代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

クスノキは残った

2007年02月22日 | 治水と緑のダム
 深根性の落葉広葉樹であるクヌギ、コナラ、ミズナラなどを植栽していれば、今回のような土石流は発生しなかったかも知れません。もちろん再現実験をすることなど不可能なので断定はできませんが・・・。  しかしクヌギやコナラならば、カラマツほど崩落しやすくないことは確かです。少なくとも災害リスクを軽減させることができます。  土石流跡地で造林する際は、クヌギやコナラを選んで欲しいと願います。 . . . 本文を読む

村井仁知事の「脱『脱ダム』宣言」にどう対処するのか?

2007年02月19日 | 治水と緑のダム
 村井知事によれば、実際の観測で基本高水の6分1しか流れなかったことが明らかになったにも関わらず、それは基本高水を修正する理由にはならないのだそうです。科学的な実験的事実よりも、架空のパラメーターによって恣意的に捏造した数値の方が重いとでもいうのでしょうか。科学を根本的に愚弄する暴論だといえるでしょう。申し訳ないですが、知事が本気でそう思っているとしたら小学生以下の知性としか言いようがありません。最近の国交省がなぜ住民を排除するかお分かりでしょうか。長野県のように、住民の研究活動は、基本高水の数値を強引に水増しして住民を脅し、強引にダム建設の根拠にしているという、その国交省のカラクリを見抜いてしまったのです。「森林の機能を折込まないことによって水増し評価された基本高水の数値」というダム問題の本質的な論点に対し、国交省側はきちんと説明責任を果たすことができないからです。科学的な議論では、彼らは負けることを悟ったので、あとは住民を排除して、議論せず、独裁的手法でダムを造るより仕方なくなったというわけです。 . . . 本文を読む

食糧生産も熱帯林も脅かさないバイオエタノールの生産法

2007年02月16日 | エコロジカル・ニューディール政策
 バイオ燃料の生産を行う上で次の二つの基本原則の確立が必要になるでしょう。(1)それが森林の農地転用に帰結することを戒める。 (2)それが既存の食糧生産機能を損なうことを戒める。  この二点です。えっ、「この二点の原則に抵触しない土地なんていったい何処にあるのだ」ですって? 大いにあります。日本人の足元に・・・。そう、減反政策によって余っている休耕田です。この土地ならば、森林破壊にも全く寄与しないし、既存の食糧生産を損なうこともありません。日本中で減反した水田や、耕作放棄された棚田などをすべてあわせれば、100万ヘクタール近くあるはずです。この100万ヘクタールを復田し、コメからエタノールを生産するのです。 . . . 本文を読む

フェアトレード・チョコレート

2007年02月05日 | その他
 もうじきバレンタインデーなのでチョコレートに関する雑談を一席。知り合いに某チョコレート・メーカーの方がいます。製品開発部だったのですが、いま営業に回っているそうです。それで、このあいだ話しを聞いたら、「いやー、営業に行ってから出張が多くて大変なんですよー」とのことでした。「出張先はどこですか?」と聞くと、「最近は南米のベネズエラとエクアドルに行かなきゃならないことが多くて・・・」。「何でまたベネ . . . 本文を読む

伐採後植林せず25%! 『西日本新聞』の記事紹介

2007年02月02日 | 世界の森林問題
 現在の日本では、あまりにも木材価格が低すぎて、林家はみな林業の経営意欲を失ってしまっているので、九州ではじつに25%の伐採場所で、再造林がなされないまま放棄され、土砂災害と洪水の危険性を高めています。  日本では再造林費用の70%くらいは補助金として出ますが、木材価格が低すぎて、残りの30%も出せないで、造林が放棄されているわけです。 . . . 本文を読む

地球温暖化対策としての関税政策

2007年02月01日 | 世界の森林問題
一般に、森林を炭酸ガスの排出源から吸収源へと転換し、さらに化石燃料の削減にも寄与させるためには、以下の5点の対策が必要となるでしょう。 ①天然林の土地利用転換(農地・放牧地などへの転用)を可能な限り抑制する。 ②天然林からの木材伐採量を、年間成長量に見合う持続可能な水準に抑制する。 ③荒廃地や生産性の低い農地においては、新規造林・再造林を推進する。 ④天然材供給の減少分は、造林地からの人工材供給で代替する。 ⑤化石燃料の消費を抑制するため、造林地から供給される人工材のエネルギー利用を促進する。  しかしながらこれらは、森林を排出源から吸収源に転換するという観点でのみ展開した机上の空論です。現実には、WTO体制下の自由貿易システム、国の法律や土地制度、政府の財政状況、林産物の市場状況など、さまざまな制約条件があるので一筋縄ではいきません。 . . . 本文を読む