民のなけなしの所得を収奪していくシステムが完成する。  市場原理に従ってではなく計画的に吸い上げる。「グローバル資本主義」ならぬ、グ . . . 本文を読む
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脱基本高水治水を目指す川辺川アピール

2013年04月13日 | 利根川・江戸川有識者会議
 川辺川ダムを中止し、荒瀬川ダムの撤去が進み、「ダムに頼らない治水」の最先端を走る熊本県で、さる4月5、6日に「脱・基本高水研究会」が開かれ、「基本高水」という虚構の数値を前提とした国の治水計画の呪縛からの脱却を目指す内容の川辺川アピールが採択されたそうです。下記に、八ッ場あしたの会のホームページより全文を転載させていただきます。このアピールの主張に全面的に賛同いたします。    基本高水という数 . . . 本文を読む
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幕末の議会思想と赤松小三郎の位置づけ ―『講座明治維新 第2巻』の紹介

2013年04月09日 | 赤松小三郎
 ブログ「本に溺れたい」の管理人のrenqingさんから「幕末の議会思想小史」という記事のTBをいただきました。渋沢栄一の『徳川慶喜公伝』(4)(平凡社東洋文庫)より「公議政体希望の思想」の部分を紹介されています。下記記事をご参照ください。 http://renqing.cocolog-nifty.com/bookjunkie/2013/04/post-fa77.html  渋沢は、坂本龍馬に . . . 本文を読む
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ドイツは原発8基停止しても電力輸出超過量は4倍に増加

2013年04月04日 | 時事問題
 最近、書くこと皆、暗くなる内容ばかりだったので、本日の東京新聞(2013年4月3日の夕刊)に載っていた少し明るい話題を紹介したい。    「ドイツに脱原発ができて何で日本にできないわけがない」というと、スイシンジャーたちから返ってくるステレオタイプな言説に決まって、「ドイツは隣の原子力大国フランスから電気をいくらでも輸入できるから。フランスの原子力に頼っていて実際には脱原発していない。日本は島国 . . . 本文を読む
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官僚と天下りと大学

2013年04月03日 | 学問・研究
 本日(2013年4月3日)の『東京新聞』特報面に「『原子力ムラ』厚顔の癒着」という記事があった。原子力規制庁ナンバー3の審議官だった名雪哲夫氏(文科省からの出向)は、今年の1月に規制庁の内部報告書の原案を日本原子力発電に情報漏えいしていた。規制する側と規制される側が、緊張関係なくウラでつながっているという、まさに官・業の癒着ムラ社会が、「原子力規制庁」に看板を掛けかえた後も横行していることを如実 . . . 本文を読む
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利根川・江戸川有識者会議で明らかになったこと(追加意見書)

2013年04月03日 | 利根川・江戸川有識者会議
 以下は、3月18日をもっていったん議論を打ち切られた利根川・江戸川有識者会議に対して私が出した追加意見書です。会議を通して、貯留関数法と総合確率法という、国交省が利根川水系のダム計画の根拠にしている洪水流量の計算方法に、使用には耐えない科学的問題が含まれていることが明らかになりました。この議論が継続されることを強く望みます。国交省におかれましては、ぜひ途中で終わっている会議を再開してください。 . . . 本文を読む
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