代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

地域の神社は神社本庁からの離脱を

2017年08月21日 | 長州史観から日本を取り戻す
 この間ブログを放置しておりました。
 更新できなかった理由は、精神的にも時間的にも余裕がなくなったためです。
 いちばん頭が痛かったのは、町内会の会長にさせられてしまったこと。最近はどこもそうなってきていると思いますが、なり手が他にいなくて、引き受けざるを得なくなり・・・・・。
 全国の多くの地域でも同様な問題に直面して困っている方々が多いのではないかと考え、問題を共有するためにも、書くことにしました。

町内会と神社


 会長になって、いちばん頭が痛かったのは、うちの町内会が政教分離できていないことでした。
 役員になると、神社のお祭りのために奉賛金を集めに回らなければならない。町内会の規約にはどこにも書いていないのですが、慣習としてそのようになっている・・・・と。これ、どう考えてもおかしい。
 自治会は神社関係の行事とは完全に組織的に切り離すという改革をやろうとしています。その結果、地域の有力者たちと対立する羽目に陥ってしまい。それで、もう精神的に疲弊して・・・。

 私も、以前は地域の鎮守の神社のお祭りのためだ、と無邪気にホイホイと奉賛金を出していました。私は元来、神社大好き人間。子供のころから神社で遊ぶのが大好きでした。鎮守の森というのは、希少な低地自然林をはぐくみ、子供の遊び場として、地域の人々の憩いの場として、昆虫や野鳥の棲息地としても生態的に重要な機能をはたしてきました。

 神社大好き人間だった私が、神社には絶対に奉賛金など払うまい、賽銭も一切投じるまいと決意したのは、つい最近のこと。他でもない、神社本庁が改憲署名を集め始めたときから。神社本庁が日本会議の中核組織と知ってからです。
 それ以来、私は、あらゆる神社に一切の賽銭も払っていません。それが、神社本庁に上納され、そこから日本会議や神道政治連盟にまでお金が流れていくだろうからです。


クリスチャンや創価学会員もいるのに、役員というだけで神社の宗教的行事への協力を強制されるようになったら、地域みんなのための公的な互助組織にはなり得なくなります

神社本庁は憲法改正の署名を集めているんです。憲法改正が自治会の総意であるわけないのに、そんなことをしている団体に資金が流れる可能性があるのに、自治会として集金なんかできるわけがない

「(神社本庁が作った「日本人でよかった」ポスターを見せ)自治会の中には外国人もいるのに、こんなポスター作る団体にお金払えますか?」  

 ・・・・・こうした政治的な議論を、せざるを得なくなったわけです。

 地域のリーダーたちは、神社本庁とか日本会議とか言っても、知りませんでした。たんに地域のためにお祭りを盛り上げようとしているだけです。全く悪意なく、神社のために奉賛金を集めているだけなのです。
 しかし、たとえまったく悪気はなくとも、日本を戦前に回帰させようという勢力を結果として太らせることは、結局、自分たちで自分たちの首を絞めることになります。

国家神道が、人間を虫けらのように扱う玉砕精神を生み、310万人もの犠牲を生んだんです。そして今また国家神道は復活しつつある。彼らは、過去を全く反省することなく、戦死を美化しながら、日本をふたたびあの状態に戻そうとしているんです。個人の良心の問題として、神社本庁には一切協力することはできない
 ・・・・・

 私はそのように言わざるを得なくなりました。これが聞き届けられなければ、役員全員で辞表を出そうという決意でした。
 それでようやく納得してもらうことができ、自治会役員が神社の奉賛金を集めるという「慣習」は見なおすことになりました。しかし、まだまだ完全な政教分離を果たすためにはやることが山積。(引き続き大変・・・・)

神社を地域に取り戻す

 この問題どう解決すればよいでしょうか?

 私の郷里の元県議会議員さん(元自民党の保守系の元議員さん)は、次のように言って怒っていました。

神社は本来、氏子のもんだ。それが日本会議に乗っ取られとる!」と。

 日本会議の勢力は、神社を通して浸透していくようです。良識のある保守派から見ても、神社本庁にも、日本会議にも賛同できないのです。

 地域の「鎮守の社」のお祭りには協力したくても、神社本庁にも、日本会議にも協力したくないと考える人々はどうすればよいのでしょうか? 
 また神社関係者の中でも、神社本庁や日本会議の運動には賛同できないと内心忸怩たる思いの方々は多いだろうと思います。

 日本の地域の神社のほとんどは本来的に国家神道とは無縁です。なぜ明治維新時に一部の狂信的な人々がねつ造した「国家神道」などに、伝統ある日本の神社が取り込まれる所以があるのでしょう。
 心ある神社は、神社本庁から離脱すべきです。

 「当社は神社本庁の憲法改正運動に反対です。神社本庁からは離脱しました

 こうした宣言をする神社には、私は支援のためにも喜んで賽銭を投じます。




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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
神社についての認識 (猫神奉公会)
2017-08-22 10:18:25
去年まで何も考えず行なっていたお賽銭や御守の購入。神社本庁のおかげで現在全く出来なくなってしまっています。
身内や身近な友人には説明して分かってもらいましたが、遠方の親戚・友人に説明するだけでも先生の書かれているような心労が発生して来るだろうと思い特にアプローチしていませんでした。
しかし、やはり一人一人の小さな活動が大事、と考えさせられました。
説明の際の話法も参考にもさせて頂きたいと思います。
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再び衝撃を受けましたが (猫神奉公会)
2017-08-22 10:20:37
関先生のIWJでのインタビュー・その2拝見しましたが、知らなかった事や自分でも改めて調べ直さなければならない事が多く、繰り返し視聴していますが、なかなかコメント出来ないでおりました(9月に入ったら少し時間が取れるので動画でのお話&ご著書を参考にしながら徐々に調べて行くつもりです)。

日本で最初の立憲民主主義思想は現行憲法よりリベラルだった!? 幕末の思想家・赤松小三郎の暗殺に見る「明治礼賛」の虚妄! ~岩上安身による拓殖大学関良基准教授インタビュー(その2) 2017.7.11
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/388960

岩上氏は先生の『赤松小三郎ともう一つの明治維新』を孫崎享氏や小笠原みどり氏へのインタビューでも読むよう勧めていました。
この方々からも広まって、沢山の方に読んで頂ければ、と勝手ながら願っております。

日米開戦の隠された真実に迫る!新刊『日米開戦へのスパイ 東條英機とゾルゲ事件』著者・孫崎享氏 (元外務省国際情報局長)に岩上安身が訊く!第一弾 2017.8.12
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395300
※8:45分頃〜勧めています。


共謀罪と監視社会―― スノーデン文書により明かされた日本政府とNSAの関係とは? 岩上安身による元朝日新聞記者・ジャーナリスト 小笠原みどり氏インタビュー 2017.8.17
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395679
※小笠原氏には30分過ぎ頃に勧めているので無料分では見られないと思います。
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Unknown (12434)
2017-08-22 12:07:27
それは本当に大変でしたね。お疲れ様です。
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いつも拝読しております (あんでぃ)
2017-08-23 21:01:29
最近更新が無いなと心配申し上げておりましたが、そういうご事情でしたか…ご心中お察し申し上げます。
「日本会議」、本当にけしからん団体ですね。
もっと多くの国民に知らせる事が必要です。
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猫神奉公会さま ()
2017-08-23 23:26:50
 右翼団体にからめとられてしまった神社を、地域の人々が取り戻すことができるよう微々たる努力でも、がんばって参りましょう。

 まや本の件、岩上さんには本当に感謝です。
 IWJノインタビュー内容、活字になって会員に公開されるそうです。話の中で、間違っていた箇所など修正した上で、お届けします。
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12434さま、あんでぃさま ()
2017-08-23 23:29:14
 日本会議のせいで、ふつうの神社まで敬遠されるようになっているのですから、本当にけしからんですね。 
 今後ともよろしくお願いいたします。
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関さん、まことにご苦労さまでございます。 ( 睡り葦 )
2017-08-24 21:32:09
 関さん、掛け値なく、住民の、いえ国民の代表としての素晴らしいフィールド・ワーク、持ち前のフット・ワークがさすがです。ご奮闘とご健闘に心から敬意を表します。

 なるほど・・・、「長州政府/日本会議 → 神社本庁 → 地域神社 → 町内会 → 家庭」という、上からのカルト的支配体制の形成の鍵になるのが「日本会議」であることが如実にわかりました。

 明治維新という軍事クーデターによって日本の歴史上初めてあらわれた天皇神権支配体制の軍国主義的完成形態である「大政翼賛会 → 隣組(「常会」)システム」の、およそ70年ぶりの無理やりの復活ということですね。

 見ますと、この「大政翼賛会」、「常会(隣組)」、それに、「神社本庁」の前身である「内務省神祇院」のすべてが、1940年(昭和15年)に設立されています。これは日独伊三国軍事同盟が成立し、男子用国民服が制定された「皇紀2600年」で、その翌年の末にマレー半島侵攻と真珠湾攻撃がおこなわれました。

 公的権威の場、企業を含む職場、学校といった限定された空間だけではなく、地域における生活や生活文化全体をくるみ込む支配システムの力が、メディアをはじめとする「忖度」文化の濃密化と相まって、抗いがたい空気としてのファシズムを形成していくことがよくわかります。

 はて、Wikipediaによれば防衛大学の心理学教官を父に持つという三浦瑠理氏が言う1943年とは、と見ますとドイツ軍がスターリングラードで降伏し、日本軍がガダルカナルから撤退、ラバウルを出た山本五十六連合艦隊司令長官搭乗機が撃墜され、アッツ島の日本軍が玉砕し国民に対して初めて日本軍の敗北が発表され、ムッソリーニが失脚したイタリアが降伏し、あの学徒動員が始まった年です。
 この年に東条英機が大東亜会議を招集し戦争目的を「アジア解放」(つまり「アジア征服」)としたのに対して、日本の中韓太平洋地域に対する支配権を否定する英米中連合国のカイロ会談がおこなわれ、引きつづく英米ソのテヘラン会議において、ナチスドイツに勝利したソ連の対日参戦が決定されました。このときの「カイロ宣言」は、その1年8ヶ月後の「ポツダム宣言」の原型となったものであることから、1943年は実質的に「戦後の開始」の年にあたるわけです。

 文字どおり「国家総動員法」が1938年に制定されていたのにかかわらず三浦瑠理氏が、「大日本帝国が本当の意味で変調をきたして人権を極端に抑圧した総動員体制に入ったのは1943年」と言っているのはたしかに奇妙な「慧眼」であろうと思います。
 1943年以降、大日本帝国は戦争遂行つまりアジア支配維持の展望を失い、対外戦敗北による国体(天皇制と「官僚制資本主義」)の喪失、つまり「共産革命」を何より怖れ、昭和天皇以下内乱と革命の幻想に取り憑かれるあまり軍民に対する天皇神権ファシズム暴虐を極端に推し進めることになったのでしょう。そして、厖大な国民の生命を犠牲にして、天皇制と官僚制の維持のために無様な無条件降伏と日本の歴史においてはじめての国家的独立の喪失(売り渡し)と外国による全土完全支配、すなわち米軍による占領統治にすすんだわけです。

 つまり1943年に大日本帝国(天皇、官僚、大資本)は兵士を含む国民すべてを生贄にして、米軍・米国にシッポを振って生きのびることをきめていたと。そして、敗戦時にもっとも懸念されることである「混乱に乗じた民衆の叛乱」を防ぐために、徹底した国民殺戮・支配奴隷化・疲弊化・骨抜きをおこなおうとしたと。二発の原爆まで・・・。そして、それはみごとに成功したわけです。
 薩摩の侵略以来、明治から戦中戦後そして現在にいたるまで徹底した犠牲を強いられて国家の反国民性が骨身に沁みている沖縄の人々を例外として。

 関さんが少なくともお元気そうで安心いたしました。激しいご心労、お察しします。関さんには「大義」がありますから、ねばり強い努力と良心への信頼によって皆さんの心を動かすことができたのでしょう。ひとりで無理をなさらず皆さんと力をあわせて、どうか明るくご健闘くださいますよう。

 なお、課題図書としてご教示いただいている竹田青嗣氏の『哲学は資本主義を変えられるか』は歯ごたえがありすぎて到底歯が立たず2ヶ月あまり難儀をいたしましたあげく、はかばかしいことをまとめて報告することは諦めておりました。しかし、せっかく教えていただいた考察ですから、ウェブログに待望の新記事が登場したことをきっかけにして、竹田青嗣氏の資本主義論から考えたことを無理やりにまとめて、この週末に報告するようにいたします。
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睡り葦さま ()
2017-08-25 20:30:58
 長い間更新できず申し訳ございませんでした。
 まだ日本会議の勢力が、町内会を通じて支配を強めるということろまでは至っているようには思えませんが、神社とその周辺には確実に勢力浸透してますね。

 三浦某の主張はともかく、その指導教授が岩波文化人の藤原帰一氏だということに唖然としました。以前の藤原氏はそうではなかったはずですが、近年の主張が本当におかしくなっていたので、どこかでアメリカの軍産複合体勢力に取り込まれてしまったように思っておりましたところ、弟子の方から馬脚を現したようです。

 竹田氏の本については、ご迷惑をおかけしました。哲学者の限界からか、資本主義批判としては確かに弱いので、睡り葦さまに時間を取らせてしまうような内容ではありませんでしたが、お手を患わしてしまって申し訳ございません。

 
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ありがとうございます。トランプが心配です。しかし、もし。 ( 睡り葦 )
2017-08-27 18:43:21
 
 関さん、丁寧でとても暖かいリターン・コメントをいただきすっかり恐縮いたしております。

 おそらく生来の右翼性向のためでしょうか、攘夷と叫んだ舌の根そのままで欧米の模倣に走った明治の治世者の系譜の先に、神武以来初めての無条件降伏敗戦と外国軍による占領統治に日本を導いた大日本帝国支配層の意図されたような無能さに対する強い嫌悪感を抱きます。
 また多少なりと軍事オタクであったことから、愚昧愚劣な政治・軍事・経済指導者たちが、兵站を含めた戦争計画(戦争開始と終結にいたる国家戦略)をまともに考えることができず、厖大な数の兵士を前線における餓死と病死に追いやり、銃後の国民を塗炭の目に遭わせるのみならず原爆を含む都市爆撃空襲によって無辜の民を大規模に殺戮した恥ずべき所業に対する侮蔑と怒りを禁じえません。

 かような帝国支配層が、戦後はただちに駐留米軍のエージェントとなって戦後すぐの時期から戦前戦中の支配体制の復活をねらってきたこと、この間の「安倍一強体制」によってその急速な総仕上げがなされてきたことへの警戒心が、「日本会議 〜 神社 〜 氏子」 というマジック・チェーンワードに対する過剰反応となり、お騒がせをして申しわけありませんでした。

 なるほど・・・「上海の同文書院教授、坂本義孝 〜 東大教授、坂本義和 〜 東大教授、WikipediaによればCIA協力者でありジョージ・ソロスとの結びつきを持つ船橋洋一ゼミで文系転進 → 今年6月に安倍官邸で2時間の会食をした東大教授、藤原帰一 〜 東大理系 → 文系の三浦某」という系譜は微妙であり、かつ日本の歩みを見事に象徴しさえする「Uターン」に思えます。

 本ウェブログ、2016年11月09日の記事で関さんが「排外主義者トランプ大統領就任に戦慄する」と発言した「グローバリスト」藤原帰一氏に虫唾が走るとされたことを記憶しています。
 むろん、トランプ大統領に対するスタンスのとり方は、政治的知性・感性に対するきわめて高度なリトマス試験紙であるわけで、関さんをはじめとするごく限られた人が越えることができるハードル、藤原帰一氏には「木に縁りて魚を求む」の類いであると思います。

 ともあれ、三浦某が藤原帰一氏の愛弟子であり、藤原氏による論評がそのサイトに転載される東京大学政策ビジョン研究センターの講師であることをご指摘によってはじめてトレースして、三浦某氏の思いつきショーアップを「奇妙な慧眼」と美化してしまった愚昧に臍を噛んでおります。申しわけありませんでした。

 ちなみに藤原帰一氏は「東アジアで植民地獲得を模索する欧米列強に独立を脅かされるなかで進められた徳川政権の解体と明治維新は、日本の統治を根本的に変えなければ文字通りの国難に立ち向かうことができないという自覚に支えられた体制改革であった」(朝日新聞2015年4月21日夕刊コラム記事)として、ヘドが出るほどの(すみません)俗物性と凡庸さをさらけ出しています。関さんが見抜かれていたとおりです。その弟子には、考え抜かれた謀略を演ずる力などはとうていないでしょう。

 そして、いま帝国回帰支配の腐敗の膿が、期せずして森友、つづいて加計と噴き出し、NHKが「内閣府が行った『国民生活に関する世論調査』によりますと、現在の生活に『満足している』か『まあ満足している』と答えた人の割合は、合わせて73.9%で、こうした質問を始めた昭和38年以降で最も高くなりました」と目を蔽うような戦中回帰の大本営発表をおこなうようになりました。

 じつは、投稿を「『週刊エコノミスト』の『ビジネスマンのための資本主義論』は、資本主義の『イリュージョン(誤解による美化)』論なのか『アビューズ(誤用による弊害)』論なのか、資本主義の対語は社会主義しかないのか」として書き始めたのですが、冒頭が上記のようになりまして、恐縮ですが、いただいたコメントのお礼としてお送りさせていただきます。竹田青嗣氏の資本主義論から考えましたことについては投稿をあらためることにいたします。

 ずっと以前にあてずっぽうを申しましたように、1987年のブラック・マンデーからのマネー運動10年サイクル期にあたる2017年は大きなパニックの導火線が点火されるとスペキュレィトいたします。
 さらに、1770年の英国産業革命開始からはじまる50年サイクル(世代サイクル)からして、その2017年が導くであろう2020年が歴史的な転換となるだろうことを予感します。
 それが資本主義の最後世代期の50年となるのか、資本主義とは永遠の輪廻であることが証明されることになるのか。それは人間の知恵と生き方がきめると思います。
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直前投稿のタイトルと坂本義孝氏勤務校名の不手際をお詫びします。 ( 睡り葦 )
2017-09-10 13:20:21

 8月27日の弊投稿において、「ありがとうございます。」とするつもりのタイトルに不手際で「トランプが心配です。しかし、もし。」と、意図せず加えてしまいました。
 何のことやら、とお思いになったかと思います。申しわけありません。

 ぶざまに開き直り「トランプ心配」にこじつけて勢いでえらそうに断定調で書きますと、心配とは議会との対立から財政赤字上限引き上げ不能によって米国政府機関の閉鎖と米国債のデフォルトのおそれがあることです。
 米国内の政治経済社会が非常に不安定になり、世界規模の金融パニックに火がつく可能性があります。

 トランプ大統領がこの危機をあらたな戦争に転化して乗り切ろうとするとは思えませんが、強固な力を持つ戦争勢力の跋扈に引きずられてきわめて不安定な立場に陥ると思います。そこであえて金融破綻の引き金を引いてしまうというウルトラCの敢行がありえます。

 北朝鮮に対するトランプ大統領の「戦争瀬戸際姿勢」は、北朝鮮指導部の背景に存在する反トランプ勢力といいますか、米国の99%に対して敵対的・奴隷的支配をしている米系戦争勢力を明確に意識しての「逆手戦術」であると睨みます。
 本ウェブログ2017年9月7日の「大日本帝国の後継国家としての北朝鮮に経済制裁は効かない」という意味深いタイトルの記事において関さんが明確に見抜かれていますように、北朝鮮は国民の生活と安全を意に介する指導者に率いられてはいません。
 彼らは米系戦争勢力の振り付けによって踊るために、軍事技術・武器資材を含むあらゆるリソースを横田・平壌間の北朝鮮「特産品」密輸ルートで得ていると思われます。
 関さんが参照された朝鮮労働党幹部のインタビュー応答に、気のせいでしょうか、和訳のしかたによるのでしょうか、米国に対する attachment と言えるような情動が奇妙にあらわれているように思えます。

 経済制裁を受けて苦しむのは、彼らによって国際的に孤立させられてきた気の毒な北朝鮮国民のみで、けっして指導部側ではありません。
 そういえば、プーチン大統領は、韓国大統領から求められた石油禁輸について「民間分野への被害が懸念される」と否定的だったとのこと。おそらく、北朝鮮の無辜の民衆を「民間」と表現しているものと思われます。
 関さんの慧眼に通底するところから、プーチン大統領は「制裁ではなく支援と投資を」という主張をしていると思えます。虎の威を借る金正恩一派と「北朝鮮の99.9%」を区別して考えるべきであろうと。そして、この双方を国際的に孤立させて退路のないところへ追いつめてはならないと。

 それゆえにプーチン大統領は、北朝鮮の挑発に軍事的に対抗することは「不可能」であると考えるべきだと主張しており、北朝鮮指導部を使嗾した挑発に乗って軍事的手段に手をかけることは、自分たちが勝つという思い込みによって世界核戦争を待望している米系戦争勢力の思う壺に嵌まると言いたいのではないかと想像します。

 リベラルを装う米マス・メディアや政経エスタブリッシュメント、および軍産に二重三重に取り巻かれて十字砲火を浴びながらなおトランプが土俵を完全には割らないでいるのは、日本ではまったくわからないことですが、トランプを追い落とそうとする既成勢力に対して大衆が芯からウンザリしていて反トランプのリベラル&富裕勢力に絶望感を抱いており、彼等にかわらぬ冷たい視線を向けていることから来ると思います。
 かって猖獗をきわめた「グローバリズム賛歌」が気づけばすっかり色あせたことにあらわれていることが、彼らが米国を拠点または道具とする力が弱まっていることを示すものであると思います。
 世界でいま彼らの思いのままになるのは北朝鮮金正恩指導部と異様な劣化がはなはだしい日本の支配層だけになったのではないでしょうか。
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