代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

原発推進論も温暖化懐疑論もまとめて黙らせよう

2015年11月27日 | 温暖化問題
暗くなるニュースばかりの毎日の中、わずかだが薄明が射すようなニュース。昨年は原発を全く動かしていなかったにも関わらず、CO2は3.0%減少したという速報値。リーマンショックの後にCO2が減って以来、5年ぶりの減少。日本の反原発派の中には、「地球温暖化対策を訴える人々は、原子力推進派だ」とおっしゃる人もいるが、誤解も甚だしい。原子力業界が、温暖化問題を原発推進に利用しようと「原発はCO2を出さないからクリーン」などの言説を流してきたのは事実であるが、彼らは「エセ温暖化防止論者」と呼ぶべきであろう。現実には原発を推進していた時代にはCO2は減る気配もなかったが、全原発が停止する中で賢明に省エネや再エネ普及に努めた結果、CO2も削減できることが明らかになった。実態は、原発依存からの脱却を志向してこそ、CO2の削減も可能になるのだ。 . . . 本文を読む
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軍産複合体のマッチポンプ ―ISに武器を提供してきたのはアメリカ!

2015年11月25日 | 政治経済(国際)
なぜISはあれほど大量の武器を持っているのか?  この動画の中で、武器取引専門家のウィリアム・ハートゥングはその秘密を以下のように解説している。「CIAがアサド政権を転覆するために反アサド派の武装勢力に武器を提供し、その武装勢力の多くがISに走ったからだ」と。そう、ISの武器の大半はアメリカ製であり、実のところはCIAがISを強大化させたのである。  あまりのマヌケさ、愚かさにクラクラする。私は本当に単にマヌケなだけかも知れないとも思うが、多くの人々はCIAがそれほどマヌケだとは思っていないから、「これは確信犯的なマッチポンプなのではないか?」と疑っているわけなのだ。 . . . 本文を読む
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森を守る ―宇沢弘文先生の晩年の想い

2015年11月24日 | 自分の研究のことなど
本年も、インドネシアにおいて、宇沢先生の晩年の想いをあざ笑うかのように大規模な森林火災が発生し、170万haが燃えたと言われている。気象衛星ひまわりの以下の画像を観て欲しい。宇宙からも、カリマンタンやスマトラから濛々と立ち昇る煙がくっきりと見えるのだ。  貿易自由化で輸出によって外貨を獲得しようと、野放図な野焼きが繰り返され、その日が森林に延焼してこうなっているわけだ。これだけ森林を破壊し、土壌を乾燥化させ、二酸化炭素を排出し、地球の気候が何ともないと思っている人々はよっぽどどうかしているのだ。 もう遅すぎるかも知れないが、宇沢先生の提案が実現すれば、こうした破局的な事態も緩和されるはずなのだ。 . . . 本文を読む
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霞ヶ浦導水計画を中止し、脆弱な堤防の強化に予算の転用を

2015年11月13日 | 治水と緑のダム
利根川水系にとって喫緊の課題は他にあります。本年度の鬼怒川水害によって、計画高水以下の洪水によっても破堤してしまうような脆弱な堤防が利根川水系にあまた存在することが明らかになりました。導水路以前に、まずはこうした堤防の強化こそが最優先で行われなければなりません。この課題に直面しているにも関わらず、霞ケ浦導水事業のような不要な事業に何百億円もの血税を投入していくことは、社会通念に照らして許されません。不要な新規利水事業は当面凍結した上で、脆弱な堤防の強化のためにその予算を転用するようお願いいたします。 . . . 本文を読む
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真田幸隆と昌幸が愛した温泉と景観がまもなく沈む

2015年11月07日 | 真田戦記 その深層
 来年度の大河ドラマは「真田丸」。しかし、よりによってその年に八ッ場ダムの本体工事が進行し、真田幸隆・昌幸・信幸・信繁が愛した川原湯の温泉街と、忍びの技術ももった職能集団である吾妻衆が修行したであろう吾妻渓谷の景観が破壊される。  来年の大河ドラマでは、真田昌幸が執念を燃やした吾妻領・沼田領をめぐる抗争がドラマの序盤の焦点になろう。平山優氏の『天正壬午の乱』ならびに『武田遺領をめぐる動乱と秀吉の . . . 本文を読む
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鬼怒川河川整備計画は放置されたまま霞ヶ浦導水建設を急ぐ国交省

2015年11月02日 | 治水と緑のダム
鬼怒川水害の真相究明も十分になされず、鬼怒川・小貝川の河川整備計画もいまだ策定されない中にあって、国交省にとっては鬼怒川よりも、霞ヶ浦導水事業を継続することの方が重要課題らしい。 国土交通省の関東地方整備局は「利根川・江戸川河川整備計画」の変更をするというので、鬼怒川水害への対策を盛り込むのかと思いきや、新しく計画に盛り込まれたのは総額1900億円の霞ヶ浦導水事業の継続に関する記載についてだった。鬼怒川対策を後回しにして、霞ヶ浦導水の継続に執着するのも、来年度予算に霞ヶ浦導水を盛り込みたいがためであろう。 . . . 本文を読む
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鬼怒川でのソーラーパネル建設による溢水問題のその後

2015年11月01日 | 治水と緑のダム
地元の方々に砂丘の自然堤防がなぜ削られたのか、なぜ削られたまま放置されたのかなど質問させていただいた。   「これは人災でね」  「この砂丘は民有地だったから、削られても文句が言えなかった」  「砂丘が削られたせいで、本当に残念だ・・・」  「何回も要望し、堤防をつくることになっていたんだが、結局間に合わなくて・・・・」  といったご意見であった。実際、ここが危ないということは地元の方々がいちばんよく理解し、国交省に重ねて要望していたのだ。その要望に真剣に応えようとしなかったのは国交省である。  今回の水害から得られる教訓は、地元の川の危険性についていちばん詳しいのは地元の方々であること、地元の声をないがしろにしたまま、治水を国交省任せ、ダム任せにすることがいかに危険であるかということだろう。 . . . 本文を読む
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