代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

自由貿易への代替案 -世界最低賃金制度の導入-

2005年12月27日 | 自由貿易批判
 本年11月17日に「自由貿易の何がいけないのか?」という文章をエントリーしたところ、けっこう多くの反響がありました。その続きを書きます。先のエントリーでは、Chic Stoneさんとのあいだで「自由貿易への代替案は?」という議論になりました。私は、当面有効だと思うやり方として、「国際的最低賃金制度の導入」と「貿易黒字国、赤字国双方に対して課徴金制度を導入し、貿易不均衡を取り締まる」という提言を行 . . . 本文を読む

京大教授、不正引用と嫌がらせで懲戒処分

2005年12月26日 | その他
 本年11月16日の記事「日本がアメリカ化したら最も困るのは竹中平蔵?」の中で、私の所属する学会で起きた論文の不正引用事件について触れました。某教授が、同じ講座の助手の研究成果を出所を示さず不正引用をした事件です。さらに反省することなく、当の助手の方を逆恨みして、さまざまな嫌がらせをして精神的に追い込んでいくというハラスメントを繰り返したのです。結果、学会では、その教授に対して「退会勧告」という処 . . . 本文を読む

国交省の緑のダム否定論は破綻した ―これはコペルニクス的転回かそれともコロンブスの卵か?―

2005年12月14日 | 治水と緑のダム
 ひさしぶりに緑のダム問題に関する話題を提供させていただきます。「吉谷純一氏の緑のダム否定論に対する反論①」を書いた後、この話題から遠ざかってしまっていました。本日の話題は、吉谷氏への反論の続きです。というのも最近、従来の「科学的定説」とされていて、国交省が緑のダム論を否定する最大の根拠としていた学説が見事にひっくり返されるという画期的な論文が出たからです。本日は、その論文を紹介させていただきます . . . 本文を読む

ナベツネさん最近いいですね

2005年12月10日 | 政治経済(日本)
 最近、渡邉恒雄氏(読売新聞グループ会長)の「左派的(?)」な発言を聞くことが増えてきました。それで私は、渡邉恒雄氏に対する評価を大きく改めるようになっています。昨日、月刊『現代』の今月号を買って読んでいました。その中の渡邉恒雄氏(以下ナベツネ氏)と佐高信氏の異色の(?)対談「小泉君の本音、安倍君への注文」がじつに面白いのです。まず対談の冒頭では、ナベツネ氏による靖国神社批判が展開されます(単に首 . . . 本文を読む

小田急高架裁判と構造改革

2005年12月08日 | 運動論
 昨日、最高裁において画期的な判決が出ました。国が事業認可した小田急線の高架化事業に関して、騒音被害を受ける周辺住民が行政訴訟を起こした「小田急高架訴訟」において、最高裁は、通例の判例を変更し、地権者以外の周辺住民にも原告適格を認めたのです。これまで公共事業に対する行政訴訟の原告は、「事業地内の地権者に限る」とされてきたので、画期的な判決でした。最近、ろくなニュースがない中で、久々に嬉しいことでし . . . 本文を読む

長いあいだ更新できず申し訳ございませんでした

2005年12月08日 | その他
 長いあいだ断わりもなくブログの更新をサボってしまって失礼いたしました。仕事で忙しかったのと、尊敬していた方がガンで亡くなられ、ブログを書く精神状態になれませんでした。それで、自分のブログをチェックすることもなく過ごしておりました。いまもブログを更新する余裕は少ない状態なのですが、ボチボチと何か書いていきたいと思います。  いま英語原稿の締め切りに追われています。けっこうイヤな仕事なのですが、や . . . 本文を読む