代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

近代官僚ムラ政治の歴史的起源 -赤松小三郎と坂本龍馬の暗殺

2011年05月20日 | 歴史
 赤松小三郎の構想は、「議会→内閣→官僚」であったが、実際に起こったことは「官僚→内閣→議会」であった。順番が真逆なのである。はじめに官僚政治ありき。内閣や議会は、維新志士による官僚独裁政治の本質を隠し、偽装するための外皮として後からとってつけたものなのだ。  議会を無視して維新志士たちが独走した23年の間に、官僚たちの「我は国家なり」の傲慢不遜な意識が形成された。その意識が後輩たちに連綿と引き継がれて現在にいたっている。後からできた内閣や国会なぞ、各省の官僚たちはそもそも「お飾り」程度にしか考えていなかった。今でもそうなのである。 . . . 本文を読む

送電網は社会的共通資本として公有化を

2011年05月19日 | エコロジカル・ニューディール政策
 菅首相が昨日(5月18日)の記者会見で、発送電分離案に関して「当然議論及ぶだろうし、そうすべきだ」との認識を示した。また電力地域独占の問題にもメスを入れるという。「議論する」だけではなく、実現せねば意味がない。ここは不退転の決意でこの問題に取り組んでほしい。  支持率を回復させて政権を維持したいのであれば、経団連肝いりのTPPなど「震災でそれどころじゃなくなりました」とさっさと止めるべきだ。この . . . 本文を読む

近代ムラ社会と前近代ムラ社会の差異について

2011年05月17日 | 政治経済(日本)
 前近代社会においては、百姓一揆の指導者は打ち首の覚悟であった。年貢の減免などムラの要求を通すには、打ち首の覚悟をもって臨んだのだ。しかるに近代が生み出した官・業・学が形成する共同体は、どのような失敗が発生しても誰も責任を取らない。  近世のムラ社会が利用できた資源は、ムラの内部資源であった。自らの資源を自らの手で管理していたから厳格な責任があった。しかるに近代ムラ社会が利用する資源はムラの外から流入する「国民の血税」という外部資源である。内部資源の自主管理でなく、外部資源への寄生なのだ。これは決定的違いである。資源の安定的で持続可能な利用などできるわけがなかろう。待ち受けるのは資源枯渇(=財政破たん)に至るまでの乱獲である。 . . . 本文を読む

1号機は津波による「電源喪失事故」ではなく地震動による「冷却材喪失事故」だった

2011年05月15日 | 震災関連
 「原発はあの巨大地震の揺れに耐えた、あとは津波対策だけしっかりすれば・・・・」という経団連や経産省や御用学者たちの希望的観測(あるいは意図的なウソ)はもろくも打ち砕かれた。共同通信の本日付け記事より引用。 ******5月15日共同通信より引用*******  http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051401000953.html (前略)  東電関係 . . . 本文を読む

自由貿易の神話(『環』vol.45藤原書店)

2011年05月04日 | 自由貿易批判
  藤原書店からは発行されている季刊雑誌『環』の最新号(4月30日発行)で「自由貿易の神話」という特集が組まれています。お恥ずかしながら、私も寄稿させていただきました。紹介させていただきます。  「自由貿易」といえば昨年までは、「原発」同様、批判することそのものがタブー視される風潮にありました。TPP問題をきっかけに、中野剛志氏など多くの方々の活躍により、オープンに批判することが「解禁」されまし . . . 本文を読む

ニューヨークタイムズ「癒着文化が原発事故につながった」

2011年05月02日 | 政治経済(日本)
   昨日アップしたブログ記事(ペンタゴンからヘキサゴンへ)で、「Culture of Complicity Tied to Stricken Nuclear Plant(癒着の文化が原発事故につながった)」というNYタイムズの記事について言及しました。検索すると、この記事は英語圏のブログやツイッターなどでえらい評判です。この記事のみではないですが、海外メディアがこうして日本の政・官・業・学の癒着 . . . 本文を読む

ペンタゴンからヘキサゴンへ? 八ッ場ダム情報公開裁判の行方

2011年05月01日 | 八ッ場ダム裁判
  「いくらなんでもこの裁判は負けるわけがないでしょ」と思っていた八ッ場ダムの情報公開裁判の雲行がにわかに怪しくなっているようです。  「原告(※住民側)の主張は説得力がある」と発言していた裁判長が、ここにきて交代してしまったということです。「八ッ場あしたの会」の下記ホームページをご参照ください。 http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page= . . . 本文を読む

河川技術者を更生させる最後のチャンス? 学術会議の議論いよいよ大詰め

2011年05月01日 | 治水と緑のダム
 八ッ場ダム建設の根拠となっている利根川の洪水流量計算のウソが明らかになったことから、日本学術会議で計算モデルの再検討をしていることはかねてより本ブログでも紹介してきました。次回は5月11日の14時から開かれるそうです。いよいよ計算結果も出てくるのではないかと予想されます。皆様ご注目を。詳細は下記ページ。  http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/bunya/ . . . 本文を読む